【木の花のたより 】自然の恵みを「いただきます」

みなさん、こんにちは!
記録的な長雨が続いたかと思えば、一転して連日の猛暑☀︎ 皆さま、いかがお過ごしでしょうか。この例年にないお天気のせいでしょうか。なんと今年は通常より1ヶ月半も早く「マコモダケ」の収穫が始まりました ヾ(๑ʘ∆ʘ๑)ノ

根元が膨らみ収穫適期になったマコモダケ

例年ならば9月下旬に収穫となるのに、自然の摂理は不思議なもので、どういうわけか今やマコモ田全体が収穫真っ盛りなのです。

収穫するは毎度おなじみ、田んぼ三兄弟🍡



収穫されたマコモダケ

季節外れの収穫なので味はどうかな〜と思ったら・・・美味しい!
異常気象が続き、作物を育てることがどんどん厳しくなっていく中で、こんなふうに豊かな恵みを頂けることは本当にありがたいことです。

もうひとつ、こんな天候の中でもグングン育っているのがこちら。

今年から育て始めた西アフリカ原産の植物、ローゼルです。

ローゼルは、秋にオクラに似た白い可愛らしい花を咲かせ、花が咲いた後の鮮やかな赤色のガクを収穫し、お茶(一般的に「ハイビスカスティー」と呼ばれます)にしたり食用にしたりします。

5月初旬にはこんな大きさだったのにー

長雨にも日照りにも負けることなく、今や葉っぱがわんさか。

見事な生命力です。
この葉っぱにも、クエン酸やリンゴ酸、カリウム、鉄分、カルシウム等の栄養素が豊富に含まれ、ファミリーではただ今、和え物、ギョウザ、スープなどなど、このローゼルの葉っぱを使った様々なメニューを開発しています。どこか梅干しにも似た、独特の味わいのある酸味が食欲をそそり、夏にもってこいのお野菜なのです。

地球温暖化で今後さらなる異常気象が予測され、人間が自然の声に耳を澄ませ、自然から「いただく」ことがますます大切になっていく時代の中で、ファミリーでは変動していく環境に対応する新たな作物の栽培に取り組み始めています。
まずは、今の異常気象の原因であるこれまでの私たち自身の生き方を振り返ること。そして、変わりゆく自然の奥にあるメッセージをいただいていくこと。新しい作物の栽培は、そんな取り組みのひとつです。

こんな時代だからこそ、皆さんに生命力いっぱいの食べ物をお届けしてまいります!( ≧▽≦ )ノ

 


メンバー日記🗒

えいこばあちゃんの巻


今年81歳のえいこばあちゃんは、ファミリー最年長!

えいこばあちゃんは、メンバー歴26年の木の花ファミリー創立メンバーでもあります。いつも人のためを思い、ただただ自分にできる精一杯のことをやり続けるえいこばあちゃんの姿は、「こんなふうに年を取りたいな」とみんなのお手本なのです。

えいこばあちゃんは、毎朝6時ごろに起きると、まずファミリー100人分の味噌汁の具材の仕込みをします。その後は、その時々に取れる作物を保存するための加工をしたり、梅干しを漬けたり、こんにゃくを作ったり、とにかくいろんなことをしています。

たとえば、サトイモの親芋。

サトイモは、種芋から最初に芽を出しふくらんだものを親芋、親芋から出てきたものを子芋、子芋から出てきたものを孫芋と言い、親芋は子芋や孫芋に比べて固く食用には適さなかったりするのですが、この親芋をなんとか活かしたい!と考えたえいこばあちゃん。

そこで親芋をスライスし、乾燥させて、ミルにかけ ー

パウダーにしてみました♪

これがサトイモのポタージュになったりして、しっかり親芋が活かされるのです。

えいこばあちゃんはいつも「活かす」ことを考えています。形が悪くて使いにくい野菜も、たくさん収穫できて使い切れずに傷んでしまいそうなものも、なんとか活かそうといつも頭を働かせ、テレビひとつ見る時間も無駄にしないで番組から新しい調理法や健康法などの情報を得たら早速それを日常の中で試し、次々と新しい料理や加工品を生み出して、しっかり活かしていくのです。そして何より、それを楽しんでいます。サトイモパウダーができた時も、「こんなのができたよ〜」と嬉しそうに見せてくれました(^v^)

