富士山のめぐみスタディツアー

掲載が遅くなってしまいましたが、10月12日に東京学芸大学が主催した「富士山のめぐみスタディツアー」のご一行様がファミリーを訪問されました。

同ツアーはファミリーの生活体験ツアーのガイドをつとめ、近々ファミリーへの参加を表明している佐野淳也さんが企画されたもので、以下の趣旨で開催されました。

「富士山の西の麓、静岡県富士宮市を訪ね、自然や文化、歴史などの地域資源を活かした環境教育・地域づくり事例を学びます。田貫湖や火山洞窟でのエコツアー、 無農薬有機農業を実践する農園見学、浅間大社訪問やまちづくり講演会への参加など、盛りだくさんの内容です」

見学コースとして木の花ファミリーが組み込まれていたのですが、参加者からはファミリーがもっとも記憶に残った、という声が多く聞かれたそうです。

素敵な感想文をたくさんいただいたので、少し長いですが、以下に掲載します。

◎環境教育専攻1年 女性

まず、木の花ファミリーでは目からうろこの連続でした。鶏舎などの建物、家畜の食べ物、農業方法などからは数々の工夫やこだわりが見られ、古田さんのお話では、人間として豊かに生きていくためにとても大切な素敵な話を聞かせてもらえたと思います。特に、「生かされあって生きている」「ひとつの財布で生活」というお話からは、感謝の気持ちを忘れず、決して欲深くならず、謙虚に、調和して生きていくというような姿勢が見られ古き良き日本の生活や精神が残っているのを見ることが出来た気がして、とても嬉しくなりました。

木の花ファミリーの一員として、協力し合いながら共同生活をしている方々の顔は皆、とても生き生きしていて、これが本来の人としてあるべき姿だと感じ、これからの日本を考えていく上でも、大事な要素がたくさん詰まっていると思いました。

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◎環境教育専攻3年 男性

自分にとって一番印象的だったのは、「木の花ファミリー」の訪問でした。
木の花ファミリーの活動理念やその活動の状況に感動し、なにより古田さんの言葉のひとつひとつが心に響いています。「見通しを立てるが、予定は立てない」
「人も野菜も地球も宇宙のめぐみである」
「気のおおもとは空気」
「感謝の気持ちをわすれない」

一見順調に見える木の花ファミリーの活動ですが、こまでの十数年の間に、数え切れないほどの苦労を乗り越えてきたのだろうと思います。そのたびにファミリーのみんなで協力し、さらに力強くたくましくなって今に至るのだと思います。

古田さんのかかげる迷いのない活動理念の正しさが実証されたのでしょう。その笑顔を絶やさずに、これからも幸せなファミリーを築いていってほしいと思います。して僕もいつか、古田さんに負けないぐらい幸せなファミリーを築けるように、木の花ファミリーの活動理念を心の隅っこに置いて、毎日を充実させていこうと思いました。

さすがに自給自足は困難ですが、木の花ファミリーの活動力や生命力は、今の自分にとって、そして多摩川流域の環境教育にとって十分に参考にすべきものであると思います。

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◎環境教育専攻2年 女性

私が一番印象に残り、心に響いたのは、木の花ファミリーの古田さんの「健全なことを望めば健全なものが生まれる」というお話でした。生命力を生かして平和に育てれば素晴らしい食材が得られ、その食材からは健全な心身が生まれるように、良い種をまけば良い結果が得られるというのは、その種が形のないもの(希望や願いなど)でも同じことで、当たり前なのだと感じました。ただ、古田さんもおっしゃっていたけれど、健康にはあまり良くない富士宮やきそばも、街おこしや伝統を守るという側面では役に立っているし、すべてのもの善し悪しが極端に決められるわけじゃないのもわかります。でもやっぱり、悪い面もあると気付いたら、なるべく良い面を増やして行こうとするのが大切だと思いました。

これからは健康や環境にも配慮した食べ物が重視されてくると思うので、富士宮やきそばも、地産地消や栄養価、アレルギー表示などについても考えて行けた観光客にも喜んでいただけると思います。

