中国から25歳のエニーが初めて木の花ファミリーを訪れたのは、2018年11月のことでした。初めてエニーを観て気になったジイジは、「彼女の複雑な心の状態が、心が晴れない状態や物理的な皮膚のトラブルの状態をつくっている」と感じ、ジイジのほうからゲストに声をかけることは珍しいのですが、ジイジの提案により面談の場を持ちました。ところが、エニー自身は自分の現状に問題を感じておらず、ジイジは「私は情報を伝えているだけですから、あなたが困っていないのであればそれでいいのですよ。将来、人生に問題を感じることがあれば、また会えばいいですね」と伝え、面談は終了しました。それでも、面談後には、ジイジが初めてエニーを観たときよりも、彼女の顔の皮膚の状態はずっと良くなっていたのでした。
それから数ヶ月が経ち、2019年の2月から開催された「1ヶ月間の真学校」にエニーは参加しました。1ヶ月を通して、自らの性質を理解し始めたエニーは今度は自分からジイジに面談を申し込み、「今は自分に問題があることを感じています」とジイジに伝え、ジイジからは「あなたは英語でコミュニケーションを取れるのですから、もしあなたが自分の性質を改善する気があるのならば、ここに滞在しながら具体的に問題がどこにあるのかを知って、毎日の生活の中でひとつずつ改善していくことはできますよ。しかし、私はアドバイスはしますが、治すことはしません。やはり自分で気付いて積み上げていくことがあなたの実力につながるからです」と伝えられ、自然療法プログラムを受けることを勧められたのでした。
そして、1ヶ月間木の花ファミリーでの滞在が有効なビザを取得し、自然療法プログラムを受けるため、6月6日に再び木の花ファミリーを訪れたエニー。自分の現状が心から来ていることを理解してきたエニーは、ジイジから心を改善する必要性を感じているかと問われると、はっきりと「はい」と答え、ジイジから「あなたが変化することはあなた自身のためでもありますが、今の時代のひとつの現れとしてあなたの状態があるとしたならば、あなたが変化することは世の中全体の変化につながることでもあり、それはきっとあなた自身も望んでいることなのでしょう」と伝えられ、涙ぐむエニーの姿がありました。ジイジからは、自分の性質を理解し改善するため、毎日日記を書くことが課題として与えられ、エニーは日々の心の動きや子どもの頃からの思い出を書きながら、自分と向き合う旅がスタートしたのでした。
それから、午前中は畑で農作業をしながら心を見つめ、午後は日記を書きながら心を振り返る日々を過ごしていったエニー。そうして迎えた1週間面談でジイジからは、「子どもの頃のあなたの両親の対応についてあなたは不満がありましたが、両親からすればあなた自身にも問題を感じていたはずです。また、今現在のあなたの心の幼さや世界観の狭さから、子どもの頃からのことをいつまでも人のせいにしていては良い人生は生きられません。あなたの複雑に物事を考える傾向は、活かし方次第で深く広く捉えられる能力にもつながるのですから、もっと自分を有効に活かせるよう考えていきましょう」と伝えられました。そして、この日の日記には、「今日の面談は自分にとってターニングポイントだった。自分の中で何かが変わり、何でも穏やかな心でできるような気がした」と書かれており、事実、この時からエニーの雰囲気に少しずつ変化が観られるようになったのでした。
そうして迎えた2週間面談では、エニーの世界観を広げるための話がジイジから伝えられました。今回はそのときの面談の様子を皆さんにご紹介したいと思います。
ジイジ:
今まであなたは、子どもの頃からの感情的なものを整理できていなかったと思うのですが、今のあなたにはその性質が理解できてきたように感じています。
人は物事に出会い、その出来事を解釈するときに、先に感情が走ってしまうと、混乱の原因になることが多いのです。そういう意味では、あなたの心の姿勢はどうしてもネガティブであったり、今日の日記にもコメントしましたが、考え過ぎる傾向にあるのです。そこでどうしたらいいのかということについては、ひとつひとつの出来事に対してどうすべきなのかという回答はありません。それはその都度考えることだからです。そこで、ひとつの方法としてあるのは、自らの心の姿勢を整えることです。それは、起きた出来事に対し情報として冷静に受け取る安定した心を創ることが大切なのです。もうひとつの方法として、どのような出来事にでも言えることですが、簡単に分類すれば、どのような出来事もネガティブな方向に受け取ることもできれば、ポジティブに受け取ることもできるのです。