さっちゃんの、私がガンになった理由・その2 〜 いさどん、いさどん、ありがとう

2年前に乳ガンになって以来、「心が変わればガンは治るのか」人体実験中のさっちゃんからのレポートです。

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木の花塾「1ヶ月間の真学校」が始まった。

ひまわりの洗濯物が、受講生の14人分増えた。たったそれだけの事なのに、私の頭は混乱した。
その為のカゴや札を用意したり、間違えないようにいろいろと用意していたのに、いざ洗濯物を干し始めると訳がわからなくなる。
ちょっと自分がいなくなった間に他の所に違う洗濯物が干されていたり、考えているうちに5台の洗濯機が順々に止まって次の洗濯を始める。洗濯済みのカゴが5つ、6つと増えていく。早く干さなくちゃと思うほど、手が動かなくなり、頭を抱えてしまう。
それでも何とかみんなの協力でミーティング終了までには干し終わった。洗濯し始めてから終了までに約7時間。

そんな状態が2日続き、私はまた寝込んでしまった。

何度か起きようとして、シャツを着替えてまた寝て、ズボンをはいてまた寝ていたら頭まで痛くなり、昨日一緒に昼寝した6歳のなりがインフルエンザA型だったのを思い出し、インフルだったら大変だ、同室の陽子ちゃんにうつったら大変だ、このままじゃ気持ちがインフル菌に負けてしまう、気が病んでしまう、でもみんなと話せば何とかなる、とやっと起き上がり、ひまわりに向かった。
ホールでラブちゃんに洗濯物に心が捉われていたヨと笑い、熱を計ると35.4℃で、また笑った。これじゃあ、インフルにもなれないね。

私は超冷え症で、いさどんに「北極に行くのか?」と言われる程、室内なのにマフラー、帽子、マスクと厚いダウンジャケットを着こんでいる。寝起きに手足のしびれもあったので、最近食養生をやめたまゆちゃんに、「食養生をやった方がいいのかな?」と訊いた。
彼女は昔、過敏性腸症候群で苦しんで、当時は水を飲むだけでお腹に激痛が走ったそうだ。それからマクロビを学び、師範の免許を取り、砂糖と卵なしの生活を9年間続けた。
けれど最近、食に対するこだわりと恐怖があるのに気付き、食養生をやめた。
彼女は心が血液の流れにも関係があるらしいと言った。
そう言えば、以前『ためしてガッテン』で、ストレスのために一瞬にして血液の流れが悪くなる実験を観たことを思い出した。
私は失敗した時、何かを指摘された時、腹が立った時に、サーッと血が汚れる感じがする。焦った時にキューッと体がしまる感じもする。最近そういう感覚になる事が多かった。
それで私は冷えているんだと気付いた。心がやわらかくなればきっと体もあたたかくなる。

次の日の朝、湧泉閣のトイレ掃除をしていたら、いさどんに会った。
「どうした?調子が悪いのか?」と聞かれ、「胸が痛い」と言った。
そして昨日の気付きを話したら、いさどんは

「ガンとは血液の病気だからな。笑って感謝して泣いとるのが一番いい」
と言った。

胸にぽっと灯りがともった。
そして、昨日のミーティングみたいだと思った。

大人ミーティングより
大人ミーティングより

真学校の受講生が連日ミーティングで自己紹介をしている。
昨日はわたるくんが、「暗い話をします」と話し始めた。母親との確執、死のうと思った過去を話して、みんなで笑った。みんな同じようなところを通ってきた。

真学校が始まってから、泣いて笑って感謝のミーティングが続いている。

その後いさどんは、階段を下りて、真学校の教室に向かった。いさどんが、「おはよう」と言うと、受講生の歓声のような笑い声が聞こえてきた。
魂が喜んでいる。
このことを書きたいな、と思いながら湧泉閣の掃除していたら、気が付くと9時を過ぎていた。ヤバイ!いつも一緒にひまわりのお風呂の掃除をしているともちゃんが、一人でやっているんじゃないか?・・・とあわててひまわりに向かうと、交差点であやちゃんの車とすれ違う。あやちゃんは笑顔で手を振っていた。あやちゃんは泣いて笑って感謝の人だと思い、その時の私は眉間にしわを寄せてセカセカ歩いていた事に気付いて、笑った。

