ダル・ド・ヴェールの光

9月9日、「おひさまハウスひまわり」大ホールの南側の窓に美しいステンドグラスが取り付けられました。太陽、月、星、空、海、大地、永遠なる炎(中央)が描写された円形のステンドグラスで、「ダル・ド・ヴェール」という技法を用いています。薄いガラスを使う通常のステンドグラスと違い、分厚いガラスをハンマーで割って使用するのが特長で、複雑な断面が光を幾重にも屈折させ、豊かな色彩を生みだしています。

昨年8月、ファミリーにイギリスから一通のメールが届きました。送り主は「Flight Of The Phoenix World Peace 2000 (世界平和に向けた不死鳥の飛行2000)」という団体のジョイさんとおっしゃる方で、私たちにダル・ド・ヴェールを寄贈したい、という内容でした。

同団体のホームページには、その理念が次のように書かれていました(原文はこちらです)。

「わたしたちは、調和、そして自らの内側と世界の平和に貢献するために生きる人々のコミュニティです。色々なプロジェクトがありますが、その目的は人と人、地域、そして組織を世界平和という共通のテーマでつなぐことです。宗教、文化、政治といった信念体系には関係なく、全ての信仰と文化のコミュニティが、環境に対して敬意を払い、世界平和に向けて取り組むことを励ますことを目的としています」

メールをいただいた一ヶ月前、「パーマカルチャー・マガジン」という世界に8万人の読者を持つイギリスの雑誌に私が執筆したファミリーについての記事が掲載されたのですが、団体の方がその記事を見たことをきっかけに、直接出会ったことにない海の向こうの私たちを寄贈先に選んでくださったのです。

実は、メールをいただいてから無事にダル・ド・ヴェールが取り付けられるまでには丸一年かかっています。寄贈活動の責任者が急死されるなど先方の事情で発送が遅れ、ようやく日本に到着してみると運送会社の過失で大きなヒビが入っている状態でした。しかし、親しい友人の親戚でステンドグラスの著名な専門家である二見美和子さんに補修の方法を教えていただき、いさどんが根気よく補修に取り組んで無事に復元、取り付けに至ることができたのでした。

ジョイさんからのメールには、「南側の皆が良く集う場所に取り付け、毎日1分間、平和への祈りの時間をささげてください」と書いてありました。太陽の光に美しく輝くダル・ド・ヴェールを前にして、寄贈してくださった方々の願いに思いをはせるとき、自然に祈りの気持ちが湧き上がってきます。

神秘的な光は、私たちの歩みを照らす神様の導きのようです。調和した社会を願う世界中の人々と共に、日々の実践を続けていこうと気持ちを新たにしています。

みんなで記念撮影!明るいとこんな感じで・・・
暗いとこんな風に輝きます。
写真では伝わりきらない豊かな色彩
こんな風に設置されました

「ダブルツアー」の週末

こんにちは、みちよです。

7日から9日にかけて、立教大学の「くがっち」ことコミュニティ福祉学部准教授の空閑厚樹さんがゼミの学生7名を率いてファミリーにやってきました。2泊3日の体験滞在、名付けて「くがっちツアー」は、ちょうど8日と9日に行われた毎月恒例の「生活体験ツアー」と重なり、ファミリーはふたつのツアーでにぎやかな週末になりました。

どちらのツアーも最後に振り返りの時間が設定されていたのですが、せっかくの機会ということで合同で行うことに。総勢17名が「おひさまセンターひまわり」のホールで輪になって振り返りをしました。

若い学生さんたちが2泊3日のファミリー体験から感じたことをシェアすると、体験ツアーの参加者は若い洞察力に感心することしきり。また、学生さんたちも、体験ツアーの参加者を見て一般社会にファミリーのような生き方に共鳴する人がいることを知ることができ、互いに良い刺激を与え合う場となりました。

学生さんたちは来春に卒業をひかえた4年生で、執筆中の卒論の「ネタ探し」を目的に来た人もいたようです。でも、ファミリーでの生活を体験するうちに、「ネタ探しのつもりで来たけれど、自らの人間性について振り返る機会をもらった」という感想も聞かれるようになりました。

一方、体験ツアーの方々の最終日の振り返りにおけるキーワードは「実践」。「ここで行われていることは、本で読んだり、人から聞いたりして頭では理解している。今後、自分に必要なことは、それを実践していくことだと思う」という内容のコメントが何人かの方から聞かれました。確かに、「言うは易し、行うは難し」とも言われるように、心のあり方について理想論を語ったり、書いたりすることは簡単です。しかし、それを実践するとなると、自分のエゴが邪魔をしてなかなか思い通りにいかないことが多々あるのではないでしょうか?真剣に実践してみたことのある方なら、なおのことその困難を実感されていることと思います。

