みちよちゃんがGENの理事に選出されました!

ファミリーのみちよちゃんが、国際的なエコビレッジ組織である国際NGO「Global Ecovillage Network(GEN)」のオセアニア・アジア支部「GENOA」の会議に出席するために、フィリピンに出張しています。会議でみちよちゃんはGENOAの副代表、そしてGENの理事として正式に選出されました。みちよちゃんを擁する木の花ファミリーは、国内のエコビレッジの先駆けとしてますます重要な役割を担うことになりそうです。

それでは、みちよちゃんの出張レポートをお楽しみください!

こんにちは、みちよです。

10月13日から1週間の予定でフィリピンに来ています。毎年この季節は、わたしが日本大使を務める国際NGOのグローバル・エコビレッジ・ネットワーク・オセアニア&アジア(GENOA)の年次総会があります。ここ2年、総会はフィリピンのCELLというエコビレッジ学習センターで開催されています。16日までに会議の日程を終えて、今は、GENのフィリピン大使であり、ファミリーの親しい友人であるペニー・ベラスコさんの家に滞在中です。

ペニーの家から自転車で15分くらい行ったところに、ペニーとオランダ人のパートナーのジョンが新たに開発しているピンティングというエコビレッジがあります。昨日はそこを見学しがてら、敷地内にある池でみんなで泳いできました。みんなというのは、ペニーの二人の息子とジョンと、タイのGENOA大使のスニサ、そしてファミリーのさのっちです(さのっちは見学者という立場で会議に参加しました)。昨日は日中晴れていて暑かったので、水が冷たくて気持ちよかったです。

8ヘクタールの土地を最初から開発するのはかなり労力がいる仕事ですが、今後がすごく楽しみです。

ペニーの家に戻って美味しい昼食を食べてから、午後は街に出かけました。ペニーがしばらく周辺の町を案内してくれました。わたしは、今回の旅で18ヶ国を旅したことになりますが、貧しい暮らしをしている人々の生活を目の当たりにするのは今回が初めてです。車に乗っているということが、羨望のまなざしの対象になるということ、その目は、どれも恨めしそうで笑顔がなく、辛そうで、どの顔にも苦労がにじみ出ていました。どうしたら、この人たちが笑顔のなるんだろう、と考えざるを得ません。

ペニーの友人のボブというおじさんは、モービル石油に勤務中、サウジアラビアに10年、その後、多国籍企業に勤務中、アメリカに10年ほど住んでいたそうですが、定年退職してから、地元でEMを使った有機農業をしています。さっそくフィリピンの「木の花菌」を作るべく、地元の抗酸化力の強い葉っぱを糖蜜につけてエキスを取って培養するやり方を伝えました。

彼は地元の貧困問題などを根本から解決する方法を真剣に考え、実行していて、木の花のようなお財布一つのコミュニティを作りたいと考えているようです。

フィリピンの貧困層は、働くということを体でわかっていないようです。せいぜい2~3時間田んぼに出て、後は家でカードゲームをやったり、飲んだくれていたりして、家庭内の不和や家庭内暴力などにもつながっているとのこと。そうした状況を改善しようと、ボブが考えた仕組みは、貧困層の人たちに自分の有機栽培の畑を1日7~8時間手伝えば、3~4ヶ月間、生活用品や食料品を支給するというものです。ボブと労働する人たちとの間に、お金は介在しません。生活に必要なものだけが支給されるわけです。ですから、賃金でお酒やタバコを買ったり、カードでお金をするようなことは起こらないのです。

働きながら、畑や田んぼの周りを清掃することなど、衛生的な概念も伝えていき、地元をみんなにとって住みやすい場所にしていきたいという話をしてくれました。ペニーと一緒に木の花においでよ、と伝え、木の花の取り組みについて更に話をしたところ、近いうちに行くよ。という話になりました。

車の中で頭の中を巡っていた貧しい人々を笑顔にする方法のひとつがペニーやボブのプロジェクトだと感じました。

世界中の誰もが笑顔で暮らすことのできる社会を作りたいというわたしの夢は、着実に叶う方向に向かっていると感じたら、泣けてきました。世界は着実にその方向に動いています。

