信州ぷ組ツアーレポート

先週末、長野県に住んでいるわたわたとともに、
わたわたも参加している長野県の新規就農者の集まりである
信州ぷ組」のみなさんがファミリーを訪れました。

 

130114-160819
信州ぷ組のみなさんと一緒に

 

3日間の滞在の中で、当初はやや緊張気味だった表情がみるみる和らぎ、
家に帰って家族からも「よほど何か心満ちて帰ってきたんだね」という言葉を
かけられたメンバーもいたほど、濃厚な時間を過ごすことになったぷ組のみなさん。
その3日間のレポートを、わたわたがまとめてくれました。

 

ウェルカムコンサートにて
ウェルカムコンサートにて

 

ファミリーと一緒にどんど焼き
ファミリーと一緒にどんど焼き

 

リーダーシップ研修の1コマ
リーダーシップ研修の1コマ

 

 

*     *     *     *     *     *     *

 

わたわたです。1月12日〜14日の二泊三日で長野県の新規就農者でつくる「信州ぷ組」のメンバー9名がファミリーを訪問し、コミュニケーション・ファシリテーション講座を受講しました。これまで木の花ファミリーで培われてきた人と人とのつながりを大切にして心を磨いて生きるという精神性を学び、仲間づくりや農業者として地域社会での活動に役立てたいとの要請から実現したもので、これまでのEDEや講師派遣などで実績のあるプログラムのなかから、今回の目的に沿うように構成して提供しました。メイン講師はみちよちゃん、そしていさどん&みかちゃんがつとめました。わたわたも受講生として参加しました。

信州ぷ組は農業技術の勉強会を通して情報共有や交流を図り、技術向上と経営安定、地域社会の活性化に貢献することを目的として、互いに切磋琢磨しながら、農業者として一段高いレベルへと誘い合うと規約で謳っており、この企画もひとりの人間としての成熟を意図して企画されたものでした。

そこで「一段高いレベルへ誘い合う農業者育成講座〜自己と他者を知り、相互に活かし合いながら地域に活力を与えるリーダーになる」という全体テーマを設定し、日常のなかで意識することの少ない仲間や周囲の人たちとのコミュニケーションを見つめ直し、コミュニケーションの取り方、自分の表現を知って、自分の根っこを理解すること、さらに場を読み、自分の意見を的確に表現しながら、人の意見を引き出し、全体での共有意識・共感を引き出していく能力を高めることを目標にしました。

1日目はファシリテーション講座でした。まず理論的なところを講義した後に、30分程度、ぷ組員にとって興味のある議題を決めてもらって、2人がファシリテーター実習をやってみました。中立な立場で場を盛り上げることや話の内容を整理して場に戻すといった働きは、議論の内容を真剣に聞きつつも、それに飲まれることなく常に全体を見渡していることが必要であり、なかなかの難しさでした。後から周りのみんなからのフィードバックでファシリテーションを見直すと、理論で聞いた話が具体的になり、認識が深まりました。家族や農園スタッ フのミーティングや地域の会合などでもファシリテーションを応用したいという感想が聞かれました。

2日目は朝から木の花ファミリーの農場・施設見学、そして「どんと焼き」に参加し、木の花楽団の演奏で、みんなで歌って踊りました。午後からはコミュニケーション講座のメニューの1つのリーダーシップ研修がありました。まず屋外で行う単純なゲームを通して、その場の状況に応じてリーダーシップを生み出すことを体験し、その後ゲームの感想やそこから学ぶことは何かを話し合いました。ゲームの目的を達成するには、皆で知恵を出し合う必要があるのだけど、そういう雰囲気がつくれたかどうか、心をどこへ向けていたかなどをシェアし、状況に応じて1人1人が意識してリーダーシップをとることを学びました。次にコミュニケーション講座です。コミュニケーション講座では、ただ漫然と感情のままに人と話をするのではなく、(1)正直に話すことや思惑を持たずに情報を伝えること、(2)相手の心を聴くこと、(3)相手を知り、認めること、(4)自分へのアドバイスを受け取 る=全ては学び、(5)精一杯やったら自然な流れに委ねることという視点で自分をチェックすることがスムーズなコミュニケーションの基本要素であると学びました。途中に会話のミニ実習も入れながら、自分で話しながら自分の心を観る、相手の話の奥にある心を受け止めることを意識して取り組みました。何気ない会話も、相手の心を意識することで自分の心にも共感や喜びの心が湧いてくることを発見しました。質問をするにしても、相手の思い・ビジョンや可能性を膨らませることができるのでした。また損得や駆け引きなどで自分を守らないことも大事な要素で、全体にとっての大事は何か、それに自分を役立てると意識することで、自分の小さな臆病心を乗り越えて自らを成長させていけるということを学びました。