それでは、どのようにしてその困難を克服していくのか?ということに対するひとつの解答が、ファミリーの生活なのだと思います。みんなで支えあいながら、ひとりひとりがこつこつ心の実践を積み重ねていきます。その実践を、私たちは「心を磨く」と表現して、ファミリーの生活でもっとも大切にしています。

振り返りの時間の中で、多くの方が「ここで学んだことを、これからの生活に取り入れていきます!」とおっしゃっていました。本当にありがたいことです。でも、ひとりの学びが難しい時は、いつでも木の花に戻ってきてくださいね!みんなで「お帰り~!」とお迎えしますから。

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「むくもくファームガーデン」に行ってきました!

ファミリーのみちよです。こんにちは!

6、7日に「みろくビレッジ」に関連する会合が京都の綾部であり、私といさどん、いさおちゃんで出張してきたのですが(こちらの結果も後日報告しますね)、前日の5日に出発して木の花の姉妹コミュニティとも言える「むくもくファームガーデン」に立ち寄り、1泊させていただきました!

むくもくファームガーデン」は設立5年目のコミュニティで、三重県松坂市の松坂駅から車で1時間ほど入った自然の形のままの川が流れる山間にあります。築30年の大きなログハウスとその敷地内に子ども2人を含む12人のメンバーが暮らしています。その他に分散して住むメンバーもいて、仲間は全部で約30人のとのことです。むくもくのみんなが木の花ファミリーを訪れたときの記事はこちらです。

「むくもく」のみんなはときどき畑や田んぼを耕作しながら、普段はログハウスから車で40分のもう一つの拠点、奈良県東吉野村で地域の便利屋さんをしています。高齢化した中山間地域では、ペンキ塗りをしたり、獣害対策のネットを張ったり、お墓の掃除をしたりと、地域のお年寄りに孫のように可愛がられ、頼りにされているそうです。コミュニティとして地域に新しく入り、自然に溶け込むにはもってこいの家業とのこと。そして冬は、地元の素麺工場でアルバイト。工場で働く4分の3がむくもくメンバーで大いに頼りにされているそうです。

ログハウスの裏では鹿除けのネットが張ってある中で、旬の野菜が育っていました。鶏も色々な種類のものが7羽くらい。一日3~4個の卵を産むそうです。とにかく山間にあるので、木の花では体験したことがない獣害が深刻です。トウモロコシも猿に食べられないように、鶏舎の網の中で栽培していました。外ではブルーベリーが大きな実をつけていましたので、ちょっとつまみ食いさせてもらいました。甘くてとってもおいしい!これでジャムを作るそうです。

東吉野の方は便利屋さんの拠点になっています。ここは、むくもく創設者の「福ちゃん」こと福岡和男さん夫妻が築150年の古民家を改装して暮らしています。そこから車で15分山奥に入ったところにむくもくが未来の夢をかけた森があります。戦前は川沿いに田んぼも作られていたという森を切り開いて、将来的な拠点を作りたいと計画中とのことでした。

みんなと別れる時、初めて訪れたはずなのに、「さようなら」ではなく「行ってきま~す♪」という空気が流れるのは、やはり志を同じくした仲間たちだからでしょうね。こうしたコミュニティがこれから日本中に増えていくことを実感しました。

むくもくファームガーデン http://www.ecobox.co.jp/mukumoku/index.html

むくもくファームガーデンと便利屋ねこのて奮戦記 http://blog.livedoor.jp/nekonote6969/

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三重県松阪市にある瀟洒なログハウス。ここに12名が暮らしています

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夕食後、だんらん?のひととき

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ブルーベリーが実っていました

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みんなで見送ってくれました。「行ってらっしゃーい!」

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こちらは奈良県東吉野、福ちゃんのお宅。便利屋さんの看板を掲げています

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(左から)福ちゃん、いさどん、みちよ

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吉野の山中、むくもくのみんなの夢の土地です


ボリビアとの架け橋

みなさん、ボリビアという国をご存知ですか?

