みなさん、ボリビアという国をご存知ですか?
ボリビアは南アメリカ大陸にあり、北と東をブラジル、南をアルゼンチン、南東をパラグアイ、南西をチリ、北西をペルーに囲まれた内陸の国です。そのボリビア(正式にはボリビア多民族国)から東京大学大学院に留学中のホセが、修士論文の研究対象にする目的で7月11日から13日まで研究の下見に訪れました。
ホセの専門は環境工学。ボリビアの国立大学で講師として学部生に廃棄物処理を教えていました。「エコビレッジにおける廃棄物処理の現状とその背後にある精神性とのつながりを、システム思考を使って紐解きたい」ということで、日本のエコビレッジを調べていく中でファミリーを知ったそうです。
滞在中、ホセは「厨房から出る生ごみがどこでどのように処理されるのか」「ボカシ肥料の作りかた」「ゴミ分別の現状」「古着の活用法や処分方法」といった多岐にわたる項目を真剣に調査していました。
ホセの研究が興味深いのは、ゴミ処理にとどまらず、それとその背後にある人の意識との因果関係を関連付けて研究しようとしている点です。この研究が完成すれば、地域や周辺を巻き込んだファミリーの循環型の生活について、社会に対する学術的な説明ができるようになりそうです。
将来のことについて計画を立てず、自然の営みに沿って生きることを大切にするファミリーの精神性について話をすると、ホセは「なるほど、それは素晴らしい!」と深く共感していました。外面的な事柄だけでなく、その背後の精神性を深く追求するホセの一途な思いに応えて、英語を話すことの出来るメンバーは、それぞれに一生懸命、ファミリーの心を伝えました。ホセと話したメンバーは、それぞれに「国や言葉は違っても、同じ心を目指している仲間だ」と直感したことをみんなに話してくれました。
「いつもは一人暮らしで寂しいけれど、日本にも家族が出来てすごく嬉しい!またすぐに帰ってきたいです」というメッセージを残して、ホセは「ア・ディオス!」と帰っていきました。
「ア・ディオス」はスペイン語で「さようなら」という意味です。アは「~に」、ディオスは「神様」という意味で、「次に会う時は生きているかどうかもわからない。全ては神様の御心のままに」という意味があるんだよ、とホセはみんなに教えてくれました。
神様の御心のままに生きる心は、世界中どこでも共通です。また帰ってきてね、ホセ!