夕飯を挟んで夜は、地球暦を使った己読み(こよみ)の基礎講座。地球暦から自分を生み出したときの太陽系の意向(つまり天命)を知るという方法です。太陽系の惑星は太陽の周りを円運動をしているように思われますが、実際は太陽自身が銀河系を回る旅をしているので、惑星たちは太陽のまわりをラセン状に渦巻いて進んでいるのです。太陽自身も惑星の運動から影響を受けて揺れ動かされながら、銀河を進んでいます。途切れることなく、ある日ある時の惑星の配置が次の太陽系の形を決めていて、それが連なって運動し続けているわけです。この地球上で起きていることも全て、太陽系全体のイベントの1つであり、それは地球とつながった太陽や惑星たちの動きから絶えず影響を受け、また地球上のいろいろな動きの延長上に、太陽系の運行も影響を受けるということと相互に影響し合う関係なのです。だから生まれたときの惑星配置というのは、その何年後か何十年後のある配置をつくっていく原動力であり、何の関係もないのではなく、大いに関係があるのです。その人から湧いてくるものを得て法則を見出してきた木の花独特の見方を教わりました。

3日目は木の花独自の魂の形(カルマ)を読む方法と己読みとを組み合わせて、人の心の構造や傾向を知って、適切なコミュニケーションをとる基礎にするための方法を学びました。とはいえ、このカルマ読みはそれだけやっても丸1日以上かかる内容で、実習をやりながらでないと深まらないものなので、これも概論のみです。それでもボリュームたっぷりでした。前段のコミュニケー ションの精神を学び、日々の生活での実践に活かす手法であると思われました。講座では、教材として、2人のカルマ読みと己読みを組み合わせた、心の構造解説がありました。

昼食を挟んで、午後は3日間の振り返りタイム。
改めて全体を振り返ると、ファシリテーションの概念をちゃんと勉強できたこと、コミュニケーショ ンについて重要なポイントを体系立てて理解できたことが大きく、その上で心の傾向を読む方法も生きてくると思われました。ぷ組メンバーの感想も、地域や仲間とのコミュニケーションで活かしていき、実力を付けていきたいという前向きのものばかりで、世界観が一気に広がったという声も聞かれました。

今回初めて木の花ファミリーを訪問したぷ組員から、世間一般の環境では絶対に触れることのない情報を得ることができ、感動したという感想も聞かれました。木の花ファミリーとのつながり、その縁を結べたのが信州ぷ組であり、今というタイミングであることも単なる偶然ではないと思っています。感謝という表現を通り越して、ただただ有り難いです。ぷ組は1人1人が自立して輝きそしてつながること、人間として成長していくことがグルー(glue)です。グルーのもとに人が集まって活動し、そのグルーが絶えず確認されるのならば、そこはコミュニティなんだと思うのです。そういう意味で、今回の講座はコミュニティ同士の出会いでもあったのだなと思いました。

 

*     *     *     *     *     *     *

 

 


2013年は「出会いの年」

新年明けましておめでとうございます!

 

元旦の朝、宮ノ下広場にて
元旦の朝、宮ノ下広場にて

 

たいへん遅くなりましたが、改めまして新年のご挨拶をさせていただきます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

年々にぎやかになる木の花ファミリーのお正月。

大晦日は、コマネチ&あいちゃんによる手打ち年越しそばを食べた後、
みんなで1年間を振り返りながら「年越し大人ミーティング」。
“結びの年”と言われた2012年も、ほんとうにいろいろな出来ごとがありました。
そしていよいよ年越しの瞬間。みんなでカウントダウンをし、一斉に
「あけましておめでとー!!」

 

大盛り上がりです
大盛り上がりです

 

歌って踊って子どもと夜通し卓球をやって
翌朝は宮ノ下広場に初日の出を見に行きました。

 

元旦の初日の出
2013年初日の出

 

そしてみんなで太陽に向かい、「あまてらす〜おおみかみ〜」と言いながら
陽の光をばくっと飲み込みました!

