木の花ファミリー通信 Vol.39

早いもので、もう師走に突入してしまいましたが、月刊ニューズレター「木の花ファミリー通信」の第39号(2010年11月)をお届けします!ぜひ、お読み下さい。PDFファイルをこちらからダウンロードできます。

「木の花ファミリー通信」は、毎月発行のニューズレターです。PDF版を無料で公開しているほか、テキスト形式のメールマガジンで配信もしています(木の花ファミリーホームページの右側に申込み欄があります)。

  • みちよちゃんのGENOA総会レポート
  • ヤマギシ会のみなさんとの出会い
  • 新メンバーみきちゃんのご紹介

かわいい7人の小人たち

おやつ作り担当のゆみちゃん、子育てチームのあっちゃん&サヤカちゃんと7人の幼児たちが10時にひまわりに集合。みんなエプロンとバンダナをつけてやる気満々です。さあ、今日は何が始まるのでしょうか。
最近おやつ作りに燃えている?!幼児たち。2歳のゆうとう(右)とひみ(左)も手慣れたものです。
「まりんのぶんもつくるからまっていてね!」1歳のまりん(左)も作りたくてうずうず?!
「みこのドーナツクッキー、おいしそうでしょ!」
「みののクッキーにはクリームをいれたらおいしそう!!」
「やっぱりおだんごがいちばん!」とゆうゆ。みんなそれぞれ楽しそうに作っています。
クッキー作りがスタートしてから早1時間が過ぎ、他の幼児たちが外で遊び出している中。。。最後まで頑張っていたのはゆうとうとひみ。いつのまにやらバンダナがとんがっていたり、くるっと回っていることにも気がつきません(笑)。
みんなで200枚近くのクッキーが出来ました!でも、長期滞在者を含め80名近い人が暮らしていますから、なくなるのはあっという間ですね!

今の幸せがあるのは

いつもにぎやか食当チームの中でも一番楽しそうにお料理をしているのは、最近食当チームに加わったちーちゃんです。去年の4月にメンバーになってから子育てや家事を担当してきましたが、お料理大好きのちーちゃんは時々おやつ作りや食当さんのお手伝いをしてきました。そんなちーちゃんが正式に食当メンバーになったのはほんの2週間前のことです。

「今は、ただ幸せ。ありがたいということだけです!」と話すちーちゃんですが、実は1ヶ月前にプチ家出事件があったのです。当時のことを振り返ってもらうと。。。

「えーと、何でだったっけ(笑)?そうそう、もともと家事が嫌いで、好きと思えるように頑張ってみたのだけれど、なかなか皆のいうように『他人のために』ということが出来なくて。ようこちゃんは昔、『神様の体を洗っている気分でお風呂そうじをしているんだ』と言っていたから、私もパートナーのよしどんの体を洗う気持ちでやってみたり試行錯誤してきたけれど、どうもやり切れなかった。あと、皆にセンターチームのリーダーとして頼られているのもしんどくて。

そんなある日の夜、センターチームの他のメンバーは体の具合が悪く、『私たちは掃除は無理だから』と言われたことがきっかけで、衝動的に家出を決意してその日の夜遅くにここを出たの。

とりあえず、車を走らせながら高速に乗って富士川サービスエリアで一晩を過ごしながら、『やっぱり木の花に戻りたいな』という気持ちと、『でもいったん出てきたからには相当な決意で戻らないと』という二つの気持ちで揺れていた。だから、インターネットで職探しをしながらも、お誕生日会の出し物の踊りの練習をしてみたりと気持ちが落ちつかなかった。

次の日には、車を返さないといけないし、洋服も取りにいかないといけないと思って、皆と会わないように夜中の12時頃に木の花に戻ってきた。そうしたら、よしどんやあいちゃん、なかのんに見つかって。実は出ていく直前によしどんに『もう出ていくことしか考えられない』と言ったら、よしどんは『ちーちゃんの好きにしたらいいよ』と言ったの。私はその言葉を真に受けて本当に出ていったのだけれど、よしどんは私が本気だとは思っていなかったとその時教えてくれて。『皆が心配しているんだよ』という言葉を聞いて自分の心を振り返った時に、ここで生きていく覚悟がようやく出来た。

今思うのは、家出という形を取らなくても、もっとバランス良く自分をコントロール出来たら良かったなということ。今後あるべきことではないと思っている。家出をして戻ってきてから、食当だったけいこちゃんが水仕事を外してほしいということで私の仕事とトレードすることになって、そういう流れから今は食当になった。食当になったことは幸せだけれど、家出をするという形でしか表現出来なかった自分と、好き嫌いのバランスが取れていない自分というものが身にしみてわかった。だから、今は謙虚な気持ちで食当に臨もうと思っています。」

