新たな時代を迎えるために 〜 GENタイ代表モンといさどんとの対話

今年6月、GEN(グローバル・エコビレッジ・ネットワーク)のタイ代表であるナルモン・パイブーンシッティクンさん(以下、モン)が木の花ファミリーを訪れました。

一つ前の記事「木の花ファミリーに滞在して 〜 批判やゴシップについて思うこと」にもあります通り、木の花ファミリーは事実を歪めた情報によって国内の一部のエコビレッジ関係者からバッシングを受け、中には歪んだ情報を英語にして発信しているインターネット上のサイトもあります。これらの批判を機に、木の花ファミリーでは創立の礎となった菩薩の里 ―――― 人々が心からつながり、助けあい、他者の喜びを自らの喜びとして生きる場 ―――― の精神に今一度立ち返り、GENの理事およびアジア・オセアニア地区代表を務めていたみちよちゃんが自主的に役職を退く等、物理的なエコビレッジ活動から距離を置くこととなりました。

しかし、創立から21年間ずっと続いている精神に、何ら変わるものはありません。
以下は、6月16日にモンといさどんとの間でなされた対話です。今という時代にこの星の上で私たちに与えられた役割を果たすため、これらの批判についての私たちの見解をお伝えすると共に、全ての方々にとって大切なメッセージとして、この対話をシェアさせていただきます。
 
■     ■     ■
 
いさどん:
これまで、エコビレッジという概念に価値を置く人々がいました。こうした人々はこの概念に執着する傾向があります。本来、エコビレッジとは自然と調和し地球に優しい生き方をする人々の集いなのです。ですから、特定の人々が示す生き方のためにエコビレッジはあるのではなく、すべての人類が目覚め、目指すべき方向がエコビレッジのあり方なのでしょう。

今までエコビレッジは一部の人々の特別な暮らしということで認識されてきましたが、これからの時代は人類の歩みとしてこの概念を捉えていく必要があります。そういった意味で、エコビレッジ活動に関わる皆さんは門戸を広げる必要があるのです。自然界に豊かな生態系が存在するように、人々も多様な国家・文化・歴史を持ち、そうした違いを超えて共有していくことが求められています。今、時代は、イデオロギーの違いによる対立に終止符を打とうとしているのです。しかしながら、宗教の違いや貧富の差により、世界中の人々はまだ地球共同体という認識を持っていません。

例えば、ノーベル平和賞を受賞した少女がいますが、わたしは彼女の存在が世界に平和をもたらすとは思いません。彼女は対立構造の一方の側の人々に利用されているように観えます。それと同様に、ISの存在を悪とみなし、彼らを倒すだけで問題が解決するとは思えないのです。ですから、エコビレッジ活動に関わってきた人々は自らの視点を広げ、社会運動としてこの価値をつなげていくことが必要なのです。

モン:
日本においてエコビレッジのネットワークが切れた状況を考えますと、あなたがおっしゃることに全く共感します。しかし、そこからわたしたちは学ぶ必要があるのです。「わたしたち」というのは、日本だけではなく、タイや他国のネットワークも含めたわたしたち自身のことです。それと同時に、木の花ファミリーのようなコミュニティが批判によってエコビレッジのネットワークから外れたことに対し、わたしは戸惑いを感じ、何かしなければと考えています。

大きな視点から捉えると、タイや他の東南アジアの国々は物質的に貧しいだけでなく、精神性も貧しいという見解について話し合いたいと思っています。また、こうした国々の姿勢は良いものではないのです。あなたは姿勢の転換を重要視しています。そこで、どのような提案をわたしにしていただけますか?

いさどん:
物理的な貧しさから脱却するために、近年、ほとんどの人々はアメリカ主導型の豊かさの探求に追随してきました。しかし、本来人間は精神的な生きものであり、精神的に不安定な状態で物だけを与えられたら、色々な矛盾が発生するのは至極当然のことです。人々が物質的な豊かさを求めれば求めるほど、今の人間社会の構造では一部のところに物理的豊かさが集中するのです。

ですから、ひとりひとりが一方通行の価値観へ向かうのではなく、それぞれの個性を生かして、個性を尊重し合い、そしてネットワークの中で豊かさを追求する自立した状態が必要です。わたしたちは地球という一つの生命体に存在しているのですから、現時点での目的はワンネスを意識することであり、その目的を果たすためには皆が互いにつながり合うことが大切です。そのためにはわたしたちの世界観を広げる必要があります。それは、特定の価値観に囚われていては、可能ではありません。なぜなら、わたしたちが存在しているこの世界は、常に変化・変容を繰り返している世界だからです。さらに、平和や幸せ、豊かさについてどの意識レベルで捉えているかを見直す必要があります。そういった意味では、最初にお伝えしましたように、これまでエコビレッジを推進してきた人たちは、エコビレッジに対する自らの視点によって限定されているように観えるのです。

木の花ファミリー創立当初、わたしたちは「エコビレッジ」という言葉を全く知りませんでした。このコミュニティはわたしの霊的な体験とともに始まったのです。また、木の花ファミリーの歩みは地球に優しい生き方を追求していった結果でもあります。そして、エコビレッジを広げようとする人たちが木の花ファミリーのメンバーになって、わたしたちはエコビレッジとして知られるようになりました。今現在、木の花ファミリーはエコビレッジという枠から意図的に外れていますが、事実として、ここはエコビレッジとしてもっともふさわしいモデルであり、その最たるものが精神性なのです。

今なお一般社会は、富を追求することを優先しています。この流れは、地球上で最後の物理的進化のフロンティアであるアフリカ以外は、すべて行き詰まりを迎えることでしょう。そしてアフリカではこれから物質的な価値観が繁栄し、それがピークに達したときに、地球上での矛盾もピークに達するでしょう。その予感を感じられる今、時代の流れは明らかに切り替え時に来ているのです。

宇宙的視点からすると、250年前に起きた産業革命以降、冥王星は一周しました。ですから、戦略的に社会を変えていこうと志を持つことは時代の流れに乗っていることですし、それとコラボしていくことは大切なことです。しかし一方で、時代が変化していくときに戦略的になる必要はないのです。これからは物質的な豊かさを探求すればするほど、地球はすでに過剰な負担をかけられていますから、その行為に対して常に矛盾という形でわたしたちにその意志を伝えてくるでしょう。今、物質的な豊かさと霊的な豊かさのバランスが崩れていますので、物質的探求を続けてきたわたしたちが切り替わるしか選択肢はないのです。そこで、わたしたちがすべきことは、遺産として次の世代へつなぐビジョンを明確にすることです。

