週刊文春掲載を経て、今思うこと〈キッチンスタッフ編〉

「週刊文春掲載を経て、今思うこと」第2弾!
いつもわいわい賑やかでみんなを温かく迎える木の花の心臓、キッチンスタッフよりお届けします。
   
のりちゃん(創立メンバー)
120429-100902木の花では今年を「うねりの年」と呼んでるけど、まさにうねってるな、と思う。もともと、昔からいろいろ言われてきたんだよ。オウムだとか怪しいとかずっと言われてきたから、今さら特別珍しいことじゃない。
だけど、Xさん(長年お付き合いしてきた地元議員の奥さん)から電話があった時は泣けたよ。(周りにいたメンバーたちからも「私も泣いたよー」と声が上がる。)滅多にここに来ることのない旦那さんが、雑誌を読んで「こんな時だからこそ応援に行かなきゃいかん」と言って、来月の「恵みいただきます(月に1度の自然食レストラン)」に来てくれることになって、奥さんも「私は美味しいものを食べさせてくれりゃあいいのよ!」って。いろいろと立場もあるだろうにね。自分たちでやって来たつもりが、実はこういう人たちに支えられて来たんだなと思って、嬉しくて泣けた。昔から、土地を借りようとしても貸してもらえないなんてことがあった時に、地元では評判の悪い人がすっと貸してくれたりして、いろんな人に支えられてきた。自分たちの力でやって来れたわけじゃない。ありがたいねえ。周りにそういう人たちがいてくれて。
だから、ただ信じて進んでいけばいいんだよ。

はるちゃん(創立メンバー)
140317-151018最初は「えーっ」と思ったけど、今はいいことだと思う。みんながいることによって、何も怖くない。人それぞれの本音も出てきて、それによってつながりが強くなったし、自分たちも強くなれる。自分たちで発信しようと思ってもできなかったことが、周りが出してくれたことによってどんどん透明に近付いて、きれいになっていく。
どんなことがあっても私はこの道を信じてるから、何も怖くないです。

えいこばあちゃん(創立メンバー)
140419-152547よかったな、と思うよ。これで全部さらけ出せるし、興味がある人はここへ来るでしょ。ここに来てくれたら直接話もできるし、いざ私が質問されたら何て答えるかわからないけど、どんなふうに答えるかで自分のこともわかるからね。
私もずっと、男はこうあるべき、女はこうあるべきって思い込みの中で生きてきたから、初めてここの性のあり方を知った時には、もうガタガタになりそうなくらいショックだったよ。でも、何でかわからないけど、一晩泣いて、寝て、目が覚めたら、どうでもいいや、というか、最初に思った「許せん」って気持ちがすーっと抜けてた。何か、これは大事だ、というんかね。何かがあるんだと思ったんだよね。それからは、何も抵抗がなくなっちゃった。私がそれをわかったのは、やっぱりここにいるからだよ。何て言うんかなあ・・・ここの空気っていうのがあるからね。
何かできごとがあるとみんなそこのところだけ切り取って見ようとするけど、本当は何でも流れがあって、一人ひとりに物語があるでしょ。子どもを生むのも役割だし、生まれてきた子どもたちも、みんな役割してるなと思うよ。

やじー
140118-115815記者が取材に来た時に、タレ込みがあったんだろうな、と思った。批判をしたい人が自分では手におえないので、援軍を頼んだのかな、と(笑)。
こんな見出しがつくことも想像できた。性だとか暴力だとか、世間の関心はそういうところにあって、オウムの事件の時もマスコミはセンセーショナルに取り上げてた。当時自分も「えー」と思ってたけど、今は違う。だけど、世間はそこから変わってないんだよね。
自分の立ち位置が変われば、見えるものは変わってくる。みんなが理解するのはまだまだ先だろうね。全部理解してもらえなくても、信じて、日々粛々と実践していく姿を見てもらうことでしか伝わらないと思う。

のんちゃん
110805-165821記事については「へぇー」って感じ。意味するところがよくわからなくて。
もしも自分が世間の中にいてこの記事を読んでいたら、色めがね的に「危ないところだなあ」と思っていたかもね。でもそれを今、ここの中で暮らしていて、その大切さをわかりながら、一般的に見たら奇妙な生活をやれていることが・・・・・ヤッターーーーーー!!!!という感じ(笑)。
もちろんそれは、一人じゃないからだよね。

ゆみちゃん
120418-090358最初にこのバッシングが始まった時は、エコビレッジ業界の限られた人たちの間でだった。今は一般の人の目にもさらされるようになって、段階を踏んでるなと思います。神業的だよね。
今、いろんなところから感想が届いていて、ここのメンバー一人ひとりが、自分の言葉でそれに答えていく段階なんだと思います。そして、この生活が世の中に知られる必要があるんだなと思っています。

なおちゃん(心の学びのために木の花に長期滞在中)
140510-142018ばからしいと思う。出てくるのは、その一言。
人の興味をヘンに引くような、いやらしい感じで書いてあって、記事を書くならもっと素直に書けばいいのに、何かひねくれて書いてある。それが人を引きつける秘訣なのかもしれないけど、ややこしくてめんどくさい!
   