感情的に受け取れば、その出来事の対処はネガティブに処理してしまうケースが多くなるのです。そこで、それを冷静に情報として受け取ることができれば、どうしたらいいのかという方向性を見つけることができ、それは正しい対処につながります。できればそうしたいものです。さらに賢い方法は、どのような困った出来事も、それに出会ったということは、その出会う原因を自分の中に持っているということで、自分を正すための材料として学習することです。その出会ったことを学習していくことによって、物事をポジティブに解釈すれば、自分自身の成長につながっていくのです。それは、知らないで使っていた感情的な癖や性質に気付くことにもつながり、正すチャンスにもなるということです。そういった物事の捉え方ができるようになると、人は問題事で悩むことはほとんどなくなります。
あなたの思考は複雑に回っていますから、感情的になったり、情報としてそれが冷静に受け取れなければ、思考が複雑な分、混乱の元になります。ところが逆に、思考が複雑なので、冷静かつ正しく物事を受け取ることができれば、深く分析することができるのです。
あなたがこれからインテリアデザインの学校に行くことも、当初あなたの精神状態を観ていると、その行動に対して私はあまり良い印象を受けませんでした。しかし、ここのところのあなたが自分を冷静に振り返っている姿を観ると、この状態でもっとそれを安定させていけば、普通の人たちが表現できないような世界を表現できる潜在能力があなたにはあると思うのです。
だから、この2週間の段階で、当初あなたから受けた印象が変わってきました。それから、あなたの顔の皮膚の状態が昨日や一昨日の夜に見たときには状態がピークだと思ったのですが、今日はとても収まっているように見えます。こういった改善は、あなたが自分自身の感情に囚われるのではなく、冷静になればなるほど、良い効果が出てきます。それだけではなく、あなたの考え過ぎる傾向が、とても深く考える思考として有効に働くようになります。
そこで今後のプログラムの取り組みについてですが、この状態をさらに安定させるためにこれから必要なことは、あなたの世界観を広げることです。あなたは自分でもわかっていると思いますが、心の片隅にいつも被害者的な意識がありました。それが大分取れてきましたね。その行動はどこかで自分を守るくらいのようなつもりで考えていたのかもしれませんが、その感情はあなたにとってはマイナスなものでした。それは問題事を引き寄せる要素になりますから、自分を守るどころか、結果あなたに問題事をもたらす原因になったのです。その精神状態は基本的に世界観が狭いことから来ています。ですから、もっと余裕ある広い心を持つことが大切です。それを心がけてこれからの毎日を送ってください。
ちょうど今、中国からシャオラーが木の花に来ていますね。彼女とあなたは共に活動しているようですが、あなたたちの活動と木の花の取り組みが連携することはとても重要なことです。そして、私たちにとって、身近なところでは木の花のためということや個人の成長はもちろんテーマとしてはありますが、一番優先することは人類の目覚めです。それは、人類が宇宙意識に目覚めるということです。それをしないと、次の地球の時代が大混乱に陥ることが、観える人にはすでに観えてきているのです。しかし、日本でもまだそういったことに気付いている人たちはとても少ないのです。中国でも今、国の体制がとても問題な状態ですから、そういった意味でも中国の人たちにとってこれからそういった意識が必要になってくるのです。
あなたはこのプログラムの卒業を迎えた後、インテリアデザインの学校に行くでしょう?その勉強もやはり、人々に目覚めを促すためのものとなったら、なお社会にも貢献することになりますね。これからのあなたの人生テーマとして、これから訪れるであろう、今までの時代を超えた自らの在り方や人の在り方を考えながら、そういった人の在り方を優先していく日々を送っていってもらいたいと思います。
今、プログラムは2週間が過ぎたところですが、私から観ていると、あなたはとても順調に自分自身を理解し、これから次のステップに行くための準備ができてきています。今、思ったことですが、そのような見通しが立てば立つほど、あなたの皮膚のトラブルはもっと楽になると思います。それは、希望を持って生き生きと生きるということです。私から今日伝える話はそれだけです。あなたから何か質問や意見はありますか?