昼食の時、隣に座ったワケあり女さんに、いさどんとの話を話した。そして最後に、「それに気付いたのに胸にカイロ貼っている私なんだ」と笑ったら、「そこがさっちゃんの自分に厳しい所じゃないのかな?」とワケあり女さんが言った。

彼女も、自然療法プログラムを受けるためにここに来た最初のころは、自分の部屋から食堂まで歩く事ができなかった。
「いさどんとの面談でだんだん自分の心が原因になっていることに気付いて歩けるようになったのに、なぜまだ手足がしびれるのか?」といさどんに訊いたら、「それは余韻なんだよ」と教えてもらったそうだ。
余韻・・・。私の心に、またぽっと灯りがともった。

次の朝、また胸が痛くて寝坊した。
ゴミ集めしていたらいさどんがトイレにいた。
「どうだ?」と訊かれ、私は「昨日はパンチームが夜なべしてイベントのパンを作っていたのに、私は寝坊ばかりで情けない」と言った。
そしたらいさどんは、
「おれなんか今まで寝てたぞ。パンも全然作ってないし、ごはんも最近作らんしな~」
と言った。眼をまん丸にして立ち上がって、アンパンマンみたいに可愛かった。
私は泣き笑いした。
やっぱり私は自分で病気を作っているんだね。

いさどん、いさどん、ありがとう♡
  

さっちゃんの物語はまだまだ続きます!
さっちゃんの物語はまだまだ続きます!

  
 


【木の花菜食レシピ】金ゴマたっぷり!豆乳ドレッシング

今日のレシピは、これさえあれば野菜がもりもり食べられちゃう、大人気のドレッシングです♪

金ゴマたっぷり!豆乳ドレッシング

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作り方はこちら!
 
菜食レシピ-ごまドレッシング
 
どうぞお試しください(^^)
 
 


【やじおの本気レシピ・特別編】美味しいごはんの炊き方

目の前に炎で焼けて煤けた真っ黒な大釜が在る。威風堂々。使おうとして向き合う時いつも圧倒される。心が怖気付く。
「できればこのまま触らずにおきたい。」

すくみそうになる想いを気合と覚悟でねじ伏せる。
こんな時は何でも可能にする魔法の言葉を唱える。あなたにも教えてあげよう。

「よし、やるぞ!」
 

威風堂々の釜戸
威風堂々の釜戸

今、左手の中に小さな木屑を握っている。これからスタート。
全ての始まりは小さな事から。急いては事を仕損じる。以前、100円ライターで太い木に直接火を点けようとしている人が居たが、それでは焦げるだけで絶対火は点かない。

慎重に釜戸の火を育てる
火との対話

小枝、細木、中太木、太い木とバトンタッチしながら火を大きく育てていく。
はじめの小さな火。時には火力が上がる様、風を送り勇気付けてやる。また時には強風で消えてしまわぬ様、風を防いで守ってやる。空気を送る。空気の通り道を作る。向こうから欲しいもの、要らないものを伝えてくる。必要なのは目の前の火に耳を傾けるだけ。ただそれだけ。

薪が太くなるにつけて火は安定していく。それに伴い僕の心も安定していく。やっと一息。
今回も何とか上手くできた様だ。「上出来。よくやった。」独りごちる。炎が釜底を舐めるように這い回り、焚口からも溢れ出してくる。「ああ、何て美しいのだろう。」ほんの一瞬たりとも同じ形、状態をとどめない炎。その場、その時の条件により常に変化し続ける様子は、何時間見ていても飽きる事を知らない。

至福のひととき
至福のひととき

その特別な調理器具で、様々な調味料、料理を作る。味噌。醤油。干し芋。もち米を蒸して、おこわやお餅。お味噌汁。麺類を茹でる。スープ、芋煮、カレーをコトコト煮る。饅頭を蒸かす。その他色々。
何を作ってみても一味どころか全然違う。先月の「恵みいただきます」のうどん出し汁。味が今一つ決まらず行き詰まってしまい、もう打つ手なしというところで釜戸に御登場願いました。
「よろしくお願いします。」
数時間後、甘みとコクのあるまろやかな出し汁が完成しました。