ボリビアは南アメリカ大陸にあり、北と東をブラジル、南をアルゼンチン、南東をパラグアイ、南西をチリ、北西をペルーに囲まれた内陸の国です。そのボリビア(正式にはボリビア多民族国)から東京大学大学院に留学中のホセが、修士論文の研究対象にする目的で7月11日から13日まで研究の下見に訪れました。

ホセの専門は環境工学。ボリビアの国立大学で講師として学部生に廃棄物処理を教えていました。「エコビレッジにおける廃棄物処理の現状とその背後にある精神性とのつながりを、システム思考を使って紐解きたい」ということで、日本のエコビレッジを調べていく中でファミリーを知ったそうです。

滞在中、ホセは「厨房から出る生ごみがどこでどのように処理されるのか」「ボカシ肥料の作りかた」「ゴミ分別の現状」「古着の活用法や処分方法」といった多岐にわたる項目を真剣に調査していました。

ホセの研究が興味深いのは、ゴミ処理にとどまらず、それとその背後にある人の意識との因果関係を関連付けて研究しようとしている点です。この研究が完成すれば、地域や周辺を巻き込んだファミリーの循環型の生活について、社会に対する学術的な説明ができるようになりそうです。

将来のことについて計画を立てず、自然の営みに沿って生きることを大切にするファミリーの精神性について話をすると、ホセは「なるほど、それは素晴らしい!」と深く共感していました。外面的な事柄だけでなく、その背後の精神性を深く追求するホセの一途な思いに応えて、英語を話すことの出来るメンバーは、それぞれに一生懸命、ファミリーの心を伝えました。ホセと話したメンバーは、それぞれに「国や言葉は違っても、同じ心を目指している仲間だ」と直感したことをみんなに話してくれました。

「いつもは一人暮らしで寂しいけれど、日本にも家族が出来てすごく嬉しい!またすぐに帰ってきたいです」というメッセージを残して、ホセは「ア・ディオス!」と帰っていきました。

「ア・ディオス」はスペイン語で「さようなら」という意味です。アは「~に」、ディオスは「神様」という意味で、「次に会う時は生きているかどうかもわからない。全ては神様の御心のままに」という意味があるんだよ、とホセはみんなに教えてくれました。

神様の御心のままに生きる心は、世界中どこでも共通です。また帰ってきてね、ホセ!

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「和」から生まれる世界平和

ファミリーのみちよです。

ゴールデンウィーク中に木の花を訪問された「おいどん」こと画家の高橋聡さんから、不思議な絵を寄贈していただきました。この絵に手をかざすと手のひらがポカポカと温かくなるのです。

そのおいどんから、「5月22日までにこの絵を世界五大陸とイギリスに送ると、世界の波動が調和に向かって歩みだすというメッセージを受けた。ついては、木の花ファミリーに協力してほしい」という相談を受けました。

そこで私が思いついたのは、世界中のエコビレッジやその関係者たちに絵を送ることでした。わたしが世界中のエコビレッジをつなぐネットワーク組織の日本大使を務めていることもあって、以下の国々に絵を送ることにしました。

<ユーラシア大陸>

  • デンマーク
    世界的なエコビレッジ・ネットワークの創設者、Hildur & Ross Jackson夫妻
  • エストニア
    Lilleoru (小規模なエコビレッジで、Jackson夫妻によれば木の花ファミリーと似ているとのこと)
  • イタリア
    Damanhur (世界的に有名なエコビレッジで、Jackson夫妻によれば木の花ファミリーと似ているとのこと)
  • インド
    Auroville (世界的に有名なエコビレッジ)

<イギリス>

  • Findhorn Foundation(世界的でもっとも有名なエコビレッジのひとつ)

<アフリカ大陸>

  • セネガル
    Eco Yoff (精神性の高いエコビレッジ)

<オーストラリア大陸>

  • オーストラリア
    Crystal Waters (世界的に有名なエコビレッジ)

<北米大陸>

  • アメリカ
    Ecovillage Ithaca (世界的に有名なエコビレッジ) Liz Walker

<南米大陸>

  • ブラジル
    Nazare Universidade da Luz – Uniluz
    Instituto Roerich pela Paz
    どちらもFindhorn Foundation の May East さんから紹介された持続可能性な暮らしの学びを提供する学び舎

4月末に世界的なエコビレッジ・ネットワークの創設者であるヒルダー&ロス・ジャクソン夫妻がファミリーを訪問されましたが、その時に「世界にはこうした精神性の高い共同体が3つある。イタリアのダマヌール(Damanhur)、エストニアのリロルー(Lilleoru)、そして木の花ファミリーだ」と教えてくださいました。そこで、ダマヌールとリロルーにも絵をお送りしています。

今回の送り先の中には、これまで交流のなかったアフリカ、エストニア、イタリア、ブラジルなどのエコビレッジが含まれています。そうした方々と、この絵を通じた交流が始まるのではないかと思うと、ワクワクしています。おいどん、素晴らしい機会をありがとうございます!

世界中のあちこちから返事が来たら、みなさまにもお知らせしますね。どうぞお楽しみに!

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