「絶え間なく不幸」な人生から、愛することを学びたい ~ ビビアンの自然療法体験記

ビビアンは、カナダで企業会計士として働くコロンビア人女性です。ファミリーメンバーのゆうちゃんが8年前にカナダへ留学した時からの友人で、ゆうちゃんを通じて木の花ファミリーを知ったビビアンは、「絶え間なく不幸で、自分の中に怒りがある」という自らの人生を変えるために、木の花ファミリーへ自然療法プログラム(通称ケア滞在)を受けにやって来ました。
滞在予定は2ヶ月弱でしたが、1ヶ月でプログラムの卒業に至ったビビアン。以下、ケアサポーターとしてプログラムのサポートを担当したゆうちゃん(以下ゆうこ)がまとめた、ビビアンのケア滞在記をご紹介します。

 

ビビアンのケア滞在記

【出会い】
ビビアンの自然療法プログラムの振り返りを始める前に少し、私たちの出会いについて紹介します。
私は2014年1月にカナダのカルガリーに行き、語学学校でビビアンと友人になりました。ビビアンはその前年に旦那さんの転勤のため、カルガリーで暮らし始め、カナダに知り合いもおらず、旦那さんは仕事で忙しかったので、寂しく落ち込むことが多かったようです。

留学中のビビアン(左)とゆうこ(中央)

私達は違うクラスでしたが、同じ学校の共通の友人であるブラジル人の女性を通じて知り合いました。私達3人は同い年で、みな結婚しており、すぐに仲良くなりました。ビビアンは私と同じ職業だったので、私はとても親しみを感じており、何度か家に遊びに行きました。その後私はカナダの違う場所に旅に出るのですが、出発当日はバスターミナルまで、ビビアンと、ビビアンの旦那さんが車で送ってくれました。

ジイジと愛ちゃんと蓮池にて

昨年の8月、ビビアンから久しぶりに連絡がありました。その際に私は、ジイジと愛ちゃんと3人で蓮池で撮った写真を送り、私がコミュニティに住んでいること、離婚したが今は精神的な家族がいて幸せであることを伝えたところ、ビビアンからは、是非その蓮池を見たいということと、木の花ファミリーのホームページを見て、自然療法プログラムを受けたいというメッセージがありました。
コロナ禍のため、日本の国境はしばらく閉鎖されていましたが、4月に待ちに待った国境の閉鎖が解かれ、ビビアンはこちらに来る手続きを開始しました。日本に6月20日に到着し、2か月弱の木の花ファミリーでの滞在が始まりました。

【ケア滞在の目的】
ビビアンがケア滞在の目的として申込書に書いていたのは次の通りでした。

私は絶え間なく不幸で、一日の中で感情の起伏があります。私は、自分の家族や私自身を含む人生の中で、様々な経験をしました。そしていまだに悪い経験を持ち続けており、怒りが自分の中にあります。私は過去にあった不公平な経験やすべての悲しみに恨みを持っています。私は自分自身から離れて、受入れ、許し、そして誰を愛し助けるべきかを自身で選択することなく愛するということを学びたいです。
私はこの世界、私の夫、私の家族との関係、そしてもっと大事な自分自身との関係性を改善したいと思っています。

 

ケア前面談 6月21日

日本に到着し、木の花ファミリーへやって来たビビアンは、まずジイジと面談し、以下のことを伝えられました。
「あなたは自分の個性をうまく使えていません。あなたのことを詳しく知るために、出来るだけ毎日日記を書き、過去について振り返り、子供のころからの良いことと悪いことを両方、思い出深いものを書いてください。
時差ぼけ(時差15時間)があるので、まずはリラックスしてこの生活に慣れましょう。今後は一週間に一度面談を行う予定です。滞在中は、出来るだけ木の花ファミリーの文化に触れるようにしましょう。」

 