  
  
 


週刊文春掲載を経て、今思うこと〈オフィス/デザインチーム編〉

先週発売の「週刊文春」に、木の花ファミリーに関する記事が掲載されました。
木の花ファミリーでは週刊文春からの取材にも応じ、掲載された記事はゲストも参加自由の大人ミーティングの場でシェアをして、昨秋からのバッシングの延長にある今回の出来事について語り合い、学びを深めてきました。
このたび、記事を読んだファミリーの友人より「木の花のみんなは今、どういう思いでいるのか」という質問をいただきましたので、メンバー一人ひとりがそれぞれの想いを語りました。まずはオフィス&デザインチームよりどうぞ!
   
みちよちゃん(国際交流/教育活動担当)
130606-101036今回のことで特に何かを思うということはないです。昨秋からいろいろなことを乗り越えてきたので、こういうこともあるだろうなと思っていました。この出来事を通して私たちが学ぶ必要があるから起こっているのだと思うし、同時に、記事に登場する元メンバーたちが学ぶ場も提供されているのだと思います。
彼らは今、何を思っているのかな、と考えることはあります。自分を正当化するために、本当の気持ちにフタをして、不自然な生き方をしているんじゃないかな。いずれにしても、それぞれに学びの役割分担があるのだから、それでいいのだと思います。
私は立場上海外とのやりとりが多いのですが、海外の人でもこの生き方の大切さがわかる人はわかるのです。人はみんな自分のものさしを正しいとして物事を見ており、私もその傾向の強い一人ですが、こういった出来事を通してそういう自分の視点を変化させていく練習だと思っています。

まり姉(販促/家庭教師担当)
140317-100348子供たちの通う保育園に送りに行った時に、園長先生に呼ばれて、雑誌のことについて聞かれました。
私達は性の交わりをいやらしいことではなく、星産みに当たる神聖なものとして捉えていることや、子供達にも、思春期になって興味が出てきたころに、どのようにして生まれてきたのかをありのままに伝えていること、今回の雑誌に関しての事実も中高生たちに伝えたこと、むしろ一般の家庭の方が安易に夫婦の接触を子どもの前で見せているのではないかと思うこと、雑誌で書かれているような性の乱れはここにはないということ等を正直にお答えすると、「直接聞けて安心した」と言ってくださいました。他にも地域の方々がいろいろ心配して来てくださり、メンバーがそれぞれ対応しており、みなさん理解を深めて笑顔でお帰りになっています。
この状況を「つらい」かと言われると、全くつらくはありません。言葉では語りつくせない微妙な内容なので、説明するのが正直「面倒だな」と思うことはあっても、このことをきっかけにして、よりありのままの木の花を知ってもらえるし、わざわざ足を運んでまで聞きに来てくださる方がいることは、ありがたい以外の何ものでもありません。隠すことがなにもないというのは、本当に楽で安心して暮らせることだということを実感しています。
私は、コミュニティでしかできないことをするためにコミュニティの形で生活をしています。それは、人と人が密に接することで互いを磨き合う場であり、それなくしては人のためにはなれないと感じているからです。そして、これからはいさどんを目立たなくできるように(ま、あれだけ個性的な人ですから、そういう意味では難しいですが・・・)一人一人が実力をつけていこうとみんなで心を合わせています。
正しいか正しくないかは時代が決めていくことですが、人は、その人の目線でその時の真実を決めてしまいます。例え他の誰もが理解できなくても、私は自分の信じた生き方を自分の責任で生きていきます。

なかのん(経理/総務担当)
110803-075715雑誌に掲載されて、どんな反応が来るだろうかとドキドキする気持ちはありました。だけどこの一連の出来事を通して、物事は全体の一部分だけを切り取って見るものではないということを学びました。何かが起きても、次の瞬間にはどのように展開するかわからないから。
記事には、元メンバーが未だに精神的な呪縛を脱することができず口をつぐんでいると書いてあったけど、僕はむしろ、ここまで事態が大きくなってしまったことに戸惑いを感じてるんじゃないかと思います。批判している人たちからは、何としても木の花をやっつけたいというような執念も感じるけど、それに対して何かを思うということはないです。そうなんだな、という感じで。マザーテレサは「愛の反対は無関心」といったけど、それだけ木の花に執着があるってことなのかな。

まっちゃん(総務/便利屋担当)
140118-113453近所や家族がどう思うかなとドキドキして、自分を守ろうとする心が出たんだけど、このことを通して心を鍛えてもらってるなと思ってます。こんなことを経験できるのはここしかない。
ここは僕にとって、魂が喜んで生きられる場所です。真実はひとつだし、わかる人にはわかるもの。
この先がどうなっていくのかを見てみようと思っています。