 

「あまてらす〜おおみかみ〜」
「あまてらす〜おおみかみ〜」

 

あやしいです
あやしいです

 

その後は、普段は田んぼや畑で活躍しているメンバーもキッチンに入って
メンバー(と言ってもほとんど女子)総出でおせち作り!
夜の食卓には食べきれないほどの見事なおせち料理が並びました。

 

写真中央は木の花名物エビフライならぬ「エッ?!ビフライ」。中身は卵とお野菜です。
中央はエビフライならぬ「エッ?!ビフライ」。中身はたまごとお野菜です。

 

2012年12月21日は
地球の北半球では1年でもっとも夜が長くなる冬至でしたが、
なんと25800年ぶりの“銀河の冬至”でもあったそうです。
というわけで、おせち料理の芋きんとんもこのとおり。

 

銀河の夜明け芋きんとん
銀河の夜明け芋きんとん

 

♪おせち料理の詳細は木の花ファミリーフェイスブックページでご覧いただけます♪

 

 

そう、銀河の夜が明けた2013年、
木の花ファミリーでは今年を「出会いの年」と位置づけました。

実はこの銀河の冬至に先立つ昨年12月17日、
京都でのイベントを終えたメンバーたちが同じ京都市内にある鞍馬寺を訪ねました。
鞍馬寺は、毘沙門天・千手観世音・護法魔王尊を三身一体の「尊天」として祀る
ちょっと変わったお寺です。
この三身のひとつである護法魔王尊を祀る魔王殿で、
闇のピークである冬至に向かうこの日、いさどんは
人々の恐れる魔や闇の意味、そしてこれから向かう時代について、
以下のように語りました。

 

 

人々に忌み嫌われる「魔」。
けれども実は、大切な意味があるのです。

お正月の門松は「魔よけ」の意味を込めて刃を模ったものですが、
木の花ファミリーでは今年、魔を歓迎する気持ちを込めて、
こんなかたちの門松をつくりました。

 

刃の先を削いだ門松
刃の先を削いだ門松

 

 

さてさて、
2013年はいったいどんな「出会い」が待っているのでしょうか。

皆さま、今年もどうぞよろしくお願い申しあげます!

 

 

 


木の花ファミリー通信 Vol.64 が発行されました!

今年最後のニューズレター、「木の花ファミリー通信」の64号が発行されました。

11月に開催された「大人サミット」を始め、2月に行われる節分祭に関連した愛知県・東栄町との交流など、今月もどうぞお楽しみください!

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網地島からコンニチハ! ー リックさんの夢

2013年2月17日〜3月19日、木の花ファミリーでは
エコビレッジ・デザイン・エデュケーション(EDE)を開催します。

このEDEに、宮城県石巻市の網地島より受講のお申し込みがありました。
網地島在住のアメリカ人、リック・ミッケルソンさんです。

 

リック・ミッケルソンさん
リック・ミッケルソンさん

 

2004年、英語教師として日本にやって来たリックさん。

その後日本人女性と結婚し、
夫婦で網地島を訪れた際にその美しさに魅了されたといいます。
そして1年越しでようやく網地島に移ろうという日の4日前、
東北大震災が起こりました。

 

網地島

 

震災後、がれきを撤去するトラック運転手として復興に携わる中で、リックさんは
まだ十分利用できる木材などが大量に焼却処分されていく光景を目にします。
再生のための機会を失っている ―
そんな思いを抱きつつ、作業の合間に島の人々との語り合い、
皆を家族のように感じるようになったというリックさんは、
誰もが安心して暮らせる場としての網地島の真の復興の力になりたい、
と願うようになりました。
そしてそのための智慧と実践力を身に付けたい、と、EDEの受講を決意しました。

 