明後日あたりに台風が来るそうで、今も雨が降っています。洗濯物がなかなか乾きません。

GENOAの会議が開催された場所は、環境への配慮もあってか、シャワーもなく、バケツに水をためて、手桶で流しながら体を洗う仕組みでした。フィリピンのほとんどの家庭でも、シャワーでお湯が出ません。トイレも水洗とはいえ、バケツに水をためて流すスタイルです。久しぶりのカルチャーショックでした。

ペニーの家は、会議開催地よりも10倍くらい快適で、ホッとしているのが正直な気持ちです。明朝、車で3~4時間南に下って、マニラに向かいます。わたしは飛行機のスケジュールの都合で、マニラにもう1泊してから帰国の途に着く予定です。

これからGENOAの共同代表として、アジアの別の国を回ることもあるかもしれません。多少の不便さと不衛生な環境にも慣れる必要があるのかもしれません。いずれにしても、すごく良い経験をさせてもらっています。

今回の旅で出会った人々と共に、みんなが笑顔で暮らせる世界に向けて心を磨いていきたいと思います。

みちよ

追伸:帰国後にアジアの他の国の取り組みや今回の旅の報告会をさせていただきます。興味のある方には、日程を後日お知らせしますのでメールくださいね!

会場となったCELLの建物。すべて竹でてきています
会場となったCELLの建物。すべて竹でてきています
GENOAのメンバーたちと
GENOAのメンバーたちと
手動式?水洗トイレ
手動式?水洗トイレ
シャワーのないシャワールーム(!)
シャワーのないシャワールーム(!)
みんなで泳ぎました!
みんなで泳ぎました!
ペニーの家で。(左から)さのっち、ボブ、ペニー、みちよ、ジョン
ボブの家で。(左から)さのっち、ボブ、ペニー、みちよ

大人会議の救世主?!

木の花ファミリーで、最も大切にしている時間は、夕食後の大人会議。ここでは、メンバーそれぞれが心の振り返りをみんなとシェアし、みんなで大事を確認するということを日々行っています。

最近、その大人会議での発言が光るのが、メンバーになって4年目のいさおちゃんです。「他人のことも自分のことも客観的に見れているよね。一点からだけでものを見るのではなく、物事の奥を捉えようと、深く掘り下げようとしているね」と評価されています。しかし、当のいさおちゃんは、「評価されると不安な気持ちも出てくるけど、素直に受けとめてみようと思います」とちょっと戸惑い気味。

以前は、みんながひとつの見解でまとまろうとする時に、その逆風となるような意見を出すような心がいさおちゃんにはありました。でも、今ではしっかりとファミリーの追い風になって、全体を把握しようと心がけ、ここが「新しい社会のモデル」となるよう、日々、自分を見つめています。

大人会議が効率的に行われるよう、「大人会議司会プロジェクト」も立ち上げ、自ら率先して司会もする姿勢は、まさにファミリーの中でも良いお手本です。そんないさおちゃんに、日々どんな想いで自分を見つめているのか聞いてみると・・・

「自分事になってしまうけれど、今はとにかく成長したいという気持ちが一番大きいかな。ここが目指している地点って、外の人が思っていることや今自分が把握していることよりも、はるかに高くて深いと思ってる。その一員であるための意識をつくっていきたい」と率直に想いを語ってくれました。

名司会者の呼び名も高いいさおちゃんに、司会者の心構えについて尋ねてみると、

「自分ができているわけではないけれど、とにかく客観的に全体を見渡す視点を持つこと。その場にいる人が、より高い視点を持つようになれること。みんなの学びが促進されることでしょうか」と答えてくれました。

もともと、カトリックの家庭で育ちながらも、信仰心が強かったわけではなかったといさおちゃんは言いますが、木の花に来てから、ひとつひとつ自分の中にあった疑問や自分自身の癖をみんなとシェアし解決していく中で、ようやく、「自分の人生を賭けられるものに出会えた」と言います。その過程で、いさおちゃんの中に本物の信仰心も芽生えてきているのでしょう。

この前の結婚式では、図らずも神父様役を果たしたいさおちゃん。これからも、いろんな心の葛藤を乗り越えてきたいさおちゃんだからこそ、みんなに伝えられることは沢山あるのでしょう。

だから、「容量オーバー」になってもまわりにとげとげした空気を出さないで、いつも朗らかな伝道師さんでいてね。

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結婚式で神父役を務めたいさおちゃん。神妙な顔つきと竹鈴の組み合わせが何となく笑えます


心と体のリフレッシュに来ませんか?