先程あなたから、木の花ファミリーに対する批判についての話がありました。今回の批判を受けるずっと以前から、わたしたちはエコビレッジ関連の組織に入り続けるべきなのかどうかについて考え、皆で話し合ってきました。なぜなら、国内でエコビレッジを推進する学びの場は多くもたれてきましたが、その多くはコミュニティを立ち上げることすら叶わなかったのです。そこではビジョンに現実味がなかったり、コミュニティを持続させるにふさわしい精神性に乏しかったり、またエコビレッジに対するイメージだけで関わってきたことが原因になっているのです。彼らの中には、ヨーロッパやアメリカのエコビレッジを訪問した際の体験やどこかで得た情報のみで、エコビレッジのイメージを創り上げる傾向があります。それに対して、わたしたちはエコビレッジという概念に倣ったわけではありませんが、地球に優しい生き方を模索してきた中で、コミュニティの変遷の現場を歩んできたのです。

すべてのものに過渡期があるように、ある段階でわたしたちは社会に適応できない人々の受け皿になっていました。そうした人たちは一般社会で自らを健全に保つことが出来ず、その多くは人間関係において不安定であり、希望を失って、新たな社会的価値観を求める傾向があり、このコミュニティに集ってきました。わたしたちにとってそれはまるで、リハビリプロジェクトのようなものでした。そのようなプロセスの中で、コミュニティを運営するために取られた学びと措置の善意を逆恨みする人たちがいました。しかし、その当時も今も、その人たちに対する愛と、社会を健全にしようとする情熱はわたしたちの中で不変なのです。

また、わたしたちの世界観と、彼らが求めている幸せや世界観にギャップがあることが発覚してきました。そういった過程で様々な人々が集いながらも、木の花ファミリーは一つのコミュニティとして運営され、維持していくことが求められたのです。そのような模索の中で、木の花ファミリーは精神性の高いコミュニティとして確立されましたが、その道が進むほど、その方向性から自然に外れていく人たちが出てきました。

古橋道代がGENやGENOA、Gaia Educationの役員をしているときに、そこでなされた議論の内容を聞き、エコビレッジ活動に関わる人々の世界観に失望するところがありました。そのような見解からすると、木の花ファミリーを離れた人たちとも、同じテーブルに着いて語り合えば、今回のような出来事が自分たちの未熟さから発生したことを彼らは真に理解するでしょう。

なぜそのように言えるのかというと、彼らがここを離れ、木の花ファミリーが批判を受けた後でも、事実、ここはたいへん安定した状態にあるからです。 あなたもここに滞在することにより、それを感じていることでしょう。しかし、ここを離れて行った人たちは自分たちを正当化したいがために、事実の多くを捻じ曲げ、架空の物語を創り上げ、わたしたちを批判し始めました。日本において木の花ファミリー以外に、エコビレッジらしいコミュニティは他にありません。さらに、ここは世界的にもたいへん貴重な場所だと思っています。

ところが、共同生活を一度も実践したことがないにも関わらず、エコビレッジのイメージを創っている人たちがいます。ある意味、そういった人たちにとって、木の花ファミリーが日本におけるエコビレッジの代表事例としてみなされていることは好ましいことではありませんでした。そうした人たちの釈然としない想いとここを離れた人たちの不満が合わさり、わたしたちをたいへん激しく批判するに至りました。しかし、今回の一連の出来事を通じ、木の花ファミリーメンバー間の絆は深まり、わたしたちの世界観はさらに広がりました。

事実、彼らが一生懸命取り組んでいることは、エコビレッジの事例としての木の花ファミリーをなくし、忌まわしい団体として貶めることなのです。エコビレッジの定義を広げ、その基準を超えようと考えているわたしたちからすると、このことは問題ではありません。ですから、エコビレッジを推進する人たちの言葉を借りれば、エコビレッジのネットワークとは多様な形で個性を尊重するということなのですから、「エコビレッジ」の定義や意図を考えると、木の花ファミリーのような確立されたコミュニティがそのネットワークから外れることは不自然なことです。

何よりも、21世紀に人類がどのように進んでいくべきかの回答がここにあります。産業革命以降250年間続いた物質至上主義の価値観が転換する時代が訪れているのです。右肩上がりの成長と引き換えに、人々は地球に負荷をかけ、豊かさを追求してきました。しかし、真実として、宇宙は拡大と収縮を繰り返しています。そして今まさに拡大が終わり、その真実を求めるためにそぎ落とし収縮する段階に入ってきています。必要なものと不必要なものを仕分けし、不必要なものをそぎ落としていく時代なのです。そうすると、これ以上物理的にも精神的にも不必要な負荷がかからなくなり、本当に必要なものだけが残るのです。これからは、物質的な発展はわたしたちの積極的な意志により縮小していくべきなのです。その代わりにわたしたちが拡大させる必要があるものは、精神性に基づく世界観です。世界観を広げていくことによって、人間としての新たな可能性を開花させ、愛や調和にあふれた世界を創ることが出来るのです。

木の花ファミリーのメンバーは精神性を最も大切にしながら、不要なものをそぎ落とし、日常生活の中で真実に目覚めようと努めています。もしあなたがただ自分自身の願いを叶えたいと想うなら、コミュニティで生活することは不可能でしょう。実際、特定の人々が共同体で暮らしているのではなく、わたしたち人類は皆、「地球共同体」に暮らしているのです。それは、人類の地球共同体どころか、地球生態系の共同体でもあります。さらにわたしたちの意識が広がっていけば、それは太陽系共同体であり、銀河共同体であり、大宇宙共同体でもあるのです。

ですから今、地球共同体を運営していくためには、人類は自らのエゴと直面することが不可欠です。そしていつか、わたしたちが宇宙的視点に立ったときに、どのように太陽系、銀河、宇宙を運営していくのかを考える時代が訪れるのです。人類が地球を一つの生命体だと気付き、そうした認識とともに生きていくことの歴史的転換点を今、わたしたちは迎えているのです。

批判によると、木の花ファミリーには問題のある性的行為や暴力があるとされています。それは、彼らの意識レベルで物事を見て、その人たちの感情が反応すると、それを事実として捉えることができます。しかし、すべての出来事には長い物語があり、それは継続しているプロセスの一部なのです。わたしたちを批判する人たちは、物事を部分的に切り取って、自らのフィルターを通して事実を歪めている傾向があります。しかも、そのような批判は、自らのエゴと向き合いきれず、精神性を高めることを断念した元メンバーが自分たちを正当化したいがために訴えたことのみを情報源としています。ですから、この状況を改善するためにわたしたちが次に何をすべきなのかという提案を一切しないのです。なぜなら、ただ批判することが彼らの目的だからです。それとは対照的に、木の花ファミリーにはこうした出来事すべてを経験した結果、より高いビジョンがあります。その現実化のために、今も粛々と日々の中でその探求が進められています。ですから、自分自身のエゴに向き合うことができなかった不調和なメンバーがここを離れていった結果、メンバー間の絆はより強くなり、ここはより精度が高くさらに開かれた場になりました。