釜戸調理は「火」と「水」の共同作業。カミの働き。
天に全ておまかせで僕はただ手伝わせて頂くだけ。
美味しくできるのも失敗するのも、神の采配だもの。とても気が楽です。

時代に逆行している様で、その実、今できる最高の贅沢。おこげが香ばしいつやつやふっくらごはん。基本月1回行われる防災デーに炊きます。

炊きたての玄米。ぽつぽつ空いている“カニの穴”は美味しいごはんが炊けた証。
炊きたての玄米  ー  ぽつぽつ空いている“カニの穴”は美味しいごはんが炊けた証
ごはんを食べるみんなの笑顔
ごはんを食べるみんなの笑顔

なぜこんなに美味しいのだろう。
おかずが要りません。
遠赤外線効果?それなら高級炊飯器にも機能が有ります。
何か科学的にどうだからこの味になりました、というのは当てはまらない味の違い。

そうです。
やはりそこに神が宿っているとしか言い様の無い味なのです。
子どもたちもいつもよりおかわりの回数が増えます。みんなの笑顔。煙が目に沁みたのかなあ。鼻がぐしゅっとするよ。至福の時間。
「ごちそうさまでした。」ああ、心の奥の方が満足したと言っているよ。良かったね。
 

元祖釜戸の番人・えいこばあちゃんと一緒に
元祖釜戸の番人・えいこばあちゃんと一緒に

  
  


くにさんからみんなへ

今日は、メンバー歴2年のくにさんが昨日みんなに送ったメールをご紹介♪
「二文字陽性・プラス7」で、自己主張が強くなかなか人の意見を受け入れられないくにさんですが、自分の枠を超えて心ひとつにつながっていく道を、日々みんなと共に歩んでいます(^v^)ノ

*「二文字陽性・プラス7って??」と思われた方は、現在開講中の木の花塾「1ヶ月間の真学校」のブログをご参照、又はもっと深く学びたい場合は「宇宙おじさんの人生講座」へお越しください。
 
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みんなへ

くにです。
今日は久々に畑作業に出て、中神ハウスにサツマイモのふせこみをしました。
ひまわりの大風呂で入浴(温湯消毒)したサツマイモを中神ハウスまで運び、
土のベットに寝かしつけ(ふせこみ)ました。

カトケンとふせこみ作業しながら、最近の僕の心の状態の話をしたり、
思ってること。感じてることを話したりしていると、
それに共感したカトケンの話しが出てきたりして深める事もできました。

こうちゃん、ひろみちゃん、郷子ちゃんは昼食に戻らずにふせこんでくれて、
カトケンと僕をを昼食に送り出してくれました。
あやちゃん、みさこ、みほちゃんが3人分のお弁当を用意してくれ、
食べ終わった僕たちはそのお弁当を持って中神に合流。
こうやってリレーした結果、3時には作業を終える事ができました。

今日の作業を通して思ったのは、みんなで作業すると楽しいな〜♪です。

僕はよく一人で作業していても平気だったりするのだけど、
一人で大丈夫!やれてる!という根拠の無い自信で突き進み、
ある時に現象をもらって凹む。。。というパターンを繰り返してきてるのを思い出しました。

こんな僕だからこそ、みんなの中に居た方がいいな。
こんな自分である事を前提として忘れちゃダメだな。

そう思ったので、ふせこみ終了後、まことの家に事務作業に入ったのだけど、
おやつの時間になったら電話して呼んでね!とお願いし、中神倉庫でおやつしました。
みんなと分かち合いながらするおやつは美味しかったです♪
 

ちなみに、おやつはマーマレードパウンドケーキでした♪
おやつのマーマレードパウンドケーキ

 
話題はりゅうしろ〜の事が中心でしたが、みんながりゅうしろ〜の事を想っている心を感じ、
ファミリーの暖かさを再確認できてよい時間でした。

みんなありがと〜
 

くにさんの心の道は続く!
くにさんの心の道は続く!

