「元気」はすぐ隣りにある 〜 ゆきちゃんの自然療法体験記

今月、50代の主婦の女性が、自然療法プログラムを卒業しました。女性の名は「ゆきちゃん」。反復性鬱と軽度の双極性障害という症状を抱え、自然療法プログラム“主治医”のジジから「あなたはこのプログラムで鬱病が治らない初めての人になるかも」と言われた彼女の、プログラム体験記をご紹介します。
以下は、サポーター(滞在者の日常生活をサポートする担当者)のみかちゃんがまとめたケアレポートです。


ゆきちゃんの自然療法プログラム物語

2月19日、有希子さん(以下「ゆきちゃん」)は自然療法プログラム(以下「ケアプログラム」)を希望し木の花ファミリーを訪れました。
相談の内容には「何もやる気がせず、家事や子育てが苦痛です。朝、なかなか起きられず、何とか起きた後、子供たちが帰ってくるまで寝ています。不安と孤独でいっぱいなので改善したいです」と書かれていました。5年前に心の病を発症した彼女は、医者から反復性鬱と軽度の双極性障害と診断され、入退院を繰り返していました。

初回の面談でケアプログラムの主治医であるジジは、「鬱病は物事の捉え方の間違いが矛盾を生むので、その整合性を取るようにすればよいのです。それを改善するのはそんなに難しくはありません。僕は長年このプログラムを提供していますが、鬱の症状でこのプログラムを受けて治らなかった人は、僕の記憶する限りいません。」と語りました。

それから、主治医はゆきちゃんの人格と病気発生のメカニズムについて説明しました。
「あなたは思考エネルギーが強く、考えをまわすことで思考が暴走する傾向があります。その精度が悪い思考でイライラを発生させ、その結果せっかちに見当違いな結論を出し、やることがうまくいかず、さらにイライラを増幅させていました。その状態が進んでいくと客観的にみえる自分自身の姿に失望しますから、自信を喪失して、鬱になっていました。
そういった人は、「こうなりたい」という願望が先にあり、漠然と精度悪く考えているにも関わらず、強引に確信めいた結論を出す傾向のある人です。しかし、思考のプロセスが雑なので、思ったような結果に至らないのです。
物事は精度よく捉え、シンプルに結論に繋げていくことが大切です。
あなたの鬱は考えをまわすエネルギーが強く、強引に結論にもっていく陽性鬱といいます。陰性の鬱は、浮き沈みはなくずっと沈んでいますが、陽性の人は上がったり下がったりと躁と鬱を繰り返す傾向があります。その人それぞれの個性に基づいた捉え方をしない精神医療関係の人々には、このように分析する発想がないので、症状に対する対処療法的な薬の処方や、ただ寄り添うだけのカウンセリングを提供するのですが、それで健全になることは難しいのです。
あなたが歓迎しない出来事は、それを生み出すような思考をあなた自身がしているから起きるのであり、その思考のプロセスを明快に理解し、やめればよいだけのことなのです。しかし、そのような結果を生み出す仕組みを知らなければ、やめることはできません。ですから、その歓迎しない出来事を引き起こす原因である、あなたの悪思考であるカルマをコントロールすれば、止めることができるのです。自らの日々の思考習慣を理解し、それがコントロールできる状態になれば、以前のような不遇な毎日に戻ることはなくなります。
しかし、今あなたの精神構造を分析してみると、もしかしてあなたは、今回初めて治らない人になったりして(笑)」
主治医はそう語り、初回面談が終了しました。面談の最後には、毎日日記を書くという課題が出され、ゆきちゃんのケアプログラムがスタートしました。ケアプログラムには、身近な立場で生活をサポートするサポーターがつくのですが、今回は同じ東北地方出身で偶然にも誕生日が同じ日である、10歳年上のみかこがサポーターを務めることになりました。