そんなえいこばあちゃんが木の花ファミリーの暮らしを始めた理由は、「人間は学ぶために生まれてきた、ということを知ったから」。

戦後の混乱期に家庭の事情で小学校までしか通うことができず、「自分は学がない」と引け目を感じながら生きてきたというえいこばあちゃんは、ある時、建築内装業者として自宅にやってきたジイジと出会いました。
「ジイジから、人間は学ぶために生まれてきたんだよ、ということを聞いて、そうなんだ!って思ったの。それまではそんなふうに考えたこともなかった。」
そうしてジイジと接していくうちに、裏表がなく決して偉ぶらない人柄に触れて「この人の言っていることは嘘じゃない」と感じるようになったえいこばあちゃんは、「何かわからないけど、とても大事な生き方がある。そこにかけてみよう」と思い、26年前に富士のふもとへ移住し、ジイジたちと一緒に木の花ファミリーを立ち上げたのでした。

26年の歩みの中で、どんなことからも学ぶ姿勢を身に付けてきたえいこばあちゃん。釜戸でお赤飯を炊きながら、先日キャベツのスープを作った時のことを話してくれました。今年は天候不順で畑の作物には厳しい環境が続き、傷みかけたキャベツがたくさんあった時のことです。

「傷みかけのキャベツがたくさんあってね。これを活かすにはどうしたらいいだろうって考えて、そうだ!ミキサーにかけてトウモロコシと合わせてスープにしたらいいって思ったの。」

それで試しに少しだけ作ってみたら、味見をした人たちから「すごく美味しい!」と大好評。そこでみんなの夕食に出そうという話になり、えいこばあちゃんは「みんなに美味しいスープを食べさせてあげたい」と張り切って100人分のスープを作ったのでした。

ところがその日、急きょメニューが変更となり、スープは翌日に出すことに。そうか、と思いえいこばあちゃんは出来上がったスープを冷蔵庫に保存しておいたのですが、翌日、みんなの食事に出そうとしたら、なんとスープは腐っていて食べられない状態になっていたのでした。

「すごくショックでね」とえいこばあちゃん。

自分が落ち込んでいることについてえいこばあちゃんは多くを語ることはありませんが、実際はとても気持ちが沈んでしまったのだそうです。
「キャベツを活かそうとして、結果的に全部ムダにしちゃった。キャベツは何も文句を言わないけど、申し訳なくてね。」

日頃から今の生き方に出会って自分の人生が大きく変わったことに感謝し、だからこそ人一倍みんなのために何かしてあげたいと働き続けているえいこばあちゃんですが、「自分の思いが強すぎてずれているから、こういう結果をもらうのかもしれない。もうやらない方がいいのかもしれない」とまで思ったそうです。

でもね ─── と、えいこばあちゃんは続けました。

「私からこれを取ったら何が残るだろう、って思ったの。これが私なんだ。失敗したからもうやらない、ということではなくて、そこから学んで、先につなげることが大事なんだ、って。
だから、もう1回作ります。もしも私がここでやめたら、キャベツは本当にムダになる。でもここから学んで次につなげたら、それがキャベツを活かすことになる。」

起こる出来事は、すべて自分にふさわしくある。それを「何でこんなことが起きるんだろう」と不満に思うのではなく、「いただきます」と素直に受け取っていくことが、学びにつながっていく。26年前には、学ぶということの意味が全然わからなかったというえいこばあちゃんは今、学ぶってこういうことなんだね、と語ります。

そう語る間も、手を休めることなく動き回るえいこばあちゃん。お米の品種に合わせて釜戸の火加減を調整しつつ、途中でセイロを火からおろしました。

蓋を開けると、中には炊きかけのお赤飯が。

このお赤飯をいったんボールにあけて、小豆を煮た時の煮汁を混ぜ入れました。

これは、おこわを炊いている途中で水を混ぜ込むとご飯がよりふっくら仕上がるということを聞いたえいこばあちゃんが、「それなら小豆の煮汁を使ったらいい」と思いついたもの。
「うちのお赤飯は着色料を使わない自然の色だから、少しでも色がついたらいいかと思ってね。」
こうして小豆の煮汁も活かされていくのです。