ケア初日 6月22日

  • 養蜂場にて
    ビビアンは木の花ファミリーに来る前には、小麦粉やとうもろこしなどを食べると消化が悪くお腹が張ってしまうので、食べることを避けていました。しかし、木の花ファミリーで自家栽培した無農薬の小麦粉を使ったお菓子やとうもろこしを食べても、まったくお腹が張らず、次の日になっても何も症状が現れずに美味しく食べられたとのこと。施設見学で養蜂場を訪れた際に、そのことをジイジに伝えると、ジイジは「それはあなたが新しい環境になって心が前向きになっているからです」と言いました。「農産物は、それを作っている人の心や響きがとても影響します。例えば、お金が目的になるとその響きが農産物に乗るので、私達は心を綺麗にすることを一番にしています。畑を耕す前に、心を耕すことをずっと伝えてきました。」
    ビビアンが「どうやったら心を綺麗にすることが出来るのですか?」と質問すると、ジイジは「まずは正直になり、良いことも悪いことも正直に表現して、結果を受け取ることです」と伝えました。
    「全てのものは、響きを持っています。例えばある人が部屋に入るとそこが明るくなったり、ある人が入ると暗くなったりするのも、その人が持つ響きなのです。ですから、良い響きを発する人になることが大事で、そのために正直であることが大切なのです。」
  • 夜の面談にて
    カタカムナ、冥王星の周期が示す世代、地球暦などの観点から、ジイジによるビビアンの人格の読み解きが行われました。
  • カタカムナ
    ビビアンという名前を、「ビビ」と「アン」という、性質が異なる2つのものに大きく分けます。「ビビ」という響きは、ネガティブに他者と比べたり、恐怖を感じやすい性質があります。2つ「ビ」が重なっているので、それは強調されます。そして同時に、「アン」という高次の意識が混在しています。そこで、ネガティブな考えを認識し、自己コントロールして、高次の響きの方へ意識を向けていく必要があります。その2つの性質の間にはギャップがあって、対立しているので、生きるのが辛くなるのです。
    自分からネガティブを発することで、物事に困ることになります。出会う人や出来事は、あなたが発しているものの鏡としての役割を果たしており、あなたの人間性を表現することに協力しているのです。あなたは、人生のプログラムとしては難しいものを持ってきています。しかし、もしそれを克服したら、それはやりがいがあるものになります。「ア」という音に意識を向けていきましょう。
  • 世代
    冥王星の周期が示す世代の特徴

    あなたはさそり座世代という、新しい価値をもたらそうとする世代です。古い価値観に囚われず自分らしく生きようとするのですが、そこで迷う世代でもあります。意思は強いが明快なビジョンが湧かず、自分らしく生きたいがどうやってよいか分からない世代です。あなたの現在の状態はそれが当てはまるので、宇宙からすると、順調に進んでいるということです。

  • 地球暦
    あなたが生まれた時の太陽系の惑星配置を観ると、水星と金星が関連して一緒に働いています。水星は直観の星、金星は愛やデリカシーの星です。これは、あなたは考えるよりも直観で好き嫌いを感じる人であることを示しています。あなたの地球暦の中で一番柱になるのは、木星と海王星の絡みです。あなたには、沢山の人と関わりたい、そして精神性を高めたいという目的があります。

以上のような読み解きの後、ジイジは「リラックスしてリニューアルしたあなたになることが観えるので、そのためにも、今までのことを日記に書いてください」とビビアンに伝えました。

 

1週間目 6月22日~28日

ゆうこと市内見学に出かけるビビアン

ファミリーでの滞在をスタートしたビビアンは、表面的には穏やかに振る舞っていても、心の中では周りの人々がどう思うかを気にかけ、周囲の状況に過剰に反応していました。日記には、このままの自分で良いのか、良くなるにはどうしたらよいのかと、たくさんジイジに質問をしていました。

〈日記より〉*赤字は、日記に対するジイジからのコメントです。
お気付きかどうかわかりませんが、私は過度に謝るところがあります。ご覧になりましたか?これで大丈夫でしょうか?私の食べ物のことさえも、あなた方は受け入れてくれます(食べられないものが多くあるビビアンのために特別なメニューを用意すること)が、時々、こんなことをあなた方にお願いしてはいけないのではないかと思うことがあります。私は世話をしてもらうだけの価値があるのでしょうか?