ともちゃん(広報/撮影担当)
140528-235051木の花ファミリーの記事以外も含めて週刊文春を読んでみて、「これが日本の売上げNo.1週刊誌か〜」と残念な気持ちになったというのが率直な感想です。世の中にはもっと大事な話がたくさんあるでしょうに。批判をする人の心の奥には嫉妬心や自分自身の現状への不満を感じるし、長い人類史の中でごく最近作り上げられた価値観を絶対のものであるかのように思い込んで縛られて、そこから生まれる不満のエネルギーを自分でも気付かないまま、正義の皮をかぶせて他者への攻撃に向けている。木の花に暴力があるというけど、子どもやケア滞在などデリケートな人たちもいる場を、事実をねじ曲げた言葉で攻撃してその人たちの心を傷つけるのは、暴力じゃないのかな。そのエネルギー、もっと有効な使い方がいくらでもできるのにもったいない!だけど私も、昔はそのエネルギーの使い方がわからなかったなあ。
だから今、人のためにそのエネルギーを使うことを学び、堂々と胸を張って生きられることを心から幸せに思っています。週刊誌よりもきっと人を幸せにする、一見アヤシイ、だけどその奥を感じようとする人にとっては間違いなく価値のある情報をこれからも発信していきますので、ご興味のある方はどうぞご覧ください。
ちなみに、記事に出てくる元メンバーのA氏は、今も木の花のお野菜などを買い続けております。

あやちゃん(販促/イラスト担当)
140318-132515最初に記事になると聞いた時はイヤな感じがしたけど、今は「ありがとうございます」という心境です。
自分の心の中にある本当の心と対話するきっかけになったし、自分は思っていたよりも覚悟があるんだということに気付いて、自信にもなった。そして何より、外の人たちがこんなにも木の花のことを信用してくれてたんだ、ということを知るきっかけになりました。「こんな時だからこそ応援しなきゃ」と電話をかけてきてくれるお客さんや、「世間が何を言ったって僕は実際の木の花さんを知ってるから関係ないよ」と言ってくれる卸先の店主さんなど、いろんな人との絆が深まったのは本当に大きな収穫。動揺する人もいたけど、こちらの姿勢次第で真剣さが伝わった。いろんな学びがあって、もう「ありがとう」しかない。
もともと人目を気にする自分が、今こんなに堂々としていられるのが、清々しくて気持ちいいよ。何も悪いことしていないもの。みなさん、ぜひ一度来てみてください。言葉で伝えられることなんて少ないから。信じてくれる人は、やっぱり自分の目で見て確かめてくれる人です。

みきちゃん(デザイン/子育て担当)
130503-120520不安は全然ないです。記事の内容を見て、そういう側面から見ればそう見えるのだろうし、性についても一般的なイメージしかなかったらああいう捉え方になるのも無理ないと思います。それをどうこうしようとは思わないです。
それよりも、ここを訪れる人がその空気を感じられるように、地に足をつけて場を創っていくことの大切さを改めて感じ、日々やるべきことをやっていくだけですね!

ひとみちゃん(デザイン/ゲスト対応担当)
140503-135617最初にこのバッシングが始まった時には、どうしたらいいだろうと心が揺れました。私はバッシングの原因の当事者でもあったので、自分の未熟さが招いたことで木の花が誤解されてしまうことへの恐れがありました。でも、当事者だからこそ真実を伝えていこう、と意識し始めた時に、自分でも驚くほど、それまで学んできたことが自分の中からあふれ出てきて、それを人に伝えることで、より明快になっていきました。
雑誌の取材が来ると聞いた時には心がざわついたけど、記者が帰った後には武者震いがして、「来るなら来い!」と(笑)。できあがった記事を読んでみたら、思いのほかいさどんのコメントに誌面が割かれていて、これは世の中に対して良い働きかけになるな、と思いました。木の花を自分なりのイメージで所有している人や、自分の立場を守ろうとする人は、ショックを受けたり離れていったりする。だけど全員が否定的に見ているわけではなく、思ったより世の中は変わってきている。
この生き方をもっと表現していきたいと思うし、他のメンバーたちも、今回の件を通して今までわからなかったものが明快になって、どんどん爽やかになってきています。この道を歩むものとして、背中を押してもらっているような感じです。

ようこちゃん(巫女/ケアサポート担当)
140503-132853今回の件の発端である元メンバーの心を動かしているのは天である、というメッセージが、今回の件が始まったばかりの頃に天より降りてきていたので、「一見、困難のように見える出来事であっても、すべては善きことの為にある」という想いは私の中に揺るぎなく存在していました。
今回の件を通して、木の花ファミリーメンバーの一人ひとりが「私たちの歩んできた道のりは一体何であったのか」「当事者である私たちにとって真実は何であるのか」をしっかりと振り返り、外に発信していくことによって、私たちの生き方に共鳴する人たちとの出会いに恵まれました。これまで私たちが外には大々的に伝えてこなかった木の花における大切な性の在り方についても伝える貴重な機会を得ることができ、それこそ天の計らいだとメンバー全員で確認することができたのです。
私はこれまでの人生で、ここまで心を大切にし、自らと向き合う真剣な人たちを観たことがありません。苦しみも喜びも、心の内を全て共有できる信頼関係に基づいて木の花ファミリーが成っているからこそ、血縁を超えたもの同士がここまでの絆を築けること、そして、この世界にそのような豊かな心の絆とともに真剣に生きている人たちがいることは真実なのです。私は、この心の絆は何ものにも代えられない一生の財産だと思っています。
私たちの心の絆から表現される世界は、直接出会ってこそ感じられるものだと思っています。そして、この心の絆が木の花ファミリーの枠にとどまることなく、国境をも超えて、地球上、宇宙にまで広がっていくことができれば、すべての生きとし生けるものを自らの体の一部として大切に想うことができるのでしょう。
時代は21世紀に入り、これからますます人々にとって生きづらい環境の時代に入っていきます。そのような中で、時代は私たちにもう一度心のつながりの大切さを思い出させ、過去の良き時代にあった共同(協働)する心を与えてくれることでしょう。その心が伝わることを心より願っています。これからも天と共に、皆と共に歩み続けていきます。
   