 
 


よしてるくんのケア滞在記

立春正月の2月4日、1ヶ月間のケア滞在(自然療法プログラム)を経て見事卒業を迎えたよしてるくんの卒業コンサートが行われました。今回のブログでは、卒業コンサートの際によしてるくんが発表したケア滞在記、ケアコーディネーターのようこがシェアしたよしてるくんのケア滞在の振り返り、そしてケア責任者であるいさどんからのコメントをご紹介します。

よしてるくん
よしてるくん

 

■  ■ よしてるくんのケア滞在記 ■  ■

 
ケアを決める時も、またケア滞在中も、僕の前にケアを卒業した人たちのケア滞在記を読み直しました。それに何度も背中を押してもらいました。だから、僕の滞在記がこの先ケアを受ける人が出てきた時に何らかの足しになるように、そういう思いで書いてみました。

感謝
主治医のいさどん、ケア担当者のようこちゃん、サポーターのゆうくん、そしてメンバーとそれ以外の皆々様、どうもありがとうございました。おかげさまで、本日を持ってケアを卒業することになりました。

ここに来た経緯
そもそも今回僕がケアを受けることになったのは、社会の中にうまく馴染めずにいて、うつ状態のようになり、どうにもならなくなったからです。病院での治療や数々のセラピスト、ケアサポートグループ等も頼ることがありましたが、思ったような成果は上がりませんでした。人を信じられなくて、人と繋がることができなくて、一人、世界と切り離されて暗闇の中を生きていました。そういう経緯があり、以前訪れたことのある木の花ファミリーに救いを求めてやってきました。

ここに来た当初
ここに来た当初は、ここに来る直前よりも状態が悪化して、被害妄想や先取り不安、自己否定にとらわれ続けていました。嫌われている、変に思われている、自分は受け入れられていない、ダメな人間だ、人と関わるのが恐い、そう思いながらずっと布団の中に閉じこもっていました。当初はとても苦しかったけど、今思うと、そうであって良かったと思います。自分の心の闇がそこで大きく出たからこそ、そのことに対して取り組むことができて、先へと進めた気がします。

いさどんの話に聞き入るよしてるくん
いさどんの話に聞き入るよしてるくん

回復への取り組み
そんな僕に与えられた取り組みは、いさどんとノートのやり取りをすること。日々思ったことやどう過ごしたかということを日記形式でノートに綴り、それに対していさどんからコメントをもらう。そのノートを通して、自分自身を知ること。自分が持っている考え方や繰り返し続けている行動を知ること。その考え方や行動のきっかけになっている心を知ること。頭の中にあることと事実とのズレを知り、正していくこと。ズレが正されていくことで、どういう現実が現れるか、現れた現実をどのように感じるかということを体感すること。

この取り組みを毎日続けることで、知らず知らずのうちに状態は改善されていき、1ヶ月でケア終了となりました。

どんど焼きでのひとこま
どんど焼きでのひとこま

自分自身の状態に合わせて過ごし方や取り組み内容を柔軟に設定してもらえたので、スムーズに順調に進むことができました。不思議といつも丁度良いタイミングで丁度良い人や出来事が現れて、トントン拍子にケアが進みましたが、それはここの人々の多様で柔軟な人間性と活動がケアの基盤となっているからだと思います。

ケアを受けるにあたって、主治医のいさどんとサポーターのゆうくんだけでなく、メンバーの皆さんや大勢の滞在者、来訪者の皆さん、ここの子供達すべてがケアを進めるサポーターとしての存在になってくれていたと思います。

食事会イベント「恵みいただきます」にも参加
食事会イベント「恵みいただきます」にて

1ヶ月というケア期間でしたが、この1ヶ月はとにかく自分自身と向き合う1ヶ月。出会う人達と出来事を通して、いかに己を見るかという1ヶ月でありました。その中で、僕が社会の中で人間不信になり、世界から切り離され暗闇の中を生きていたのは、自分自身にその元があるからだということを知りました。

ケア期間中にケアを受ける立場としてはとても良い評価をもらえることもありました。でも、僕は他のケアの人より優れていたとは思えません。僕が木の花に出会ったのは27歳の時。今年で10年目を迎えます。

何となくここを訪れて、ちなっぴーに声をかけられて、いさどんとまりちゃんに面談してもらって・・・。「何かをする前に心を正したほうがいいね」と言われて、その日からここに住み込むことになって・・・。それから木の花との縁が始まりました。当時はいさどんも毎日畑に出ていて、一緒に作業することも度々ありました。一緒に作業しながら神様の話をしてもらったり、「まわりの影響を受けないように過ごせるようになることだね」とアドバイスをもらったり、「繊細かつ大胆に」とレイキやQホーの扱いを教えてもらいながら心の在り様を教えてもらったりしました。