一週目

一週目は、コミュニティの環境になじむため、課題として日記を書く以外は、一日をフリーに過ごしてもらうことになりました。自主的にキッチンで軽作業をすることもありましたが、不安から起き上がれなくなり自室で休んでいることも多くありました。
コミュニティのことを知るために、他のゲストに向けて行われる施設や田畑等の見学ツアーやプレゼンテーションにも参加するようサポーターが勧めましたが、ゆきちゃんは心が不安定のためどちらも参加できなかったり、ゲストに対して行われるウエルカムコンサートに参加しても、内容があまり聞けていない様子でした。

日記には、自信がない、不安、健康な人がうらやましい、みんなといても孤独、くたくたで休んでいた、といったネガティブな内容が多く綴られ、それに対し主治医から、心の持ち方についてのたくさんのコメントがありました。そのコメントに対して、ゆきちゃんは感情的になる傾向がありました。

プログラムが始まってちょうど一週間目に行われる「一週間面談」で、主治医は次のように語りました。
「この生活に慣れるための初めの一週間は、感情の波があり、面白いと思って見ていました。感情に波があることは想像していましたが、対応の仕方によっては、あなたのようにエネルギーが強い人は心が暴走し、その心を静めるのに手間がかかるので、もっと過激に指摘するべきところをほどほどにし、あなたとのゲームをやるように配慮していました。あなたは一人ゲームをやっているので、こちらから見ると笑えるのですが、本人が真剣なのにこちらが笑いすぎると、あなたは心に余裕がないので深刻になり、そこにはまると取り返しがつかなくなることもあるので、そうならないように配慮していたということです。
心の波は出来ればない方がよいのです。波がなく、冷静な状態で自分の心を客観的に眺める姿勢ができると、環境や出来事が変わっても、常に安定した思考が不安定なあなたの性質に対してイニシアチブをとれるようになります。客観的な立場に立てれば、自分のことでも笑ってみることができるのです。
あなたは、一見穏やかな顔をしていても心の起伏が激しく、カルマに翻弄されています。思考の組み立てが道理から外れているので、良い結果に繋がりません。あなたがやっていることは、その道理が見えるものからすると本当につまらないことなので、それはやめればいいだけのことなのです。僕の言っていることはとても適切な事なので、その捉え方を学習し取り入れれば良いのです。
カルマは自分を翻弄しますが、それに対しハイヤーセルフ(神我)が誰の中にもあります。カルマもあなたの人格の一部なので、それが望んでいることを理解し、カルマの理解者として対応してあげると、カルマはおとなしくなり、自分の味方をしてくれるようになります。
しかし、道理の外れた考えをしていると、カルマはそこに付け込んで増長してくるのです。あなたはそういった精神的状態が病的なところまで進行しているのです。神我の柱を立て、その柱に沿ってカルマをコントロールしてやると、カルマもあなたが生きていくための役割をしてくれるようになります。」

二週目

二週目は、規則正しい生活をしようというテーマが与えられました。ゆきちゃんはそれを心がけましたが、日記への主治医からのコメントで自身の心の癖を指摘されると「責められているように感じる」「(主治医から)日記が堂々巡りしていると言われたので、なかなか日記が書けなかった」などと感情的に反応する傾向が続き、部屋で悶々と過ごすことも多くありました。日記の書き方で悩み、日記のページを破いたり、「帰りたい」とご主人にメッセージを送ったり、食事時の会話でも帰ろうかと思う等の発言があったり、また、主治医からの日記のコメントをネガティブに捉えて翌日臥せったりと、不安定さが続きました。

二週目の最後の日記に、主治医は以下のようにコメントしました。
「こちらが伝えようとしていることが受け取れていません。この世界で起こる出来事は、自らにふさわしく起きており、それは自業自得の世界であるということを受け取らないからこそ、あなたは堂々巡りの思考の中で迷っています。
学んで成長することが嫌ならば、この取り組みをやめればよいのです。しかしそういった思考を持ち続ける限り、そこから抜け出せません。明快な回答をいくらもらっても、自分が正しいと主張して受け取らず、それどころか腹を立てているようでは、このプログラムをやる意味がありません。」