その様に自分の考え方で結論を出さず、まずは正直に自分の内にある想いを出してみて下さい。それで良い場合もあれば、その考えを改める必要があることもあります。そのようにして、人は新たな自分へと変化することが出来ます。


私はとても繊細な人で、他の人の行動や動きに簡単に影響されます。ですから、むしろ自分の欲求を隠して誰かの邪魔をしないようにします。


そのように隠していることによって、よりその状態を継続させることになっていますから、自分の考えの中に結論を閉じ込めないで、出していきましょう。この挑戦は、これからのあなたにとても大切なものとなります。


まずは自分自身の物事の捉え方、考え方をシンプルにする必要があります。つまり、自分自身について振り返ること。それは、あなた自身の捉え方、考え方にどんな特徴や癖があるのか、それを客観的に捉え、知ることです。そうでないと、あなたはいつもどんな問題に対しても、今までの考え方、捉え方で判断していくことになりますから、それでは同じような結論に至り、あなた自身の成長にはなりません。それは、あなたにとって難しい事かもしれませんが、あなたの人間性の枠を広げるためにも、避けてはいけないことです。
まず、今回の取り組みの目的は、あなたが今まで体験してきた色々なネガティブな出来事が、あなたを成長させるために重要なものであるという気づきを得ることです。そういった気づきがあなたに生まれ、今まであなたに起きてきたことに対して、感謝の心が湧き出してくるようであれば、症状は自ずと軽減され、そして消えていくことでしょう。要は、こういった症状はメンタル的な症状だという事です。私は、今までの取り組みの中で、このような事例には沢山出会っています。そこであなたの事例について特徴的なことは、あなたはこのハードルを超えることによって、大きな人生の転機を迎えるだろうということです。そういったことが、私に感じられるから、私もこの取り組みの結果が楽しみです。時間は少しかかりますが、大切なことですから、丁寧に進めていきましょう。

また、ウェルカムコンサートの開催と総合プレゼンテーションを受けたビビアンには、新たな気づきがありました。

日記より〉
昨日、木の花ファミリーのプレゼンテーションを受けました。コミュニティ自体の解説と、人間が生きるべきあらゆる分野(精神的、社会的、経済的など)においてコミュニティがどのように持続可能であるかということに加え、私が毎日目にする調和的な生活の中で人々が互いをどのように気遣い、それぞれの能力がどのように評価され、コミュニティがどれほど柔軟で互いを理解し合っているかということに驚き、感銘を受けました。

私もあなたとの出会いに、単なる縁があった短期間のものではなく、未来を見通してこれからの繋がりが始まることを感じています。


私のこのコミュニティへのつながりと価値観はゆうこが伝えてくれていたよりもさらに深くなり、私の奥深くにいる自分が、木の花ファミリーを探していたことがわかりました。

過去5年間の浮き沈みを振り返ると、直感が私をここに導いてくれたことがはっきりとわかります。どうしたら、物質性だけに焦点を当てノートパソコンの奴隷となる生活を生きられるのか。どうしたら、他者のことを気遣ったり振り返ったりする時間のない生活に専念できるのか。なぜこの世界は、私たちが人間として真に何者であるかを気にすることなく、職業人として機械のように貢献することで評価され、常に競争し続ける場所であるのか。
このコミュニティの価値観を見た今、私は、真の人間が存在すること、私たちは私たち自身になれるということを理解できます。

あなたのこの記述を読んで、あなたの今までの人生の出来事(どちらかというとネガティブなものをあなたにもたらしていた)があなたに目覚め(真実)を促していることが感じられます。おめでとう!