あなたは今回それほど長い期間ではありませんが、ここに滞在するために訪れました。もしあなたがこのコミュニティのエネルギーを感じるならば、わたしたちが一切の秘密を持っていないことに気付くでしょう。もしあなたが1ヶ月でも1年でもここに暮らしたら、それはとても明解にわかることです。鋭い人であれば、ここを一目見ただけで今回のような批判が真実ではないことを瞬時に感じ取ることでしょう。

道代:
彼女はここに来てすぐに、木の花ファミリーは批判されているような出来事が起こる場ではないと気付いた、と今朝わたしが彼女と話していたときに言っていました。

モン:
ひとつ質問があります。わたしたちは何をすべきなのでしょうか。この状況をただ放っておけばいいのでしょうか。それとも改善するために、GENのような国際レベルで、またはGENOAのような地域レベルで、もしくはわたし個人のレベルなど異なるレベルで、何かわたしにできることはあるのでしょうか。

いさどん:
わたしたちの見解からすると、批判する人たちには明らかに事実を捻じ曲げフィクションを創り上げることによって、わたしたちの存在を否定しようとする意図があります。彼らはとても賢く、多大なるエネルギーを注ぎ、批判することに情熱的になっているので、そこに惑わされる人もいると思います。それは時代が新たな方向へ移行しようとするときに、抵抗する力のようなものだと捉えています。しかし、時代は確実に前にしか進みません。ですから、彼らがしてきたことは時代に逆行しているのですから、霊的には罪を犯していることになるのです。わたしはそのことに対して彼らを非難するつもりはありません。彼らの意識レベルからすると、批判することを大事だと思っており、そのことによって自分たちの価値を下げていることがわからないのです。

大切なことは、時代は新たな方向へ時を紡いでいく役割をわたしたちに与えていることに気付くことです。それは、天体の動き、人類の歴史、文明の周期といった様々な視点から、新たな時代に劇的な変化をもたらす大いなるターニングポイントを今、わたしたちが迎えていることが立証されてきているのです。変化を求める動きは、それに対する抵抗に常に出会うものです。もしわたしたちがその抵抗に対して何もしなければ、こうした変化を拒否していることにもなります。ですから、時代が変わることを感じ、その真意を理解できる者は、これを何とかしようとするのです。批判を支持するどころか、それを超えて新たに木の花ファミリーを支援する人たちが今、多く現れてきています。あなたの中にもそのような感受性があるから、それを感じられたのでしょう。不調和が批判する人たちの特徴なので、共通した敵がいれば団結し、一見調和しているように見えます。しかし、彼ら自身の中に人を批判して自らを正当化する種があるのですから、その調和を保ち続けることは不可能なのです。ですから、そうした自分自身の価値を下げていくような活動がいずれ消滅することは確かです。そして、それは時代が示してくれるのでしょう。

それでは、わたしたちが新たな時代に移行していくことを感じる人たちは、何をしたらいいのでしょうか。それは常に真実を語ることであり、わたしたちと同じ立場なのです。わたしたちは木の花ファミリーという存在を所有していません。新たな時代に向けての一つの雛形として、わたしたちはこのようなライフスタイルを実践してきました。ですから、人々が地球共同体に暮らしていることに目覚め、時代が新たなステージに移行すれば、わたしたちの目的は達成されるのです。そのような共通した目的を持っている人たちは、エコビレッジ活動に関わっている人も、そうでない人も、あなた自身も皆いずれ、その立場に立つべきだと思うのです。エコビレッジという枠が壊れ、広がる時が訪れています。わたしたちを批判する人たちはたいへん熱心なので、日本語だけではなく英語でも発信をしています。それは、わたしが伝えていることの問題提起をするチャンスでもあります。そのことにより、真実は何であるのか、そしてこれからの時代に何が求められるべきなのかが立証されるのだと考えています。

もしあなたがタイのことだけではなく、人類の未来をわたしたちと同じように考えているのだとしたら、それはあなたのための活動として、真実を伝えていくことが大切です。それは、この世界の仕組みに気付き、時代の流れを感じた人たちの使命なのです。

時代は、とてもダイナミックで、魅力的な時を刻んできました。そして、そういった価値観を支えるわたしたちの思考も、その確信のもとに歩んできたのです。しかし、全てのものは満つれば欠ける世の習いのごとく、過ぎたればそれを修正する段階に入るのです。ですから、わたしたちが今取るべき行動は、自らの根本的な振り返りと新たな時代を迎えるための自我のコントロールです。それは、今までの価値観とは全く逆さまのようなものにも捉えられますが、時代に心を向けて感じられれば、そのことの大切さは明解にわかるものです。そして、新たな時代を迎えようとするために出来事が矛盾を持ってそれを示し、人々は今、そのことに気付き始めているのです。わたしたちに出来ることは、そのネットワークの中に自らがいることを常に意識して生きることなのではないでしょうか。
 

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木の花ファミリーに滞在して 〜 批判やゴシップについて思うこと

今月自然療法プログラムを卒業し、先週末の夏祭りに遊びにやって来たみのるんは、木の花メンバー宛の手紙を読み上げると同時に、「一般の人たちにも伝えたい」と言って以下の文章をシェアしてくれました。

一昨年、ファミリーを離れた元メンバーが事実を歪めた情報をインターネット上に掲載したことを発端として、木の花ファミリーは事実を知らない人々から一部ネット上でバッシングを受けたり、週刊誌にゴシップ的に取り上げられるということがあり、ファミリーを問題視したりカルト団体と揶揄するようなサイトは現在も存在しています。私たちはこれらの批判に対し、それは事実ではないことや、真実が何であるかを包み隠さずにお伝えしてきましたが、収まることのないネット上の暴力に為す術はなく、ただ、これからの時代にとって大切だと信じる生き方を日々実践していこうと思っています。
みのるんはそれらのサイトを読み、湧き上がる想いを綴ってくれました。
 
■     ■     ■
 
私は、木の花ファミリーが社会貢献の一環として実践している「自然療法プログラム」を受ける為、およそ1ヵ月半、木の花ファミリーに滞在させていただきました。

木の花ファミリーに来る前にブログや動画などを見て、木の花ファミリーとはどういったところなのか、興味や不安も入り混じったような気持ちで訪ねさせていただきました。ネット上には、さまざまな意見や感想もありますが、私が滞在中を通して感じたこと。

