春日山にただいま!した日~前編

先月から続いているヤマギシ訪問ラッシュ。「今度は私たちもヤマギシさんのところに行ってみよう!」ということで、12月10日、13名のメンバーがヤマギシズム・春日山実顕地を訪れました。朝5:30に木の花を出発し、春日山に到着したのが9:30頃。その後、午前と午後に施設見学をさせていただきましたが、その敷地の広さと施設の充実ぶりに私たちはただただ驚くばかり!「ヤマギシさんと木の花のことをゾウとネズミに例えていたけれど、これではゾウとノミくらいのものだね(笑)」というコメントがメンバーから出るほど、完成された村の姿がそこにはありました。

昼食、おやつ、夕食をごちそうになり、200名近くが集まったコンサート&交流会で盛り上がった後には、時間はすでに夜の9:00をまわっていました。沢山のヤマギシの方に見送られ、木の花に戻ってきた時には夜中の1:30を過ぎていましたが、この素晴らしい出会いに感動、興奮冷めやらないメンバーは3:00過ぎまで談笑していました。

ブログを読んでくださっているみなさんともこの感動を共有したいと思い、今回は前編・中編・後編に分けてご紹介いたします。お楽しみに!

ヤマギシさんの言い方にならって「富士山実顕地」という名札をつけた私たちを出迎えてくれたよりどんの名札には。。。「木の花ファミリー・よりどん」と書いてありました!息ぴったりの私たちです♪
まず案内されたのが、「底抜けに明るい老蘇のくらし」がモットーの陽光館。太陽光パネルが屋根に設置されており、床暖房完備のとてもきれいなところで、ご近所の方からも「ここに住むことは出来ますか?」という問い合わせがあるそうです。
しばらく談笑した後、2階にあるお部屋を案内してくれたあるおばあさんは、「この前うちのメンバーが木の花さんに行った時にね、みなさんが何でもどうぞどうぞと見せてくれたことにびっくりしていたのよ!それまで自分のお部屋を外の人にあまり見せたことがなかったけれど、私もそうやってみようと思って」と嬉しそうに話してくれました。
「ヤマギシズム学園・幼年部」に向かう途中で、とっても魅力的なツリーハウスを発見!「来年は木の花のこどもたちを連れて、ここに遠足に来たいね!」
でも、高所恐怖症の人はよく考えてからのぼらないといけません(笑)。「いさどーーん!へっぴり腰になっているよ!!」
幼年部では5、6歳のかわいらしい子どもたちがお出迎え。最初は緊張気味の子どもたちでしたが、すぐに「よりどーん、遊ぼうよ!」「いさどーーん!」「たっちゃーーん!」と名前を覚えてくれました。「よりどん」という呼び名は木の花ではお馴染ですが、春日山ではまずは子どもたちの間から浸透しているようです(笑)。
人なつっこい子どもたちは、ひとつひとつのお部屋をしっかりと説明してくれた後、♪ドレミの歌を元気いっぱい披露してくれました。
「たっちゃーーん、幼年部になって!」とおねだりするりんちゃん(真ん中)に、「大人会議でみんなに聞いてからね(笑)」と答えたたっちゃん。本当にどの子ものびのびとした良い子ばかりで、今回の訪問の印象に残ったこととして、子どもたちのことを感想にあげているメンバーが沢山いました。

お食事処「愛和館」。「うちには愛ちゃんと和子ちゃんもいるし、陽子ちゃんには陽光館があるしね(笑)。」木の花のダジャレ菌?!もヤマギシ会に浸透していくのでしょうか?!

「食生活部」の方の配慮により、今日は一日菜食料理を用意してくれました。「普段はだしもカツオでとるし、最初はどうしたらいいの!と思ったけれど、色々と試行錯誤しながら自分の枠を超えることが出来ました。面白い良い体験をさせていただきました!」とコメントしてくれました。
みんなで食卓を囲んだら、和気合い合いと話が弾んでいきます。昼食に出た「小松菜の煮びたし」も、夕食に出た「飛龍頭の摘み入れ鍋」も絶品でした!ヤマギシの方も「いつものつみれ鍋も良いけれど、今日のもおいしいね!」と喜んでいらっしゃいました。

みんなで楽しく「エッ?!」ビフライ作り

先月の「ヤマギシ訪問ラッシュ」に続き、12月6日、7日には5か所の実顕地から20名のヤマギシ会の方が訪問されました。今回は6名ものお料理担当の方がいらっしゃるということで、木の花食当チームが考えたメニューは、「エッ?!」ビフライです!「木の花は菜食じゃなかったの?」と思われたあなた、エビフライではなく、「エッ?!」ビフライですから、食べてびっくりお野菜で出来ているのです。