「二週間面談」では、主治医は以下のように語りました。
「あなたは客観的視点を持てていないので、僕はあなたに代わって、あなたが健全になるために、あなたが自分のことをどう受け取ったらいいかを伝えているのですが、あなたはそれに対して感情的になっています。
この取り組みをして二週間が経ちました。あなたの味方をしているのは僕の方で、あなた自身は、自分の癖性分の問題点を日記で綴っているにも関わらず、自分を良くしようとしていません。これは、簡単に言うとカルマの誘惑に負けているということです。自分を正そうという心と、自分を貶めようという心の、ふたつの心があり、貶めようという心が勝っている状態です。どちらも自分なのだから、自分を改善しようという心を優先することが、本来人として必要な事です。それが人生を安定して生きていくためのコツです。
本当に効く薬は、その症状が出てくる仕組みを正確に伝えてあげる事ですが、それはカルマが一番嫌う事です。そこであなたが健康になる方向を選び、カルマにその決意を伝えることが、あなたを根本的に健康に導く方法なのです。
今のあなたは、自らが改善しないように頑張っています。その自分の姿勢を悟って切り替えるだけです。今、あなたに足りないのは素直さなのです。
宇宙の法は、人を正しく成長させるためにあります。因果応報の法に基づいて、その人にふさわしい出来事を与え、そこから人は学んで精神が高まるようにできています。そして、少しでも、人類がこの世界を創った大いなる意思のもとに近づいていくように、宇宙は現象を私たちに与えてくれているのです。ですから、良い事も悪いことも全て善意なのです。だからいつも学びをいただく精神でいなければなりません。そうすれば出来事は良い流れの中で心地よく流れていきます。全ては良きことのためにあるのです。」

三週目

二週間面談の翌日、ゆきちゃんはいつもより朝早く起きてキッチンの手伝いをしたり、その晩のコンサートにも出て、最後の曲ではみんなと踊ったりもしました。昼食時には、「部屋で一人でいるより、何かしている方がネガティブな思考が回らないのでいいかなと思って。自分と向き合うということは、一人で思考する事じゃないんですね」と話していました。
日記には「自分の主観の強さ、我の強さが出てくるのを自覚して、それが正しいという思いを外して、素直にくみ取るということをやっていきます」と書かれており、振り返る姿勢も見えてきました。
この週は、ビニールハウス等での外作業に出たり、以前行くことができなかった見学ツアーに参加したりと積極的に行動しましたが、活動的な日があると翌日疲れるという傾向も見えました。

「三週間面談」で主治医は以下のように語りました。
「三週間が経って、こちらが求めるレベルになってきました。このままの状態が継続していくと、四週間を区切りにしてこのプログラムも一段落という先が見えてきています。そこからあと一週間で最後の仕上げという段階に来ています。“私の症状は何だったのか?”という気づきのスタートが遅かったので、それを完全に自分のものにするのに、さらにもう一週間必要であるというのが現段階での僕の見通しです。
今までのあなたは、湧いてきた重い考えが自分の心の負担になっていましたが、今はそれを振り返って分析する力がついてきています。それが確かなものになれば、ネガティブにならず冷静に自分をコントロールすることができます。サポーターが記録しているこの一週間のケアプログラムのレポートを見ると、まだ心の波はありますが、三週間経ってやっと手ごたえが感じられるようになり、見通しが立ってきました。
通常、三週間面談は第四コーナーを回るラストスパートで、生活にリズムが出てきて、良い一日を過ごせるようになります。自分で自分を貶めていたことに気付いて、なんて馬鹿なことをやっていたんだろうと、笑えるようになると良いですね。」

四週目

この週は海外からのツアーがあり、そのためのおもてなしの準備を手伝ったり、ビニールハウスで農作業をしました。日記には、作業体験の内容と心の動きが書かれており、主治医からは以下のコメントがありました。
「一日を充実して過ごすと、時間が経つのを早く感じます。それは心が充実しているということです。そういった姿勢を自分の中に安定して保てるように心がけて下さい。」
しかし、二日頑張ると三日目は疲れて休んでしまうという傾向がみられ、なかなか生活のリズムは安定せず、ネガティブな思考がまた回りだすことが繰り返されました。