  


さっちゃん物語 〜 乳ガンをいただいて

2年前にメンバーになったさっちゃんは、家事と子育てが担当。16年前にもメンバーになりましたが、一度ここを離れ、再び帰ってきた“出戻り組”でもあります。
昨年10月に乳ガンであることがわかり、大きく変化しつつあるさっちゃんを、今日はご紹介します。

さっちゃん
さっちゃん

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木の花のことを最初に聞いたのは、子どもの幼稚園で一緒だったお母さんから。無農薬で農業をやっていて、子どもも一緒に農作業できて、ごはんも食べられるよって教えてくれたの。それで子どものためになるかと思って来てみたんだ。
そのころ、私は育児で悩んでて。子どもが学校でなかなかみんなについていけなくて、問題があるのかと思って精神科に行ったら「お母さんがおかしいんです」って言われて、でも自分ではどうしていいのかわからなかった。それでここに来て、いさどんからも「問題があるのは子どもではなくあなた自身」と言われてびっくりしたの。話を聞いてみて、面白いことを言う人だなあと思った。それで、ここに通うようになったんだ。

時々来ては農作業を手伝ったりしていて、ある日お昼寝をしてる時に、夢を見たの。黄金のお釈迦様が雲に乗って現れて、目の前に来たところでパチっと目が覚めた。
そのことをいさどんに話したら「おまえはお釈迦様の弟子だよ」って言われたの。それで舞い上がっちゃった。自分は素晴らしいものなんだ、って勘違いした (笑)。

友だちのあきちゃんにも紹介をして、二人でいさどんの話を聞きに通い続けたんだ。そしたらそのうちにあきちゃんが移住することになって、私もライバル意識で、移住することにしたの。家族は反対したよ。でも追いかけては来なかった。
その少し前にね、30年後の自分を想像してゾッとしたことがあるの。このまま主婦やって、毎日ぐうたら昼寝して、何も変わらないまま年を取っていく自分の人生を想像して、ゾッとした。
そこから逃げたい気持ちもあったんだよ。PTAの役員も面倒だし、周りとの人間関係もうまくいかないし。そういうことから逃げたかった。それで離婚して、二人いた子どもの一人だけを連れて、ここに来たんだ。
  
120410-111544移住して、最初の頃は楽しかったよ。心の話がすごく楽しくて、大人ミーティングで寝てる人を見ると、何で寝てるんだろうって思った。
でも実際に生活していくうちに、だんだんしんどくなって、ミーティングでも眠くなるようになったの。だけどいいかっこしいで、正直な気持ちを言えなかった。作業でも失敗ばかりで、自分を良く見せようと嘘をついたりして、それに対してみんなが伝えてくれる言葉も、責められてるようにしか思えなかった。誰にも相談できなくて、絶望的な気持ちだった。

私のようすがおかしいので、みんなから「出て行った方がいいよ」って言われたの。私はこの生き方をするために生まれてきたから、ここを出ることはできない、と思ってたんだけど、いさどんから、それはあなたの思い込みだよ、ここを出ても自分にふさわしい幸せな道があるのだから大丈夫だよ、と言われて。
それで、メンバーになって3年で、ここを離れたんだ。
  
実家に帰って、最初は泣いてばかりだった。自分は根性なしで嘘つきで、みんなみたいに人のために働くことができなかったって、挫折感でいっぱいだった。
でもね、恨む気持ちはなかった。ただ怖かったの。みんなに責められているようで、正直が出せなかった。それでも、ここのみんなが私のことを一番よく考えてくれている、ということだけは、よくわかってた。

木の花だけが道じゃない、とヤマギシ会に行ってみたり、宗教をやってみたりしたけどそれも続かなくて、自分は本当にダメな人間だと思ってた。いつもイライラしてて、不安定で、毎日が辛くて、なんとか生きがいを見つけようと空手を始めたの。大会に出て、自分の弱いところと向き合って成長しようと思った。
だけどね、ダメな自分ばっかり出てくるの。勝ちたいっていう欲が強くて、結局簡単なミスをして負ける。試合に勝ちたい、かっこつけたい、人から羨ましがられたい。だからかえって転ぶ。そういうパターンだった。
情けなかったよ。その仕組みがわかってるのに、それを繰り返しちゃう自分が、情けなかった。余計な欲がない時は勝てるのに、それがわかってるのに、どうしてもそっちに行けなかった。だから、負けるのは当然だと思ってた。
  
