さっちゃんのトマト定植

先日木の花ファミリーブログの「さっちゃん物語 〜乳ガンをいただいて」にてご紹介したさっちゃんが、トマトの苗木の定植をしました。

素手に裸足で定植をするさっちゃん
素手に裸足で定植をするさっちゃん

この定植、見ての通り、素手に裸足で行っています。これは、ウラジーミル・メグレ著『アナスタシア』という本を読んだ、育苗隊のきょうこちゃんの提案によるものです。

『アナスタシア』はロシア発の世界的ベストセラーで、日本でも第3巻までが出版されています。シベリアの森の中に住むアナスタシアという女性が、既存の社会の価値観を超えて人間の存在とは何かを伝えてくれる物語で、インターネットのレビューには「感動で涙があふれた」「すべての人に読んでほしい」などの言葉が並んでいます。その世界観は木の花の日々の暮らしとも深く通じていることから、ただ今メンバー(特に女性)たちの間で密かなブームになっているのでした。

この『アナスタシア』の中に、植物について書かれている章があります。
植物の実には人間が作るどんな薬よりも病と戦う力があり、実になる前の種に自分の体の状態を知らせておくと、種は宇宙や地球からその人に必要なエネルギーを吸い込み、その人がお世話をしていくことで、その人持つ病を癒やす力のある実を実らせる ――――
そこで、普段はおひさまハウスひまわりで家事をしているさっちゃんが、トマトの播種(種まき)からやってみよう、ということになりました。

口に含んだ種を両手で包み、その種を空に向けて天体に見せる。その瞬間、種は発芽の時期を決め、全ての惑星がその新芽が必要とする光を降り注いで、手助けをするのだそうです。そうして蒔いて、育てた苗木を、今度は畑に植え替えます。

定植は、素手に素足で行いました。

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体の病に関する情報を含んだ物質は足から汗として流れでて、苗木はその情報を取り込み、実に運んで、病と戦う力を蓄えるのだそうです。だから時々畑を裸足で歩くといいのだとか!
 
品種は「まほうのトマト」です。

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さっちゃんに感想を聞いてみると、
「すごくリッチな気分(笑)。自分のためのトマトなんて、贅沢だと思わない?それをみんなが手助けしてくれるんだよ。みんながいろいろ用意してくれて、私は種まいて定植するだけ。自分の頑固さからガンになったのに、こんな特別待遇でよろしいんでしょうか(笑)。
植物はその人の情報を取り入れて、その人に足りないものを実らせてくれるみたい。植物って、与えるばっかりなんだって。やさしいね。人間は、もらおう、もらおうってするのにね。」

 
いつも長靴を履いて畑を歩いていたきょうこちゃんも、さっちゃんと一緒に裸足で歩いたらとても気持ちよかったのだそうです。
 
 
さて、さっちゃんのまほうのトマトは、どんな実を実らせるのでしょうか。
これからも、皆さんにお伝えしていきますね!
 
 


さっちゃん物語 〜 乳ガンをいただいて

2年前にメンバーになったさっちゃんは、家事と子育てが担当。16年前にもメンバーになりましたが、一度ここを離れ、再び帰ってきた“出戻り組”でもあります。
昨年10月に乳ガンであることがわかり、大きく変化しつつあるさっちゃんを、今日はご紹介します。

さっちゃん
さっちゃん

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木の花のことを最初に聞いたのは、子どもの幼稚園で一緒だったお母さんから。無農薬で農業をやっていて、子どもも一緒に農作業できて、ごはんも食べられるよって教えてくれたの。それで子どものためになるかと思って来てみたんだ。
そのころ、私は育児で悩んでて。子どもが学校でなかなかみんなについていけなくて、問題があるのかと思って精神科に行ったら「お母さんがおかしいんです」って言われて、でも自分ではどうしていいのかわからなかった。それでここに来て、いさどんからも「問題があるのは子どもではなくあなた自身」と言われてびっくりしたの。話を聞いてみて、面白いことを言う人だなあと思った。それで、ここに通うようになったんだ。