「四週間面談」で主治医は以下のように語りました。
「頑張ってやると翌日疲れるような事では、実力とは言えません。評価されるためにやるのでは実力にはなりません。安定した精神状態になるために、不十分なところは自己コントロールし、満たされているところは維持していく。頑張ることではなく平常心で取り組んでいくことが大切です。
“病気”に対する言葉として“元気”という言葉があります。これは“元の気”と書いて、元通りの状態に戻ることを意味する言葉です。それは、余計なことは考えず必要なことを考え、必要な行動をとるという、きわめて冷静な状態です。病気の状態であることは異常な状態で、本来あるべき状態ではないことを維持しているという事です。ですから、その異常を取り除くと元通りの元気になります。
そういった意味では、この自然療法プログラムは治すためのものではなく、自分の状態が異常だった事に気づくことで、自然に元に戻っていくことを促すプログラムなのです。
だから規則正しい生活をまずはベースにして取り組みましょう。一日は毎日規則正しくやってきます。夜が明けて、朝が来て、昼が来て、夕方が来て、夜眠くなって眠るのです。それに合わせて、規則正しい生活を送ることがポイントです。
それは『規則正しい生活を送らなきゃ』と僕が言うからやるのではなく、自分発で正常に戻っていくという発想に切り替えるべきなのです。僕は治してあげる立場ではなく、あなたがどういう状態になっているのかを分析してアドバイスしている立場です。それを取り入れて実行するのはあなたです。それを取り入れて実行するから、あなたの人生に正常となって現れるのです。
僕の感覚からすると、あなたが安定した日々が送れるようになるのは、あともう少しです。それは、あなたのすぐ隣りにあるのです。
次の一週間のテーマは、改めて規則正しい生活を送ることです。自分の心に任せて怠けて一日休むより、未知なる世界に一歩踏み込んだ時に、新しい景色が見えて来て、時間が新鮮な自分を与えてくれるようになります。」

五週目

この週から、午前中はいちごのビニールハウスで軽作業をしてはどうかという提案がメンバーのみきちゃんからあり、ゆきちゃんは少し及び腰ではありましたが、そうすることにしました。しかし、三日半なんとか作業をすると、その後は疲れて部屋で休むというように、なかなか安定した日々の連続は難しい状況が続きました。また、家に帰ったら何をしようという考えが渦巻くようになりました。

「五週間面談」の冒頭で、こちらから送ったゆきちゃんの四週間のケア記録を読んだご主人からの返信メールが読まれました。
メールの冒頭には、ゆきちゃんが自然療法プログラムを受けるために家を出ていく時、もう戻ってこないというような勢いで出て行ったことが書かれていました。さらに、ケアプログラムの参考になるようにと、家族とゆきちゃんの関係性、家庭でのゆきちゃんの様子、彼女と両親の関係性などが書かれていました。病気を患ってからの5年の間に家を出ていきたいというようなことが何度もあったことなども書かれていました。
主治医は、こちらへ来るときに家に帰らないような勢いで出てきた事や、家を出たがることが何度もあったという事の背景には何があるのかとゆきちゃんに問いかけました。ゆきちゃんからは、「今までできていた家事ができなくなり、家族に申し訳なく自己嫌悪に陥り落ち込んでいました。そしてできない自分を責め続けるのが苦しくなったのです」との答えが帰って来ました。
それに対し、主治医は以下のように伝えました。「あなたは自分の家族を良い家族だと自ら評価していながら、自分がきちんと家事をやれないからという理由で家族から離れるというのは、独りよがりであり、あまりにも身勝手ですね。あなたはどちらかというとおせっかいなタイプで、夫からの手紙にもあるように、どちらかというと人のことを考えるタイプなのに、究極のところにくると人のことを全く考えていません。これは全くおかしな考え方で、改善するべきことです。あなたの精神的苦痛は改善するために起こっているのです。
精神科医に病気と認定されると楽になる人もいます。しかし、そういう方向へ行ってはいけないというのが僕の姿勢で、本人が病気だと認定してしまった場合、ここでは改善することが出来ないのでお帰り下さい、ということになります。あなたは独り相撲を取っているだけで、止めればよい思考をグルグル回しているだけです。隣りに改善の道があるのに、わざわざでこぼこ道を歩いているようです。自分で、馬鹿なことをやっていたなと自覚して、隣りの健全な道を歩こうと切り替えるだけなのです。」

