秋は卒業の季節ではありませんが、今日、ファミリーではとてもうれしい卒業式がありました。心のケアのために4週間前からファミリーに滞在していたえみちゃんが、すっかり全快して、みんなに見送られてケアを卒業していきました。
恒例の卒業コンサートで、えみちゃんは「みんなで出会えて本当によかったです」という言葉を私たちに贈ってくれました。4週間前のえみちゃんは、堅く不安そうな表情を浮かべ、とてもつらそうな様子でした。でも、一か月に満たない短期間で、えみちゃんは笑顔と前向きな気持ちを取り戻し、今日の卒業を無事に迎えることができました。ファミリーのみんなも、えみちゃんの新たな出発という大きなプレゼントをもらって、とても幸せな気持ちでした。
ファミリーへの滞在で、たくさんの人が心の病から立ち直っていきます。短期間で服薬を断つことができる人が大半ですし、一般の医療ではなかなか難しいほど短期間で症状が改善していきます。
ただ、病は心から生じてくるものですから、そこから脱するには、やはり本人の意志が欠かせません。自然で安心な食べ物や規則正しい生活、ファミリーみんなの愛情と励まし、ストレートで親身なアドバイスがファミリーの「自然療法」を支える柱です。けれども、欠かすことのできない最後の鍵は、本人の自分を変えていこうとする強い気持ちです。時として、自らの心と対面する辛さから、病をつくった心の状態をそのまま続けていく選択をする人もいます。それでも、私たちはこれからもケアのために来た人たちに、自らの心を勇気をもって振り返るように励まし、ふたたび前を向いて歩みだすよう応援し続けていきます。
たくさんの感動的なシーンがあったのですが、カメラの電池が切れてしまい、みなさんにはすこしの写真しかお届けできません。けれども、えみちゃんやご両親、ファミリーのみんな心には、今日の思い出はずっと残っていくでしょう。
えみちゃん、おめでとう。そして、本当にありがとう。ときどき遊びに来て、みんなに元気な顔をみせてね。
えみちゃんの屈託ない笑顔
卒業コンサートに出席されたご両親