それは一言で言うなら、「とても、良かった!」ということ。

そして、「世の中が、木の花ファミリーが実践している精神性、生き方に追いつけていない」ということです。

「百聞は一見にしかず」というように、様々な人の意見も感想も、自分が実際に見て感じて初めて分かることが多くあります。残念ながら、人はゴシップや第三者の意見に惑わされやすい生き物かも知れません。

それ故に、私が感じた何より残念な事が、「自然療法プログラムを受けることで治る可能性のある人、持続可能な生き方を模索している人達が、心無い記事や意見によって、治る道や、新たな生き方を見つける道を阻まれている」ということです。

私が木の花ファミリーに支払った費用は1日3240円(宿泊費、食費、洗濯代などを含む)でした。私の場合は、更に事情があって、別風呂まで準備してもらいました。実経費を差し引けば木の花ファミリーにとっては、ボランティアそのものです。

恵みいただきますの料理
恵みいただきますの料理

木の花ファミリーでは月に一度の「恵みいただきます」というレストランが催されます。近隣、県外の方など一般の方が多く来られます。その料理の提供内容に比べ、頂く代金は、1000円(65歳以上と障がいをお持ちの方は500円)と安すぎなのです。

「自然療法プログラム」も「恵みいただきます」も金銭が目的ではありませんでした。私が感じたのは、メンバーと訪問者の心と心の交流、人として成長していくためだと感じました。

私は車で外出すること、散歩することも自由でした。もちろん病院や歯医者も自由に行きました。夜の大人会議はメンバーも含めて出欠席自由です。滞在中、強制される行動は一切ありませんでした。私は、毎回参加させていただき、発言させていただく機会もありました。

プログラムの内容は、私の場合、自由に日記を書く事と、週1回の面談、つまり人生を振り返り、今の自分の心を見つめる事でした。客観的に事実を捉え、自分自身の姿や癖を知ることでした。それによって、私は被害妄想がある事や、心の癖、物事を曲がった捉え方をしている自分の姿を知ることができました。

誰に強要されたことでもありませんが、見たくない自分や、見えない自分と向き合うことは、時に苦しいことです。しかし、自分という狭い枠を知ることや、癖を知ること、客観的に自分を観られるようになることで、心と身体が回復していく現実に驚かされました。

木の花ファミリーが何故「自然療法プログラム」や「恵みいただきます」、持続可能な自給自足的生活をしているのか。

金銭、注目、名誉、名声、権力が目的になりがちな現代社会にあって、少なくとも、生きようとしても、生き辛さを感じている人達に、崩壊しかかっている今日の経済社会に先行き不安になっている人達に、新たな道を見出したいと思って模索し続けている人達に、「こんな価値観や生き方がある」という、空論でない実際を示すためだと思いました。

「他者の喜びを自らの喜びとする生き方」「地球環境にとって持続可能な豊かな生活」を現実として実践している場所が、木の花ファミリーです。

私が、この滞在を通して伝えられることは、
「希望ある、持続可能な生き方がある」
「本物は自分の心と身体で感じられる」
「自然療法プログラムは、とても良かったよ」ということです。

同じ時代を生きる同じ人間として、少しでも、日本が、地球が良くなりますように。

この文章を読んで下さった一人一人の心の直観に届くことを願い、書きました。

 

自然療法プログラム卒業生たち(前列左から3人めがみのるん)
自然療法プログラム卒業生たちと一緒に(前列左から3人目がみのるん)

 

 


みのるん物語9 〜 チャンスのヒビキの結末は?!

自然療法プログラムを受けてから
50日が経ったみのるん。

滞在当初から、いさどんは、
「あなたにアトピーが発症したことは、
新たな自分に出会うチャンスなのです」と
みのるんに伝えてきた。

そして、
その意味を理解し、
新たな自分に出会い始めたみのるんの
卒業コンサートが先日行われた。

その際、
いさどんからみのるんに次のメッセージが送られた。
 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
 

人は生きていると、
問題事に出会うものです。

病気になることも、
その病気を引き起こす種が自分の中にあるのです。

ですから、
問題事や病気に出会うことは、
決して悪いことではありません。

しかし、
とかく人は表面に現れている症状だけを
すぐに取ってしまいたい、と思うものです。

そこで、
安易に問題事を解決しようとするのですが、
解決すると同時に、
その問題事を引き起こした種を見つめ、
取り去っていく作業が最も大切です。

もし、
人々がこの世の中で思うとおりの人生を生き、
70億の人が皆そのように生きたとしたら、
地球はすでに消滅しているでしょう。

しかし、
思うようにならない出来事に出会い、
そこから人は人生の目的を学びながら生きているのですが、
たくさんの苦痛をもらいながらも、
まだ人々は自分の思うようにしたいと考えているのです。

自分の思うようにしたいと考えるのは、
自分の意志で生きていると思い込んでいるからです。

しかし真実は、
まず、この世界の成り立ちがあるのです。

私たちにはどうすることもできない宇宙の仕組みや、
地球上のさまざまな生命の仕組みがあって、
私たちは生きているのです。

それは、
「生きている」というより、
本当は「生かされている」のです。

そのことを理解できたときに初めて、
人は真実を学ぶために生まれてきたこと、
そして自分のわがままや身勝手が出たときには
それを知らせるために問題事に出会うことに気付くのです。

ですから、
人が成長するということは、
自らの考えを超えたものをいただくということです。

今回自然療法プログラムを受け、
卒業に至ったみのるんは、
賢い人ですから、
自分なりの理論をしっかりと持っていました。

そして、
その理論を手放したときに
今まで自分なりの生き方をしてきた結果、
病気をいただいたことに気付き、
そこを超えるというカラクリに行き着いたのです。

僕はみのるんにはじめて面談したときから、
「あなたのアトピーは心因性のものです」と
伝えてきました。

物理的にどんなに優れた治療に出会ったとしても、
あなたがアトピーを発症するヒビキをこころの中に持ち続けている限り、
根本的な治療にはならないのです。

仮にアトピーが出ない体になったところで、
そのヒビキは別の形でまた現れるようになっています。

ですから、
その種が自分の中にあることを見つめることのほうが、
症状を物理的に治すよりも大切なのです。

こころの中にその種がなくなれば、
現代医療も有効に働きますし、
そこで健全な食をいただけば、
あとは自然に体は元に戻るのです。

僕はみのるんに
こころを見つめ直すことの大切さを伝えてきたのですが、
人はなかなかこのような捉え方をしませんので、
みのるんもこのことを理解するのに時間がかかりました。

しかし、
わかる人にはわかるのです。

そして、
最終的にみのるんは、
この仕組みを理解することができました。

あとは、
これから自分のスタンスに戻ったときに
その実力が試されるのです。

全ては善きことのためにありますので、
どのような出来事も
自分を鍛えてもらっていると捉え、
謙虚で感謝のこころを忘れずに生きていけば、
痛みを持って学ぶ必要はなくなります。

ここには、
うつ病や統合失調症など
一般治療では治らなかった人たちがたくさん訪れます。

みのるんはアトピーが発症したということで
ここに滞在することになりましたが、
アトピーについても、
こころの取り組みで
改善されることが立証されたのです!