それで10年くらい経ったのかな。
131116-171233やっぱりね、木の花を恋しく思うの。おいしいごはんを思い出したり、えいこばあの里芋の煮っころがしが食べたいな、とかね。それで、夏に1度来てみたの。
玄関を開けたら、ちなっぴーとかずこちゃんがいてね。当たり前のように「さっちゃん、おかえりー」って言われたの。まるでほんの何日か旅行に行っていただけのように。びっくりしたよ。
それでいさどんに会ったら、「帰ってきたか」って。それでね、昔とまったく同じことを言うの。それがすごく不思議だった。だって毎日毎日いろんなゲストが来て話をしていて、10年前に私に何を言ったかなんて覚えてるはずがないでしょ。それで、やっぱり本物なんだ、って思った。嬉しかった。
  
私ね、いつか自分はここに戻るんじゃないかって、ずっと思ってたの。だから、離婚した時に本籍を木の花の住所にしたんだけど、実家に戻ってからもずっとそのままにしてた。今はまだ、自分の人間性がふさわしくないから戻れないだけなんだ、って、心のどこかで思ってた。
何度か遊びに来るうちに、あきちゃんから「諦めなければいいんだよ」って言われたの。こんな私でも、諦めなければ何とかなる。それで、もう一度来ようと思ったんだ。
  
本当はね、まだまだ普通の生活に未練があったんだよ。ファーストフードが食べたいとか(笑)。でも仕事を辞めたり母親が亡くなったりしてトントン拍子で移住の流れが進んで、心が定まらないまま再びメンバーになっちゃった。
そんな状態だから、やっぱりいろんなことが起きたよ。本当は外に未練があるのに、またいいかっこして頑張ってるふりをしてるから、無理が生じていろんな現象をもらった。食欲もなかなかコントロールできなくて、食養生(砂糖や熱した油を摂らず少食にする)を始めたの。それでもなかなか欲が抑えられなくて、覚悟ができずに気持ちがグラグラしてた。そうしたらその1か月後に、乳ガンであることがわかったの。
   
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ガンだと聞いた時、びっくりはしなかった。どこかで、そうなる気がしてたから。
自分にはそれが必要、っていうのかな・・・・自分の思い通りにならない方がいいんじゃないかって思いがあったの。ちょうど食養生をやめようかと思ってた時で、胸にしこりを見付けて病院に行く時に、このままガンじゃなくて食養生やめられることになったら変だよな、と思った。だって、それでは自分の「こうしたい」って欲が通っちゃうことになるでしょ。それが満足させられる道はおかしいなって思った。
  
考えてみると、自分の思いが通るっていうのは、人生で経験したことがない。思いがすっと通る人と通らない人がいて、私の場合通らないのが当たり前だった。なぜかって、欲が強いから。それはわかるの。
だから、ガンだと言われた時にも、自分にはそれが必要なんだ、ってどこかでわかってたんだ。
   
131231-232400なぜガンになるのかという心の仕組みも、ここで学んだ。頑固な人や、心の中に恐怖や怒りを溜め込んでいる人はガンになりやすいって。
だから、ガンになったことをみんなに伝える時には、蔑まれるんじゃないかって、内心隠したいような気持ちだったの。そうしたら、みんなの反応は全然違った。「いいものいただいたね」って。お気の毒に、という人は一人もいなかった。あっけらかんとして、じゃあ食養生続けるといいねー、って。みんなが、やさしかった。
   
私ね、昔から、いつもどこか焦ってたの。自分は人より遅いとか、頭が悪いとか、仕事ができないとか、コミュニケーションがうまく取れない。そういう劣等感を何とか挽回しようと思って、いつも焦ってたの。今でも時々、やることがいっぱいになると息が苦しくなってハアハアしてくるの。でも周りから「ハアハアしてるよ」と言われると、はっと我に返って、やめられる。前はやめられなかった。いつも呼吸が苦しかった。
   
それができるようになったのは、みんなのことを信じられるようになったから。みんなが、善意で言ってくれてるのがわかるの。そして、できない自分を認めてくれているのがわかるの。
ガンになって崖っぷちに立って、初めて自分の弱さを出せるようになったんだ。だって、もう後がないから。ここで自分の心を正直に出さなかったらガンはよくならない、と思って、思い切って、自分の中にあるこれまで出せなかったものを全部、出せるだけ出したの。そうしたら、みんなは私を蔑むんじゃなくて、そんなことたいしたことないよ、みんな同じだよ、って。ホッとした。なんだ、自分だけじゃないんだ、って。
今までは、自分の汚れを認めるのが怖かったの。みんなにそっぽ向かれるんじゃないかと思って、ずっと隠してきた。でも、実はそんなことみんなは知ってたんだね。なんだ、バレてたんだ、って(笑)。
大事なのは、その汚れた心を持っていることを肝に銘じて、その自分を超えるために歩んでいくこと。それがわかったんだ。
   
