人参母本選抜(わたわた解説編)

前回アップしたブログにさらにわたわたが詳しく解説してくれています。

■以下わたわたブログから・・・・

今年もやってきた木の花ファミリーで育成しているニンジンの母本選抜&移植作業。
ニンジン2012年母本選抜1
この畑では、もう4年間、緑肥エンバクとニンジンのみを栽培しています。今年からエンバク鋤き込み後に太陽熱マルチを併用しています。エンバクをしっかりつくることで、有機物の減耗を防ぎ、ネグサレセンチュウ対策にもなると考えています。ニンジンの葉も結構茂るので、これも秋の緑肥と捉えることもできると思います。毎年無施肥ですが
、年々良い土になってきているように思います。太陽熱マルチ後なので雑草も少なく、ニンジンが素直に伸びている感じを受けました。またヤスデなどの土壌動物もいるので、熱で蒸し焼きになっているのは地表から数センチまでかなと思われました。

揃いよく育っている感じであったので、2畝から母本選びすることにして、まず全部掘り上げました。
ニンジン2012年母本選抜2
その数800本。

それを長さ順にずらっと並べます。
ニンジン2012年母本選抜3
肩が緑色や赤紫に着色しているもの、葉のつけねのところの太さが太すぎるもの、裂根などを除き、形状が良く、草勢が中庸なものを選んでいきます。長さはやや長い7寸くらいものを選んでいます。

160本を選んだのち、根の先端を少し切って、内部も均質で濃い橙色のものを選びます。
ニンジン2012年母本選抜4 ニンジン2012年母本選抜5
この選抜の一手間によって、緑肥利用+連作という栽培方法に適応するだけでなく、品質的にも優れたものになっていきます。自家採種といっても、ただタネをとるだけでは適応性も品質も高まらないのです。選抜というのは、自然の暗号を読み解き、作物の個性や向かう方向を見据えて力を添えていくってこと、知恵やインスピレーションを発揮していくアートだと思います。

160本から品質にも優れた100本を選んで、採種畑へ移植しました。
ニンジン2012年母本選抜6
来春までお休みなさい。

今年は特に揃いが良く、裂根は3%、規格外の小ものを入れても5%くらいしか下ものが出ないという秀品率の高さでした。秋の天候が良かったこともありますが、ニンジンと畑との息が合ってきた。土も軟らかく、ニンジンに着きにくく団粒化している感じで、ニンジンに合わせた生態系が出来てきたように思われたし、ニンジン自体も固定種として形状が集束したように思いました。最初の筑摩野五寸から30系統近くに分系し、丁寧に育種してきた一連の行程が実を結んだんだなと思いました。


12月19日夜7時より、渋谷でEDE説明会を行います!

2013年2月17日~3月19日、木の花ファミリーでは
「エコビレッジ・デザイン・エデュケーション(EDE)」を開催します。
これにともない、
12月19日(水)夜7時より、
東京・渋谷の国連大学にて説明会を行います!

 

2012年度EDEのようす

 

EDEは、18年の実績を持つエコビレッジ・木の花ファミリーに滞在しながら、
「環境」「経済」「社会(人間関係)」「世界観」の4つの側面から
持続可能な暮らしを総合的に学ぶ体験型プログラム!
前年度受講生からも「想像を超える収穫があった」と非常に高く評価されたEDEとは
いったいどんなものなのか、まずはお気軽に説明会にいらっしゃいませんか。
EDEを機に人生の大きな転機を迎えた前年度受講生たちは、
その後各地で様々な活動を展開し、新たな生活を始めています。
説明会では、そんな受講生にも体験談をお話しいただきます!

 

 
【日時】
2012年12月19日(水) 19:00~20:30

【場所】
国連大学1F 地球環境パートナーシッププラザ(GEOC) セミナースペース
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-70
こちらにて地図をご覧いただけます。

【プレゼンテーター】
古橋道代
(木の花ファミリーメンバー/ガイアエデュケーション理事/
グローバル・エコビレッジ・ネットワーク アジア・オセアニア地区代表)

【料金】
無料

【ご予約】
木の花ファミリーへ直接お申し込みください。
電話: 0544-66-0250 (担当:池谷・中野)
メール:ede@konohana-family.org

あるいは、下記のfacebookページでも受け付けています。
http://www.facebook.com/events/531715163505739/

*当日参加も受け付けておりますが、
参加人数把握のために事前にご予約いただけますとありがたいです。

 

 

◆EDEは、下記のような方々を受講の対象にしています。

・エコビレッジを立ち上げたい、または実際に運営している方
・町興しや災害復興に取り組んでいる方
・地球の未来を担う世代を育てる教育関係者
・起業を通して社会貢献したい方
・心身のケアや障害者支援、多文化共生に関心のある方
・21世紀を生きる道を模索している方

 

その他、前年度受講生からは下記の声も上がりました。

・この星を愛する人すべて

 

 

2012年度EDE最終日の食卓より

 

 


「木の花ファミリー通信」 2012年11月号が発行されました!

