木の花では、うつ病や統合失調症など、さまざまな心の病を抱える方の回復をお手伝いする自然療法プログラム(通称ケア滞在)を提供しています。この秋、インターネットで木の花を見つけて韓国から訪れたヒジュンは、木の花初の外国人ケア滞在者となりました。
ソウル大学出身で日本にも留学したことのあるヒジュンは日本人以上に美しい日本語を話し、俳優としての経験と持ち前のユーモアで時には大人ミーティングでカラオケを披露したりもしながら、約1ヶ月間の滞在で見事に卒業をはたしたのでした。
それから1ヶ月が経ち、ヒジュンから手紙が届きました。
とても嬉しい内容だったので、この手紙をブログで紹介してもいいか聞いたところ、ヒジュンからは「木の花を知らない人や、ケア滞在を必要としている人のためにもぜひ載せてください」との返事が返ってきました。
そこで、以下にヒジュンからのメールをご紹介します!
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木の花ファミリー ケア滞在体験談
< Konohana Effect = 木の花効果 >
金 熙俊(キム ヒジュン)
私は2013年9月30日から11月17日まで木の花ファミリーでケア滞在をした、キムヒジュンです。ケア滞在としては、外国人第1号ですね。
1ヶ月半の滞在のあと、私には次のような三つの変化がありました。まず、脈管浮腫(angioedema)がなくなりました。脈管浮腫というのは、じんましんの一種で、身体中のあちこちが赤く膨らむ病気です。ストレスが原因だと思われますが、特に夜になるといつもおしりが膨らんでかゆかったです。大学1年の時から今まで17年間続いたものですが、ケア滞在中の11月あたまごろからそれがなくなったんです。不思議ですね。
もう一つの変化は、統合失調症とうつ病の為に朝と夜一錠ずつ飲んでいた薬を、今は夜の一錠だけに減らしたことです。ケア滞在中には一時期全く飲まなかったんですが、韓国に帰ってから少し具合が悪くなり、医者と相談して一錠だけ飲むようになったんです。でも、医者も私の変化を認める雰囲気でした。
そして、最後に、やる気ができました。今、私は一生懸命仕事を探しています。まだ成果はないのですが、漠然としていた以前と比べて、より具体的に接近している感じです。
以上に述べた大事な変化の原因を私は< Konohana Effect = 木の花効果 >と呼ぶようになりました。何故木の花に来てそのような変化が生じたのか、私は考えてみました。それを以下の三つのことにまとめてみました。
1、 無農薬有機栽培の食べ物
直接無農薬有機栽培した野菜を毎日ファミリーメンバーと共に食べたことです。韓国のうちでもなるべく無農薬有機栽培の野菜を食べようと母親は努力しているのですが、木の花ほど確実ではないでしょう。また、それをメンバー全員で一緒に食べたことも重要だったと思います。韓国では一人で食べることが多いですが、木の花ではみんなと一緒に楽しく話しながら食べることができ、心も体も嬉しかったのではないでしょうか。木の花のみんなともっとぺらぺらとしゃべりたかったですね。。。日本語の足りなさを感じていました。
2、 私を愛してくれた木の花の皆様
食べ物だけでなく、無農薬有機栽培の皆様のあたたかい気遣いが私に変化をもたらしました。最初は気づいていなかったのですが、皆様は私のことを綿密に観察していました!(気づいたとき、驚きました。)夜の大人meetingで聞いた、私に対する皆様のお言葉はそのような観察に基づいたものでした。皆様のお言葉は、私にとってむちとあめになり、私の変化に良い影響をおよぼしました。
それに、家でも病院でも患者とみなされていた私を、木の花の皆様は普通の一人の人間として、一人前になれる人間としてみなしてくれたことです。そのおかげで、患者として家では親から過保護されたり、病院では薬なしでは生きていけない者にみなされたりして傷付いた私の心に、自分も普通に暮らしていけるという希望と勇気が湧くようになったのです。
あまり近くもなく、あまり遠くもない適当な距離を持って、相手の変化や成長をじっくり見守る。私はそれが愛だと思います。私を愛してくれた皆様に本当に感謝しております。皆様、ありがとうございました!
3、 いさどんの存在
ケア滞在の前に、一週間ほどゲストとして木の花を初めて訪問したとき、蜂小屋で初めて会ったいさどんは、私の挨拶や悩みを聞いてそのまま仕事をしながら、「じゃあ、仕事をする力を入れてあげようか。。。」と言っていました。あの自信感とエネルギーはなんなのか。私は最初からいさどんが好きになりました。
そして、ある日の夜、私から見るとただ希望のない患者のYちゃん(重度の障害を持ち、木の花に滞在していました)と談話室で一生懸命コミュニケーションをしようとしているいさどんの姿を見て、いさどんのことを信頼するようになりました。「信じるものは救われる。」私はいさどんのアドバイスを信じて、それを実践しようと努力しました。
韓国にいる今も、働く時に見た富士山や、自転車に乗って見ていたひまわりの周辺の景色が浮かびます。木の花でのケア滞在はすばらしいものでした。いい思い出です。これからも木の花で学んだ心磨きを実践して行きます。そして、また遭うときには、もっとかっこよくなったヒジュンを皆様に見せるつもりです。楽しみにしていてください。
日本にいる私の家族、木の花ファミリーの皆様。愛しています。そして、感謝します。全員の名前を呼んで一人一人hugしたいです。皆様、ありがとうございました。また遭う日まで元気でね!
「起こり行くことのすべては / 善きことのためにあると
悲しきことも、苦しきことも / すべてこの身にうけて
この星の上生きている / この星の上生きている」
ーーー 木の花楽団『この星の上で』より
2013年12月8日
心を込めて、ヒジュンより