土壌の化学性改良(たんぼ)

今日は、田んぼの土壌改良。

今まで畑の土壌の化学性を整えることはしてきましたが、田んぼは水をはるころで化学性の欠点がかなり補われるので木の花でもあまり注力してきませんでした。

(例えば、燐酸の改良が施されていない有効態燐酸がゼロに近いようなクロボク土(火山灰由来の土)では、ほとんど野菜が育たないが、水田は、水をはるので、土壌に固定された燐酸が有効化します。火山の国日本で、これほどまでにお米の栽培が広がったのも、日本の火山灰由来の劣悪な化学性の土でも水をはることで克服できたからなのでしょう。また、今、もし火山灰土由来の土でお野菜が育っているとしたら、以前になんらかの燐酸補正などの土壌改良をかけたことがある事を示しているといえます。いくら自然農、自然農法、自然栽培といっても、そういった戦前戦後の改良をへているので野菜が育つのでーす。土台を作ってくれた先人に感謝です。

ちなみに、長野の中信農業試験場に、戦前当時からまったく燐酸の改良をされていない(有効態燐酸ゼロ)の畑が維持されています。そこでは、キャベツをうえても、苗のままで生長しない、そのまま大きくならないでとまってしまうのです。戦後、多くの土地が開拓されましたが、当初は、植えてもまったく大きくならなかったそうです。政府が補助して大々的に土壌の化学性の改良をおこなったので、今は、日本全国津々浦々、お野菜が育つようになった歴史があります。

さて、今年は、4枚の田んぼを試験的にPH改善して来年の成育や収量の様子を見てみようという事になりました。

ながれは、畑と同じで、土壌診断をしてから、改良が必要な場合は、緩衝能試験をして実際の畑や田んぼの土と改良に使う資材を反応させて量を決定します。その後に、改良をしていくというながれです

富士山と苦土石灰

1200kg/10aまきました。真っ白

こんな格好でまきます。自衛隊ですか?

富士山と田んぼのプリンスカトケンの上半身。それにしても何故裸?

 

 


夏野菜片付け

 今年は、夏野菜は好調でした。去年まで水田土壌だったところを、サブソイラーをかけ、緑肥をまき、土壌診断をして、塩基飽和度が30%から40%と低く、塩基不足による酸性土壌化が進んでいたので、緩衝能試験をしてから、苦土石灰による塩基補給とphの改善を行いました。

もともと、水田だったので、より早く生物性を改善するための微生物資材の投入。畝の上には、落ち葉や腐葉土をしきました。今日、片付けの際に落ち葉マルチの下をみたら、トビムシや徘徊性のダニ、ゴミ虫、ササラダニ、ヒメミミズ、団子虫、ムカデ、などなどにぎやかでした。土の表面もとても美しい団粒化が進んでおり、まるで雑木林のようでした。というより、ボカシなども追肥していたので、にぎやかさは、雑木林以上です。

土作りの大事な要素として、化学性、物理性、生物性と教科書には書いてあるが、真面目にこの3つを整えるとやはり良く作物は育ちますね。特に、有機農業の人たちは、化学性のアプローチをあまりしないので、土壌診断に基く化学性の補正をおこなっていけば、良質な野菜をつくりやすくなると思います。

ちなみに、人参、大根などは、木の花では緑肥をかませた無施肥栽培を行ってます。自家採種はしていますが、よくよく、よく出来る圃場をしらべてみると化学性が整っている圃場が多いですね。炭素循環農法を以前やったときも、化学性の整った圃場のほうが結果が早くでました。

当然だと思うのですが、忘れがちになるんだよなー。当たり前のことを当たり前にやっていこうとおもう今日この頃。

夏場のナス。よく取れました。この時点で背丈は2メートルを越えてました。溝施肥をしてあり、成育に合わせてボカシを追肥していく栽培の仕方。葉は、色が淡く小ぶりですが、病気にもやられず、うつくしいナスが取れました。

今日、なすの圃場を片付けました。2m50センチ近くになっていて、まるでジャングル。嬉しいのですが、片付けにくいったらありゃしない

たくさんの恵をありがとう。

 

おくらの種取り後の圃場。おくらは、3メートル以上になりました。八丈オクラです。モアで粉砕して来年の土作りの資材になります。

圃場のまわりに障壁で植えてあるソルゴー。背丈3メートルほど。

綺麗に種が実っていたので、来年のソルゴーの種取りをしました。ソルゴーの種は1kgで600円くらいするので、種代の節約になりました。これまた、ありがとう。


玉ねぎ定植開始

 玉ねぎの定植が始まりました。

極早生の苗。苗の圃場は毎年、固定しています。苗とり終了後は、エンバクを蒔いて、春先刈り倒した後、鶏糞を施肥して、ソルゴーを育てます。ソルゴー鋤き込み後に、畝を立ててビニールをはり太陽熱処理して、除草は苗取りまでしません。

定植用の畑。今年で連作2年目。6月に玉ねぎを収穫した後、土壌診断して緩衝能試験をした後、苦土石灰によるPH矯正をした後、牛糞堆肥と鶏糞をまいて、ソルゴーを育てて堆肥の成分を有機化して、鋤きこんで、玉ねぎにつないでいます。

定植機はないので、手で地道に植えています。みんなで話しながら団欒の時。

山に沈む夕日を見ながら、お茶休憩。

 

お天道様今日もありがとう。


木の花ファミリー通信 2012年10月号が発行されました。

月刊「木の花ファミリー通信」の10月号が発行されました。ぜひ、お読みください!

