創立メンバーに聞くファミリーの歩み

こんにちは、なかのんです。今日は僕が関わっている「ねっこねっと」というグループが主催する「SOPMプロジェクト」のイベントをお知らせします。

SOPMは「Seeds of Peaceful Mind」の略で、木の花ファミリーの15年間の歴史で培われてきた「調和のこころのつくりかた」を、それぞれの生活の場で実践していく方法を考えよう、というプロジェクトです。ファミリーと親しい都会の若者を中心とした「ねっこネット」が運営しています。

「ねっこネット」のWebサイトはこちらです。
http://necco.maricatale.com/

SOPMについては、こちらのプレゼンテーションに詳しく解説されていますので、ぜひご覧ください。
https://sites.google.com/site/lifevillagenet/ppt-sopm

さて、今回ご紹介するイベントは、現在もファミリーで暮らしている11名の創立メンバーを囲み、創立当時の様子や心境、そしてこれまでの歩みを語ってもらい、「調和のこころのつくりかた」の参考にしよう、というものです。5月3日に「おひさまセンターひまわり」で第1回を開催、時間不足で詳細な内容まで踏み込めなかったにも関わらず、大きな反響をいただきました。

木の花ファミリーの初期の歩みが当事者の口から語られる、たいへん貴重な場となります。僕ら若手メンバーにとっても、初めて聞く話が満載だと思います。ぜひ、多くの皆様と分かち合って有意義な場所にしたいと思いますので、ご参加をお待ちしております!

SOPMプロジェクト・第2回木の花ファミリー創立メンバーヒアリング

  • 日時:2009年8月14日(金)20:30~22:30
  • 会場:おひさまハウスひまわり [地図]
  • 参加方法:下記のフォームに記入の上、送信してください。
    なお、ファミリーに宿泊される方には、別途「訪問申込書」をお送りします。

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第1回ヒアリングの様子。ドラマチックな話が次々に飛び出し、会場は興味津々でした


ボリビアとの架け橋

みなさん、ボリビアという国をご存知ですか?

ボリビアは南アメリカ大陸にあり、北と東をブラジル、南をアルゼンチン、南東をパラグアイ、南西をチリ、北西をペルーに囲まれた内陸の国です。そのボリビア(正式にはボリビア多民族国)から東京大学大学院に留学中のホセが、修士論文の研究対象にする目的で7月11日から13日まで研究の下見に訪れました。

ホセの専門は環境工学。ボリビアの国立大学で講師として学部生に廃棄物処理を教えていました。「エコビレッジにおける廃棄物処理の現状とその背後にある精神性とのつながりを、システム思考を使って紐解きたい」ということで、日本のエコビレッジを調べていく中でファミリーを知ったそうです。

滞在中、ホセは「厨房から出る生ごみがどこでどのように処理されるのか」「ボカシ肥料の作りかた」「ゴミ分別の現状」「古着の活用法や処分方法」といった多岐にわたる項目を真剣に調査していました。

ホセの研究が興味深いのは、ゴミ処理にとどまらず、それとその背後にある人の意識との因果関係を関連付けて研究しようとしている点です。この研究が完成すれば、地域や周辺を巻き込んだファミリーの循環型の生活について、社会に対する学術的な説明ができるようになりそうです。

将来のことについて計画を立てず、自然の営みに沿って生きることを大切にするファミリーの精神性について話をすると、ホセは「なるほど、それは素晴らしい!」と深く共感していました。外面的な事柄だけでなく、その背後の精神性を深く追求するホセの一途な思いに応えて、英語を話すことの出来るメンバーは、それぞれに一生懸命、ファミリーの心を伝えました。ホセと話したメンバーは、それぞれに「国や言葉は違っても、同じ心を目指している仲間だ」と直感したことをみんなに話してくれました。

「いつもは一人暮らしで寂しいけれど、日本にも家族が出来てすごく嬉しい!またすぐに帰ってきたいです」というメッセージを残して、ホセは「ア・ディオス!」と帰っていきました。

「ア・ディオス」はスペイン語で「さようなら」という意味です。アは「~に」、ディオスは「神様」という意味で、「次に会う時は生きているかどうかもわからない。全ては神様の御心のままに」という意味があるんだよ、とホセはみんなに教えてくれました。

神様の御心のままに生きる心は、世界中どこでも共通です。また帰ってきてね、ホセ!