今、自分の過去を振り返り、私には癒しが必要な傷があり、それは人として成長するために必要なこととして私に起きたのだと認識し、過去の経験を振り返るほど、自分がなぜ今ここにいるのかをより理解できるようになりました。出来事がなぜ自分に起きたのかを振り返ることで、私はそこから学ぶ必要があることを見付け始めました。


私もそのことをあなたに気づいてもらうことが、あなたに提供するべきことだと考えていました。

ジイジからは、まずはどちらかというとネガティブな過去を振り返ろうというアドバイスがありました。

  • 6月28日 1週間面談 
    ビビアンは自身の過去のトラウマを日記に綴り、その内容が面談でシェアされました。それに対してのジイジのアドバイスは下記の通りです。
〈ジイジからのコメント〉
そういったことは誰に限らず、その出来事にどこかの時点で区切りをつけて、何らかの結論につなげることにより、超えられるものです。その何らかの結論は、実は何でもよいのです。あなたの心が、その過去の出来事をいつまで引きずっていくのかということに対して、けじめをつける時が来れば、今現在そのネガティブな経験が継続しているわけではないということと、そのことにより、あなた自身が汚れたわけではないということが、事実であることがわかります。

今までのようなあなたの過去に対する解釈が続く限り、あなたは一生、その精神性を維持していくことになります。賢明な判断をしてください。簡単に言えば、スケールの大きな人になることです。

また、面談の冒頭では「徳」の話がされました。徳がある人は物事の流れが良く、ルールを守らなくても大目に見てもらえたりする一方で、徳がない人はいくらきっちりやっても何かクレームがついたりして良い流れにならない、ということが伝えられ、徳を積むことの重要性が確認されました。
そして次の週からの目標として、「客観的な視点を持つ」「感情的にならない」「世界観を広げる」「道理が通った考え方をする」ということが提示されました。

〈面談翌日の日記より〉
私は、思考と昨夜の面談の後に思ったことで目が覚めました。

その思ったこととは、毎日私に起こることを認識し、意識することから、この旅を始めようということです。私の経験を引き起こすのは私自身であるならば、私は具体的に自分が何をしているのかを見たいです。
私は近ごろ、そのことに焦点を当てることを目指しており、判断せずに注意深く物事を読み取る方法を学ぶ必要があります。気を散らすと集中力が失われる可能性があるため、このプロセスには時間がかかるであろうことを私は知っています。このアプローチから始めることで、少しずつ変化を実現することが可能になると信じています。私はこのプロセスを急いで行いたいとは思いません。

昨日の面談で伝えましたが、客観的視点を持つこと、感情的にならないこと、世界観を広げること、物事の道理に沿った理に適った考え方、行動をすることを優先して心がけていくことをお勧めします。

この面談を受けて、第2週目からのビビアンは客観的に自分自身を見ることを始めました。

 

2週間目 6月29日~7月5日

ファミリーの農作業などにも徐々に参加し始めます

ある日の夕食時、ファミリーメンバーで名前に濁点を持つ潤三君、敬悟君と話をしていたビビアンは、濁点を持つ人々は、新しいものに直面したときや、誰かに自分の心を公開するときなどに恐怖心があるという共通点を発見しました。
同時に、潤三君が色々な役割(鶏の世話・醤油作り・ロータスランド・鍼灸など)が出来るのは、色々なことに興味を持つ濁点の特徴を良い方向に活かしているということも理解しました。