今回のみのるんとの出会いをきっかけに、
私たちも様々な問題を抱える人たちに
貢献していく実績ができたと思っております。

みのるんは理学療法士なのですから、
リハビリという形で
問題を抱えている人たちに
自分の技術を提供しているわけです。

これからは、
今回の縁を機会につながって、
世の中のために共に活動していけたらと思っています。

今回、私たちにとっても、
とても良い学びの機会をいただきました。

あなたにとっても、
人生の良い出発になったことでしょう。

あなたがここに来た当時に発していた空気が、
今はまったく違っています。

今、あなたは
とても素直に自分を表現できています。

それは、
「治った」というより、
「人は変われる」ということです。

滞在当初は、
自分が変わることに対して
恐怖や不安があったのでしょうが、
とても辛いアトピーの症状が
後押ししてくれたのだと思うのです。

ですから、
この世界の何が自分にとって有益になるかは、
わかりませんね。

高く広く立体的にこの世界を捉えると、
自分が出会う問題事こそが、
自分を改めてくれるチャンスなのです。

そういった意味では、
どのようなことでも避けないで、
前向きに向かっていくことが大切なのです。

みのるんも、
そのことを体感したのだと思います。

だから今、
あなたの言葉や発するヒビキが
とてもしっかりしています。

そういった意味で、
本当におめでとうございます。

そして、
この出会いに感謝します。

ありがとうございます。
 
 

卒業コンサートにて いさどんとみのるん
卒業コンサートにて いさどんとみのるん

 
 
 
 


みのるん物語8 〜 問題事は意識レベルを上げるチャンス♪

自然療法プログラムを受けてから
5週間が経ったみのるん。

みのるんの面談が始まろうとしたそのときに・・・
突然まっちゃんが切羽詰った様子で
いさどんのもとにやってきた。

そこで、
みのるんの面談を始める前に、
急遽まっちゃんが自らが引き起こしたミスについて
いさどんに報告した。

「すごく無駄なことをしました・・・」と
落ち込んでいるまっちゃんを観て、
いさどんはこう伝えた。
 

■□■□■□■□■□
 

そうやって落ち込んでいても、
何の得にもならないよ!

その姿勢が問題なんだよ!!

もし、
「これはいけない!」と思うのであれば、
即座に問題を解決するよう考え、行動することに
一番のエネルギーを使うべきなんだよ。

しかし、
「ああ、ダメだった~」と落ち込むほうにエネルギーを使ったら、
物事に対処するエネルギーはそれだけなくなってしまうんだよ。

あなたには
その姿勢が一番欠けているね。

ああでもない、こうでもないと反省しても、
それは振り返っていることにならないよ。

振り返るということは、
次に物事がなるようにするということだからね。

だから、
何か問題が起きたら、
まずは事をもとの状態に戻して、
そして何も問題がなくなってから、
振り返ればいいんだよ。

ところが、
あなたは何か問題を起こしては落ち込むことを繰り返している。

でも、
落ち込んでいる場合ではないんだよ!

逆に言うとね、
何か問題があっても、
その後の対応が適切であるならば、
「問題だったけど、
対応は見事だったね!」と、
問題を起こしたことで評価が上がることにもなるんだよ。

ねえ、
あなたは僕の話を聞いている???
 

■□■□■□■□■□
 

まっちゃんは、
「はい、聞いています・・」と言葉では言うけれど、
落ち込んでいる様子は変わらない。

そんな彼に
いさどんはこう続けた。
 

■□■□■□■□■□
 

あなたは自分に入り込んでいる状態だよ。

それでは、
「聞いている」ことにはならないね。

それは、
言葉は聞いているけど、
中身を自分の中に入れていないということだよ。

「そうだね!」と言って、
今までの自分を改めていくときに、
「聞いている」というんだよ。

それは、
耳で聞くということと、
新たな考えが自分の姿勢に入ってきて、
その結果姿勢に現れてくることなんだよ。

あなたはそもそも
そうやって反省して落ち込むのが好きなんだよ。

でも、
落ち込む必要は全くないんだよ!

誰にでも、
間違いは起きるのだから。

だからこそ、
そのときにいかに機敏に対処するか。

しかし、
余分なことを考えていると、
分析する能力が落ちる。

あなたはただ落ち込んでいるだけだから、
分析も出来ていない状態だよ。

今回のことが、
エネルギーの向け方を変える
良い機会になればいいんだけどね。

それがわかれば、
あなたは僕のところに報告に来る前に、
問題を解決する行動を取るべきなんじゃない?

さっきも伝えたように、
対処の仕方によっては評価が上がるんだよ!

問題があったということは、
確かに自分の中に問題を起こす種があったということだが、
その対処の仕方が良ければ評価は上がるし、
その人の意識レベルも上がるんだよ!!
 

■□■□■□■□■□
 

「しっかりやっていきます!」と
まっちゃんは言いながら、
いさどんのもとを去った。

いさどんは、
「やるだけだよ!
どんなに言葉を発しても、
身につけないと意味がないからね」と伝え、
予定より20分遅れて
みのるんの面談が始まった。

いさどんは、
「僕の印象としては、
改善に少し時間がかかりすぎていると観ているのですが、
その原因はどこにあると思いますか?」と質問した。

それを受けてみのるんは、
「こころについては、
自分の思いつく範囲で取り組んでいて、
たとえば本音で話すとか、
自分なりをやめるとか・・・
それも自分なりかもしれませんが、
努めているつもりなので・・・。

だから、
一番は食生活が原因で、
食事の量は以前に比べたら減りましたが、
ここで出されるおやつはまだ食べているので、
それも本当はやめたほうがいいとは思っているのですが、
自分に甘いところがあって・・・」と答え、