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◎環境教育専攻4年

女性印象に残ったことは富士山の麓の洞窟探検です。明かりを消して真っ暗にしたきは意識だけ存在するというか宇宙空間に放り込まれたような不思議な感覚を験できました。

木の花農場の訪問も大変良かったです。日本の中で自給自足にできるだけ近い生活をしている人たちの存在を知り、しかもそれがとても楽しそうだったので日本でもできるんだと思いました。

また集団での生活、集団での子育てもとてもよいと思います。子供はみんなで育てるものだと思います。体にいいものをたべて、健康的な生活を送れば病気は治ると言っていましたが本当にその通りだと感じました。ここの農場は鶏舎やヤギや畑やおじさんの思想など、どれもが新鮮で本当に興味深かったので時間が短かったのが残念でした。たぶん同じようなことを考えている人は結構いるのではないかと思いますが、実際に実生活として実践しているところがすばらしいです。ここの鶏舎を見てから、スーパーで売っている安い卵を食べると、自分の体にもその卵を産んだ鶏にも地球にも罪悪感を感じます。

ツアー全体を振り返ると、ごはんもおいしいし空気もおいしくて楽しい2日間でした。事前に資料をいただけたのもとてもよかったです。どうもありがとうございました。

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第2回エコ菜園講座

今日は午後から「自然を楽しむエコ菜園講座」の第2回が開催されました。前回に引き続き、今回も講義型式の講座で、ファミリーの現在の営農の様子、堆肥の作り方などを解説しました。みなさん大変熱心に聞いておられ、講座の終了後も講師にたくさんの人が講師をつとめたメンバーに質問をしていました。

来月は11月24日(土)に開催されます。

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大陸へのたしかな絆

16日から2泊3日でファミリーに滞在された黄建生(ファン・ジャンシェン)さんが、昨日の昼、ファミリーのみんなに見送られてファミリーを後にしました。

黄さんは中国・雲南省で雲南民族大学の助教授をされています。今回は国際交流基金が主催する「アジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム」(リンク先にプロフィールがあります)の2007年度フェローとして来日、先日ファミリーを訪問された「懐かしい未来ネットワーク」主宰の鎌田陽司さんが黄さんにファミリーを紹介してくださり、その縁で来訪されました。

黄さんは雲南省の少数民族の出身で、村で初めて大学を出た郷土の英雄だそうです。前述のフェロー・プログラムでは「持続可能性、特に中国の農村地帯における縁故と文化をめぐる諸問題に焦点をあてた」研究をされており、その実例として今回の来日で日本国内の有機農家やコミュニティなどを精力的に訪問されていました。

ファミリーには、現在英語を話せる人が3人います。英語が堪能な黄さんとは、主に陽子ちゃんとみちよちゃんが通訳となってコミュニケーションを取りました。見たこと、感じたことを丁寧にメモしながら、黄さんは農作業に参加したり、いさどんのプレゼンテーションやウェルカムコンサートをみたり、ファミリーの何人かにインタビューをしたりしました。

黄さんが出発した夜の全体ミーティングで、今回の滞在で黄さんと関わった人みんなが、それぞれに彼をファミリーと縁が深い人と感じたことを話しました。好奇心が旺盛で、正直で、見たことや聴いたことを明晰な頭脳でまっすぐに受け取る黄さんとの会話は、通訳を介したハンデを超えて、みんなの心にさわやかな印象を残していきました。彼との出会いは本当に贈り物だった、と、何人ものメンバーが話しました。

今後の研究や本の執筆に活かしたいことが山ほどある、と嬉しそうに語っていた黄さん。今度来るときは、ファミリーみんなのストーリーを聞いて回りたい、そのために日本語を勉強するんだ、と言い残して帰っていきました。私たちも、これからの世の中をつくっていく志を共有する仲間として、黄さんの再訪を心待ちにしています。

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ウェルカムコンサートで(中央が黄さん。黄さんの左はみちよちゃん、右が陽子ちゃん。ふたりとも英語が堪能です)

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別れのあいさつ。きょうこちゃんと

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よしどんと

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あきちゃんと