たっちゃんです。
人参の母本選抜をしました。自農センターのワタワタと共に、センターの品種(筑摩野五寸)を選抜して、2年目になります。畑は、昨年の人参の後に、エンバクをまきつけ、それをすきこんで、また人参という緑肥を使った炭素循環方式。無施肥でも十分育つ、甘くて美味しい品種に仕上がってきてます
詳しくはワタワタ日記を転載します
ツꀀ自農センターの筑摩野五寸(自家採種できる固定種)
■石綿さん(わたわた)の日記の転載
ニンジンは自農センターの「筑摩野五寸」から自家採種しているもの。2世代目です。昨年の選抜では五寸というより七寸くらいの長さになるものが多かったので、長くボリュームのあるものを選びました。この畑への適応の方向として、ニンジンが長めに変わって行こうとしている意向があるなと感じたからです。
通常のニンジンの自家採種では、品種の力を維持するために50本以上の母本数が欲しいところですが、新しい土地や農法への適応性の高いものを選び、品種の特徴を変えていこうというときには、初期世代に少数精鋭の個体だけを選んでタネとりをします。昨年は30本程度を選抜し、個体ごとにタネとりをしました。
今年はその個体ごとに栽培しました(系統栽培と言います)。母本選抜はまず全部抜いて、系統ごとに大きさ順に並べて各系統の特徴を眺め、優良な系統を選び出しました。もともと1つの品種であっても、個体ごとにタネとりして系統栽培する(この過程を分系と言います)と、系統ごとにちょっとずつ表現が異なるのです。30系統を並べてみると、長さが長いものが多い系統や熟期が早くなるものなどいろいろな個性が浮かび上がってきました。
筑摩野五寸はもともと関東地方の冬越しニンジンだったものなので、秋どり品種としてはやや晩生に当たるものですが、木の花の畑への適応やここでの利用方法としては、秋どりで十分に肥大し形よく仕上がるけれど、育ちすぎて裂根などのしないものが望まれます。全体としてみると、ニンジンの方が木の花畑での栽培や利用法の特徴に合わせてきている傾向がうかがわれ、その中に系統として表現が揃っているものが9系統ありました。そしてその優良系統内からさらに優良個体87本を選びました。
今年はその優良個体をごちゃごちゃに混ぜて集団でタネとりします。ニンジンのような近親交配による弱体化(近交弱勢と言います)の起こりやすい作物は、系統栽培を何世代もするのは避けた方が良いのです。なので個体選抜・分系と集団採種を繰り返す2年で1サイクルの改良方法が適しています(こういう方法を「半きょうだい育種法」と言います)。
来年6月には新しい集団が誕生します。元の品種との比較栽培をしてみて、適応性の変化を見比べようと思います。おそらくこうした育種操作をすると、元品種とは異なる品種特性になるでしょう。ふじの七寸? 木の花七寸ニンジン? いい名前を考えなきゃねとみんなで話していました。来年が楽しみです。
引き抜いて長さ順に並べます
30系統の中から選抜したい系統を選びました。
芯の色をそろえるために先端を切って、オレンジ色のものを選びました。
選抜したら、90本弱になりました。40cm間隔で母本を植えていきます。
スコップで掘って、丁寧に定植
最後に葉っぱを持って周りをふみふみして固めます
聖火ランナーのような人参があったので、りょうちんが走ってます
作業し終わって、ふと見ると赤富士が見えました。なんとも豊か!!