21世紀を生きる人類の目覚め③ いさどんからのメッセージ

自然療法プログラムの卒業をお祝いするコンサートでは、プログラムの責任者であるいさどんから、新たな人生の旅立ちにあたり卒業生に向けてメッセージが贈られます。今回のいさどんからのメッセージは、卒業生のTさんだけではなく、広く人類に向けて、そして宇宙全体に発信されました。

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Tさんが自然療法プログラムを受けるためにここを訪れたときには、彼女は自分の人生を思い通りにコントロールしたいという願望を持っていました。最初の面談の際、「僕からすると、それは時代の現れです」と彼女に伝えたことを覚えています。しかし多くの人たちは、まだそのことに気付いていません。木の花ファミリーがこのような生き方をしているのも、わたしたちがこの生き方をしたいという理由からではありません。それは時代が移り変わっていくときに、新たな生き方のモデルとして示す役割を与えられ、それを果たしているということなのです。そして、それは個人的望みを叶えるという視点では理解できないことです。

7月1日にバングラデシュでテロがありました。その後もイラク・サウジアラビア・インドネシアと今日5日までの間に世界各地で何回もテロが起きています。その多くについて、日本ではイスラム教徒もしくはイスラムの影響を受けたテロリストたちの仕業だと言われています。しかし、それは真実なのでしょうか。

あるひとつの視点を取り上げてみます。日本のマスコミでは、あのテロで犠牲になった人たちは、発展途上国に一生懸命貢献してきた社会的に優れた人たちだと報道しています。僕はそのことに対して批判しようとしているのではなく、もうひとつ別の視点を持っています。日本のNGOが新興国の人たちに支援する多くは、ビジネスが目的です。今回もジャイカの支援のもとに、企業に携わる人たちがプロジェクトを組み、ダッカの交通網を整理することが目的でした。きっと、バングラデシュの人たちも含めてこういった人たちは、日本のように交通が整備された豊かな国になることを望んでいたのでしょう。その多くはお金の豊かさであり、物理的豊かさです。

同じように、僕はこの数日間日本のテレビ番組を観ていました。日本では、ここ10数年もの間、毎年30000人ほどの人が自殺しています。そして、年老いた人たちの介護の問題が大きく取り上げられています。世の中にはこれほどたくさんの人がいるにもかかわらず、孤独で死んでいく人たちが数多くいるのです。しかし、さらに驚くべきことは、ここへ来て年間たくさんの人たちが介護殺人をしているということです。つまり、自分の家族を介護しながら、その家族を殺してしまうという現象が起きるようになったのです。日本は経済的な先進国ではありますが、ある意味、物やお金が優先し過ぎた先進国でもあり、同時に貧困率がとても高い現実もあります。そして、不健康寿命と呼ばれる病気になってから死ぬまでの間の寿命についても、日本は先進国の中でもっとも長い国なのです。

僕はこの木の花ファミリーの生活自体が、そういった現代の様々な問題を解決できる方法だと捉えています。そして、介護殺人の番組を観ていたときに、木の花のシニアメンバーたちはそのような場面に出会わなくてもすむと思ったのです。まず、木の花のお年寄りたちはその人にふさわしい役割が与えられ、その人らしく生き生きと生活しています。そのときに僕はここの生活の重要性を確信したのです。表面的には見えにくいかもしれませんが、この生活にこそ、その隅々にまで新たな時代を迎えるための解決策がちりばめられていると再確認したのです。

Tさんが木の花ファミリーを訪れ、最初に面談を受けたとき、「あなたの症状は時代を表しています」と僕は伝えました。わたしたちが人生で出会ういろいろな出来事はすべて、時代を表現しています。そして、良いことも悪いこともすべて、時代を創っていくのです。その中で、良いと思われることについてはそのまま行けばよいでしょう。しかし、不愉快に感じる悪い出来事については、特にそのことの意味をよく理解し、人生に活かしていかなければ、ネガティブな時代がどんどん創られていくことになります。しかし、そのネガティブの反対側に光があると気付いたならば、人はいつでもその光に戻ってこられるのです。

僕はTさんの病的症状に付き合いながら、彼女の中に光を観ました。彼女の優秀さは今までは20世紀型であり、西洋的な優秀さの活かし方だったと思うのですが、そういったものは彼女の肉体や精神に多くの矛盾やストレスを与えました。それでは、新たな社会のモデルにはなれません。ですから、彼女にはそれを克服してもらい、彼女と同じような状況にあるもっとたくさんの人たちの光になってもらいたかったのです。本来、すべての人は尊く、優秀なのですから、誰しもがそれを新たな時代に活かしてもらいたいと僕は常に思っています。