140423-191620もしもここに来ていなかったら、ガンだってわかった時に、きっと絶望して、恨んで、人にあたったりしてたんじゃないかなって思う。何でガンになったのかを振り返ることもなかったろうし、周りも当たらず触らずの扱いで、木の花のみんなのように心の中に踏み込んでくることはしなかっただろうと思う。
自分の心は重たいままで、絶望の中で暮らしてたんじゃないかな。
   
今はね、みんなが自分を後押ししてくれたり、言葉をかけてくれたりした時に、胸のところに、ちょうどガンのあたりに、ほっと明かりが灯るような感じを、よく感じるの。昔は顎関節症になるくらい、いつも緊張してたのに。
包まれてるような感じがあるの。ああ、これが愛なんだな、って。ずっと、自分は本当の愛を知らないと思って生きてきたんだけど、愛って、本当に自分の目の前にあるんだよ。それに気付いたら、もう怖いものは何もないね。嬉しいね。
   
今、体が疲れやすくなってるから、朝に疲れがなくスッキリ起きられるとすごく嬉しいんだ。夜寝る前に、明日もスッキリ起きられますように、ってお祈りするの。そうしたら、みんなのために働かせてもらえるから。
疲れて大人ミーティングに出ないで寝ちゃった時は、翌朝がっくりして、また寝ちゃった、って情けなくて涙が出てきたりもする。疲れると、こんなんじゃダメだ、何で自分はできないんだ、って思い始めるの。だから、そういう時は休む。そして元気になって、空気の良い自分でいられるように。
こんなにバカな私でも、こんなに元気に生きられるんだよってことを伝えたいんだ。病気で苦しんでる人や、孤独を感じている人や、頑張りすぎている人に。
   
131201-010328 のコピーカタカムナ勉強会の時に、講師の芳賀さんに言われたんだ。「大丈夫ですよ。人はガンで死ぬんじゃなくて、寿命で死ぬんですよ」って。そうなんだよね。
ガンがわかって、始めの頃はシモンとかにんにくエキスとかビワの粉末とか、治療に効果があるって言われるものを大量に摂ってたけど、今は全然摂ってないんだ。自然になりたいな、と思って。何かで治療するとかじゃなくて、心で治っていくといいな、というか、心が良くなっていけばいいなって。寿命で死ぬだけだから。
必要になったら、またその時に始めればいいんだしね。
   
ガンがわかった時、最初に病院で、手術よりも食養生で治したいと言ったら、そんなことをやったって良くなる人なんていないって言われたの。それで、手術をする方向で話を進めていて、私もその通りにするつもりだったんだ。
だけどこの間検査に行ったら、ガンの状態がすごく穏やかで落ち着いてるから、自分がやりたい治療をやっていいですよ、って言われたの。それで、今自分がやっていることを先生に伝えたら、病院だってガンを切ることを目的にしてるわけじゃなくて、要は患者さんが治ればいいんです、って言ってくれたの。最初はお説教されたのにね(笑)。それがすごく不思議。
   
昔、「おまえはお釈迦様の弟子だ」って言われて自分は特別なんだって有頂天になってたけど、もうね、そういう時代じゃないなって思う。誰かが特別とかじゃなくて、みんなで響きあうというか。私がそう言われたことも、ここに来るための一つのアイテムに過ぎなかった、というかね。
今カタカムナを学んでいることも、みんなの中にあるものが開かれていく、一つのきっかけなんだと思う。
みんなの中に、すごく、愛がたくさんあるんだよ。
  

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【生命禅院レポート】ゼロからの再建 〜 パーマカルチャーや有機農業の指導者大募集!

「木の花ファミリー通信 第77号」にてお伝えしました通り、昨年11月に木の花ファミリーと国境を超えた一つの家族となった中国雲南省のエコビレッジ「生命禅院 第二の家」は、政府からの圧力により、この3月に解散を迎えることとなりました。

昨年11月のみちよちゃん訪問時の生命禅院
昨年11月  みちよちゃんの訪問を歓迎する生命禅院メンバーたち

  
生命禅院 第4支部
雲南省の生命禅院・第4支部

既存の家族制度を超えて人々が真に調和して生きる理想郷を目指して歩んできたものの、政府からその生き方を認められることはなく、度重なる嫌がらせの末に、5年の歳月をかけて築き上げた美しい家を離れることとなった生命禅院メンバーたち。しかし、彼らの中に憎しみはなく、この出来事を「生まれたばかりのものが発展するプロセスにおけるタオ(宇宙の根源的な真理)の流れ」の一部であると捉えています。