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さあ、今年もプール開き!

「プールに入りたーい!プールに入りたーい!」

お昼休憩が終わり、午後の作業に入る14時。田んぼ隊や畑隊のみんなが作業に着替えている中、4人の幼児たちは自分たちの押し入れから水着を出してきてとっとと着替えています。でも、毎年使っている子供用のプールは、まだ倉庫に眠ったまま。なのに、幼児たちはすっかりその気になっています。さあ、どうする?!

それを見ていた「子どもといるときが一番幸せ」ないさどんが、2つのおけを用意しました。たっぷりの水を張ったら、さあ、簡易プールの出来上がり!

「キャー、つめたーい!」「気持ちいー!」キャッキャッと嬉しそうにはしゃぐ子どもたち。見ているこちらも、思わず笑顔になります。

「きよの水着が一番かわいいから、きよ一人の写真も撮って!」というみのりのリクエストに応えて、きよの写真をパチリ!「鎌倉のじーちゃんに送ってね!」ときよ。そう、おじいちゃんは今日、7月15日が80歳のお誕生日なのです。

「きよ、またおじいちゃんのところに遊びに行くからね!!」

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小ちゃくてもみんな大満足!気持ちよさそうです

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鎌倉のじーちゃーん!


自然の恵みに感謝して

さあ、質問です。

「みかちゃんと言えば?」「木の花楽団のメインボーカル!」
「では、夜に歌うみかちゃんが昼にしていることと言えば?」「養生食担当!」

と答えられるあなたは、もう木の花通まっしぐら?!

今回は、木の花養生食担当のみかちゃんにインタビューしてみました。歌を口ずさみながらみかちゃんが今日のサラダに取り分けているのは、なんと、つるむらさきの葉っぱ!

「夏は青物が少ないから、今日は初めてつるむらさきの葉っぱをサラダに入れてみたの。青汁も、ちょっと前まではキャベツ一色だったけど、今日はキャベツ、エンツァイとケールに、つるむらさきも入れてみようかな?秋になったら、またみんなの分の青汁も作れるからね」と話すみかちゃんに、「いつも、どんな想いで養生食を作っているの?」と聞くと、「とにかくみんなの健康のために、栄養が身になるように、という想いで作ってます。本を読んで酵素が大切だということがわかったから、酵素玄米もそのために作ってます。野菜の生の酵素と合わせてね」

「単なる病気なおしというよりは、みんなが自然の恵みに感謝しながら、楽しんで食べられるといいよね。やっぱり『病は気から』だから。食べ物が心に与える影響も大きいし。いつだって一番は心。自然の恵みに感謝する心が育てば、病気もよくなるんじゃないかな?栄養学もあるけれど、季節折々に与えられた恵みをいただいていけば、栄養のバランスは自然界がとってくれるよね」と熱い想いを語りながら、丁寧にサラダを盛り分けていくみかちゃん。

「みかちゃん、お料理は好きなの?」と聞くと、「料理自体は嫌いではないけれど、自分の好みが偏っているんじゃないかっていうコンプレックスもあるし。今まで3~4人分ぐらいしか作ったことがなかったから、50人分の料理を作るなんてとてもとても、と思っていたけれど・・・」とみかちゃんは言うけれど、時にはゲストも含めて100人分のサラダも作れているから大丈夫!しかも、みかちゃんが作るサラダは、みんなに毎回おいしいと大好評!みかちゃんの好みが偏っているとは全然感じられません。

「きっと、自分ひとりがどう食べたいからと作るのではなくて、みんながどうやったらおいしく食べられるかな、と想いながら作っているかな?」と笑いながら答えるみかちゃん。いつもいつも、みんなの心と体を想い、形として表現していくという点では、養生食作りも歌うこともみかちゃんにとっては同じことです。みかちゃんの熱い想いを受け取り、自然の恵みに感謝して、今日もおいしくいただきまーす!

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「むくもく」のみんなを紹介します!