時代はもはや、優れた一部の人たちが皆をリードする時代ではないのです。僕はそのことに気付いたので、木の花ファミリーをこれまで維持してきました。そして、それに共鳴した人たちが、今ここで共に歩んでいるのです。この21世紀に示される人類の価値は、まだまだ世の中には十分に知られていません。ですから、Tさんにはこれを機会に、共にこの価値を地球上に広げる人になってもらいたいと思います。僕は今、物理的にはここにいる100名ほどの人たちに語っていますが、霊的には地球上、もしくは宇宙全体を意識して語っています。それは、ようやくこの価値が広がる時代が訪れたからです。

ですから、木の花ファミリーの取り組みは誰のためでもありません。宇宙がそれを要請する時代が訪れたのであり、そしてわたしたちがそれを当然のように表現するべきトキが訪れたのです。いつの時代でも、時代が大きく転換するときには新たなメッセンジャーが現れるものです。それは破壊のためのメッセンジャーであったり、新たな秩序を示すためのメッセンジャーであったり様々ですが、そういったことがいろいろな現象を通して今の時代に観て取ることができます。

Tさんの難治性うつは、新たな時代を切り開くために現れました。しかし、そのことの奥深さが観えず、その症状を単なる病気としてしか捉えていなければ、世の中にひとり、うつ病の患者がいるだけになります。

そして今、人間社会全体がうつ病を発症しているように観えます。うつ病の原因は日本にもアメリカにもヨーロッパにも中東にも至るところに存在し、今、世界中がうつ病で病んでいるような状態なのです。物理的にも環境破壊という症状を抱えていますし、そしてわたしたちの肉体のように、地球という体の生命力がそのことに対する矛盾として、うつ病という症状を噴き出させているのです。実は、太陽系の自律神経は太陽が担っています。ところが今、太陽の黒点が異様な活動をしているがために、地球のマグマの活動がおかしくなっているのです。

このように、時代は天体と共にあります。そして、天体や時代と共にわたしたち人類が生きていく時代が、この2000年から始まる1000年紀に表現されるのです。

21世紀は人類が真実に目覚める時代です。今まで人類は自らの欲望を叶えることが豊かさであり、その延長に幸せがあると思い生きてきました。その価値観のもとに、政治・経済・宗教・教育・医療など、そういった社会的構成要素すべてが発展してきたのです。だから今21世紀に入り、今までのどのような手法を使ったとしても、人類は解決策が見出せない状況に直面しているのです。

その突破口は――、宇宙の構造がどのようになっているのか、そして宇宙と自分自身との関係がどのようになっているのかに人類が気付くことにあるのです。実は、人間には宇宙の構造や宇宙としての自分自身のあり方がすべて、情報として自らの内に眠っています。しかし、自我にまみれていては、そこから目覚めることはできません。それは、個人が自我の「独裁者」に囚われている状態です。

そこで、わたしたちが自らのエゴという小さな「独裁者」に囚われ、他者と調和することなくこの世界に矛盾をもたらしながら生きていくのか。もしくは、そのような愚かしさを学び、自らを自我の中に閉じ込めている枠を取り払い、宇宙の法という大いなる「独裁者」のもとに自らを解き放していくのか。

その真実に目覚めることが、21世紀に生きる人類一人ひとりに課せられたハードルです。自らの囚われから自らを解放すれば、わたしたちは宇宙そのものです。20世紀までの物理的一辺倒の二元的発想の時代から、いよいよ三次元的思考にわたしたちが移行したとき、これまで永らく眠っていた脳の90%が活かされていくのです。それは、今までのような損得や善悪の二元的発想からでは、解釈できない世界です。わたしたちが三次元的脳を使うようになると、きわめて奇抜なアイデアが生まれてくるようになります。地球上にいながらにして、宇宙の実体が瞬時に理解できるようになるのです。そして、物事の流れが格段に良くなり、真理が湧き出してきます。それが21世紀を生きる人類が創る社会です。

 

真実とは、知識をもって得るものではない。真実とは、本来観えるべきものが観えた者に湧き出し、その生き様に現されるものである。そして、その受け皿として、すべての人間に可能性がある。人類の目覚めと共に、地球は今、宇宙に新たな一歩を踏み出すときが来ている。

 

 

Source of photo: blog.livedoor.jp/matukura64/

 


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