いさどんはこう伝えた。
 

■□■□■□■□■□
 

食は確かに重要で
コントロールできたらさらに良いとは思うよ。

ここの食は、
精神的疾患の改善や
物理的な症状、
それから依存症など
いろいろな面で効果があると思っている。

しかし、
食よりももっと大切なのは、
あなたのこころの姿勢だよね。

そこに問題があると思うんだよ。

僕はあなたが今回のことをきっかけに、
より良い人生を生きてくれたらと考えている。

そのためには、
あなたが自分の今の姿勢がどうなっているのかを、
もっと正確に認識する必要があるね。

この段階まで来ると、
アトピーの話は出てこなくなるんだよ。

それはね、
毎日どういう思考をして、
その思考がどのような矛盾を自分の中に生み出し、
そして自分の体の中の機能にどのような作用を働かせて、
結果としてアトピーになるとか、
ぜんそくになるとか、
そういう話になるんだよ。

簡単に言うと、
あなたには二面性がある。

そして、
あなたの中に頑ななこころがあるんだよ。

その頑ななこころが問題を引き起こしているのだけど、
あなたはどんなことをしても、
それを手放そうとする姿勢が
なかなか出てこないね。

だから、
いかにも手放したような顔をして、
でもあなたの中ではそうではないから、
改善に時間がかかっているんだよ。

これは、
物理的に食事の量を減らすとか、
おやつを食べないとか、
そういう話ではないんだよ。

こころの話だからね。

あなたの日記には、
これまでの苦労話がたくさん綴ってあったよね。

それは物理的なことも精神的なことも、
人間関係で行き詰まったことや、
アトピーになったことも含めて、
そのどれもがあなたのこころから
湧き出ていることなんだよ。

ポイントは、
そこに尽きるね。

ここまでの5週間で、
成果は上がってきたとは思うよ。

たとえばアトピーの症状は、
70~80%は改善されたと観ている。

しかし、
ここからの20~30%は、
そのこころを解決しないと進まないね。

それを取り組めるのは、
あなた自身なんだよ。

僕はサポートすることはできるけど、
取り組むのはあなたしかいない。

通常はこの段階まで来ると、
加速度がついて良くなるはずなんだけどね。

だから、
僕としては少しジレンマを感じるのは、
ここに来て停滞状態にいることなんだよ。

あなたは今、
自分のこころと向き合っていないからね。

そこでね、
「やはりわたしは自分に対して囚われがあって、
頑なになっているから、人の言っていることを本当に取り入れない。
だから二面性があると伝えられているのだ」と、よく理解して、
自分の中にあるものをすべてさらけ出すくらいの気持ちにならないと、
このヤマは越えられないよ。

本当は、
あなたの中に受け取る姿勢が強ければ、
自分から積極的に受け取っていくから、
「自分の中がもやもやしているのですが、
これはどういうことですか?」と
あなたから僕に質問してきてもいいんだよ。

それだったら、
僕はいくらでも時間を取るよ。
 

■□■□■□■□■□
 

そこでみのるんは、
「いさどんが言う、
残りの2~3割というのが
わたしにはよくわからないのですが」と質問し、

いさどんはこう答えた。
 

■□■□■□■□■□
 

それは簡単だよ♪

あなたのこころの癖である、
頑なに自分のスタンスを守ろうとしているところ。

つまり、
「自分なり」ということだよ。
 

■□■□■□■□■□
 

続けてみのるんが、
「それは実生活の中で
どのような捉え方をしたらいいのでしょうか?」と質問したことを受けて、

いさどんはこう答えた。
 

■□■□■□■□■□
 

あなたのような物理的思考人間は、
すぐに「具体的にどのような行動をしたらいいのですか?」と
聞くんだよ。

たとえば、
さっきのまっちゃんの話は、
あなたにとって参考になったと思っていてね。

もしあの話をあなたがマスターしていたら、
今日の面談はいらないと思っていたのだけどね(笑)♪

まっちゃんは、
どこに問題を引き起こす種があるのかを
観ていないんだよ。

まっちゃんは何か起きると落ち込んで、
あの前向きではない波動を持っていると、
問題事が積み重なっていくんだよ。

だから、
問題が起きたら、
問題は即座に改善して、
まず矛盾を直していく。

それが終わった段階で、
どのような姿勢が問題だったのかをもう一度おさらいをすれば、
そのときには余裕ができるから、
ちゃんと観えるものなんだよ。

ところが、
問題もまだ十分解決していないのに、
ただ落ち込んでいるのがまっちゃんで、
そのような姿勢では、
結局問題を改善するのに時間もかかれば、
対処するときのエネルギーも前向きではない。

そうすると、
まわりも気持ちよく動いてくれないよ。

そして、
しまいには、
「あなたのような人に協力したくない!」と
すべてが台無しになってしまうこともあるんだよ。

それは、
あなたがこれまでの人生でしてきたことと同じじゃない?

それなのに、
あなたは自分本位の主張ばかりしているから、
それでは良い人間関係を築くことはできないね。

そこで大切なことは、
相手が自分の考えに合おうが合わまいが、
「向こうからするとそのように観えるのだ」という
捉え方をすることだよ。

つまり、認めるということ。

それは情報だからね。

そうすると、
「なぜ向こうからはそのように観えるのだろう?」という話になるでしょ。

さらに進むと、
「わたしのどこがそうさせているのだろう?」という話でもあるんだよ。

それは、
自分を振り返るチャンスになるよ。

しかし、
今のあなたは自分目線が強すぎるから、
「それはわたしの考えと違うから間違っている!」と
自分を正当化して、
物別れで話が終わってしまうんだよ。

あなたに自分の価値観があって目線があるように、
人にはどんな人にもその人の価値観があって目線があるんだよ。

それはすべて、
認めてあげるべきなんだよ。

そこで、
それをどうやって認めるかというと、
「そのこころの状態だとそうですね」ということだよ。

それが高ければ尊敬するのだし、
低ければそれではダメだねという話になるだけ。

そのときに、
「自分は未熟だ!
ものが観えていないのだ!!」と気づいたら、
自分のこころに取り組むことができる。

今回のヤマは大きかったけれど、
このヤマを上手に征服したら、
あなたの意識レベルは上がるね!

