おなかの中から元気になろう!
その5
酵 素
さてさて、1ヶ月ぶりのお便りです。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
こんな時代だからこそ、お腹の中から元気になって本物の免疫力を高めよう!と始まったこのシリーズ、今回のテーマは酵素です。
酵素って なに?
詳しいことは知らずとも、多くの人が「酵素は体に良い」というイメージをお持ちなのではないでしょうか。
では酵素とは何かと申しますと、ズバリ、私たちの生命活動を維持する物質です。動物も植物も微生物も、すべての生命は体内で酵素を作り出しており、人間の体内には実に5000種もの酵素が存在すると言われます。そのひとつひとつがそれぞれに独自の役割を持ち、私たちの体内で起こる様々な化学反応をスムーズにする働きをしています。例えば食べたものを分解する、分解された養分を吸収する、有害なものを排出するといった消化や代謝機能の他、見る、聞く、味わう、歩く、話す、呼吸する、さらには笑う、泣く、怒るなどの感情表現や思考に至るまで、私たちの生命活動は、体内で起こる様々な化学反応によって成り立っており、そのすべてに酵素が関わっているのです。
つまり酵素とは、太陽や土や水や空気と同じように、私たちが生きるために無くてはならない存在なのです。
現代人は酵素が不足
人間が一生の間に作り出す酵素の量は、人それぞれに決まっていると言われ、私たちは体内で酵素を作る他にも、日々食べ物から酵素を取り込んでいます。
酵素は、あらゆる野菜や果物、そして味噌や醤油、納豆などの発酵食品に多く含まれています。食べ物から取り込まれた酵素は、体内の酵素に代わって、私たちの様々な生命活動を助けてくれるのです。
ところが現代を生きる人々は、化学物質の添加された加工食品やジャンクフード、アルコールや薬品などの過剰な摂取、そして自然の摂理から離れたストレスの多い生活などにより、酵素が不足するようになったと言われます。
酵素が不足すると、消化や代謝の機能が弱まり、免疫力が落ちて、病気にかかりやすくなります。また、冷え性やむくみ、頭痛、肩こり、便秘、倦怠感、不眠などの症状につながる他、イライラしたり精神的に不安定になることも。
どんなに「体にいい」食べ物を食べたとしても、その栄養素を体内でしっかり分解し、吸収できなければ意味がない。酵素不足はまさに万病の元と言えるのです。
酵素をつくろう!
さて、ここからは木の花ファミリーのお話です。
木の花のたより第3号にてご紹介した通り、木の花ファミリーでは創立後間もない頃から、微生物の働きを暮らしの中で活用することを大切にし、地元の植物を利用して「木の花菌」という独自の微生物群を培養してきました。
それはとても有効なものですが、木の花菌を仕込むには「種菌(EM菌)」が必要であり、それは現在も外部から購入しています。木の花ファミリーには世界中からゲストが訪れ、「ぜひ自分の国でも木の花菌を広めたい」と仕込み方を学んで帰る人も少なくないのですが、では実際に帰ってから種菌が手に入るかと言うと、なかなか難しい現実がありました。
そこで、「その土地にあるもので作ることのできる、有効なものはないだろうか?」と模索していた中で出会ったのが、酵素なのです。
すべての植物は、酵素を持っています。しかし酵素は熱に弱く、42℃以上に加熱をすると壊れてしまいます。そこで植物を、1.1倍の分量の砂糖に漬け込むと、砂糖の浸透圧によって植物内の酵素を壊すことなく抽出できるのです。
この酵素液がすごいのは、普通なら使えないようなものでも、余すことなく活かせること。例えば夏の終わりには、秋冬の作付けに向けて畑を整理するため、シーズンを終えたトマトの木を片付けるのですが、この時に熟しきらない青いトマトの実がたくさん取れます。
そこでこの実にお砂糖を混ぜ ───
毎日かき混ぜていると、微生物の力で発酵が進み、やがてブクブクと泡が出てきます。
お砂糖は微生物のエサとなってエネルギーへ変換され、夏場なら1〜2週間、冬場なら2週間〜1ヶ月ほどで、酵素液が出来上がります。
そして液体を絞った後の固形物は、ボカシ(有機物を発酵させた肥料)にして畑の循環の中へと還し、また次の作物の栄養となっていくのです。
これならば、それぞれの土地にあるものを活かして、その土地ならではのものを作ることができる。
そこで数年前から木の花ファミリーでは、酵素液作りの探求が始まりました。以前から、酵素玄米や生食などを取り入れた酵素食は実践していたのですが、酵素液はうまく発酵すれば腐ることなく長期間保存でき、人間のみならず農業や養鶏、養蜂などにも活用できるのです。
現在は100種類以上の野菜や果物、穀物、野草などを使い、数十種類の酵素液を仕込んでいます。
この酵素液の仕込みを一手に引き受けているのが、メンバー歴21年目のきょうこちゃんです。
大学卒業後、有機農法を学んでお百姓になる道を選んだきょうこちゃんは、メンバーになって以来、主に野菜の育苗を担当していました。きょうこちゃんが育てる苗はとてもしっかりした良い苗だと評判で、県外からわざわざ買いに来るお客さんもいるほどでした。