それに対し、ゆきちゃんは、「どうしても病的な方へ行ってしまう」と言い、主治医からは「それではこのプログラムは終了です」ということを伝えられました。自分を引き戻そうとするカルマの方に行くのか、改善しようとする意志を持つのか、自分と対話してその回答を翌日の夜までに主治医に伝えることになりました。そして、翌日の面談で、ゆきちゃんはプログラムを続行してほしいと伝えました。

しかし、その二日後の夕食にゆきちゃんが姿を現さなかったので、サポーターが部屋に行ってみると、ゆきちゃんは床に倒れていました。サポーターは、気を失っているゆきちゃんをゆすり起こし、負傷しているところはないことを確認し、自力でベッドに移ってもらいました。
翌朝、ゆきちゃんの様子をメンバーのみちよちゃんが部屋に確認しに行くと、寝ぼけた様子で「ここは何処?」という返事が返ってきました。サポーターがそのことを主治医に伝えたところ、主治医はケアプログラムの続行は難しいかもしれないと判断し、再度ゆきちゃんにケアプログラムを続ける意思があるかを確認し、本人に意思が無いようであればご主人に迎えに来てもらう段取りをする事になりました。ケアプログラム続行の確認に対し、ゆきちゃんは帰るという結論を出したので、ご主人に連絡を取りこの件を伝え、およそ一週間後の月曜日に迎えに来てもらうことになりました。
しかし、ご主人は電話でゆきちゃんに、本当にここでプログラムをやめていいのかと投げかけました。翌朝、ゆきちゃんはご主人にやはりプログラムを続けたいと伝え、ご主人からこちらにその申し出があり、ケアプログラムは続行となりました。しかし、ご主人に現状を直接確認してもらい、最終的にこのプログラムが終了した後の自宅での対応の仕方についても直接お話したほうが良いという判断から、予定通り月曜日に来訪して頂くことになりました。

このことがあった後の三日間、ゆきちゃんは安定した日々を送りました。食事の時にはサポーターと「今日もいつも通り変わらず?」「そうです」といったやりとりをして、日記には日々の作業内容が淡々と綴られ、木の花ファミリーの中での役割(休憩時にお茶を準備する係になるなど)を与えてもらえることのありがたさ、木の花ファミリーのメンバーとの会話に参加できることが学びになること、入院しながらもゆきちゃんを気遣ってくれている義母への感謝なども書かれていました。

「六週間面談」で、主治医はゆきちゃんに以下のように語りました。
「僕はあなたに伝えたいことは大体伝えているし、あなたはどうしていくべきかも理解できているでしょう。それを行動に移して安定した日々を送れるという段階にきました。
最近の日記には、画期的ではありませんが、一日をスムーズに送ることができたことが書かれています。とびきり特別な意識に目覚めたという事ではなく、地味だけれど規則正しくリズムよく安定した毎日が送れることが、あなたに求められることです。自ら安定することを心掛け、あとは個性に応じてやっていけばいいのです。元の生活に戻ってもそのことを忘れずに生活し、家族に対して対応していってください。未来は未知だから、先案じして取り越し苦労の延長で暗くなるのは余計な事です。
それがわかってよかったという事ならば、今思ったのですが、月曜日に旦那さんが来た時に一緒に帰りなさい。」

月曜日にご主人が来た時に一緒に帰ってはどうかとの主治医の突然のひらめきに、ゆきちゃんも同意し、ケアプログラムを卒業することになりました。部屋で倒れて主治医からプログラムの終了を告げられてから、ゆきちゃんの姿勢は変わり、その後短期間で卒業を迎えることになりました。ゆきちゃんがご家族のもとへ改善された姿で帰ることは、私たちにとっても本当に喜びであり、こういったプログラムが地球にとって本当に大切であることを改めて実感させてもらえました。