そのためには、
覚悟を持ってこころに取り組んでいくことだよ。

今まではその覚悟がなかったから、
改善に時間がかかってきた。

これからは
そこを意識して取り組んでいけるといいね。
 
 
 
 

 
 


みのるん物語7 〜 テストはいつでもやってくる♪

今日のお昼休み、
みのるんが突然いさどんのもとにやってきた。

みのるん曰く、
「軽いぜんそくの症状が出てきたので、
一度家に帰って、薬を取ってきたいのです。
以前マラソンをしていたときには
ぜんそくの症状がおさまっていたこともあったのですが、
今は走っていないので・・・」

それに対し、いさどんは
「必要であるならば行けばいいのですが、
少し様子を観る程度ではないということですか?」と質問し、

みのるんは、
「様子を観てもいいのですが、
一応念のためと思いまして・・・。
過去にもそういったことが何回かあったので・・・。」

そんなみのるんに、
いさどんはこう伝えた。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

念のためというのは、
これ以上悪くなるという考えを持っているから、
そのような発想になるのです。

そして、
あなたは過去と同じようなことが起きることを想定しています。

人間は、
経験をもとにして行動しますが、
それでは新しい人にはなれません。

どうしてもぜんそくの症状が耐えられないということなら別ですが、
そこを超えられる可能性があるのに、
そうやって対処療法に頼ってしまうと、
結局また元の自分がい続けることになります。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

それを聞いてみのるんは、
「耐えられるかどうかと言われれば、
耐えられると思います」と答え、

いさどんはこう続けた。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

それなら、
なぜわざわざ時間と労力を使って、
家に戻って薬を持ってきたいと思うのですか。

そろそろ、
あなたも自分の癖をつかめるといいですね。

あなたは、
自分が想像していることに負けているのです。

そこと向き合う気があるかどうか。

そこは、
もう自分の実力と向き合うところですよ。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

いさどんの話を受けてみのるんは、
「とりあえず、
今晩はこのまま頑張ってみます」と伝え、

さらに
いさどんはこう続けた。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

結局、
そこで考えなければいけないことは、
答えはあなたに出るのです。

だから、
その答えを引き出すのはあなた自身なのですよ。

それは、
あなたの人生に起きていることなのですから。

たとえば、
あなたはぜんそくの症状があったから、
マラソンをしていたと言いますよね。

それで、
マラソンをしていたときには
その症状が抑えられたという話になっています。

しかし、
そもそもぜんそく体質を持っていること自体が、
あなた自身なのです。

あなたは、
そこを改めたいわけですよね。

それを、
マラソンで抑えたということは、
それはある意味症状を改善するということでは
良い改善方法なのかもしれませんが、
マニアックな改善方法をとったので、
結果としてマラソンをすることによって、
他のところであまり良くないことが起きているのです。

それは、
ホリスティックな広い視点で観ていないということです。

そして、
マラソンをしていた時には抑えられていて良かったという話では、
ずっとマラソンに頼っていないといけなくなってしまいます。

結局、
対処療法の連続をしているだけなのです。

だから、
今回あなたにぜんそくの症状が出ましたね。

そうしたら、
僕に相談に来て、
自分が家に帰って薬を取ってきたいから、
僕になるべくその症状を苦しそうに伝えれば、
OKが出るという発想になっているのです。

そうすると、
僕に相談する前の段階で、

「わたしにとって今までのことを振り返って、
このケアの取り組みを通して気付いたことも含め、
トータルして自分はここで何をするべきなのだろう?」と考え、

行動した結果、
僕にフィードバックしたほうが、
あなたは進歩していることになるのです。

そろそろ、
あなたの中でこれをどう取り扱うのか、
という実力をつける時が来ていると思うのです。

先日の1ヶ月面談の時にも伝えたことですが、
実力をつけるということは、
本当の自分と向き合って、
自分を知るということです。

そして、
自分を知るということは、
自分の性質が出てきた時に、
コントロールするべきところと
コントロールする必要がないところを仕分けし、
コントロールするべきところは
しっかりとコントロールすることです、と伝えました。

それは、
自分と真剣に向き合って理解することです。

今、
アトピーの症状は改善されてきましたが、
結局アトピーの代わりにぜんそくが出たということでは、
根本的に改善されていないことになります。

そして、
こういった話を、
僕に説得されるのではなく、
あなた自身が自分に説得できる人になった時に、
あなたにそれだけの実力がついたことになるのです。

だから、
ぜんそくの症状が今あなたに現れたということは、
あなたに対するテストでもあるのです!

そこで、
そのテストをどうクリアするのか、
と考えるほうが前向きですね。

先日の大人会議であなたが日記を発表した際、
何人かのメンバーが表面的な評価をしたことに対し、

「わたしはこの症状を持って、
あなたたちにテストの機会を与えているのです!」ということと同じように、

今回はあなたにテストの機会が来たのです。

これは、
あなたの人生であり、
あなたの症状なのですから、
その結果はあなたがすべて受け取っていくのです。

だから、
そぎ落とすところはそぎ落とし、
自己コントロールできる人になることが大切なのですが、
まだまだ力がついていませんね。

あなたはすぐに忘れてしまいます。

それから、
身につけているようで、
結局あなたは頭が良いので、
知識的な身につけ方になっているのです。

本当に自分のからだはどうしたいのか、
どこへ向かっているのか、
そういった対話がまだできていませんね。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

そこでみのるんは、
「自分の中には、
大発作が起きたときの不安があって・・・」とおそるおそる伝えた。

不安のヒビキを発しているみのるんに対し、
いさどんはこう伝えた。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

あなたはすでに、
大発作を想定しているのです!

それは、
一般のお医者さんと同じ発想ですよ。

あなたはそういった治療に対して、
あまり好感を持っていなかったはずですよね。

お医者さんが患者に対して最悪の想定を語り、
あらゆる治療をしてきたことに対して、
それはおかしいと思ってきたのですよね。

しかし、
今のあなたはそれと同じことを自分にしているのです。

それほど自分が大事ならば、
あなたが思う行動をすればいいのですが、
それは自分を本当に大事にしていることになるのでしょうか。

それでは自分を鍛えないことになりませんか。

さっきは、
軽いぜんそくの症状があったのです、という話だったのに、
頭の中では、
このまま行くと大発作が起きそうだ、
という発想になっているのです。

それこそが、
病気の種を育てているようなものです!
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

それを聞いたみのるんは、
「僕の中では備えがあってもいいかなと思ったので・・・」と伝え、

さらに
いさどんはこう続けた。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

それは、
「僕の中では」という自分の見解ですよね。

先日の面談でも、
「自分なり」ということを伝えましたが、
自分なりでやっていくのなら、
自分なりでやればいいのであって、
それなら僕は何も言いません。

しかし、
僕は客観的な立場からあなたを観ていて、
あなたがあなた自身の癖を乗り越えないと
根本的な解決にはならない、
と観ています。

どんな治療を受けても、
あなたが病気に対する抵抗力をつけなければ、
結局治療が常にありき、になってしまうのです。

今、
あなたは一番大事なところに来ているのです。

先日の面談でも、
そのことを伝えたのですよ。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

そこでみのるんは、
「今までぜんそくの発作が起きたときには薬を使っていたのですが・・・
2年以上前にも大発作が起きたことがあったので・・・」と話し、

いさどんはこう伝えた。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

2年以上前の話を
あなたはまた復活させたいのですか?