時々来ては農作業を手伝ったりしていて、ある日お昼寝をしてる時に、夢を見たの。黄金のお釈迦様が雲に乗って現れて、目の前に来たところでパチっと目が覚めた。
そのことをいさどんに話したら「おまえはお釈迦様の弟子だよ」って言われたの。それで舞い上がっちゃった。自分は素晴らしいものなんだ、って勘違いした (笑)。

友だちのあきちゃんにも紹介をして、二人でいさどんの話を聞きに通い続けたんだ。そしたらそのうちにあきちゃんが移住することになって、私もライバル意識で、移住することにしたの。家族は反対したよ。でも追いかけては来なかった。
その少し前にね、30年後の自分を想像してゾッとしたことがあるの。このまま主婦やって、毎日ぐうたら昼寝して、何も変わらないまま年を取っていく自分の人生を想像して、ゾッとした。
そこから逃げたい気持ちもあったんだよ。PTAの役員も面倒だし、周りとの人間関係もうまくいかないし。そういうことから逃げたかった。それで離婚して、二人いた子どもの一人だけを連れて、ここに来たんだ。
  
120410-111544移住して、最初の頃は楽しかったよ。心の話がすごく楽しくて、大人ミーティングで寝てる人を見ると、何で寝てるんだろうって思った。
でも実際に生活していくうちに、だんだんしんどくなって、ミーティングでも眠くなるようになったの。だけどいいかっこしいで、正直な気持ちを言えなかった。作業でも失敗ばかりで、自分を良く見せようと嘘をついたりして、それに対してみんなが伝えてくれる言葉も、責められてるようにしか思えなかった。誰にも相談できなくて、絶望的な気持ちだった。

私のようすがおかしいので、みんなから「出て行った方がいいよ」って言われたの。私はこの生き方をするために生まれてきたから、ここを出ることはできない、と思ってたんだけど、いさどんから、それはあなたの思い込みだよ、ここを出ても自分にふさわしい幸せな道があるのだから大丈夫だよ、と言われて。
それで、メンバーになって3年で、ここを離れたんだ。
  
実家に帰って、最初は泣いてばかりだった。自分は根性なしで嘘つきで、みんなみたいに人のために働くことができなかったって、挫折感でいっぱいだった。
でもね、恨む気持ちはなかった。ただ怖かったの。みんなに責められているようで、正直が出せなかった。それでも、ここのみんなが私のことを一番よく考えてくれている、ということだけは、よくわかってた。

木の花だけが道じゃない、とヤマギシ会に行ってみたり、宗教をやってみたりしたけどそれも続かなくて、自分は本当にダメな人間だと思ってた。いつもイライラしてて、不安定で、毎日が辛くて、なんとか生きがいを見つけようと空手を始めたの。大会に出て、自分の弱いところと向き合って成長しようと思った。
だけどね、ダメな自分ばっかり出てくるの。勝ちたいっていう欲が強くて、結局簡単なミスをして負ける。試合に勝ちたい、かっこつけたい、人から羨ましがられたい。だからかえって転ぶ。そういうパターンだった。
情けなかったよ。その仕組みがわかってるのに、それを繰り返しちゃう自分が、情けなかった。余計な欲がない時は勝てるのに、それがわかってるのに、どうしてもそっちに行けなかった。だから、負けるのは当然だと思ってた。
  
それで10年くらい経ったのかな。
131116-171233やっぱりね、木の花を恋しく思うの。おいしいごはんを思い出したり、えいこばあの里芋の煮っころがしが食べたいな、とかね。それで、夏に1度来てみたの。
玄関を開けたら、ちなっぴーとかずこちゃんがいてね。当たり前のように「さっちゃん、おかえりー」って言われたの。まるでほんの何日か旅行に行っていただけのように。びっくりしたよ。
それでいさどんに会ったら、「帰ってきたか」って。それでね、昔とまったく同じことを言うの。それがすごく不思議だった。だって毎日毎日いろんなゲストが来て話をしていて、10年前に私に何を言ったかなんて覚えてるはずがないでしょ。それで、やっぱり本物なんだ、って思った。嬉しかった。
  