EDEは、世界のエコビレッジ関係者の教育組織であるガイア・エデュケーションによって
開発された、持続可能な暮らしを「環境」「経済」「社会」「世界観」の4つの側面から
総合的に学ぶプログラムです。
現在ガイア・エデュケーションの理事を務めるファミリーメンバーのみちよちゃんは
かつて、英語で書かれたEDEカリキュラムの「自然再生と災害復興」の章を読んだ際に
「これはいつか必ず日本でも必要になる。導入を急がなければいけない」
と感じたといいます。
その後仲間とともに170ページに及ぶカリキュラムを翻訳し、
EDEの日本開催を実現しました。

 

前年度受講生からも
「持続可能な社会を目指すなら必ず受けるべきプログラム」
と高い評価を受けた木の花ファミリーで開催されるEDEは、
必ずや大きな力になれるものと信じて、
ファミリーとしてもリックさんの受講とその後の活動を応援しています。

リックさんは現在、受講に必要な資金への寄付を募り、
サポートしてくれた方々への受講レポートの提出や、
網地島へのご招待を企画しています。

以下は、リックさん本人からのメッセージです。
みなさん、リックさんとその活動をぜひ応援してください!

 

 

*  *  *  リックさんからのメッセージ  *  *  *

 

網地島(あじしま)からコンニチハ!宮城県石巻市の網地島に住んでいるリックです。
人口300人の小さな島に、日本人妻と共にエコビレッジを築こうとしています。
しかしその前に、知恵と実践力を身につけるため、日本のエコビレッジの先駆けである
木の花ファミリーにて開催される「エコビレッジ・デザイン・エデュ ケーション」の
受講をしたいのです。そのための寄付を募りたいと思います。

寄付を通して網地島に注目してもらい
網地島の再生をより多くの方々に見守って頂きたい、
そして、いずれエコビレッジ移住希望者が出て来てくれるかもしれない
との願いも込めています。
寄付の目標は、1月末までに18万円を募ることです。 

 

◆スポンサーへの引換券

1000円〜  EDE受講レポート(英語)
3000円〜  EDE受講レポート(英語)とEDE写真
5000円〜  EDE受講レポート(英語+日本語)とEDE写真
10000円毎 EDE受講レポート(英語+日本語)とEDE写真と
        網地島ご招待券(ペアで一泊+お子様やペットも同伴可)

例:2万円であれば二泊、3万円であれば三泊…
網地島ツアーと シェフ リックの料理付き!
(現地までの交通費は、各自ご負担お願い致します)

 
 
 ◆振込方法
ゆうちょ銀行からの振込
ゆうちょ銀行 記号 18140 番号 3684981
 
ゆうちょ銀行以外からの振込
ゆうちょ銀行 店名 八一八(ハチイチハチ)
普通預金 3684981
 
ミッケルソンセカンド リチャード ジェームス


*口座振込の際には、お名前と振込日を、
 メールにて下記アドレスまでお知らせ下さいますようお願い致します。
rick@dreamseedfarms.com

 
 
 ◆ホームページ
リックのこと、網地島のこと、詳細は以下よりご覧下さい。
www.dreamseedfarms.com/ede.html
“網地島に夢の種を育てよう!”
パーマカルチャーの要素を十分に取り入れたエコビレッジを創りたい!

循環して、人と人、自然がつながり合う暮らしの提供。
『自然農』で、人にも環境にも優しい野菜作り。

それは日本の食料自給率向上にもつながっていくこと!

震災前は、毎日のように本島から来てくれていた八百屋のトラック。
足腰の弱い高齢者の家の近くをちゃんと回ってくれていました。

でも、被災して来られなくなってしまいました。
今は、坂の上の公民館で、週に一度だけの青空市場。
小さな商店はあっても、コンビニも信号もない島、人口300人程の網地島。
坂道の多い島では、一人暮らしではなかなか自由が利きません。
漁師として働き盛りの多くは、船を失い、職のないままです。

不便でも、生まれた場所、網地島で暮らしたいという、多くの人の願い。
エコビレッジに若い人が集まって、本来の健康的な野菜を作って、
それを配達するシステムを創っていったら、それはそれは大歓迎!
島の高齢化と共に荒れ地となっている、沢山の畑。
有効活用できる土地が数多くあるのです。
働き手が集まって、食料を自給していくことは、小さな島の大きな力。

Thank you so much!