あなたのその思考では、
また復活させることにもなりますよ。

それを自分で予測しているのですから。

そういったことも含めて、
自分自身をすべて分析できないとダメですね。

そうしないと、
あなたは一ランク上の人にはなれません。

精神的には、
このケアの取り組みを始めてから、
あなたのランクは上がっていないのです。

僕は、
あなたの精神的ランクを上げることによって、
今抱えている病気も克服できると観ています。

他の治療は、
精神的ランクを上げるわけではないのです。

具合が悪くなったところを
ただ治すだけなのですから。

僕が伝えていることは難しいと受け取られがちですが、
その仕組みを知れば、
至極当然のこととして理解でき、
根本的な解決につながります。

そこを取り組めば、
病気の状態から抜け出すことができるのですが、
それをやらなければ、
今の状態から離れることはできないのです。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

それを受けて、
「要は、先取り不安をやめるということですか?」とみのるん。

いさどんは
さらに丁寧に話を続けていく。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

先取り不安をする必要があるのですか?

発作の可能性があることは否定しませんが、
それはなってから、
考えればいいことです。

もし大発作が起きたら、
ここで救急車を呼んで対処する方法も取れますよ。

それが、
余分なことを考えないで行った結果なのですから。

今、救急車の話をしましたが、
それはあなたが想定するから話したのであって、
それはあるかどうかわからない話なのですよ。

僕は、
あなたが今よりも自己コントロールできるよう
サポートしているのですが、
あなたは、
今までの自分を保とうとしているのです。

そして、
「自分なり」に一生懸命考えているのです。

それが、
今のあなたの状態を創っているのですよ。

まず、
自分が今そういったこころを持つことが、
すでに未来にその種を蒔いているのです。

あなたは引き寄せの法則を理解しているはずなのに、
自分のこととなると、
その道理を採用しないのです。

それは矛盾ですよ!

ここで気をつけないといけないのは、
あなたは結果を所有し、
思惑のもとに人の考えを取り入れると
これはマイナスになりますよ。

それは、
取り入れないよりはいいと思いますが、
仮に自分で判断できないから
僕に相談しに来たとしますよね。

そのときに、
「そうだった!忘れていた!
自分はもともとそういった考えを持っていたのに、
自分の考えに対して矛盾する行動を取っていた!」と
自分の考えとして行動していくことが大切なのです。

忘れていたということは、
もともと自分の中にあったということですから、
それは自分の考えで行動したことになるのです。

そこで、
「いさどんの言うことのほうが道理にかなっているし、
あの人の言うことだから断れなかった」と思惑のもとに採用すると、
この効果は半減するのです。

そこでは、
あなたの力をつけることが目的なのですから。

今のあなたのアトピーの状態が改善されてきているのは、
ここの環境や食、アドバイスの効果が現れているからです。

その改善が、
あなたの実力でもたらされる人になってはじめて、
あなたは根本的に改善されたことになるのですよ。

だから、
今の状態のままで元の環境に戻ったら、
また再発する可能性もあるのです。

今回のぜんそくはあなたへのテストです。

たとえば、
2年前のような大発作が突然に起きたということであれば
テストとは言えないでしょうが、
今回のような軽いぜんそくの症状が起きたということは、
まさにテストと受け取れますね。

しかしあなたは、
軽い症状を2年以上前の出来事にまで膨らませ、
「大発作が起きたらどうしよう!」と心配しているのです。

心配しなくても、
大発作が起きたところで、
最悪、死ぬだけですよ♪

人は誰でも、
いつでも、
死ぬ可能性はあるのです。

ある意味、
そのような開き直ったたくましさがないとダメですね。

結局、
対処療法に対して批判的な考えを持っているわりには、
あなたの考え方はすべて対処療法なのです。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

いさどんの話を受けて、
「やってみます!」とみのるん。

最後に、
いさどんはこう伝えた。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

やるのであれば、
その方向に懸けてやってみる。

それで、
答えを観るということです。

そこでネガティブな捉え方をすると、
本当に発作が起きますよ。

しかし、
僕はそれでも構わないと思うのです。

そのときには、
救急車を呼んで対処すればいいのですから。

これは
今までの自分を超えるチャンスなのです。

だから、
良いテストをもらったと思って、
まだ自分に実力がついていないことを認識し、
これから取り組んでいけるといいですね。

これは、
元々あなたの中にある考え方ですからね。

あなたの中に、
「そういった捉え方が大切だ」ということで、
今まで理学療法士として仕事に就いていたときも
医療業界に矛盾を感じていたのですし、
それからこういったことに共鳴して、
ここの自然療法プログラムを受けることになったのです。

しかし、
これまではそれが本物ではなかったのです。

だから、
今回それを本物にするチャンスが訪れたのですよ♪

ある意味、
今がその切り替えのヤマを迎えていますね。
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

「ありがとうございます!!
今日からやってみます」とみのるん。

話が終わり、
立ち上がろうとしたMさんの足は、
ずっと正座をしていたせいか、しびれてしまっていた。

「緊張しているからだよ♪」と
にこにこ笑いながら声をかけるいさどん。

「新しい取り組みをした結果、
自分はどうなるのだろう?とか、
結果はどうなるのだろう?と観ていくことは
本来楽しみなことです。

それなのに、
これはきっとこうなるぞ!と最悪の結果を想定していたら、
それは不安がもとになっているのです。

そこで、
不安をベースに生きていくのか、
楽しみをベースに生きていくのかというのは
大きな違いです。

楽しみをベースに生きていくときには、
がん細胞でもアトピーの細胞でも
どんどん消えていくのですよ♪」
 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 

いさどんと話した後、
みのるんは日記にこう綴っていた。

「いさどんの話を聴いて、
自分なりを手放さないといけないと思った。

現実に何の見返りもないのに、
私を治そうと思ってくれている人がいて、
自分なりの考えを超えている人の考えがある。

私は薬を取りに行くのを止め、
自分なりでない経験、体験をしようと決めた。

結果に囚われない。

最悪死ぬだけだよ、という言葉。

死を恐れていないヒビキだった。

死ぬのを怖がって、
重症化するのを怖がっている、
そういう思考をしていると気づく。

病気のメッセージとこのプロセスを体験してみようと思う。」

みのるんが発するヒビキが
今、ここから変わろうとしている。