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いちご定植

施設を作っていて遅くなってしまいましたが、イチゴを定植しました。今までは、自家用に300株くらい作っていたのですが、今年は、キクラゲを以前やっていたハウスが、利用されないままのこっていたので、いちごの高設栽培をやってみることにしました。約800株ほどです。今年は、お試しでやります。

苗は、無農薬でやって、病気もなく作ることができました。いい感じです。品種は、あきひめと紅ほっぺ

潅水の装置。テネモス式の装置も設置してます。潅水の水の中に液肥やEM活性液・光合成細菌なども混ぜて、それをさらに装置でエネルギーを高める処理をして潅水します

総勢11名で定植しました。

いろいろな株間で定植してみました。実験なので、20cm、25cm、30cm、1条植え、2条植えをまぜました。慣行栽培では、株間をかなり狭めるのですが、農薬での防除などはできないので、病気を発生させない環境づくりをしようということで、基本、株間は広めに設定。まあ、いろいろと今年は条件設定を変えて試してみます

葉を3枚にのこして、寝かせるように定植しました。近所のイチゴ屋さんのアドバイスを聞きました。

定植を終わってほっと一息。

ちなみに、培土は、わたわたたに相談して進めました。いい土ができました。わたわたいつもたくさんのアドバイスをありがとう。そして、近所で苗のつくり方を教えてくれた「イチゴ屋さん」、施設のアイディアをくれた神田いちご農園さん、やまぎしの中にいる友人でいちごを担当している雅樹くんなどにも施設のアイディアや見学をさせてもらったり、資材を頂いたりしました。みんなの協力の元に今日をむかえられました。ありがとう。

イチゴは、ずぶの素人だった僕たちが仲間の協力の元に、なんとかスタートにこぎつけました。さあ、無農薬のイチゴ高設栽培は初めてなのでたのしみだなー!! 乞うご期待!!

以下にわたわたが書いてくれてブログを転記します。

今回は「いちごの培土づくり」に参加してきました。
以前、黒キクラゲ栽培に使っていたハウスが空いているので、高設ベンチによるいちご栽培に取り組んでみようということになりました。通常、高設ベンチでの栽培は、ロックウールややしがら、燻炭などの培地を使い、そこに各種成分を含む液肥(もちろん化学肥料)で栽培します。が、そこは木の花ファミリーなので、高設ベンチであっても土をベースにした自然農法を実現しようと考えました。

窒素の追肥は魚ソリブル液などの有機液肥を使って調整できるので、培地になるべく自然の土を使い、狭い容積でもいちご自身の根と土とが作る生態系の仕組みを利用して栽培しようという試みです。

基本となる原土は、春から準備しておき、緑肥を栽培し、ミミズなどの土壌生物が生物的に撹拌した土を用意しました。その後、炭疽病やフザリウム系の病気予防のため、ハウス内へ移して糖蜜+EM活性液+光合成細菌+太陽熱処理して、バクテリア優先の土にすると同時に、土壌診断をして、足りなかった苦土を緩衝能曲線に基づいて補正をしました。

で、この原土は有効態リン酸も少なかったので、溶リンでリン酸を施用。これで窒素以外の各成分は土に十分になる状況を作りました。
そして腐葉土(ミミズや中型土壌動物もいるもの)と培養土(土ぼかしのように有機物を加えて分解させ、養分を付加した土)をさらに混ぜ、そのまま床土に使えるような改良土を作成。
いちご培土づくり いちご培土づくり2
その改良土に対して、ゼオライト、籾殻燻炭、ビーナスライト、ヤシガラを配合して、いちご培土にしました。
容量ではかなり燻炭とヤシガラが占めています。つまり、改良土をヤシガラなどで薄めた培土です。ヤシガラやビーナスライトが大きな荒い隙間を作るので、土が締まりにくく、それでいて、土が入っているので、乾きすぎる心配もないだろうと考えています。給液量なんかはやりながらコツをつかんでいくってところですね。
配合の終わった培土は再度、土壌検査に出しますが、燻端が高配合なので、カリ過剰とか高pHという診断結果になるかもしれません。施肥としてはもう添加はしないので、あとは下がるだけですが、薄い糖蜜やEM活性液を流して一時的に下げるのも有効かもしれないです。あとは培土を高設ベンチへ充填し、いよいよいちごの定植になります。楽しみだなぁ〜。