〈この日の日記へのジイジのコメント〉
同じような共通点を持つ人と出逢うことによって、よい出来事に出会うより、どちらかというと思考がネガティブな発想や行動に繋がることが発見できることがあります。それは逆に、その特徴をポジティブに活かしていくための知恵を得るチャンスでもあります。互いに慰め合うのではなく、励まし合い成長していくことに繋げると、良い人間関係に発展していきます。
  • 7月1日 ターニングポイント 日本語学校の件
    ビビアンがゆうこに、時間があるのでオンラインの日本語の教室を受けたいと話したところ、ゆうこから、木の花にいるならここに来ないとできないこと、例えばどこか興味があるところへ手伝いに行く等したらどうか、日本語を習うよりも、前回ジイジからも話があったように、ケア期間中なので心に向き合うことを最優先にしたらどうかということが伝えられました。
    午後になり、そのことを振り返ったビビアンは、自分の空気が悪かったと思ったので、それについて話したいとゆうこに申し出ました。ビビアンは当初、日本語を学びたいのに出来ないなんて不公平だと思っていたのですが、他の視点から観てみると、ゆうこに伝えられたことはその通りだと思い、日本語のレッスンを受けずに、日常の中で日本語を習えばいいと思った、と言いました。そして作業も、通訳がいないと出来ないと躊躇していたのですが、身振り手振りでなんとか自分で意思疎通をしていけばいいと思った、と話しました。
    ゆうこはジイジの話として、優先順位一番を一番にすること、そうすれば良い流れが生まれること、また、優先順位が低いものをやるのは欲であることを伝えました。するとビビアンはとてもスッキリした表情になり、爽やかにありがとう!と言いました。この件から、ビビアンの表情が明るくなっていきました。
〈日記より この件についての振り返り〉
これは私にとって重要な気付きを意味しました。今、私は過去に同じことをしてきたことがわかります。物理的な必要性と欲求が私の最優先事項であったために、自らの精神的な道と成長の重要性を無視しました。

過去にあったそういった事例(無意識に発生するあなたの癖)について、冷静に振り返ってみることは、あなた自身のこれからの成長にとても役立ちます。

この経験を生かして、自分のニーズや欲求を満たすことなく、日々の流れに沿って進んでいきたいと思います。たとえば、自分に集中できなくなるくらい作業で忙しくするということです。

「忙しくする」という事の意味を、常にチェックする必要があります。「忙しい」というのは、するべきことの優先順位を忘れ、複数のことを同時に抱え込む心のことです。そういった時こそ、冷静に、今一番必要なことは何かという優先順位をつけて、やるべきことを粛々とこなしていけば、「忙しい」というプレッシャーを感じずに突破できるものです。そうすることで結果的に流れも良くなります。沢山あることをいっぺんに抱え込んで考えると、確実に流れは悪くなります。

その2日後、お弁当を詰める作業を手伝ったビビアンは、その時のことを以下のように日記に綴りました。

〈日記より〉
今朝、お弁当を詰めていた時、私は自分に割り当てられた仕事に集中しました。その時、私は自分がそこに何も感情を入れていないことに気づきました。私はただ、私がするように頼まれたことをやり、何か他に手伝えそうなものを見付けた時には、それを手伝うことができました。私は、他の人は何を考えているのか、何か批判するだろうかと、自らに問いかけることをしませんでした。私は、結果を予測するのを止めることを学んでいます。

考えすぎたり、自分にはできないと感じることで、自分の心が自分自身を裏切ってしまいたくなる瞬間が何度かありましたが、そういう時には辛抱強く自分の思考をやり過ごし、やるべき作業に集中しました。この取り組みによって私の気分は良くなり、自身のエネルギーと意識をそこに注ぐことでスムーズに進むことを実感できました。

難しい言葉で表現することも、それから決まった仕組みの様に何かを解決していこうとすることも、自らの考えを先に結果に載せてしまうことになるので、結果すら所有することになります。その場合、まだ何も起きていないのに、何が起きるのかについて前もって悩まなければならないことにもなります。これは人間だけの特徴ですが、そういった感情や精神状態を持っている人間はスマートに生きることは出来ません。現代社会もそういった落とし穴にはまっている状態です。多くの人がそこから抜け出ることは、日常のものごとを少ないエネルギーで進め、感情も穏やかで豊かな日々を送ることに繋がります。