少々遅くなってしまいましたが、ファミリーの月刊ニューズレター「木の花ファミリー通信」の11月号をお届けします!

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無肥料栽培で人参母本選抜

 自然農法センターの人参の品種でちくまの五寸を栽培して自家採種を4年繰り返してきました。わたわたが一緒に関わってくれて、選抜のやり方の基礎そして、採種のやり方を学習しながら進んできた4年でした。毎年、よい品種になっていたのですが、今年の出来は、思わず涙が出てしまったほど、美しい出来になりました。

栽培の方法は、人参収穫後、エンバクをつくり、そのエンバクを鋤きこんで人参につなげるというもの。その際に肥料はやらず、無肥料にて育てています。4年目の様子です。

人参の圃場。選抜前の様子

抜くもの抜くもの美しい出来でした。わたわたは、感動して涙を流していました。ちなみに、僕も感動して涙ぐんでしまった。

選抜した人参を運ぶつくつく。さくや姫さんも思わず笑顔!!

800本を抜いて、そのうち160本を選び、さらにそこから芯の色を確認するために包丁できって、コアの色を確認します。真ん中まで色がオレンジ色のを選んでみると105株でした。800本を抜いたうち、裂根の割合が3%でした。栽培の仕方もうまくなっていますが、秀品率が高く、美味しいにんじんになってきています。うーん、美しい。

きれいな母本になってます

コアの色をそろえるため切って色をチャックしています。白っぽいものは除去しています。

植え付け用の穴を掘っています

植え付け穴に選抜された母本を植えていきます

植え付けの際には、まわりを踏んで霜に備えます

こちらは、キャベツの品種を育てています。選抜してハウスに植えつけました。

 

ターツァイやその他の葉物野菜もよく出来ました

いい感じのターツァイ

カツオ菜も種取りをするために母本選抜します

カツオ菜の母本をハウスに定植

木の花で今育成中の漬物大根です

耐病干し理想と宮重大根の根長の長いものを掛け合わせたものを採種と選抜をして3年目くらいになります。良い品種になっています

おやつは、玉ねぎ定植隊と合流しました。一枚パチリ

こういったよい品種に選抜できたのは、わたわたの協力なしにはありえなかったでしょう。本当にありがとう。種取りは大切だけれども、とても労力のかかることです。なかなか個人の農家で取り組むのは難しい側面もあります。その点、エコビレッジは、みんなの協力をえることができるので、種を維持、開発していくのに向いているともいえます。木の花でもかなりの種を自家採種していますが、ゆくゆく、シードバンクとしての役割も果たせしていけたらと思ってます。たのしみだなー。


お勧め図書「連作のすすめ」

木嶋先生が新しい本を出版されました「連作のすすめ」という本です。木嶋先生からは、たくさんのことを学ばせて貰っています。コンパニオンプランツなどの本も出版されているし、木の花でも連作を多くの作物でやっていますが、そのための有用な情報をたくさん頂いています。この本は、連作に関する今までの集大成のような本でしょう。

http://www.amazon.co.jp/%E9%87%8E%E8%8F%9C%E3%81%AE%E5%93%81%E8%B3%AA%E3%83%BB%E5%8F%8E%E9%87%8F%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-%E9%80%A3%E4%BD%9C%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81-%E6%9C%A8%E5%B6%8B-%E5%88%A9%E7%94%B7/dp/toc/4259518488

木嶋先生は、僕やわたわたが幹事をしている農の会にも参加していただいており、連作の研究成果を講義していただいたり、会報紙などで報告して頂いていました。そういった内容もまとまっているだけでなく、具体的な成功事例を集めてさらに、説得力をつけた形での出版になっています。是非、一読をお勧めします。

わたわたが木嶋先生を紹介してくれて、僕の中にも「連作は究極の農業技術」と捉え、圃場で実践をつんできました。木の花で連作を取り組んでいる事例を以下にあげておきます。確かに、年々つくりやすくなってきていますし、病気の発生も少なくなってきています

■根菜類:人参、大根、里芋、玉ねぎ、ジャガイモ、らっきょう、ニンニク

■葉菜類:キャベツ、ブロッコリ、カリフラワー、小松菜などの軟弱野菜、レタスなど

■果菜類:トマト、トウモロコシ、スイカ、メロン、かぼちゃなど

■雑穀:そば、ゴマ、きびなど

■豆類:ソラマメ、エンドウなど