主治医からはさらに、もっと柔軟性を身につければ、より良い人生を送れるようになることが伝えられました。あなたは本当に硬いから、硬い人が出るカタリンピックに出ると良いねと話し、みんなで笑いました。

最後に、サポーターのみかこからゆきちゃんへ。
ゆきちゃん、上がったり下がったり、怒ったり落ち込んだり、引きこもったり倒れたり、色々あったけれど、そうなる自分のからくりに目を背けずに、これからもここで教えてもらったことを思い出し、ご家族と共に良い人生を歩んでいけることを願っています。本当に卒業おめでとうございます。そして、ありがとうございました。

 


ゆきちゃんのプログラム卒業が決まり、4月4日、卒業コンサートが開かれました。木の花楽団と皆から様々な歌が贈られる中、ゆきちゃんは以下のメッセージを読み上げました。


自然療法プログラムの卒業を迎えて

今日はこんなにも温かい卒業コンサートを開催してくださり、本当にありがとうございます。2月19日に木の花ファミリーを訪れてからあっという間に45日がたちました。

自宅では閉じこもり、家事もままならず、不安になると抗不安薬を飲み、寝ている生活で家族に心配をかけている状況でした。そんな中インターネットで自然療法プログラムを知り、面談を申し込みました。

西富士宮駅に降りたときは、初めて訪ねる場所への不安がありましたが、優しい笑顔のこうちゃんが改札まで迎えに来てくれて、車で話す中で「地球家族だから」と言ってくれた言葉が心に残り、安心感に包まれました。

主治医であるジジとの初回の面談が行われ、名前や地球暦から見た人格分析も含めて、今まで出会ったことがない視点から人格や思考の癖を伝えられました。毎日の日記のやり取りが始まり、私が書いたことに対して、主治医からの客観的なコメントが丁寧に返ってきました。
私の思考はとてもネガティブで子供の頃のトラウマにとらわれていて、出来事から学ぶことをせず、被害者の意識で生き続けている状態でした。そして主観がとても強く、自我にとらわれていました。そのことをジジは日記を通して、面談を通して伝えてくれました。自分自身のために、家族と周囲の人達と共により良い人生を生きていくためにその状態を改善すること、具体的に行動していくようにと繰り返し言ってくれました。
しかし2週間が過ぎるまで、伝えられていることを受け取り切れず、抵抗感がある状態が続きました。そのような状態の私にサポーターのみかちゃんが毎日アドバイスをくれました。正直、素直、信じる心が大切であること、ジジのコメントの字面を追うのではなく、主観を外して、心で受け取ること。ジジもケアプログラム担当のピピもみかちゃんも「あなたは浅瀬で溺れているだけ。顔を上げてただ息をすれば良い。改善はすぐ隣にある。」と言ってくれました。少しずつ、少しずつ心にしみ込んでいきました。

そして、ファミリーの皆さんと生活を共にする中で今までにない価値観に出会い、小さく縮こまっていた私の心を広げてくれました。皆さんの暮らしの中にオープンに迎え入れていただきありがとうございました。
ケアプログラムに集中できるようにと生活全般を支えてくれたみちよちゃん、あっちゃん。自分の体験を話してくれたひろっち。いつもくったくなく明るく話しかけてくれた子供たち。毎日美味しく栄養たっぷりの豊かな食事を作ってくださったキッチンさん。また、キッチンにお手伝いにいくと快く迎えてくれて嬉しかったです。
ケアのサポートのために沢山の時間を費やしてくれたみかちゃん、夜遅くに部屋まで日記を届けてくれてありがとうございました。ピピ、ゆうちゃん、日記と面談の場でお世話になりました。なかのん、事務やプレゼンのこと色々とありがとうございます。デコちゃん、パン工房に行くときに誘ってくれて、いつも声をかけてくれてありがとうございました。
コンサートへの参加や食養生プレゼンを受けて、木の花ファミリーの神髄や芸術性にも触れました。