フライの中身は、小さく刻んだしいたけ・にんじん・こんにゃく・やまいもにしょうゆ・砂糖・塩でうす味をつけ、片栗粉で固めたものです。台形に切った薄焼き卵に適量をのせ、端ににんじんのしっぽを置いてまいていきます。最後にのりをつけたら、あっという間に「エッ?!」ビフライの出来上がり。木の花ではおせち料理として年に一回食卓に上がりますが、今日はヤマギシ会の方がいらっしゃるということで一緒に作ることになりました。

木の花で揚げ物名人といえばはるちゃん(左から2番目)。「ヤマギシ会の方は一般のゲストと違って、全体の空気を読んで動いてくれるから、共同生活をしている人は違うなと思ったの。一緒に気持ちよく仕事が出来ました。」

みなさん経験豊富でいらっしゃるので、テキパキと手際よく作業が進んでいきます。一緒に作業をしたきょうこちゃんは、「さっきおもちを切っていた時にね、おもちを切った後の包丁にはべったりとおもちがついているでしょ。それを見たヤマギシの方は厨房にあった大根の切れ端をさっと持ってきてくれて、それで切るようにして包丁を拭くといいのよと教えてくれたの!」と嬉しそうに話してくれました。

ヤマギシの宝塚?!ちなみさんとの共同作業。長身でかっこいいちなみさん、木の花のミュージカル部門にぜひ引き抜きたいところです(笑)。
みんなでやれば「エッ?!」ビフライづくりも怖くない?!今日は全部で60本作りました。揚げる前は薄焼き卵とにんじんのしっぽが見えますが、揚げ物上手のはるちゃんの手にかかると。。。
どう見てもおいしそうなエビフライです!今日はヤマギシ会の方のおかげでとても楽しいひとときを過ごすことが出来ました。「いつでも帰ってきてくださいね!また一緒にお料理出来るのを楽しみにしています。BY木の花食当チーム」

たった一言で

先日、共同体の暮らしや自給自足に興味があるご夫婦がファミリーを訪れました。農作業&お料理体験や施設見学、いさどんによるプレゼンテーションとひととおりの体験を終えた後、いさどんと今後の生き方について相談する場がもたれました。

最初は旦那さんがいさどんに色々な質問を投げかけ、奥さんはそれを黙って聞いていらっしゃいました。しかし、その後いさどんに「何でもいいから、何か質問はない?」と振られると、「実は私、劣等感が強くて」という言葉が漏れました。そこでいさどんが、「あなたは自分が強いからね」と優しく言葉をかけると、彼女は堰を切ったようにぽろぽろと泣き出したのです。そして、事前にお二人に書いてもらった家系図を見ながらいさどんが、「あなたにはお母さんからの影響が強かったでしょう」と言うと、彼女はますます激しく泣き始めました。そんな彼女を温かく見守りながら、いさどんはこう続けました。「あなたはもともと明るい人なのですよ。ただ、お母さんのからの抑圧が強かったから、今のように心が不安定になってしまったのです。でも、ここにしばらしく滞在したら健全な自分を取り戻すことが出来ます。まずは、自分の心を立て直すためにここに来るといいですよ。」彼女はいさどんの話を頷きながら聞いていました。長年の間溜まっていた感情が一気に出たかのようにずっと泣いていらっしゃいましたが、しばらくすると彼女の顔にうっすらと笑みが浮かびました。

その場に同席した私が感じたのは、「たった一言で、人の心が癒されることがある」ということです。生まれてからずっと一緒にいる両親でも、血縁のある家族でも、そこに思惑や利害が絡むと、本当のその人を理解することはなかなか難しいものです。しかし、見ず知らずの他人でも、真に理解してくれる人に出会えば、その理解が今まで閉じていた心を開き、癒しにつながっていくのだということを目の当たりにした一日でした。

最初彼女はここにいても落ち着かず、どこか暗い雰囲気を漂わせていましたが、相談が終わって帰る頃にはすでにもともとの明るさを少し取り戻し、メンバーからも「彼女の雰囲気が変わって良かったね」という声があちこちで聞かれるようになりました。

ここには心身のケア相談を目的に色々な方が訪れますが、いさどんと1時間くらいお話をすると、「もうあなたの病気は半分くらい良くなった感じですね」といさどんから言われるような方もいらっしゃいます。自分ひとりで問題を抱え込んでしまうとどこまでも暗く落ち込んでしまうものですが、勇気を持って正直に想いを伝えると新しい道が開かれるものです。

まずはひとりひとりの健康が健全な地球を創り、それが地球の平和につながっていきます。今日もまたひとり、心の健康を取り戻し始めた方と出会いました。その出会いに感謝です。

木の花のケア相談にはもれなく笑い上戸のエリー(左)といさどんのダジャレ、そして合いの手上手なようこ(右)がついてきます!

