なかのんは金庫番

ファミリーでは、ひとりひとりの役割が自然な流れの中で絶妙に割り当てられていきます。足りないところはみんなで補いあい、日々の仕事がスムーズに回っていくようにみんなで心を合わせていますが、ときには「こんな人が来てくれたらいいね」という要望も出てきたりします。

そんな中で、「食当さん」のリーダーと経理を兼ねているあいちゃんや、青草の会の事務を担当するみちよちゃんをはじめとした何人もの人が「経理ができる人がほしい!」と待ち望んできました。その切実さは、数ヶ月の間ではありますが実際にパートさんを雇っていたことがあるほどです。

そんな中でファミリーメンバーとなったのが、通称『金庫番』のなかのんです。いさどんいわく「なかのんの堅さが、まさに金庫番にぴったり!顔のえらの張り具合も金庫みたいだし(笑)」ということで、なかのんは、なんと移住する前から「ついに経理担当の人が来る!」とみんなに期待され、なかのんも「みんなが望んでくれる仕事なら」と喜んで引き受けてくれたのでした。

「ここに来てから、どんな時に幸せを感じる?」と聞いてみたら、なかのんは「自分が失敗したり、至らない所や醜いところが見えたとしても、それでも生かされていることや、周りのあったかさを感じた時に幸せを感じるよ。何かを達成した時に高揚感を感じることもあるけれど、それよりも、こういうときのほうがじんわりと幸せを感じるんだ」と穏やかに話してくれました。経理の仕事についても「この役割を通じて自分の心をみつめていきたい」とどこまでも真面目ななかのんですが、幼児たちのパワーの前ではたじたじのようです。でも大丈夫!こうやって天使ちゃん(小悪魔ちゃん?!)たちが、なかのんの堅さをやわらかくほぐして、なかのんがみんなのために輝けるように手助けしてくれていますからね。だから、なかのん、たまにはわたしたちとも遊んでね!

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幼児たちにとりつかれた?なかのん。顔は笑っているけど、こころの中は・・・?


花を活けるこころ

「あいちゃーん、お花持って来たよー!」今日も畑で一仕事?終えてきた幼児たちの手には、かわいらしいお花がいっぱい。そう、ファミリーで「お花」といえばあいちゃんです。みんな、きれいなお花を摘んできてはあいちゃんに手渡し、あいちゃんはそのお花たちをお家のあちこちに飾ってくれるのです。

最近は、「寿花」という生け花の称号を持つヤスエさんも、四季折々のお花で我が家を彩ってくれるようになりました。「今日は、涼しげなイメージを出すために、パセリの葉を摘んできたの」と、愛おしそうに話すヤスエさん。4月にファミリーに移住してきて、「買わなくてもこんなに素敵なお花がいつも手に入るなんて、目からうろこだったわ」と笑って話してくれました。鮮やかな手つきで花を活けながら、「お花のある生活本当に豊かよねえ」と嬉しそうです。

ファミリーのみんながいちばん大切にしているものは、こころの豊かさ。さりげなく飾られた花たちにも、そんなこころが表れています。

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あいちゃんとみのり

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玄関に花を活けるヤスエさん


未来のファッションリーダー?

ファッションセンス抜群の名美容師ちーちゃんがファミリーにやってきてから、メンバーの雰囲気も少しずつ垢抜けてきた近頃のファミリーです。その波に乗ってか、最近、とくにおしゃれに目覚めてきたのが4歳のみのり。一日に何度も玄関の大きな鏡の前で髪を直すその目は、まさに真剣そのものです。「三つ編みを自分で出来るようにしたい!」と話すみのりの髪には、かわいらしいお花がささっていたり、紙でできた手作りのせんすがくっついていたり。そんなみのりのファッションは、ファミリーでも一目置かれています。「大人になったら何になりたい?」という質問に、「畑でお仕事する!」と目をキラキラさせながら答えるみのり。みのりをはじめ、木の花のこどもたちがどんな大人に成長するのか、今からとても楽しみです!