生命禅院の精神的リーダーであるシェファンは、この世界に悪は何一つなく、私たちがするべきことは私たち自身を振り返り、正していくことだと語りました。

「多くの人々からの精神的なサポート、そして愛に感謝します。
 私たちの家の遺伝子は「国際的な大家族」です。
 平和を愛し人類の持続可能な暮らしに向けて働くすべての人々は、
 国際的な大家族として調和的に暮らし、
 人類の未来はとても明るいと私たちは信じています。
 自然環境を保護、改善し、人々、自然、社会がそれぞれに
 調和の中で共生する理想社会を実現することが、私たちの夢です。
 私たちの開発を段階ごとに報告し続けますので、国際的な組織、政府、
 そして全ての命の歩みをしている皆さまから
 私たちに継続的に意識を向けていただき、
 コメントと導きをいただけることを心より望んでいます。」
 (シェファン)
  

そう!雲南省の家は解散となりましたが、彼らは新たな歩みをスタートさせたのでした。

150人のメンバーのうち、可能な人は社会に出て働くようになり、戻る家のある人は家に戻りました。そして残った約80人のメンバー(ちょうど木の花ファミリーと同じ人数!)は、西方のゴビ砂漠へ向かって大陸を5000km横断し、そこに新天地を見付けて新たな家の建設を始めたのです。
  
何もない土地での、ゼロからの開墾
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整地1
   
キッチン土台
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みんなで食事
  
何もない砂漠の地で、当初は途方に暮れたというメンバーも、「大いなる創造主(宇宙の不滅の真理)」への強い信仰と、互いを想い助けあう愛によって、今はこの地がオアシスに生まれ変わった、と言います。

「ここに暮らして2か月になります。この期間、労働に対する本物の喜びを感じ、また自我の無い献身的な仲間たちにいつも触発されています。仲間たちの幸せと笑いで、農園の夜明けを迎えています。ここの生活の毎日が幸せです。
私たちはあまりにもふつうの、しかし強い生命禅院のメンバーであることがわかります。」
  
梨の接ぎ木作業
接ぎ木

水道も自前!水質が悪いので、飲水には井戸を掘ります
水が出た!

困難の中にあっても明るい笑顔のメンバーたち
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時にはみんなで川遊び
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彼らは、新しい暮らしでは、中国国家の法と規則の中に自分たちの活動を組み入れ、国家の規則を厳守することを明言しています。個人的な趣味ではなく、人類の持続可能な発展が彼らの暮らしの目的であり、「それは政府の意向に沿っており、そこに矛盾は全くないのです」とシェファンは言います。
様々な困難に遭いながらも、柔軟に変化しながら、大切だと思う道を信じて歩み続ける彼らの姿に、私たちもまた、国境を超えて大きく勇気付けられています。
 
花が咲き、見違えるようになった果樹園
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平和の象徴、鳩
鳩

新しい家での生活
2014年5月
 

持ち前のたくましさで新天地を切り開いている生命禅院メンバーたち。
しかし、今また新たな困難に直面しています。

新しい土地は塩分濃度が高く、アルカリ性で、無農薬で健康な作物を育てることに難しさを感じています。春菊、キャベツ、菜種、ほうれん草などは採れており、ジャガ芋、落花生、トウモロコシ、かぼちゃ、豆類、ひまわりも順調に育っているとのことですが、まだまだ安定はしていません。
そこで、彼らを指導してくれる有機農業や自然農法、あるいはパーマカルチャーの専門家を大募集しています!

政府からの補償は一切ないままの移動であったため、経済的余裕のない彼らは賃金や交通費を支払うことはできませんが、宿泊や食事については無償です。何より、血縁を超える大家族の暮らしを体験していただくことができます。
また彼らは、将来的には砂漠化の防止等の環境への貢献も視野に入れています。
詳細は下記の生命禅院ホームページに(英語ですが)記載されていますので、どうぞご覧ください。

生命禅院ホームページ(英語)
  
畑のようす
畑2
畑1

ご不明な点は、どうぞお気軽にご連絡ください。
これからも生命禅院の暮らしを見守っていただけますよう、よろしくお願い致します。

 


Hちゃんの奇跡の物語 ~卒業編「人生で一番大切にしてきたものよりも」〜

3月末からケア滞在している39歳のHちゃんのケア卒業コンサートが、昨日行われました。実質6週間のケア滞在を経て、10代の頃から苦しんできた病的な状態を超スピードで抜け出していったHちゃん。今回はHちゃんのケア卒業スピーチをご紹介します。
   
「ケア卒業スピーチ」

木の花に来る前の12年間わたしは一日の大半をベッドの上で過ごしていました。近所のスーパーにも行けない日もありました。いちばん具合の悪い時期は、スーパーに行けるようになるのが早いか、トイレットペーパーがなくなるのが早いか、ひやひやした時期もありました。そんな時はパソコンを開いて配達を頼む元気もなかったのです。

意識ももうろうとして、体調が不安定なわたしは健康な友達と外で会う約束をしなくなりました。
そして人と会話する時間は減っていき、部屋で一人過ごしていると頭が狂いそうにもなりました。おしゃれなカフェに行ってお茶すれば気分は晴れるけど、それもできない時が多かったのです。私には夢があり「絶対に治ってやる」と思っていましたが、あまりの辛さに突発的に自殺してしまいそうで「いのちの電話」に電話したこともありました。