卒業コンサート
卒業コンサートより

そういうところから始まって、逃げ出したり、またここに来たりしながら、10年目にしてようやく自分と向き合う気になり、卒業を迎えることができました。それほどに出来が悪く歩みが遅い自分ですが、だからこそ培われたものがあると思っています。そういった経験がこれから先、何かに生かされていったら嬉しいです。

いさどんといると妙なことばかりが起きますが、それがだんだん面白くなってきました。いさどんがなぜこれほどまでに人に愛されるか、僕なりに感じることがあります。

多くの事実を知っている。みんなを率いていく力がある。みんなを誰よりも深く愛している。いろいろあると思うけれど、1番はそういう全部をひっくるめて、この人といると面白いからなんじゃないだろうかと思っています。

この先、定められたシナリオをなぞっていくだけの人生なのかもしれないけど、そうやって生きていく中で真実を知っていく。もしくは思い出していく毎日を、肉体が尽きるまでは続いていくのだろうと思います。そういう毎日を楽しんで歩んでいこうかと思います。
 

卒業コンサートの最後に帽子を脱いだら、なんといつの間にか坊主になっていたよしてるくん。みんなびっくり!
卒業コンサートの最後に帽子を脱いだよしてるくんは、なんと坊主になっていたのでした

 

■  ■ よしてるくんのケア滞在を振り返って ■  ■

〈 ケアコーディネーター:ようこ 〉

昨年12月はじめ、久しぶりに木の花ファミリーを訪れ、うつ的になっていたよしてるくんは、いさどんとの面談の中で今のアルバイトをやめられたらケア滞在をしたいと話しました。そんなよしてるくんにいさどんは、「今のあなたの人格的な問題は、自分に中途半端に甘く、けじめがつかないことです。人に対してはデリカシーがないので厳しいことを要求するのに、逆に自分に対してプライドが高くだらしがないところがあるので、冷静に自分を観て、そのアンバランスの整合性を取る覚悟が自分にできるかどうかです」と伝えました。その後、よしてるくんは昨年末にアルバイトを退職し、今年の1月5日にケア滞在をスタートさせました。

自分の想いを語る
自分の想いを語る

ケア滞在当初は、よしてるくんは出会う人や出来事一つ一つに対し、不平・不満を感じ、メンバーに話しかけられても不安が襲い頭が混乱し、挨拶をされないと嫌われているのではと不安に感じ、人と関わるのが怖い、大勢の中はもっと怖いと感じているような状態でした。敵意的に何でも悪く受け取っていたよしてるくんに対し、いさどんは「あなたが出会うことは全て、あなたの心が創っています。これからも正直に素直に自らの内側を出していって下さい。そうすれば、あなたに良い智慧が湧き出して来て、豊かで幸せな人生が待っています」と伝えました。

その後数日は、食事・入浴・夜のミーティング以外は部屋で過ごすことが多く、不平・不満が頭をグルグルと駆け巡りながら、日記には「神様に対する不満がある。こんな宇宙法則の中でこんな性格に生まれ育ったらしんどいだけの罰ゲームみたいなものなんじゃないかと・・・僕は学びたいとも成長したいとも思ってないし、無理やりそんな所に突き落とされている気がしてどうしても神様を良く思えない」と書かれていました。

味噌仕込みにも挑戦!
他の滞在者と一緒に味噌仕込み

しかし同時に、皆からの声かけによって少しずつ心がほぐれてきたよしてるくんは、食事の時に以前は端の方の席で皆と接点を持たないように座っていたところから、皆と関わろうとする姿勢が見え始めました。日記にも「いさどんからのコメントによって少しずつ自分の正直な気持ちやこれからの指針が見えつつあり、自分を落ち着かせてくれている。今の自分を受け入れられていることを少しずつ感じてきていて、そのことも自分を落ち着かせてくれていると思う」と書いており、いさどんからは「客観的な目線が育ってきています。この姿勢を忘れないようにしましょう」とコメントがあり、よしてるくんの心の変化をまわりの人たちも感じるようになりました。そのあたりから、よしてるくんの理屈っぽい性格が自らを冷静に客観的に分析する方向へと転換し出し、日記の中に書かれているいさどんのコメントに対してさらに質問を尋ねたりと、その能力が芽生え始めたのです。