それは一人の為のことのようですが、そういった爽やかな日々を送る人々が増えれば、社会が良くなっていくことにつながります。私はそれをとても大切に思い、この活動をしていますが、あなたも自分一人分の日々を健康にすることにより、世の中をよくする運動に参加してください。今日の日記を読んで、この先が更に楽しみになりました。
  • 7月5日 2週間面談 
    ジイジより次の事が語られました。
    「あなたはこのプログラムの取り組みに熱心で、よい成果が出ていますので、人格を理解するという今回のプログラムの取り組みは4週間で終わり、その後は精神性を高めるようなプレゼンを行います。今日はちょうど折り返し地点です。今までは、自身が発していたネガティブを題材として学んできましたが、それを超えて、毎日の日記や人や出来事、ニュース、世情について、どのようにポジティブにそれを学んでいくかということに、これから取り組んでいきます。その後、プレゼンを通して世界観を広げ、大事なことを伝えられる人になります。
    その後カナダに帰って遠く離れても、それは遠くにいる意味があるということです。近くにいるには近くにいる意味があり、それはどちらも大事な役割なのです。」

 

3週間目 7月6日~12日 変化

カナダ土産のメイプルシロップで皆んなにスイーツを作りました

この週は活動的で、キッチンでスイーツや卵料理の試作を行ったり、ちらし寿司の盛り付けを手伝ったり、醤油のかい入れを体験したり、商品の出荷のお手伝いなどを行いました。日々色々なことに、ありがとう、という気持ちが湧き始めます。

  • 7月10日 ターニングポイント キッチン事件
    キッチンで、とうもろこしを洗う作業を手伝いましたが、洗うことしか指示されていなかったので、虫食いの部分が取り除かれていませんでした。作業の指示をした三保さんはバーズ体操をするためにいなくなり、ビビアンが一人でとうもろこしを洗っていました。みさちゃんが、そのことに対して無責任であると三保さんに伝えましたが、三保さんはまったく受け取らずにいたので、みさちゃんが頭にきてしまい、言い争いになりました。ビビアンは言葉が分からず、唯一分かったのは、自分の名前がその言い争いの中に出てくることでした。
    夕食時にビビアンはとても暗い顔をしていて、いつもよりトーンが落ちていました。ビビアンはゆうこに、今日の午後の出来事について時間があるときに話したい、と伝えました。
    翌日は養蜂隊と朝霧高原の養蜂場へ行き、ジイジと話したり、自然の中でリフレッシュして、すっかりキッチンでの出来事を忘れて楽しみました。その日の日記には、前日のキッチンでの出来事から自分の至らない点(わからないことをすぐに聞かない癖)を把握し、それを変えていく決意と出来事への感謝が書かれていました。サポーターのゆうこが大人ミーティングで一連の出来事をシェアし、そのことはビビアンにとても大きな学びになりました。起きた出来事をみんなで振り返り、次に活かしていく学びの場があることにビビアンは驚き、とても感銘を受けていました。
〈日記より〉
山に登り、頂上に到達しようとする過程で、私にとって最も重要なことの一つは、その歩みの一歩一歩が励ましであり、調和的で、他の人に刺激をもたらすものだということです。ここ(この山)での旅の間、私は日々の生活の中でのこれらの経験を通じて、あなた方みんなから気付きや事例を得ています。そしていつか私自身が、外にいる多くの人々の気付きになるであろうことを知っています。

素晴らしい!この大いなる喜びへの道は、より多くの人と共にあることにより、さらに喜びが深まり、そして私たちに真の豊かさをもたらすことでしょう。いつでもどこでも一緒にやっていきましょう。
  • 7月12日 3週間面談 
    ジイジからは、カタカムナの観点から以下のことが伝えられました。
    「物事が観える目(芽)が出始めています。それを明快にするためにこの旅があること、そしてその可能性を目覚めさせることが大事です。今までのあなたは、“ビビ”という濁りが強くネガティブな性質でしたが、自分自身の濁りを理解することで、“ビビ”は本来の音である“ヒヒ”となります。“ヒ”は始まりの音ですから、それは再スタートを意味します。」
    また、カタカムナの観点から“アイ”についての紐解きもありました。この世界のあらゆる現象は全て“アイ”から生まれており、今までの全ての良くない経験も、ここに繋がったことも、全てが神様の愛であるということを確認しました。
    第4週目の課題として、日記には全てを素直にそのまま書くが、捉え方をポジティブにするというテーマが与えられました。4週間が終わったら、日本語の勉強も解禁(日本語の勉強はカタカムナの理解にも繋がるので)とし、色々な精神的な世界を探求していくことも出来ると伝えられました。