そんなきょうこちゃんですから、酵素仕込みも常に素材を観察し、作物ごとにそれぞれ異なる特徴を掴んで、より良いものができるよう工夫を重ねながら進めています。
「基本は素材1に対して砂糖が1.1だけど、素材によってはもっとお砂糖を減らした方が素材そのものの風味が生きてくるので、味を見ながら調節してるよ」ときょうこちゃん。
そして酵素液を絞るタイミングは、仕込んでから何日と決まっているわけではなく「今だ」と感じた時。中にはいくつもの酵素をミキサーにかけて混ぜ合わせ、2年越しで仕込んでいるものもあります。
その他にも、個性的な酵素がいろいろあります。
例えば、昨年12月に行った新穀感謝祭と、今年の2月4日に行った立春正月祭のお供え物は ───
「新穀感謝・立春正月酵素」というなんともありがたい酵素に変身。
とにかく何でも活用できるのが、酵素仕込みのいいトコロ(^^)
多少形が不恰好だったりしても、すべての植物の中に健康の元が詰まっているのです。
健康とは、元気であること。元気とは「元の気」──── 即ち、自然そのものです。自然は、私たちをおなかの底から元気にしてくれる宝物に満ちています。
その豊かな恵みに感謝しながら、これからも作物や、酵素や、その他のたくさんのものを通して、皆さんに「元気」をお届けしていきますね!
(ともこ)
メンバー日記🗒
きょうこちゃんの巻
ファミリーメンバーたちが日々の暮らしを綴る「メンバー日記」始めました!
木の花ファミリーでは、メンバーたちは田んぼや畑、キッチン、建築、子育てなどなど、それぞれの個性に応じた役割を担っています。
上で紹介している役割は全体の一部。他にもいろーんな役割があるのです。そしてその全てが、自分よりも他者や全体を大切にする心 ─── 即ち「菩薩の里の精神性」でつながることにより、コミュニティの暮らしが成り立っています。
毎日の食事と大人ミーティング(毎晩大人メンバー全員が集まって開催するミーティング)の場ではメンバーたちは必ず顔を合わせますが、その他の1日の過ごし方は役割によって様々です。そこでこのメンバー日記では、メンバーたちがそれぞれの立場からファミリーの暮らしを紹介し、次のメンバーへと繋いでいきます!
トップバッターは、ハイ、先ほどご紹介しましたきょうこちゃんです。
きょうこちゃんは酵素仕込みの他、午前中は毎日カフェ&ショップ ロータスランドで、モーニングセットの調理を担当しています。他にもロータスランドの鯉や花のお世話をしたり、育苗の後継者を育てたり、木の花楽団でギターを弾いたりと、いろいろな役割をしています。
そんなきょうこちゃんが今から21年前にメンバーになった理由は、「木の花ファミリーに出会って初めて、“人が生まれてきた目的は心を綺麗にしていくこと” だと知り、この大切な生き方をしていこうと決めたから」。
「小学校3年生の時に広島原爆展を見に行った時から、人間はどうして戦争をするのか、どうして戦争が終わらないのかをずっとどこかで思っていました。また、現代の物質的に豊かになった社会が、そしてその中で生きている自分自身の暮らし自体が、自然を破壊していることを知り、自然に近い暮らしをしようと思い、有機農業を始めました。でも、どこか違う・・・と思っていたところ、木の花ファミリーと出会ったのです。」
どんなに良いと思われることをしても、心の中に対立や嘘の心があったら本当の平和は訪れない。自分一人分美しくなることが、この世界を美しくする。小さな頃からずっと探し求めていたものがこの生き方にある、と思ったきょうこちゃんは、メンバーになり、心磨きの道を歩むことを決意しました。
ところが2015年4月、きょうこちゃんは子宮頸ガンとの診断を受けます。そして翌年10月には意識不明の危篤状態に陥り、何度も生死の境をさまようこととなりました。
心磨きの道を歩もうと決意してメンバーになったものの、「自分はいいものだとどこかで思う心があり、根本的に人間性を変えることができていなかった」と振り返るきょうこちゃん。
そうして心の中に嘘が積み重なり、それがガンを引き起こしたのだと気付いた時、きょうこちゃんに奇跡が起こりました。危篤状態から劇的な復活を遂げ、いつの間にかガンが消えて無くなっていたのです。
今きょうこちゃんは、「ガンという病気をもらったことで、やっと自分の心にメスを入れることができた」と言います。
「何度も死にそうになりましたが、ファミリーみんなの応援もあり、今こうして生かされています。健全な心で生きることが、健全な世界を創ることを思いながら、日々を過ごしています。」
*きょうこちゃんの物語を、木の花劇団がお芝居にして紹介しています。芝居後には実際の闘病中の映像も流れます。どうぞご覧ください。
→ 木の花劇団「いただきます物語2019」へ
そんなきょうこちゃんが、酵素液を仕込むための野草を摘みに、長野県大町市にある「木の花ファミリー大町ビレッジ」へ出かけました。以下、きょうこちゃんの日記をご紹介します!