 

 

 

= = = = = = リックさんプロフィール = = = = = = =

 
高校時代より高齢者の手伝いや学校でのボランティアコーディネーター等、
数々のボランティアを経験。
大学卒業後、タイの孤児院ボランティア等を経て、 2005年よりスマトラ沖大地震の
被害を受けたインドのアンドラプラデシュ州の不可触民の村の再建に5年間尽力。
ボランティアリーダーとして集めた義援金 550万、育てたリーダー1 0名、
集めたボランティア150名。
レンガ造りの家を132軒建設し、食糧支援や学校再建、
子どもたちと思い切り遊んだり、文房具や英語の授業の提供等を行う。
日本へは高校の英語教師として来日し、その後日本人女性と結婚。
インド滞在時の経験を生かし、インド文化の授業をシリーズ化する。
スパイスからカレーを作る英語の調理実習を学校や公民館で開催し、
インドの村に興味を持った人から寄付を募ったり、
一緒にインドへ行って建築のボランティア活動 を行う。
震災後は、瓦礫撤去のトラック運転手や古民家解体作業等の復興支援活動を行う。
その他、コンポストトイレやストローベイル建築、自然農を学んだ経験があるので、
エコビレッジの立ち上げに生かしたい。
= = = = = = = = = = = = = = = = = = = 

 

 

 

 


EDE経済ミーティングが行われました!

※2012年12月19日EDE説明会開催予定!

2013年2月17日から3月19日まで開催される第2期EDE(エコビレッジ・デザイン・エデュケーション)。本番に向けて今、着々と準備を進めています。12月10日には、経済の講師を担当する方々をお呼びしてEDE経済ミーティングが開催されました。
来て下さった講師は、NPO法人農商工連携サポートセンター代表理事の大塚洋一郎さん。お金や暦、エネルギーや草木染めなどのワークショップを開催している冨田貴史さんのお二人です。そして、NPO法人懐かしい未来代表理事の鎌田陽司さんはスカイプにて参加して下さいました。
このミーティングは、(1)講師の方々にEDEについての理解を深めていただく。(2)僕を含めたEDEの講師がそれぞれの活動について話すことで、相乗効果を生み出し、講義内容を磨き上げること。以上2点を目的として開催されました。そして、木の花ファミリーはEDEのホストとして、メンバー全員でこの過程を共有しサポートしました。
まずは講師の実践報告の時間を持ちました。

大塚さんは農業の6次産業化を通して地方の活性化を支援しています。農産物は加工品にすると5倍の付加価値を持ちます。それをマーケットにて直売します。お客さんと直接触れ合う体験は農家さんの遣り甲斐に繋がり加工品収入は農業経営の安定に繋がります。そして、都市に暮らす人々の農村体験の受け入れも行っています。最近では被災地支援を中心に行っており、塩害の被害を受けた土地で「塩トマト」を植え収穫する実践も行っています。この時、首都圏からたくさんの人達が来たようです。農業を通して地方を元気づける大塚さん。そのノウハウはエコビレッジを立ち上げる際の力となることでしょう。

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6次産業や被災地支援について熱く語る大塚さん

冨田さんは自分たちで生活を創っていく体験を重視しています。海水から塩を炊き上げるワークショップや草木染めのワークショップはそのような取り組みを表しています。その冨田さんは、EDEでは心のシェアをしたいと語りました。TPPや増税、震災復興、原発問題など。経済が絡む問題は私たちの暮らしに繋がっています。賛成反対に捕らわれず、それぞれの問題に一人一人が何を感じているか?どう向き合っているか?そんなことを率直に語り合うことは自らの心を掘り下げる作業となります。そんな心を共有することは受講生に深い結びつきをもたらすでしょう。

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年間300回以上のワークショップを開催するたかくん(冨田さん)。

鎌田さんは長年のネパールでの実践、そして現在進めている三重県伊賀市での取り組みから地域経済の大切さを実感しています。経済のグローバリゼーションが進んでいますが、ローカルな取り組みは人々に繋がりをもたらします。受講生は実例からその大切さを学んでいけるでしょう。