 

4週間目 7月13日~19日 変容

皆んなと一緒に落花生を収穫

新型コロナウィルスの感染が拡大する中、ビビアンは片頭痛や喉の痛みなどがあったため、念のため簡易的に隔離されることになりました。この週はほとんど部屋で過ごすか一人で散歩に行き、片頭痛や頭痛が続きました。この期間はサポーターともあまり話すことがありませんでしたが、サポーターから見たビビアンの印象は良く、さなぎから蝶になる前のぐっと内に籠る期間のように感じられました。

〈日記より〉
おそらく、今日はあまり表現することがありません。私は、浮かんでくる思いに囚われることなく、ただそれを浮かび上がらせ、手放していくことで、何ら努力することなく心を静かに保とうとしています。
私は、穏やかで目覚めた状態であることを選び、何の期待もしません。今言えることは、この状態でいることは、私に平和とやすらぎをもたらすということです。鳥の歌声やコオロギの鳴き声、人々の笑い声や話し声、車の行き交う音が聞こえ、私は自分自身の体を感じ、呼吸によって上下するお腹や、キーボードに触れている指を感じることができます。私は、今現在の全てに集中しています。
今この瞬間を生きることは、人生がもたらす如何なる状況にも対処できる道具を、私に与えてくれました。そしてそれこそが、私の求めていたものです。
私は、自分が望む経験の中で生きることを選びました。それは、自分がどうなるかということを手放すことで、宇宙が私にもたらしてくれる愛、平和、幸せ、思いやり、健康に沿い、宇宙と繋がって生きることです。

その安定した精神状態にいつもいられるとは限りません。しかし、一度その世界に入ってしまえば、例えどんな状態が訪れようとも、またその安定した精神の場所に戻って来れます。だから、生きること(今を楽しむ)をエンジョイしてください。OK?

  • 7月19日 4週間面談 自然療法プログラム終了
    この最後の一週間の隔離は、自分の内に集中する一週間として良いタイミングでもたらされ、とても喜ばしいものだと思っている、ということがジイジから伝えられました。不要な考えがなく、今存在していることに集中できていることで、感じ方が以前と異なっています。プログラム終了後の残りの滞在期間は、精神的な学びをさらに深めるためのプレゼンを行うことになりました。
〈プログラム最終日の日記〉
今朝、私は起きて、ここで過ごした4週間のことを思い出していました。
私は、今の自分と日本に来た日のビビアンの違いについて見て取ることが出来ます。私は、日記を書くことを通じて、あなたが教えてくれたことをどのように学んできたかが分かります。私は今までに見たことのない異なる性格の自分自身を発見することが出来ています。そして、愛と共感する能力を捨てることなく、感情をコントロールするためのキャパシティがあります。それは人類、動物、自然、そして宇宙の全てに対するものです。