ここではメンバーそれぞれの特性が活かされて、自然とその人にぴったりの役割が与えられるようになっていますが、ちーちゃんのように、「家事は嫌だけれど、お料理はしたい!」という想いが強いと、流れ的にすぐにその人にふさわしい役割が与えられないということもあります。しかし、そういった心を乗り越え、「どんなことでもありがたくいただく」という心が出来ると、自然とふさわしいことがふさわしいようにやってくるものです。

そう考えると、自分の想いを叶えようと頑張るよりも、まずは日々の生活の中で自分の心を磨くことの方が、夢の実現への近道なのかもしれませんね。

いつもにぎやか食当チーム!前列左からのりちゃん、ちーちゃん、えいこばーちゃん。後列左からのんちゃん、あいちゃん、ゆみちゃん、はるちゃん。

扉が開いた

昨年の終わり、いさどんから「来年は『変革の年』になるね」という話がありました。その言葉通り、今年は様々な出会いがあり、メンバー数も70名を越え、便利屋や旅館業といった新しい取り組みもスタートしました。メンバーひとりひとりの内面もさらに磨かれ、みんなの絆もより深まっていき、メンバー間で「今年はまさに変革の年だね」という会話があちこちで聞かれるようになってきました。

そして、変革の年のラストスパートとなるこの11月、そのメインイベントとも呼べるような出来事がありました。それは世界最大の農的コミューンとも呼ばれている「幸福会ヤマギシ会」の方々が初めてファミリーを訪れたことです。まずは11月15日から8名の方が1泊され、さらに21日には元メンバーの方を含め3名の方と交流する機会が持たれました。どの方も調和のとれた穏やかな方たちばかりで、終始和やかに双方にとって有意義な時間となりました。ヤマギシの方からは、「これからはヤマギシでも木の花でもない、地球家族ですね」というコメントや、「本当にここは居心地が良くて、どちらが自分の家だかわからないくらいです」というご感想をいただきました。

そして25日には、ヤマギシ会のリーダー的存在である北大路順信さんと谷口寛さんがファミリーを訪れたのです。出会ってすぐに、メンバーはお二人が私たちと同じ空気を出していることを感じ、初めて出会ったような気がしませんでした。それはお二人にとっても同じだったようで、「今まで出会わなかったことの方が不思議ですね。でも、今がそのタイミングなのですよね」とおっしゃっていました。滞在1日目の午後には14:00から17:30までの3時間半、いさどんと会談させていただく場が持たれ、その夜にはメンバーと交流する場も持たれました。木の花ファミリーではお互いをニックネームで呼び合うのですが、早速、北大路さんには「よりどん」、谷口さんには「かんちゃん」という呼び名がつき、和気あいあいとした雰囲気の中で会がスタートしました。「自分が18歳の時にヤマギシ会に参画した時には、すでに1000人ものメンバーがいました」とおっしゃるよりどんは、冗談を交えながらざっくばらんにご自身の体験談や色々な想いを語ってくれました。規模や歴史、設立経緯など、まったく異なる背景を持ちながらも、そのベースとなる志は「より良い社会を創る」ということで共通しているヤマギシ会と木の花ファミリー。いさどんが「今日は扉が開いた。木の花やヤマギシにとっての扉が開いたというよりも、社会にとって扉が開いた記念すべき日です」と話し、地球共同体の大切な仲間として今後もつながっていこう、ということで交流会の幕が閉じました。

そして今朝、いさどんや数名のメンバーと今回の出会いを振り返りながら、今後の交流について話している中で、「今年は変革の年だったけれど、来年は何の年になるだろうね」という話題になりました。そこでいさどんが言ったのは、「来年は『開花の年』になる」ということです。今まで熟成されてきた色々なことが変革の年でつながり合い、それが花開く時には一体何が生まれるのか。そんなことに想いを馳せながら、今回の記念すべきありがたい出会いに感謝し、これからつながっていくであろう沢山の人々との出会いを楽しみにしています。

木の花の美女と野獣に囲まれて?!(後列左から4番目がよりどん、5番目がかんちゃん。)

ある幼児たちの一日~後編~

焼きたての50個のあんぱんを持って、幼児たちが向かった先は。。。
「おひさまハウス・ひまわり」から車で10分はなれた「特別養護老人ホーム外神陽光園」です。ちなみに、いさどんはこの社会福祉法人・珀寿会の理事を務めています。
おじいちゃんやおばあちゃんたちのためにミニコンサートがスタート。最初は緊張気味の幼児たちでしたが。。。
「にわとり小学校」の2番を歌う頃にはいつもの調子が出てきました。このあと、英語の歌や「むすんでひらいて」、「おもちゃのチャチャチャ」で大盛り上がり!
コンサートの後はおじいちゃんやおばあちゃんたちと握手をしてお別れました。「上手だったよ!みんな本当にありがとうね~」中には涙を流されている方もいました。
木の花5、6歳児の6人衆!4時のおやつには自分たちでつくったあんぱんで乾杯です♪「さあ、つぎはどこへ“あんぱんコンサート”をしにいこうかな?!」