6月の下旬、「むくもくファームガーデン」という名前の団体から3人のお客様が見学にお見えになりました。はじめは特に変わったところのない(?)、ふつうのお客様としてお迎えしていましたが、お話を伺ってみると、「共同生活をしています」「設立5年目になります」「財布はみんなでひとつです」「精神性を柱として集った仲間です」・・・え、それって、コミュニティですよね?!それに、もしかすると、僕らと考え方がすごく近いのでは?

驚いた僕らは、その日の夕食後にさっそく「こうちゃん」こと西岡幸一さんにお話を伺いました。こうちゃんは「むくもくファームガーデン」の創立メンバーのひとりです。実は、このときのお話だけではちゃんと把握しきれず、あとでいろいろ教えていただいたのですが、こうちゃんに説明してもらった「むくもく」の活動の概要をみなさんにご紹介します。

「むくもくファームガーデン」は20名からなるコミュニティ。うち12名が三重県松坂市飯高町のログハウスを拠点に共同生活を営んでおり、そこではファミリーと同様、「財布ひとつ」の生活をしているそうです。みんなの「家業」は便利屋さんで、奈良県吉野郡東吉野村の拠点では看板を掲げて営業もしています。

「むくもく」は、「福ちゃん」こと福岡和男さんが中心になって設立した精神世界の勉強会「BOX」が母体になっています。5年前、福ちゃんの呼びかけでいくつかの拠点で田舎暮らしが始まりました。ふくちゃんとこうちゃんは東吉野村で地元に貢献しながら収入を得る途として便利屋さんを開業、これが今でも存続しています。その後、飯高町にログハウスを購入、「むくもくファームガーデン」と名付け、独身者と一家族が移住して共同生活を始めたそうです。現在は、便利屋の傍ら、ファームガーデンの農業や山林の開墾にも力を入れている、とのことです。

ちなみに、木の花ファミリーは家業のかたわらで人生相談を受けていたいさどんの話を聞きに集まった人たちが母体になっています。そのうち20名がいさどんの呼びかけで富士山の麓に移住して始まったのが「木の花農園(当時)」ですから、その成り立ちは非常によく似ています。単なる田舎暮らしを目的としているのではなく、スピリチュアリティを明確な背景として持ち、未来の社会モデルとなる生活を志している点も共通しています。

6月下旬に来てくれたこうちゃんとかずみちゃん、大ちゃんはファミリーの考え方や生活が自分たちとあまりに共通点が多いことに驚くと同時に、その生活の完成度に衝撃を受けたそうです。家に戻ったこうちゃんたちは、さっそく「むくもく」のみんなにファミリーでの経験を報告。わずか数日後に、創立者の福ちゃんと奥さんのひろみさんを連れて、ふたたびファミリーにやってきてくれました。

2泊3日の滞在中、むくもくのみんなは農作業やいさどんによるプレゼンテーション、ウェルカムコンサートを通じてファミリーと深い交流のときを過ごしました。福ちゃんは「むくもくをファミリーの分家だと思って、今後もよろしくお願いします」とあいさつしてくれましたが、私たちも「むくもく」のみんなを同じ志をもつ「ひとつながりの家族」だと思っています。

「むくもく」からは、これから「ファームガーデン」の代表をつとめる「熊ちゃん」をはじめとした皆さんが次々にファミリーにやってきてくれます。今回いただいた「運命の出会い」は、これからさらに深まっていくでしょう。

最後に、「むくもく」のみんなが参加してくれたコンサートで披露された「ひとつながりのいのち」をご紹介します。「それぞれが違ってていい、違うからこそつながれる」と いうメッセージは、ちょうど今回の出会いのために用意されていたような曲でした。誰でも口ずさめるシンプルでやさしい歌を、「木の花フラーズ」の踊りと一 緒にお楽しみください!

ひとつらなりのいのちたち

いついつまでも 友だちでいよう
こころとこころを 重ねあわせて
それぞれの色に 輝きながら
それぞれの歌を 歌いながら

ひとつらなりのいのちたち 兄弟たちよ
こころのかべを 乗り越えてひとつになろう

(作詞作曲:嵯峨美雅子)

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ファミリーの大人ミーティングに参加した「むくもく」のみんな。右からこうちゃん、創設者の福ちゃん、奥さんのひろみさん、かずみちゃん