自身の日記を読み上げる
自身の日記を読み上げる

そして、いさどんから大人サミットへの参加を勧められたよしてるくんは、素直にその提案を受け、早速参加することになりました。参加するにあたり、ネガティブな思考もまわりながら、大人になって自立するための良いきっかけにしようとする前向きな心もあったよしてるくんは、大人サミット初日の日記の中で以下のように書きました。「妄想と不安でさいなまれている時、『自分は無力だから天意を表せる』といういさどんの言葉を思い出した。自分で自分を守ろうとして緊張するから、すでに守られていると思えばいいんだ。今の環境はすでに見守られている環境なんだし、自分で守る必要はないということをこれから意識することにする。」それを受けていさどんは、「素晴らしい気付きです。ミーティングにてシェアして下さい」とコメントし、日記をシェアしたその日のミーティングでは皆から拍手が起こりました。

順調にケア滞在が進んでいき、1週間面談では学んできたことを定着させていくことが次の課題として与えられました。そして、余計なことに思考をまわさず、必要なことにエネルギーを使えるよう規則正しく生活をするため、翌日から作業に参加することになりました。

2月に誕生日を迎えたよしてるくん
2月に誕生日を迎えたよしてるくん

自分の心を見つめつつ作業をしながら、それは正直を出すことを実践する機会にもなっていました。作業中、自分の思うようにやってほしい、言ってほしいと自分に意識が向かうことを認識したり、そういうときには立ち止まって全体を見渡し意識を広げようとしてみたり、想ったことを正直に口に出してみたりと、その都度素直に行動することを心がけていきました。そんなよしてるくんにいさどんは、「内にあるものは出てきます。それを早く正直に出して、新しい自分にリニューアルしていく楽しみを味わっていくと有意義な人生になります」と伝えました。そのような中で色々な人と話す機会が増え、毎日少しずつ精神的・体力的に余裕が出てきたよしてるくんは、自分壊しのためにお誕生日会で「ふるさと」を歌う機会も得ました。

子どもたちからも誕生日カード
子どもたちからも誕生日カードのプレゼント

畑で作業をするようになって1週間が経ち、朝きちんと起き1日作業に出るという規則正しいリズムが送れるようになった頃、2週間面談の場がもたれました。前回の面談で与えられた課題が達成されたことが確認され、順調にケア滞在が進んでいるため、面談もすぐに終わりました。ただ、よしてるくんとしては何とか出来たという認識であり、学びが実践として定着できていないギャップを感じていたので、次の1週間は当たり前にそれが出来ることが課題となりました。

また日記から、ヘルパー滞在のTくんに良い影響を与えていることが読み取れ、いさどんからは「良い役割をありがとう。これからも自分のために、そして同時に人のために正直を出していってください。そうすれば、新しい人生は自然にあなたの前に現れてきます。自らの変化によって喜びが生まれてくるような希望ある生き方をしてください」と伝えられ、さらによしてるくんの日記は、素晴らしい問答集として今後ケアを受ける人たちのためにもまとめていくことが決まりました。

その後も、よしてるくんはメンバーや長期滞在者の特徴を捉え、その上でコメント出来ているといさどんから評価されてきましたが、本人としては学びがまだまだ定着しておらずその意志が弱いと認識していて、正直を出せているかどうかをチェックしながら日々を過ごしていきました。また、人に話を聞いてもらうことに悦を感じ、その原因はストレスや不満があるからだと捉えていたよしてるくんは、自分勝手な思い込みやウソがそのストレスの元だと認識し、引き続き学びを実践する日々を送っていきました。

みんなに見守られて鬼の舞を舞う
みんなに見守られて鬼の舞を舞う

そして、3週間面談も順調にケアが進んでいるのですぐに終わり、この1週間でケア滞在後の方針を決めていくことになりました。その後も、正直・素直・信じることから逃げ出したい気持ちになったり、何を決意したらいいのだろうかと色々考えた末、なるようになるからと考えるのをやめたり、過去の経験を元にして未来に不安を持ち、何もしたくない気持ちになったりと揺れる心も出てきましたが、1月31日の富士浅間木の花祭りで鬼の舞を体験することによって、日常でいかに自らにとらわれ、保身にエネルギーを使っているかということに気づかされたようでした。また、いかに自分が皆から見守られ応援されているのか、この世界の本当の姿はこうなのだと教えてもらったような気がすると語るよしてるくんには、この舞の体験が今後に生きる大切な出来事となりました。