そして、3週間が過ぎ、まだ精神的に波がある状態の私の課題は生活リズムを整えることでした。とても基本的なことですが、思考にとらわれてしまい、なかなか安定して一日を送れる状態に到達出来ませんでした。
そんな中、みきちゃんが外のビニールハウスに毎朝手伝いに行くことを提案してくれて、かずこちゃんが送迎をしてくれました。そこでは、体を動かし、作物に触れて、太陽の光を浴び、風を感じて、みんなと共同作業をしました。畑隊の皆さんやゲストともご一緒し、休憩時間にはお茶を飲みながら話し、心の在り方の話題になることもありました。
みきちゃん、かずこちゃんは第2のサポーターのように気にかけてくれて、話しかけてくれて、支えてくれました。

卒業の間際まで体調不良を乗り越えられず、一度はケアを続けることが出来ない精神状態に陥りました。しかし、面談でジジにあなたの人間性は一生あなたについてまわると言われたことがどうしても頭から離れませんでした。ケアプログラムの提供の継続をお願いし、ようやく数日安定して過ごすことができました。

卒業するにあたり、ジジから伝えられたことは、まずは毎日をリズムよく安定して過ごし、その中で個々の出来ごとに出会って対処していくこと。ケアプログラムの滞在を通してずっと伝えられた客観的視点を持つこと、自我に陥らず、本当の意味で自分を大切にし、家族や周囲の人と共に人生を生きていくことを自覚したいと思います。

最後にジジ、私の小さな視点まで降りて、そして人生に関わってくれたことに感謝します。本当にお手間をおかけしました。

 


ゆきちゃんからのメッセージが読まれた後、主治医のジジから以下の言葉が贈られました。


ゆきちゃんの卒業に寄せて

僕はいままで何年この自然療法プログラムを提供しているのか、そして何人の人にこのプログラムを提供してきたのでしょう。ただ言葉掛けだけで人の人生が変わっていく。極端なことを言えば、精神的な病気のみならず物理的な病気も治っていくのです。改善というのは悪い状態から良くなるという事ですが、それはどういうことかというと、この取り組みの初期の段階では何らかのことが悪い状態になっているということです。悪い状態になっているということは、悪い状態になるように生きてきたという事です。

主観でみる人はその原因を色々考えるけれど、その考えの結果、そのような出来事や精神状態を自分が引き寄せたという事がポイントです。結局自分の人生に起きていることは自分にふさわしく起きているという事です。それがこの世界の仕組みであり、何か原因を発すればふさわしい出来事が還ってくるということです。そういった意味で言えば、この世界に起きていることのすべては学習のためにあり、その出会うすべての出来事を学習として会得することが出来たら、すべては良きことの為にあります。

それを学習しないでそのままにしておくから、悪しきことが起きるのです。当たり前のことです。では、どうしたらよいのでしょうか?

いま現実に起きていることが良くないことだとしたら、外の何者かがそれをあなたに与えたのではなく、自分がその状態に至るように歩んできたことを、まず理解することです。そしてその周りに関わっているものがいるとすると、その周りが原因で自分に起こった問題は、自分がそこに出会うべき生き方をしてきたことに対し、それをあなたに現し示してくれているのですから、その存在は神様のお使いだということです。
ですから、自分に起きることは常にふさわしく起きているのですから、それをもらって学習していくことを最優先事項として取り組めばよいのです。それでどんな問題事も問題事ではなくなります。今日の自然療法プログラムの卒業コンサートでは、サポーターのみかちゃんからボリュームのあるダイナミックなケアプログラムの報告がありましたが、これはとてもわかりやすい事例でした。ゆきちゃんの初回の面談の時に、「僕はずいぶん長くこのプログラムを提供していますが、僕の記憶ではうつ病の人でこのプログラムを受けて治らなかった人はいません」と伝えました。
私たちは今、目の前にある空間の景色を見ています。これはちょっと目線が違う話ですが、実は宇宙は私たちが認識しているこの世界に違う次元からメッセージをいつもくれています。ですから、天体と天体の関係は維持され、時間という奇妙なものがすべての存在を完璧に網羅し、人生においての旅をいざなってくれています。目線が変われば、この世界は驚異的な世界なのです。それをどんなに考えても、誰がスイッチを入れて、それがいつまで続いていくのかわかりません。