私ね、いつか自分はここに戻るんじゃないかって、ずっと思ってたの。だから、離婚した時に本籍を木の花の住所にしたんだけど、実家に戻ってからもずっとそのままにしてた。今はまだ、自分の人間性がふさわしくないから戻れないだけなんだ、って、心のどこかで思ってた。
何度か遊びに来るうちに、あきちゃんから「諦めなければいいんだよ」って言われたの。こんな私でも、諦めなければ何とかなる。それで、もう一度来ようと思ったんだ。
  
本当はね、まだまだ普通の生活に未練があったんだよ。ファーストフードが食べたいとか(笑)。でも仕事を辞めたり母親が亡くなったりしてトントン拍子で移住の流れが進んで、心が定まらないまま再びメンバーになっちゃった。
そんな状態だから、やっぱりいろんなことが起きたよ。本当は外に未練があるのに、またいいかっこして頑張ってるふりをしてるから、無理が生じていろんな現象をもらった。食欲もなかなかコントロールできなくて、食養生(砂糖や熱した油を摂らず少食にする)を始めたの。それでもなかなか欲が抑えられなくて、覚悟ができずに気持ちがグラグラしてた。そうしたらその1か月後に、乳ガンであることがわかったの。
   
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ガンだと聞いた時、びっくりはしなかった。どこかで、そうなる気がしてたから。
自分にはそれが必要、っていうのかな・・・・自分の思い通りにならない方がいいんじゃないかって思いがあったの。ちょうど食養生をやめようかと思ってた時で、胸にしこりを見付けて病院に行く時に、このままガンじゃなくて食養生やめられることになったら変だよな、と思った。だって、それでは自分の「こうしたい」って欲が通っちゃうことになるでしょ。それが満足させられる道はおかしいなって思った。
  
考えてみると、自分の思いが通るっていうのは、人生で経験したことがない。思いがすっと通る人と通らない人がいて、私の場合通らないのが当たり前だった。なぜかって、欲が強いから。それはわかるの。
だから、ガンだと言われた時にも、自分にはそれが必要なんだ、ってどこかでわかってたんだ。
   
131231-232400なぜガンになるのかという心の仕組みも、ここで学んだ。頑固な人や、心の中に恐怖や怒りを溜め込んでいる人はガンになりやすいって。
だから、ガンになったことをみんなに伝える時には、蔑まれるんじゃないかって、内心隠したいような気持ちだったの。そうしたら、みんなの反応は全然違った。「いいものいただいたね」って。お気の毒に、という人は一人もいなかった。あっけらかんとして、じゃあ食養生続けるといいねー、って。みんなが、やさしかった。
   
私ね、昔から、いつもどこか焦ってたの。自分は人より遅いとか、頭が悪いとか、仕事ができないとか、コミュニケーションがうまく取れない。そういう劣等感を何とか挽回しようと思って、いつも焦ってたの。今でも時々、やることがいっぱいになると息が苦しくなってハアハアしてくるの。でも周りから「ハアハアしてるよ」と言われると、はっと我に返って、やめられる。前はやめられなかった。いつも呼吸が苦しかった。
   
それができるようになったのは、みんなのことを信じられるようになったから。みんなが、善意で言ってくれてるのがわかるの。そして、できない自分を認めてくれているのがわかるの。
ガンになって崖っぷちに立って、初めて自分の弱さを出せるようになったんだ。だって、もう後がないから。ここで自分の心を正直に出さなかったらガンはよくならない、と思って、思い切って、自分の中にあるこれまで出せなかったものを全部、出せるだけ出したの。そうしたら、みんなは私を蔑むんじゃなくて、そんなことたいしたことないよ、みんな同じだよ、って。ホッとした。なんだ、自分だけじゃないんだ、って。
今までは、自分の汚れを認めるのが怖かったの。みんなにそっぽ向かれるんじゃないかと思って、ずっと隠してきた。でも、実はそんなことみんなは知ってたんだね。なんだ、バレてたんだ、って(笑)。
大事なのは、その汚れた心を持っていることを肝に銘じて、その自分を超えるために歩んでいくこと。それがわかったんだ。
   
