昨年10月に木の花ファミリーを離れ、今年5月に「もう一度チャレンジしたい」と再びメンバーに復帰した田んぼ隊のカトケン。社会で自分と向き合う日々の中で改めてこの生き方の価値を再認識したカトケンは、復帰初日から大人ミーティングでダジャレを連発するなど、大きく脱皮して帰って来ました。
今日は、そんなカトケンの先日の大人ミーティングでのシェアをご紹介します!
僕が田んぼで大切にしていることは初期の段階で草をとることです。そういった意味でチェーン除草を2mmくらい草が生えたときにかけ、草を水に浮かせ、取り除くことを頭の中でイメージしています。チェーン除草をかけるタイミングを逃したり、水を切らせると上手くいかないため、後手にならないように意識していました。今年は、チェーンをかけるタイミングが少し遅れたから来年は1日~2日早くかけよう。とか、草取りのことばかり考えています(笑)
ある日、晃ちゃんが僕に「カトケンは田んぼと畑どっちが好き?」と聞いてきました。僕は、「どっちも好きだね」と答えました。晃ちゃんは「畑隊で育種をやっているから、カトケンが以前、農業高校や自然農法センターで学んでいたことが生かされるから関わってきても良いよ」と言ってくれました。
そのとき、自分が農業高校で野菜づくりを教えていたことや、自然農法センターで自家採種を学んでいたことをすっかり忘れていたことに気が付きました。そうだった。確かに、農業高校で野菜作りを教えていて、農薬や化学肥料や多くの資材を使う農業を見て、持続可能ではないと思って自己矛盾に陥ってしまった。途方に暮れて辿り着いたのが自然農法センターでした。そして、自然農法センターで生命力の強い種を自家採種していくことがこれから大切だと知り、それを今、思い出して、畑隊でやってみたいという思いが湧いてきました。
これまで田んぼ隊で、たくさんのできごとから学んで、かっこは良くなかったけど、今では全部必要な出来事だったんだなぁ。と思っています。
自分の足りないところや、ミスにもフォローの手が入ったり、抜けたり、失敗した出来事があっても、成長を見守ってくれる仲間の視線を感じています。
そんな場で自分自身の心を見つめられる感謝。そして、1回この場を去った僕に対して、温かい視線で迎え入れてくれたみんなの度量や懐の深さにはいつも凄いよなぁ~て思っています。だから、よく分からないけど、大丈夫。怖がりの僕だけどそう思える環境でこうして日々を過ごしています。
~ ここで失敗からの学び編 ~
おから回収に豆腐屋に行ったとき、直感が働かず、豆腐屋の屋根を構成している直管パイプに「チョ、チョ、チョカンー」と言う音は無かったけど、当たってしまった。実際は「が、我、我、ガンー」と響いた。トウフヤの前でキョウフに陥り、豆腐屋の女将に責められるのではないか、怒られるのではないか、どんどんエスカレートしていくのではないか、恐怖、恐怖、恐怖という思考が頭をめぐった。
店の中から豆腐屋の女将が現れて「音がしたわね」と言ってきた。僕は「当ててしまいました」と言った。すると、その場所を見て「あ、大丈夫ね」と言って店の中に入ろうとした。
かとけん「いえ、衝撃で屋根とパイプを結ぶひもが切れてしまいました」
女将 「あ、結んでおくわ」
かとけん「メッキがはげています、直しましょうか?」
女将 「どっちでもいいです」
かとけん「(パイプが)押されている感があります」
女将 「あ、あそうですか」
かとけん「・・・」
責められると思っていたのに責められなかった時の「え?じゃ、どの場面で責められるの?プレッシャーをいつかけてくるの?」という不安が湧いてくる。だけど、実際は屋根に当てたのにヤーネーとも言わず、ただ、トウフを作り続ける女将を見て、僕はキョウフを作り続けていたんだなと分かった。
あの女将のように恐怖でなく白く、柔らかく、清らかなものを生産していきたい。それには、恐怖の発生する根本をもっとよく見て、その種を採っていくことだなと思っていました。
今まで、失敗をただ、報告するだけですっきりしていた自分がいたけれど、それでは、以前のカトケンと同じ。だから、話してすっきりすることも大切だけど、自分の中にある種を採るということをやることだなぁと思い過ごしていました。
そしたら本当に、田んぼ隊から畑隊の自家採種部門に就けるという流れが向こうからやって来て、これからは種を採ることに専念すればいいんだと思う。少しずつ、冷静に、一歩一歩、真っ直ぐ、光の方向を意識して行きます。
~畑編~
畑隊になる流れを感じた時に、上の方から「お前のことを待ってタネん!」って言葉が聞こえた。この言葉の主は岡田茂吉さんかな?ユーモアを感じさせる魂。
木の花の実証圃場で自然農法センターの職員さんと一緒に作業する機会があると、上の方から茂吉さんが「作業することばかりに囚われるなよ~」とおおらかに微笑みながら言葉をくれた。イネの穂数や茎長をせっせと調査している僕たちに対して、周りの人や自然にも意識を向けることをさりげなく教えてくれる。
その魂の想いが乗った心地よい風を感じ、いつもと違う世界が僕の目の前に現れる。より爽やかな方向へ、伸び伸び畑に行こう。
この先にどんなシナリオが書かれているのか、毎日がすごく楽しみ。たくさんの笑い声が聞こえてくる予感がする♪ ・・・続く。