「毎日、楽しく充実した日々を送っていますか?」と聞かれて、「はい!」と即答出来る人は、どのくらいいるでしょうか。

特に病気というわけではないけれど、でも、心や体が何かスッキリしない。毎日、自分なりに一生懸命にやっているけど、どこか空しくて「こんな生き方でいいのだろうか」と悩んでいる。多かれ少なかれ、ほとんどの人がそんな思いを抱えているのが今の世の中かもしれません。

「自分の何かを変えたい」「生き方を変えるヒントがほしい」・・・ファミリーにも、そんな思いを抱えたたくさんの人が訪れてきます。ファミリーに長期間滞在し、人生に大きなヒントを得て帰っていく人たちも増えてきました。

夫婦関係で悩んでいて、相手のことを責めてばかりいた主婦の方。でも、ファミリーのみんなの生き方に接しているうちに、自分の心の癖を深く振り返るようになりました。関係を改善するヒントを持って自分の家庭に戻り、問題にしっかりと向き合って、前向きに生きています。

子育てに自信をなくしていたお母さんと息子さん。お母さんはみんなで子どもを育てるファミリーの生活に触れて心のゆとりを取り戻し、子どもも集団生活になじんで元気いっぱいに。

長年の飲酒と不摂生が急に不安になった、とやって来た人。毎日楽しく農作業に精を出し、お酒を飲まずにいられる心とすっきりした顔をおみやげに帰っていきました。

ファミリーでは、こんな「心と体をリフレッシュしたい!」という方の滞在を歓迎しています。滞在費用は通常と同じで、特別な料金はいっさい必要ありません。

考えれば考えるほど、行動すれば行動するほど、空回りしているあなた。大きな問題に思えても、元はちょっとしたボタンの掛け違いだったりするものです。それを元に戻すことができたなら、あなたの、そしてまわりの人たちへの幸せは訪れます。あなたが想像している以上に、幸せへの道のりは近いかもしれませんよ。

のんちゃんの「和みのヨーガ」も心身のリフレッシュにいいですよ笙ォ
のんちゃんの「和みのヨーガ」。心身のリフレッシュにいいですよ笙ォ

あなたの眼鏡は何色?

あなたが普段想っていること、感じていること。果たしてそれは、真実でしょうか?今日は、みんなで一緒に心の体操をしてみましょう。

食当メンバーののんちゃんが、ファミリーの中で「ちょっと苦手だな」と感じるのは、畑隊のたっちゃん。なぜかというと、「自分を確立していて跳ね返されそうな気がするから。」でも、たっちゃん曰く、「自分は、自分が確立していなくて悩んでいるのに、心の色眼鏡でそうも見えるなんて面白いね」と。そして、いさどんから見える景色は、「のんちゃんは、しっかりしていそうに見えるけれど、実は頼れて確立しているものを求める心がある。だから、確立していないものを見ると、不安になって遠ざけようとする心が働く。」同じくたっちゃんを苦手だと思うにしても、のんちゃんが思っていた理由とは正反対の理由が真実だったとは、目から鱗ののんちゃんでした。

収穫メンバーのあきちゃんは、ラブちゃんにマッサージをしてもらった時に、「木の花いち、体が凝っているね」と言われ、「これは自分の心の表われだから、しっかりと振り返らないといけない」とショックを受けていました。いつも一生懸命のあきちゃんではありますが、木の花いち心が滞っているとは到底思えないと感じた私は、いさどんにそれを話してみると。。。「それは、あきが手術を受けた後の話だよね。誰でも入院して体を動かさなかった後に、畑に出て体を使うと、体がばきばきになるよ。僕も入院した後、そうだったから」とあっさり。それを聞いてあきちゃんは、「よかったあ!実はあれからずっと、自分で振り返っていたんだ」と言いながら、顔にはいつもの笑顔が戻りました。