140423-191620もしもここに来ていなかったら、ガンだってわかった時に、きっと絶望して、恨んで、人にあたったりしてたんじゃないかなって思う。何でガンになったのかを振り返ることもなかったろうし、周りも当たらず触らずの扱いで、木の花のみんなのように心の中に踏み込んでくることはしなかっただろうと思う。
自分の心は重たいままで、絶望の中で暮らしてたんじゃないかな。
   
今はね、みんなが自分を後押ししてくれたり、言葉をかけてくれたりした時に、胸のところに、ちょうどガンのあたりに、ほっと明かりが灯るような感じを、よく感じるの。昔は顎関節症になるくらい、いつも緊張してたのに。
包まれてるような感じがあるの。ああ、これが愛なんだな、って。ずっと、自分は本当の愛を知らないと思って生きてきたんだけど、愛って、本当に自分の目の前にあるんだよ。それに気付いたら、もう怖いものは何もないね。嬉しいね。
   
今、体が疲れやすくなってるから、朝に疲れがなくスッキリ起きられるとすごく嬉しいんだ。夜寝る前に、明日もスッキリ起きられますように、ってお祈りするの。そうしたら、みんなのために働かせてもらえるから。
疲れて大人ミーティングに出ないで寝ちゃった時は、翌朝がっくりして、また寝ちゃった、って情けなくて涙が出てきたりもする。疲れると、こんなんじゃダメだ、何で自分はできないんだ、って思い始めるの。だから、そういう時は休む。そして元気になって、空気の良い自分でいられるように。
こんなにバカな私でも、こんなに元気に生きられるんだよってことを伝えたいんだ。病気で苦しんでる人や、孤独を感じている人や、頑張りすぎている人に。
   
131201-010328 のコピーカタカムナ勉強会の時に、講師の芳賀さんに言われたんだ。「大丈夫ですよ。人はガンで死ぬんじゃなくて、寿命で死ぬんですよ」って。そうなんだよね。
ガンがわかって、始めの頃はシモンとかにんにくエキスとかビワの粉末とか、治療に効果があるって言われるものを大量に摂ってたけど、今は全然摂ってないんだ。自然になりたいな、と思って。何かで治療するとかじゃなくて、心で治っていくといいな、というか、心が良くなっていけばいいなって。寿命で死ぬだけだから。
必要になったら、またその時に始めればいいんだしね。
   
ガンがわかった時、最初に病院で、手術よりも食養生で治したいと言ったら、そんなことをやったって良くなる人なんていないって言われたの。それで、手術をする方向で話を進めていて、私もその通りにするつもりだったんだ。
だけどこの間検査に行ったら、ガンの状態がすごく穏やかで落ち着いてるから、自分がやりたい治療をやっていいですよ、って言われたの。それで、今自分がやっていることを先生に伝えたら、病院だってガンを切ることを目的にしてるわけじゃなくて、要は患者さんが治ればいいんです、って言ってくれたの。最初はお説教されたのにね(笑)。それがすごく不思議。
   
昔、「おまえはお釈迦様の弟子だ」って言われて自分は特別なんだって有頂天になってたけど、もうね、そういう時代じゃないなって思う。誰かが特別とかじゃなくて、みんなで響きあうというか。私がそう言われたことも、ここに来るための一つのアイテムに過ぎなかった、というかね。
今カタカムナを学んでいることも、みんなの中にあるものが開かれていく、一つのきっかけなんだと思う。
みんなの中に、すごく、愛がたくさんあるんだよ。
  

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