こういった、当たり前すぎて私たちが気づかない配慮。そのような存在は、あらゆるところから配慮され、私たちに届いています。例えば、今僕が話しているこのメッセージは、上空の空間に亀裂が入り、その隙間から私たちに気づきとしていつも与えられているものです。
そういった気づきのメッセージを受け取った結果として、ゆきちゃんの初回の面談のときに「今までうつ病でプログラムを受けて改善されなかった人は誰もいなかったのですが、もしかしてあなたが第一号になるかもしれません」と言ってしまったのです。いまから自己改善のための取り組みを始めようとしている人に対して、なんと酷なことを言ってしまったのでしょう。しかしそれは僕のせいであって、僕のせいではありません。その裂け目からメッセージが来たのです。やはりうつ病は改善されるためのメッセージです。

現代の社会は、物事が悪くなるように動いています。医療は病気を治すためにあるはずなのに、薬屋が儲かるための現場になっているでしょう?みんなが幸せになるために経済があるはずなのに、格差がどんどん出来て、お金を稼ぐためにみんなを消費の依存症にしていくでしょう?その代表的なものが医療で、その業界の人たちはみんな頭が良い人たちなのです。しかし、そういった立場の人たちは、世の中に病気が蔓延し継続することに支えられているのです。こういった不要な産業が日本の国家のGDPの大きな割合を占めています。
人は生命ですから必ず死ぬものです。その死ぬときに未練がなく、自分の寿命がきたと思ったら、今日は旅立つのにいい日だから旅立つね、みんなありがとう、というような爽やかな心になって旅立って行きたいものです。私たち現代人もそういった人間性になり、旅立ちを迎えるべきなのです。現実に人間以外の生命である動植物はみんなそのように生き、終わりを迎えています。僕はケアプログラムを提供しながら、人類にその大切を伝えたいのです。
このプログラムを、通訳を通して外国語で提供し、改善した海外の人も多くいます。僕は、こういった暮らしの中でみんなと協力し改善できることが、とても良い取り組みだと思っています。改めて大切なことをしていると自覚しています。
僕は自然療法プログラムの卒業コンサートのときに、卒業する人に対して、いつも卒業しておめでとう、そしてありがとうと言います。それは、卒業したあなたの実績が、私たちの実績としてここに残るからす。そしてその実績が一段積み上げられることで、さらに精度が高くなり、次の人に提供されます。ですから、これはあなた個人のために提供したことではなく、世の中を良くしていくための取り組みなのです。

あなたはこのプログラムの体験記をみんなの前で読んだでしょう?あの振り返りがいつも自分の中に生きていたら、もううつ病にならなくてよいのです。それは客観視点が育ったからです。
この一か月半の間、あなたは頑固で主観が強くて的外れだったでしょう?その頑固で主観が強くて的外れな自分を、家に帰って「私ってこんなに馬鹿だったのよ。馬鹿馬鹿しいからもううつ病やめちゃった」と明るい気持ちで家族に話すと、みんな明るくなります。今まではあなたがみんなを暗くしていましたが、今度はあなたが明るいスイッチを入れる人になればよいのです。なれますよ。なぜなら、何が問題かを分かってきたからです。
いつも卒業にあたってこの取り組みを提供出来て良かったと思う反面、さらに広く世の中を見ると、人間の営みは自然や地球に対してガンのようになっています。そのような人々でいっぱいなのです。やはり、この取り組みの輪は本当に大切であるということを自覚し、広げていかなければいけません。私たちはこの生活があるからこのプログラムを提供できているのですから、みんなも主治医のジジはすごいねと任せきりにしないで、自分がこのプログラムを支えている位の意識を持って参加してください。
みんなで考え、みんなで知恵を出し合って取り組んでいけば、問題事は問題事でなくなります。
大事な知恵はそろそろ頭で考えた損得ではなく、空間にピリッと裂け目が出来てサッとその知恵が降りてくる、そのような感性を磨く時代に入ったのです。
卒業おめでとう。あなたの実績が私たちに新しいデータをくれました。
ありがとうございます。

卒業コンサートにて 〜 ゆきちゃんとジジ

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