人参母本選抜

たっちゃんです。

人参の母本選抜をしました。自農センターのワタワタと共に、センターの品種(筑摩野五寸)を選抜して、2年目になります。畑は、昨年の人参の後に、エンバクをまきつけ、それをすきこんで、また人参という緑肥を使った炭素循環方式。無施肥でも十分育つ、甘くて美味しい品種に仕上がってきてます

詳しくはワタワタ日記を転載します

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ツꀀ自農センターの筑摩野五寸(自家採種できる固定種)

■石綿さん(わたわた)の日記の転載

ニンジンは自農センターの「筑摩野五寸」から自家採種しているもの。2世代目です。昨年の選抜では五寸というより七寸くらいの長さになるものが多かったので、長くボリュームのあるものを選びました。この畑への適応の方向として、ニンジンが長めに変わって行こうとしている意向があるなと感じたからです。

通常のニンジンの自家採種では、品種の力を維持するために50本以上の母本数が欲しいところですが、新しい土地や農法への適応性の高いものを選び、品種の特徴を変えていこうというときには、初期世代に少数精鋭の個体だけを選んでタネとりをします。昨年は30本程度を選抜し、個体ごとにタネとりをしました。

今年はその個体ごとに栽培しました(系統栽培と言います)。母本選抜はまず全部抜いて、系統ごとに大きさ順に並べて各系統の特徴を眺め、優良な系統を選び出しました。もともと1つの品種であっても、個体ごとにタネとりして系統栽培する(この過程を分系と言います)と、系統ごとにちょっとずつ表現が異なるのです。30系統を並べてみると、長さが長いものが多い系統や熟期が早くなるものなどいろいろな個性が浮かび上がってきました。

筑摩野五寸はもともと関東地方の冬越しニンジンだったものなので、秋どり品種としてはやや晩生に当たるものですが、木の花の畑への適応やここでの利用方法としては、秋どりで十分に肥大し形よく仕上がるけれど、育ちすぎて裂根などのしないものが望まれます。全体としてみると、ニンジンの方が木の花畑での栽培や利用法の特徴に合わせてきている傾向がうかがわれ、その中に系統として表現が揃っているものが9系統ありました。そしてその優良系統内からさらに優良個体87本を選びました。

今年はその優良個体をごちゃごちゃに混ぜて集団でタネとりします。ニンジンのような近親交配による弱体化(近交弱勢と言います)の起こりやすい作物は、系統栽培を何世代もするのは避けた方が良いのです。なので個体選抜・分系と集団採種を繰り返す2年で1サイクルの改良方法が適しています(こういう方法を「半きょうだい育種法」と言います)。
来年6月には新しい集団が誕生します。元の品種との比較栽培をしてみて、適応性の変化を見比べようと思います。おそらくこうした育種操作をすると、元品種とは異なる品種特性になるでしょう。ふじの七寸? 木の花七寸ニンジン? いい名前を考えなきゃねとみんなで話していました。来年が楽しみです。

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引き抜いて長さ順に並べます

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30系統の中から選抜したい系統を選びました。

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芯の色をそろえるために先端を切って、オレンジ色のものを選びました。

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選抜したら、90本弱になりました。40cm間隔で母本を植えていきます。

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スコップで掘って、丁寧に定植

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最後に葉っぱを持って周りをふみふみして固めます

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聖火ランナーのような人参があったので、りょうちんが走ってます

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作業し終わって、ふと見ると赤富士が見えました。なんとも豊か!!


木の花ファミリー通信 Vol.39

早いもので、もう師走に突入してしまいましたが、月刊ニューズレター「木の花ファミリー通信」の第39号(2010年11月)をお届けします!ぜひ、お読み下さい。PDFファイルをこちらからダウンロードできます。

「木の花ファミリー通信」は、毎月発行のニューズレターです。PDF版を無料で公開しているほか、テキスト形式のメールマガジンで配信もしています(木の花ファミリーホームページの右側に申込み欄があります)。

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