子育て担当のあっちゃんに、みこが、「みのりがたたいた」と言っています。あっちゃんは、「みのり、みんなと仲良くしないとダメでしょ!」と半分怒りモード。そこに居合わせた私は、幼児たちみんなに話しました。「みこ、この前いさどんに言われたよね。みのりがみこをたたいたということは、先にみこがみのりに何かしたからでしょ。みんなもそうだよ。大人に『~がたたいた』と言いに来るんじゃなくて、自分がそういうことをやらないこと。みんなで仲良く楽しくできるんだから、やって下さいね。」幼児たちは素直に「はい」と返事して、またみんなで遊び始めました。

人の数だけ、心の形があるとするならば、それはすべて真実です。ただ、自分やまわりを幸せにする真実と、そうではない真実がありそうです。あなたが見ている景色が、もしあなたを幸せにしていないとしたら、それはあなたの心を変える最高のチャンスです。

木の花ファミリーの生き方。みんなで助け合って支え合い、ともに心を磨いていく暮らし。ひとりではなかなか気づけない自分の色眼鏡も、みんなの中ではその色が自然と目立つものです。さあ、あなたは何色の眼鏡をかけているのでしょう。あなたは、幸せ色の眼鏡をかけていますか。

「虹色の世界が見たい」というあっちゃんの心は、今日も幼児たちに鍛えられています。
「虹色の世界が見たい」というあっちゃんの心は、今日も幼児たちに鍛えられています。

なんで勉強するの?~子供会議より

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毎日夕食後には、子供も大人もファミリー全員が参加する、子供会議が開かれます。

今夜の子供会議では、いさどんが子供たちに「なんで勉強するんですか?」と問いかけました。それに対して、子供たちが次々に手を挙げて発表していきます。

(小3)「将来大人になった時に、漢字を書けないと恥ずかしいし、頭がよくなりたいから。」

(中3)「今目の前にあることをやることが大切、だと誰かに聞いたことがあるし、勉強は自分の将来にも役に立つと思うから。」

(小5)「将来自分がやりたいことに、算数や漢字は役立つと思うし、将来子供たちに教えることもできるから。」

(中1)「僕が大人になって手紙を書くときに、国語力は大切だし、外国人と話す時に英語は役に立つから。」

(中3)「今は、将来役に立ちそうもないような数学の問題を解くこともあるけれど、『やっておけば、後でこんなに苦労しなくてすむのに』という話も聞くから。」

(中2)「日本人でも外国人でもそうだけど、コミュニケーションをとる時相手に伝わらないと困るし、習慣づけということで毎日やることも大切。勉強の成果は残るものだから、自分が頑張った証にもなる。」

(中2)「大人が農作業をするように、子供は勉強することが仕事だと聞いたから。」

ひととおり、子供たちが発表した後、それを受けていさどんが話します。

「勉強というのは、一生するもの。大人になって会社に入っても、会社のルールを学ぶこともあれば、世の中には常に新しいことがいっぱい起きていて、それを使いこなすことも大切。今、自分が知らないことを身につけていくこと。自分が大きくなる、広がること。いろんなことを知っていると、より多くの中から選ぶことができる。子供の頃に子供たちが学校へ行って勉強するのは、大人になっても勉強し続ける姿勢を身につけるためにあるもの。生きている限り、勉強し続けるものだからね。人間はいつも新しい明日に出会う。テストでただ100点を取るだけではなく、自分の成長のためであるという姿勢があれば、勉強の質が変わっていく。みんなが世の中をつくっていく時代がくるのだから。」

それを聞いて、子供たちがコメントを発表しました。

「勉強は常にやり続けるもの、ということにすごく納得がいって、今はその土台づくりをしているということだから、ただ目の前にあるからではなくて、そういう想いで勉強していきたい。」

「毎日の大人会議や子供会議でも勉強しているし、今日のいさどんの話も勉強だし、良い機会でした。」

「学校に行っている間や義務教育だけが勉強だと思っていたけれど、このことを良いきっかけに勉強に取り組んでいけばいいと思いました。」