ぷ組土の会(土壌診断基礎勉強会)

2月4日・5日とぷ組土の会が主催する第二回土壌診断基礎編強化合宿に参加してきました。
上伊那郡宮田村まで、電車に揺られ、そこからは、マイミクのドッひーさんに現地までつれていってもらいました

講師は(有)上ノ原農園土壌環境技術研究所 代表取締役の池上洋助さん。

合宿の内容は
①土壌診断のデータを農家自身が読みこなし、自己圃場の土壌状態を自ら判断し自らが必要な手立てを判断できるようになるための土壌診断全般にわたる基礎知識の取得。
②その上で過去の様々な実例を読みこなし、必要な手立てを導き出す経過を理解。
③経験者からの実例紹介および実績報告。
④参加者の中から事前に依頼済の土壌診断のデータをもとにその土の状態を参加者自身で把握する

というものでした。

特に印象に残ったのは、土壌診断というツールを利用して、慣行農業、有機農業、自然農法、果樹、野菜、多品目農家、違いを超えて楽しく話し合えたこと。今までは、慣行と有機がもちろん会話が成り立たないことが多くあったと思います。化成とか硫安と聞いただけで拒否反応を示し、その時点で会話が成り立たない。また、有機農業者同士でも共通の言語がないので技術の検証ができない。でも、このぷ組の勉強会は、この共通言語を使い、農法や作物を越えて楽しく勉強しあっている。これからは、互いに繋がっていくことで新しいものを生み出していく時代。共通言語を活用することで、それが可能になる予感がしました。

発表するドッひーさん 大きくて力持ちです!!そして、話がわかりやすい!!

次に、土壌の緩衝能。これは、新鮮でした。どっひーさんの事例発表は特に面白かったです。土壌には、緩衝能というものがあります。緩衝能とは、土が現在の状態を保とうとする力のこと。(恒常性みたいな感じでしょうか?)例えば、酸性改善対策で苦土石灰を投入しても、緩衝能を打ち破るくらいの量を投入しないとPHは動かない。いったい酸性改善をするのにどれくらいの量を畑に投入するとPHが適性値まで動くのか、土壌診断して、緩衝能の実験をすると数値として現れてくる。ちなみに、緩衝能の強さは、土壌のCECにより変わってくる。土壌のCECが高ければそれだけ緩衝能強くなる。

ちなみに、緩衝能の試験は、カルシウム、マグネシウム、カリウムなども同様に使えます。

例えば、カルシウムが一反分あたり200キロ不足してるとう数値がでても、緩衝能があるので、それを打ち破り、200キロのカルシウムを土に付加するには、一反分あたり、500キロ必要になるとか。緩衝能の試験をすることなしに、判断はできないということでした。

また、緩衝能を計測し、付加させたミネラルはそう簡単には、流亡しない。増やす時にも、減らすのも緩衝能が働きます。

土肥さんの例だと、緩衝能をはかり、ミネラルバランスを整えた土で3年間スイカを栽培したデータがあるのですが、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルを投入しなくても、しっかり育つ。また、土壌診断しても、ミネラルの数値は変わらないという結果が出たそうです。

普通の栽培では、簡易診断にしろ、JAなどでやってもらう土壌診断にしろ、緩衝能を図ることなく、単に不足分を補うという栽培がほとんどである。

緩衝能を図り、値を補正することにより、無駄な鉄砲をうたず、効率的に栽培をすることができるということかもしれない。無駄なものを投入しないでいいとうことは、コストもかからなくなるし。

緩衝能を図るにしても、土壌診断するにしても、やっぱり、大切なのは、CEC。CECが正確に計測されていないと、その後、土壌改良そのものがくるってくる。

また、参加者が各地域でJAなどに行ってもらった土壌診断結果のシートを持ってきていたが、それをみると、その土地のCECではなく、その土地の一般的な土のCECを利用して診断をしているものや、中には、CECを計算式でだしているものもあった。これは、かなり危険なのではないかと考えさせられた。ずれたまま、施肥を続けていたら、バランスを崩し、短期的には、いいかもしれないが長期的にみたら、そのずれが、致命的になることもありうる。考えていかなければいけない問題だなーと認識した。

4日、5日とびっちりと土壌の化学性の勉強をさせてもらいました。こういう機会を与えてくださった。ぷ組の皆様本当にありがとう。そして、池上さんありがとうございました。

これからが楽しみです。

その後は、どっひーさんと5日に僕がお泊りする。お師匠さんのわたわた家に向かってどっひーさんの車で移動。ついでにどっひーさんハウスを見学させてもらいました。

これは、どっひーさんの嫌気性ぼかし 米ぬか、EM、カニガラ、木炭チップが入っています。

どっひーさんの資材ハウス。前面が完全オープンになるように、巻き上げ式になってます。参考になります

その後は、栗農家の松尾さん、どっひーさんと、くりはらさんと一緒に温泉に行きました。

ついつい、露天風呂でいろいろと話し込んでしましました。楽しかったー!!

松本平が一望できます

続く////////////////////////////////////////

ツꀀ


4 thoughts on “ぷ組土の会(土壌診断基礎勉強会)”

  1. 長野ツアーお疲れ様です。
    今回の勉強会、ほんと良かったです。
    池上さんの土に対する考え方って安定感があって、好きです。
    農法の違いなど関係なく考える事ができるっていいなあと。その土台があってこそ、それぞれの農法があるべきだと私も思います。
    うちの農園も、始まったばかりでまだまだってところですが、ぷ組の皆さんやたくさんの仲間達に出会えた事は大きいし楽しいですね。
    いつか木の花ファミリーにも遊びに行きたいです。いろいろ教えて下さい。

  2. ■信州風土や さん

    本当におっしゃるとおり。

    そして、最高に楽しいツアーでした。あっという間の二日間でした。共通で話し合えるツールがあるのは、本当に面白いですね。
    もう、是非是非、遊びに来てください。大歓迎です

  3. はじめまして。

    土壌の緩衝能の話、たいへん興味深く読ませていただきました。
    慣性の力が土の状態にも及んでいるものなのですね。
    まだ私は農に携わっているわけではないのですが、土の中で起こっている現象についてほんの少しずつでも知る度に、それはすべての現象を語っているように感じられます。

    昨夏、木の花ファミリーの体験ツアーなどで何度か畑の土に触れさせていただいた時、たっちゃんが植物の根と土の中の鉱物との間で相互に作用し合っていると話してくれたことも、とても印象的でした。

    ブログ、楽しみに拝見させていただいています。
    では。

  4. ピンバック: ur莖?莢娯?絎?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です