煮汁を混ぜたお赤飯を再びセイロに戻し、もう一度炊きます。赤飯が炊けるまでの間、えいこばあちゃんは同時進行でこんにゃくも作っていました。

こんにゃく芋はとてもアクが強く、素手で触ると手が痒くなるので普通は手袋をするのですが、えいこばあちゃんは「素手の方が感触がよくわかるから」と手袋をしません。こんにゃく芋を流水にさらしながら皮を剥くなどの工夫をし、「30分もすれば痒みはおさまるからね」と言って、大きな手を活かして美味しいこんにゃくを作ってくれるのです。

*若い頃は大きな手が恥ずかしかったけど、今はこの手に感謝!というえいこばあちゃんの物語はこちらをどうぞ →「えいこばあちゃん物語」

常に頭を働かせながら、時間をムダにしないでテキパキと動き回るえいこばあちゃんですが、「私はついついやり過ぎて、後でどっと体に負担が来たりして、それで倒れると結局みんなに迷惑かけちゃうからね。だから、今は無理をしないようにしてるよ。雨続きで体も重い時には無理せず休んで、カラッと晴れて体もカラッとしている時に動くの。」

そしてついに、お赤飯のできあがり!

炊き上がったお赤飯はふっくらとして、とってもいい香り。

えいこばあちゃんは料理を作る時にはいつも、こう思っているそうです。
「いつも “美味しくなるように” って思ってます。
みんなが喜んでくれることが、一番だから。」

こうして出来上がったお赤飯は、車に乗ってみんなのもとへ。車内は美味しい香りでいっぱいになりました。

そんなえいこばあちゃんの心を
美味しいご飯と一緒に「いただきます」!

 



次回のメンバー日記は、税理士としてファミリーの会計を担当するゆうちゃんです。会計のプロとしてのキャリアを活かして木の花ファミリーの経済の大改革を行い、今も改革は進行中です!


 

おなかの中から元気になろう!
その6
ベジブロス

何でも活かす、ということで、今日のオススメはベジブロスです。

ベジブロスとは
ベジブロスは、言わば「野菜だし」です。でも使うのは、ヘタや皮、白菜などの芯やカボチャやピーマンのワタ、ネギの硬い部分などなど、普通なら食べずに捨ててしまっている部分です。これらをじっくり煮出すことで、そこに含まれる “ファイトケミカル” を抽出します。

ファイトケミカルって?
自分では移動することのできない植物が、強い紫外線や雨風、害虫や動物から身を守るために自ら作り出した、植物性の化学物質です。ポリフェノールやリコピン、イヌリン、β-カロテンなどが有名ですが、その数はなんと約1500種類もあり、免疫力向上や老化抑制、肥満予防など様々な効果が注目されています。野菜の皮などを弱火でじっくり煮出すことで、このファイトケミカルの細胞壁が壊れ、人が食べた時に体内に吸収できるようになるのです。

\ 作り方 /
両手いっぱいの5種類以上の野菜くずを、水1300cc、酒大さじ1と一緒に火にかけて、沸騰してから20分、弱火でコトコト煮出したら出来上がり。

野菜くずを取り除いた後の、旨味とファイトケミカルがいっぱいのだし汁は、お味噌汁やスープはもちろんのこと、木の花ではカレーや焼きそばのソースなどにも活用しています。

美味しく、かつ効果的に作るポイント

  • 5種類以上の野菜くずをバランスよく入れるのが美味しさのコツ。野菜くずは冷凍保存しておいたものでもOK!
  • キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜は、入れすぎると匂いがきつくなったり苦味が出るので注意。
  • ファイトケミカルには水溶性と脂溶性があり、両方をバランスよく摂取することで効力が発揮されます。
    例えば、水溶性ポリフェノールを含む玉ねぎの皮を入れたら、脂溶性カロテノイドを含む人参のヘタも一緒に煮込むと良いです。お酒を加えるのは、水だけでは溶け出さない脂溶性のファイトケミカルを抽出するためでもあるのです。

自然の中には本当に、私たちが健康に生きるためのヒントがたくさん隠されています。高価な薬やサプリがなくとも、私たちはきっと豊かに、元気に生きられるのです。

ベジブロス、どうぞお試しください (^v^)ノ