それは、あなたが今まで歩んできた、あなたにとってネガティブだったものも含めた歩みが、あなたにその目覚めを促していたのです。

私は、どんな苦労の背後にも、そこには学ぶ機会があるということを認識する力を磨くことに取り組んでいます。それは最終的に、私の過去からのすべての学びを受け入れ、許すことを選び、私を今現在のような人にするものでした。
さらに、ここでの私の経験は、幸せになるために物理的なものは必要ないということを認識して味わい、心から感謝することを可能にしました。ここでは誰も、競争したり、自分を良く見せようとしたりはしません。私は人間の本来の姿を見出し、一生懸命働くことやメンバー達の献身を通じて、自分もこのコミュニティの一部なのだということを感じています。あなた方みんなとの暮らしは、私に、正直であるとはどういうことなのかを見せてくれました。そして、自らの心を開くことが、常に私が私自身であることを許し、振り返り、変化し、宇宙からさらに多くの祝福を受けることを可能にするということを示してくれました。
私は、ここでの経験が、私に心を開く鍵を与えてくれたことを書き留めておきます。そして、ここで過ごした数週間に感謝しています。私は私が求めていた以上に多くの事をいただき、本当に感謝しています!
私は、今現在も変化し続けるビビアンです。私は、あなた方全員から受け取ったものによって、そしてもちろん、私の全存在を通して人生が私に与えてくれたすべての経験によって、より力強いものとなった私の旅を続けます。どうもありがとうございます。

そのように、天は地上に降ろした人間の魂に目覚めてほしいのだと思います。それは、天が人々と共に地上を創るビジョンを持っているからです。それは、すべての始まりからあったビジョンです。今、人類の歩みは、その道からして極めて途上の様ですが、あなたがこことの出会いで得た学び方を人々が会得すれば、今現在山のように、そして溢れるようにある地球規模の問題ごとは、いともたやすく解決されることでしょう。そのことに目覚めた人々は、夜明けが近いことを知っています。何はともあれ、あなたの今回の取り組みがとても良い答えを得たことを大変喜ばしいことと思います。ありがとうございます。感謝。

 

その後もビビアンは滞在を続け、世界観を広げるためのプレゼンテーションを受けながら、日々様々な経験をしました。

夏休み中の子ども達と一緒に、長野県の大町ビレッジにも行きました

そして8月1日、ビビアンの自然療法プログラム卒業コンサートが開かれました。

ビビアンの卒業コンサート
お祝いのデザートのプレゼント

コンサートでは、木の花楽団から歌のプレゼントがあり、ビビアンはみんなの前で以下の手紙を読み上げました。

卒業に寄せて

木の花ファミリーでの55日間の滞在を経て、私は新しい人になったと言えることを誇りに思います。過去の傷は癒され、私の人生は変化しました。私がここで過ごした時間は、気付きと愛は今までも、そしてこれからも、永遠に私のパートナーであるという新たな視点から世界を観ることを助ける、完全なる経験を意味しました。私はジイジからの賢明で本質的な導きを受け、それはメンバー一人ひとりからのサポートや気遣い、愛、そして寛大さによって、さらに力強いものとなりました。

毎日、あなた方一人一人から予期せぬサプライズがあり、それが私の日々を特別なものにしてくれました。一人一人からの英語での言葉がけや挨拶、ハグ、美味しくて栄養豊富な食べ物、とても珍しい酵素ジュース、キッチンの知恵、本や写真のシェア、畑での時間、私のために特別に作ってくれるロータスランドの食事、清潔な服、温かいお風呂、必要な時に与えられる自然の薬、会話、鍼治療、英語教室、正確で的確な通訳、笑顔、猫、ウェルカムコンサートの演奏、私が食べた一つひとつの果物、居心地の良い日本の伝統的な風呂、一人一人の気遣いや、あなた方の仕事に対する貢献から、私は多くのことを学びました。

多くの思い出がありますが、それを書くにはスペースや時間が足りません。それでもなお、私は木の花ファミリーのみなさんに、ここはまるで不思議の国で、世界にインスピレーションをもたらす場所であることを知ってもらいたいです。私が体験したように、全ての人に桃源郷に住む機会があることを願います。このファミリーは、私がこれまでの全人生の中で受け取ったよりもさらに多くの愛と思いやりを与えてくれました。そして私は、そのことに永遠に感謝します。

私のここでの時間は終わりを迎えますが、私の心の中には、私が愛し、そして永遠に忘れない100人のメンバーからなる新しい家族がいます。私の魂を輝かせ、そして私の日々を幸せにしてくれて、ありがとう!

ビビアンの魂の旅はこれからも続きます

 


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