そうしてケア滞在をスタートしてからちょうど1ヶ月が経った今日、卒業を迎えることとなりました。ケア滞在中、私たちにとって良い刺激となってきたよしてるくんが、今後ますますよしてるくんらしく生き生きと充実した人生を歩めますよう、今後も共に歩んでいけたらと思っています。卒業おめでとうございます。
 

■  ■ いさどんからのコメント ■  ■

 
今まで色々な人達のケア担当をしてきましたが、今回のよしてるくんのケアは途中経過だと思っています。通常ケア滞在というのは、その人やその家族の健全を図って進んでいくものですが、今のよしてるくんの全身からは道を探求する姿勢が漂ってきています。そういう意味で、心の探求の同志が一人現れたようにも思っています。ここまで理屈っぽくネガティブな人が、エネルギーの方向を変えると、そのネガティブなエネルギーは道を探求するポジティブなエネルギーにそのまま変わるのです。

心の方向が低く重く沈んでいけば底なし沼にはまってしまうことになるのですが、逆に、高く軽く広くなっていけば希望が湧いてきます。ですから、ただ心の向く方向を変えればいいだけであり、そのことに気付けば簡単なことなのです。
面白いもので、人間は気持ちが落ちていくとどんどん卑屈になっていき、自分でのめりこんでいきます。そのようなことを喜ぶ人はいませんが、それはその人の卑屈なエネルギーがそれをさせるのです。ところが、今度はそれが高くなっていくと、それが希望になって、喜びが自らを引き上げてくれるのです。ということは、エネルギーを向ける方向を間違えたらいけないと思います。この途中経過の卒業式の次に、よしてるくんは2月15日から始まる1ヶ月間の真学校を受講することになっています。

そのプログラムを通して真の人間力を身につけ、自らの意志をしっかりと確立し生きていく喜びに目覚めてもらうことが次のステージとなります。今回1ヶ月間の真学校は第1回目の開催となりますが、よしてるくんたちのようにケアを卒業した人が参加することは、とても大きな一歩になると思っています。そこに参加する十数名の人達と共に場を創っていこうと思っているのですが、特にこの真学校前にこうやってケア滞在をして大事なことをマスターし臨む人たちは、この大切な歩みのパートナーだと思っています。よしてるくんにも、そういった心構えで次に臨んでもらいたいと期待しています。卒業おめでとうございます。そして次があるのですから、共にしっかりとやっていきましょう。

自らの身近なことに興味があるのは人間の常ですが、やはりどのレベルに意識があって、どこに意識が向いているかによって、その人の未来が創られていきます。そして、その意識の方向によってはその人の未来どころか、まわりの環境にも影響を与えて世の中を創っていくのです。ですから、自分は何も悪いことをしていないと思い、テロリストでもない私たちでも自らのことばかり考えて生きていたら、そしてそういった人たちがいっぱいになって、自分のことや自国の都合ばかり考えるようになったら、さらにそのような政治家が国を治めれば、世の中は自分が正しく他人が間違っているという風潮の今の世界を創るのです。
個人から観ればそれは小さなことだと思うかもしれません。そして、一人では何もしていないように思えるのです。けれども今、あなたがどこを観て何をしているかが、今の世界の状態につながっているのです。それは単なる地球上の私たちの社会のことですが、私たちの姿勢がそういった迷いの世界を創ってしまうのだとしたら、世の中を本当に良い方向に導くのにはやはり一人一人の目覚めが大切なのです。これからは一人一人の力が時代を創る時代になるのです。

よしてるくんのようなビフォー・アフターの事例を生かして、僕はこの世直しを進めていこうと思っています。それに関わる真学校受講生やメンバーの皆さん、改めてよろしくお願いします。
 

いよいよ1ヶ月間の真学校がスタート!よしてるくんの新たな旅が始まります
いよいよ1ヶ月間の真学校がスタート!よしてるくんの新たな旅が始まります