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スカイプで参加して下さった鎌田さん

この世界の出来事はすべて人々の精神性の顕れで、経済も同様です。木の花で財務を担当している僕はそのような視点をこのミーティングに提供しました。才能のある人がその才能に見合った利益を得ること。個人的な幸せを追求すること。個人の財産を蓄えること。このようなことを当然と思う心が資本主義経済を支えています。その結果、個人的な満足は得られるかもしれませんが、競争や嫉妬、不安も生まれています。一方、木の花ファミリーはすべてを共有する心を大切にしています。所有する感覚を手放していきます。その結果、お金の心配のいらない安心安全な暮らしを実現しています。EDEではこの木の花の経済を人類の歴史の中に位置づけることで、未来の経済に対する展望を描いていきます。

講師の話の後は、全員で語り合いました。話合いはとても充実したものになり、内容は多岐にわたりました。以下、4つの内容のついて簡単に触れておきますね。

【お金について】
昔は物々交換だったが、お金の登場により、効率よく循環するようになった。お金は英語でカレンシー。「流れ」、カレントが語源になっている。この世界は一つの身体でお金は血液のようなもの。流れの滞りが病気。より多くを求める心、貯めこむ心が滞りを生み、不健康な状態をもたらしている。お金は最初、ただのメディア(媒体)だったが、貯蓄や投資の対象となり、信用や信頼の感覚を失ってしまっているのが現在の問題と言える。

【経済について】
日本語の経済とはもともと経世済民。「世を治めて民を救う」という意味。
英語のエコノミーの語源はオイコス(=家)のノモス(法則)。家や集落の実際の運営を表す言葉。その土台にはエコロジーがある。エコロジーの語源は、オイコス(=家)のロゴス(真理)。家の真理(エコロジー)を土台にすることで、家の運営(エコノミー)は健全な形になる。だけれども近代社会はエコロジーを無視してエコノミーが一人歩きしてきたそれがお金を稼ぐことに終始する経済を生んだと言える。そして、この家とはまさに地球のこと。

【農業について】
農業とは農のビジネスではなく、農の技。自分たちで作るという根源的な営み。百姓は百の姓。百というのは数字の百ではなく無限ということ。自然生態系とか、太陽の運行のこと。宇宙の様々な法則が我々に影響している。奥が深いというけど、作物を育てることを通して我々は天と対話する。雨も天の恵みだけど、晴れても天の恵み、この世界の天体の恵みというもの。人間が考えられない世界に誘ってくれる、それが農。なぜ人間がこういう営みをしながら、他の生命とは違う、百姓として生きるのかというのはとても奥の深い話。そこらへんは経済も含めて世界観のテーマ。全部つながっている。それを分析してみるのはいいことだけど,それを全部つなげて、全部一つだね、ともっていけるEDEの講座。

【仕事について】
社会ではお金を稼ぐことが目的で、仕事が生活に直結していない傾向がある。でも、ここでは自分たちの仕事が生きていくことに直結している。自分が自給出来る所から、自給していくことは大事。大切なことはみんなで協力して自給して共有していくこと。現代の人々は皆で共有することを忘れている。この自給自足の暮らしは、お金を使った生活以上に彩りがある。その素晴らしさも伝えていきたい。

その他、「創造と芸術性」「学びとは?」「社会問題と日常生活」などの話題についても語られました。とても刺激的な学びに機会となった経済ミーティング。その学びはそのまま本番のEDEに活かされます。加えて、本番のEDEには今回仕事の都合で顔を出せなかったコミュニティ・ユース・バンクmomo代表理事の木村真樹さんの講座も加わります。木村さんには「地域内でお金を循環させる方法、資金を調達する方法」について講義してもらいます。

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残念ながら当日欠席された木村さん

本当に多彩な講師の方々が集まって下さいました。木の花ファミリーを土台にしてみんなで講座が創り上げていきます。
経済というテーマで世界や生きることの本質に迫り、実践力を育む。
そんな講座になる予感が今からしてわくわくしています。
受講を検討している方。申込はお早目に!