エニー:
私は都心に行くと、気分がとても悪くなります。都心に人はたくさんいるし、騒音もあれば、汚染もあります。ですから、私があまり良くない環境にいても、良い心の状態を保つことができる方法があるのだろうかと思うのです。
ジイジ:
それは今まであなたの思考がネガティブだったから、そういった思考になっていたのでしょう。つまり、今までのあなたの精神状態がアレルギー的な反応を引き出していたのです。しかし、そういった都心や環境の悪いところに反応することは、ある意味センサーが鋭いということで良いことでもあるのです。ですから、そういったセンサーをなくしたほうがいいという話ではありません。そのセンサーを活かすことで、それが問題であるという判断にすることはいいのですが、自分が犠牲者になってしまうようなアレルギー的反応をすることは精神的問題につながるのです。ですから、これからあなたがやろうとすることが本当に実現するとしたならば、あなたは都会や今まで嫌だったところに行かないといけないことも出てくることでしょう。そういったことを理解できない人たちと接する機会も出てきます。そのためには世界観を広げ、これからの時代に貢献していく生き方をしっかりと安定させることが大切です。それが明快になってきたら、あなたが好むような場所で暮らしながら、時々必要とされるときにそういった問題あるところへ行き、メッセンジャーとなることが一番良いことです。それを実現するためには、まずはあなたがしっかりとした考えのもとに安定して生きることです。人の目覚めを促すような素晴らしい生き方をするためには、まず自分がそういう人にならないといけませんね。
エニー:
はい。
ジイジ:
他に何かありますか?
エニー:
なぜ、人々は時々将来のことを考えるのでしょうか?
ジイジ:
それは時々ではなく、人は将来のために生きているのですよ。
エニー:
はい。でも、人々が今、何かをしているときに、将来何をしようかと考えたら、今この瞬間を生きていないことになりますよね。
ジイジ:
それは都合の良い未来を考えている人たちのことですね。そのような人たちは目の前にあることがあまり愉快ではないことに対し、そのことを改善するよりも、きっと未来は良くなるだろうと安易に考え行動する人たちです。そのあまり良くない事例として、宗教はあるのです。また西洋に行くと、自己啓発セミナーのような、ある境地に至れば素晴らしい未来が来るというような安易な考えに囚われて、結果として人に何も変化をもたらさないセミナーなどのサービスを提供する場所もあるのです。今あなたが言ったように、目の前にあることに取り組んでいないということは、結局未来に対して確かな歩みをしていないということなのです。
私たちは、この世界で時間の旅をしています。私たちは時空に存在しているのですからね。空間に存在していますが、時間がなければ空間は止まってしまい、何も起こりません。トキという過去から未来への縦軸があるとしたならば、それに対して出来事という空間、トコロ軸が絡み、この世界は動いているわけです。ですから、私たちは時間の旅人なのです。時間の旅人であるときに、私たちはどのように時間を認識するのかというと、出来事の継続によって認識するのです。宇宙で出来事は変化するのです。そもそも、宇宙的位置というのは常に変化し続けるわけですからね。ところが、人間がある固定概念を持ってしまうと、宇宙的には変化しているのに、意識は固定しているのです。実際に世界は変化しているのに、意識は変化していないと、そこにできたギャップの分だけ、私たちは問題事をもらうのです。これをあなたの身近なことにたとえると、あなたは瞬間瞬間歳を取っているということです。過去に生まれた時点から比べると、そこからどんどん離れています。そして、ここから死はどんどん近づいてくるのです。つまり、人が生きるということは、死に向かって生きているのです。生きた分だけ、生まれてから今までの歴史を刻みながら実績をつくっているのです。その歩みを冷静に観たら、自分がどのようなものであるかはわかります。そして今、自分が何者であるかがわかったら、未来の自分を見通すことができるのです。今を観て、今に囚われないで、未来に今をつなげていく。そういった物事の捉え方を日常の瞬間瞬間の出来事に反映できることが大切なのです。
その意識は地球上にいながら地球人であったり、中国にいながら中国人であったり、あなた自身であったり、同時に宇宙を生きている人にもなるのです。
エニー:
わかりました。ありがとうございます。
ジイジ:
良い話だったでしょう?私はあなたの意識を広く高くしたいと思っているのです。そうなると、あなたは役に立つ人になります。それが今までのようにネガティブに生きていると、自分のためにも役に立ちませんね。同じ人なのに、向かう方向によってまったく違う人になるのです。そして、今日この話ができたのは、あなたが私がそれを伝えるべき精神状態になっているから、この話ができたのです。
ですから、今まで自分を縛ってその苦痛をしっかりと味わったのですから、もっと素直になって、自分を解放してください。そして、あなたは自分自身を解放する喜びに出会ったのですから、もっと自分を解放して喜んでください。人や世の中のためになってください。また1週間後にお話しましょう♪
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