そんな12年間を過ごして去年あることにやっと気づきました。どうやら団らんの中にいると体調がいいということでした。親戚の家にいる時、元夫とうまくいっていた時は体力があがりました。
それならば親戚の近所に引っ越せばいいのですが、それもかないませんでした。父から逃げている私をおじは理解してくれなかったので。
ならば、婚活をしてデブ専いや、ぽっちゃり好きの殿方を見つけようと思ったのですが、何せ外出を思うようにできないのだからそれも無理でした。

こんなにっちもさっちもいかない状況の中、木の花を見つけた時は「もう早くいってよお~」と思いました。実際来てからは、実はあやしい図にむかってオーと言っている(注:カタカムナのうたいの奏上のことです)みなさんを見てどぎまぎしたり、Welcome to Konohana familyを聴いて号泣したり、こゆ~い一か月半を過ごしました。そして私の人生は根こそぎ救われました。

ケア滞在の肝はもちろんいさどんとの面談ですが、全く衝撃でした。その人生初めての治療方法に目からうろこの連続でした。
2回目からは厳しく自分の曲がった点を指摘されることに快感を覚え、最近では「クセになりそう」と感じはじめていました。そうしたらもう卒業です。もうちょっと愛のムチでうたれたかった。いや、これからもよろしくお願いします。

いさどんから自分の考えをふくらますクセと先取り不安が症状をつくっていること、そこから脱出できることを教えてもらいました。でもこの環境がなければその習慣化した思考を治すことは難しかったでしょう。なぜなら、具合の悪い人間が一人で生活していれば、自分の体力の限界を常に予想し、「ここまでやったら具合悪くなっちゃうかな。疲れる手前で帰って来られるにはどういうふうにすればいいかな」と日々刻々計画しなければいけないからです。
倒れてもいい、疲れて動けなくなってもいい、みんなが支えてくれるから、という環境があってこそ、先取り不安の思考を転換できたのだと思います。疲れに対する恐怖から脱出するには、みなさんの理解と支えなしでは不可能でした。
以前は団らんの中にいて自分を治そうと思っていました。でもそれは、いつまでも他人に依存するということです。だって団らんから離れたとたんに元の具合の悪さに戻るのですから。
でも今は、いさどんの指導と自己観察とみなさんの支えで疲れの恐怖自体から自由になったので、もうひとりでどこに行ってもあの症状は出ないという確かな感覚があります。

それからこの前じゅんじマンが言ってくださった私の夢について少し話させてください。
私の夢は電力の民主化です。それは日本が自然エネルギー100%になり、それぞれの発電所がスマートグリッドで結ばれて、それぞれの家庭が電力会社を選べるようになることです。
スマートグリッドというのは、賢い送電網という意味です。例えば太陽光を得意としているところが今日は雨であまり発電できなくて電力が足りなくなった、逆に風力発電を得意としているところにいい風が吹いて電力あまっちゃったとします。それをコンピュータが計算して自動的に電力を足りないところに送ってくれるのです。各地方で各家庭で発電したものがインターネットのように結ばれ電力を調整していくのがスマートグリッドです。
また、東京電力や関西電力など大手の電力会社から電気を買うのではなく、地元の自然エネルギーの電力会社から買えようになり、地元にお金がおちるようになったらいいなと思います。
このようになったら、環境や発電所の作業員や周辺の人たちに負担がかからないし、私たちが払った電気代が大手メディアの接待に使われ、テレビ報道に大手電力会社の意向が反映されることもなくなるでしょう。
自分たちで使う電気を自分たちでつくるのです。そうすると、お金が特定のところに集中しなくなります。これは電力の民主化だと思います。

このことの実現のためにすでに活動している組織があります。そこに参加することが私の夢です。でも以前の体力ではその会議にでさえ参加できませんでした。とてもはがゆかったです。
そして神社に行ける時はこうお祈りしました。
「日本の美しい自然を守るための活動に参加したい。日本がもっと民主的な社会になるための活動に参加したい。私を治したこと絶対に後悔させないから、神様どうか私の病気を治してください」と。
そうして今私は木の花にいます。いずれその活動に参加できることを確信してここにいます。そして、人生でいちばん大切にしてきた「民主主義」という考え方よりも、さらに高いこの生き方に出会ってここに立っています。

私にはもうひとつの夢ができました。それはわたしのような病院に行っても治らない症状で苦しんでいる人たちに一人でも多くこの場所を知ってもらうこと、それからこの力を合わせて生きる道を知ってもらうこと。
この二つの夢を叶えるためには成熟したヲトナ(自分の幸福を追求するよりも、次世代に持続可能な社会を残すことを優先して生きる大人)の精神が必要であることを学びました。

なので皆様これからもご指導ご鞭撻、ビシバシよろしくお願いいたします。
そして最後にこの場所をゼロからつくってくださったいさどんと創立メンバーの方々に心からの敬意と感謝を申し上げたいです。そしてメンバーの皆様にもこのすばらしい環境のひとつひとつに感謝申しあげます。みなさま本当にありがとうございます。