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大ちゃんの旅立ち

2月からファミリーに長期滞在していた「大ちゃん」こと橘大三郎さんが、6月1日に滞在を終えてファミリーを発ちました。

大ちゃんは大阪のトマト農家さんです。今まで借りていた農園を自分で引き継ぎ、新たな出発をすることになったのを機に、農業や心を学ぼうと2月からファミリーに滞在していました。

滞在中、大ちゃんは主に「田んぼ隊」の作業に加わり、強力な助っ人として活躍してくれました。主に若手のメンバーの住む「おひさまハウスひまわり」や「た んぽぽ」に滞在していたこともあって、若いメンバーたちの「兄貴分」として面倒見のいいキャラクターを発揮、よくみんなの様子を気遣ったり、励ましたりしていました。ファミリーの世界観や精神性にも強くひかれて いた大ちゃんは、感じたことをみんなに積極的に話しかけ、そんな大ちゃんの一生懸命な姿勢に応えようと、みんなも自分の考えを真剣に答えていました。

出発の前日には、みんなで大ちゃんの「行ってらっしゃいコンサート」を開きました。ちょうどお客様をお迎えする「ウェルカムコンサート」と重なったこの日は、大ちゃんのリクエストでふだんはみかちゃんがソロで歌う「むかしむかし」をちなっぴーが、そして合唱曲の「この星の上で」をいさおとたっちゃんがデュオでゴスペル風に披露。大ちゃんは嬉しそうに聞き入っていました。

「ここで過ごした日々を決して忘れません」と涙ながらにあいさつした大ちゃんに、送別のあいさつをしたメンバーは口々に「大ちゃんはファミリーの一員だから、大阪には出張に行くんだよ」と励ましていました。

行ってらっしゃい。僕らも大ちゃんと過ごした日々は忘れないよ。家族だから、いつでも帰ってきてね。

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子どもたちの「にわとり小学校の歌」に加わる大ちゃん(左端)。この日は中学生も参加してにぎやかでした

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あいさつする大ちゃん。目がうるうるしています

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出発の日、おうちにいた人と記念撮影


のりちゃんが指を切ったとき

「あられ切りに行ってきまーす」

いつもみんなのおやつや商品のクッキーを作っているファミリーの「お菓子職人」ののりちゃんが、あられの材料になるお餅を切りに、今日も厨房から作業部屋に出かけていきました。

プロの職人さんのようにかっこよくあられを切るのりちゃんの写真を撮りにいったら、こんなエピソードを話してくれました。

「この作業はけっこう危険だから、最初はすごく緊張してやっていたんだけど、慣れてきた頃に指を切ってね。それが、1回目でしょ。2回目はね、見学に来たお客さんが話しかけてくるもんで、お相手をしなきゃ、と思っていたら、あられを切る方の集中力が途切れて切っちゃった。3回目はね、2度あることは3度ある、って感じで、慎重さを欠いて切っちゃったの。ただ単純にアホだったね、アハハ。

そしたら4回目は『アホよりもっと上』ってことになるんだけど、このときはみんなにヒーリングの力があるってことの確認になったの。私の傷口にみんなが手かざしをしてくれて、それがヒーリングのタワーになってね、みんながそれぞれの手で上からのエネルギーを感じながらヒーリングをする、って体験ができたのね。それで、人様の役に立つことができたの。

ついこの間ね、4年ぶりに5回目があったの。おもちがすごくねちょねちょしていて、慎重の上にもさらに慎重にしなくちゃ、っていう状況だったのに、一瞬で指を切っちゃってね、一瞬の怖さを感じた。それで、ああ、ほんの一瞬で起こるできごとで自分が立てた予定とはまったく違うことをいただくことがあるんだ、っていう気付きがあってね、大人ミーティングでみんなにシェアできたのよ」

「女の道は一本道!」と、いつも心の奥でひたむきに神様を想うのりちゃん。そんなのりちゃんには、神様にまつわる不思議でありがたいエピソードがたくさんあります。ファミリーを訪れた際は、ぜひ、のりちゃんに聞いてみてくださいね。でも、あられを切っているときは、要注意!?ですよ。

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真剣な表情であられ切りの作業をするのりちゃん