大町ビレッジでの1日
早朝4時30分、日の出前に大町ビレッジメンバーと一緒にヨモギを摘みに出発。まだ朝露に濡れたヨモギがキラキラ光っています。
お日様が出て光合成を始める前の、エネルギーをたっぷり蓄え生命力に満ちたヨモギを黒糖で漬け込み「天恵緑汁(てんけいりょくじゅう)」を作ります。
「天恵緑汁」とは、植物や動物を健康に育てるための農業資材で、ヨモギと黒糖と天然微生物によって抽出される黒褐色の液体で、有用な菌が生きている植物活性剤(酵素液)です。土着微生物の採取方法のひとつでもあります。
これを野菜の苗を育てるときや畑の野菜に薄めて葉面散布します。ヨモギは薬効成分も高く、お灸のモグサの原料にもなっています。一面に生えている生命力のあるこのヨモギのエネルギーをいただく。まさに天の恵みの汁ですね。
また、日中はたくさんの野草を採取し、野草酵素も仕込みました。
今年は44種類もの野草を採ることが出来ました。大町は野草の宝庫で、見渡す限りの野草!本当に宝物だらけ。
でも畑だと「雑草」とされているものもたくさんあります。
畑の作物という視点だけから見ると邪魔ものになってしまいますが、視点を変えると「宝物」なんです。
車で走っていても、歩いていても、あれも、これもと道端の草が今までと違った見え方をするのには自分でもびっくりです。
酵素作りの良いところは、捨てるものが一つもないこと。普通捨ててしまう皮や種も全部丸ごと漬け込みます。じつは皮こそ酵素がたくさん含まれているのです。
そして普通は食事として食べないような、ビワの葉や桑の葉、その他たくさんの植物の酵素が、こうして酵素ジュースにすることにより摂取できるようになるというのは素晴らしいことだと改めて思います。
こうして自然からの贈り物を採取し、砂糖に漬け込んで、毎日手でかき混ぜ、もともと植物がもっている酵素を抽出します。発酵が進むにつれ、色も香りも変化していき、酵素液が生きているのを感じます。
微生物たちはとても小さく微細な存在。だからこそ、それに接する自分は、いつも良い波動を持つ者であるように心掛けています。
全ての命は、他の命によって支えられ、生かされている。
この野草摘みに来ると、そのことを強く思い起こさせてくれます。
ガンで一度は死んだかもしれないのに、生かされている今。
酵素作りという役割をいただいて、まだまだ手探りであり、もっと進化させていく途上ではありますが、人も野菜も元気になるような酵素を作っていきますよ!!
(きょうこ)
次回のメンバー日記は、ファミリー最年長のみんなのアイドル、えいこばあちゃんです。
きょうこちゃん曰く、「こんな年のとり方をしたいな」。
7月1日(水)より
ロータスランドのカフェ(店内飲食)部門を
営業再開します
お待たせしました!
新型コロナウィルスの影響等により、しばらくの間お休みを頂いておりましたロータスランドのカフェ部門を、7月1日よりいよいよ営業再開いたします。
再開に伴い、営業形態が以下の通り三部制となります(^v^)
🔹 モーニングタイム 8:00〜10:30(ラストオーダー)
🔹 ランチタイム 11:00〜14:00(ラストオーダー)
🔹 カフェタイム 14:00〜17:00(ラストオーダー)
従来は、11時以降は同じメニューをご用意しておりましたが、その時々の旬の食材を、より良いかたちで皆さんに楽しんでいただきたい!ということで、モーニングタイムにはモーニングメニュー、ランチタイムにはランチメニュー、カフェタイムにはカフェメニューと、それぞれ独自のメニューをご用意することとなりました。そして、試作に試作を重ねた新メニューも登場しますよ〜〜✨✨ どうぞお楽しみに!
📍 カフェ部門再開につき、7月1日以降はお弁当の販売はお休みとさせていただきます🙇♂️
📍 営業時間が従来の19時閉店から18時閉店へ変更となりますので、ご注意ください。
📍 定休日は毎週月曜日のままで変更はありません。