野菜たちと土の会話

昨日から今日にかけて、財団法人自然農法国際開発研究センター(自然農法センター)研究員の石綿さんが泊まりがけで農法指導にきてくださいました。石綿さんは、去る7月にも指導に来てくださっています。

ご指導いただいた詳しい内容は追って「畑だより」 でもご報告しますが、今回、石綿さんはファミリーの全員に向けてプレゼンテーションをしてくださいました。土と野菜の関係について1時間ほど説明してくださったのですが、かなり専門的な内容にもかかわらず、あまりの興味深さに、みんな声をあげて感心する内容でした。

農業においては、一般的に土は「肥料の容れ物」のように見なされがちです。これは、化学肥料を使用する慣行農法に限らず、有機農業においてもそうです。けれども、野菜は、ただ土の中にある養分を吸い取るのではなく、根からさまざまな情報を発信しています。土はその情報を受け取って、その環境を変化させているのです。野菜がこんな風に土と情報のやりとり、つまり「会話」をしていることを、みなさんはご存じでしたか?

こうした現象が、たとえば自然に対する情緒的な思い入れや願望ではなく、実験結果を踏まえた明快な事実として説明される面白さは、「私たちだけで見ているのがもったいない!」と思わせるほどのものでした。

自然の摂理を明快に見据えた石綿さんの視点は、これからの日本の農業に欠かすことのできないものであると思います。ファミリーでは、農法指導などで 今後ともお世話になると同時に、石綿さんの研究を実地で活かしていく場所として、研究の成果を広めていく役割を担うことができれば、と考えています。

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土と野菜の精妙なメカニズムを楽しそうに説明する石綿さん

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みんな、真剣なまなざしで聴き入っています

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一見、淡々とした実験レポートですが、内容は深い!のです


富士山のめぐみスタディツアー

掲載が遅くなってしまいましたが、10月12日に東京学芸大学が主催した「富士山のめぐみスタディツアー」のご一行様がファミリーを訪問されました。

同ツアーはファミリーの生活体験ツアーのガイドをつとめ、近々ファミリーへの参加を表明している佐野淳也さんが企画されたもので、以下の趣旨で開催されました。

「富士山の西の麓、静岡県富士宮市を訪ね、自然や文化、歴史などの地域資源を活かした環境教育・地域づくり事例を学びます。田貫湖や火山洞窟でのエコツアー、 無農薬有機農業を実践する農園見学、浅間大社訪問やまちづくり講演会への参加など、盛りだくさんの内容です」

見学コースとして木の花ファミリーが組み込まれていたのですが、参加者からはファミリーがもっとも記憶に残った、という声が多く聞かれたそうです。

素敵な感想文をたくさんいただいたので、少し長いですが、以下に掲載します。

◎環境教育専攻1年 女性

まず、木の花ファミリーでは目からうろこの連続でした。鶏舎などの建物、家畜の食べ物、農業方法などからは数々の工夫やこだわりが見られ、古田さんのお話では、人間として豊かに生きていくためにとても大切な素敵な話を聞かせてもらえたと思います。特に、「生かされあって生きている」「ひとつの財布で生活」というお話からは、感謝の気持ちを忘れず、決して欲深くならず、謙虚に、調和して生きていくというような姿勢が見られ古き良き日本の生活や精神が残っているのを見ることが出来た気がして、とても嬉しくなりました。

木の花ファミリーの一員として、協力し合いながら共同生活をしている方々の顔は皆、とても生き生きしていて、これが本来の人としてあるべき姿だと感じ、これからの日本を考えていく上でも、大事な要素がたくさん詰まっていると思いました。

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◎環境教育専攻3年 男性

自分にとって一番印象的だったのは、「木の花ファミリー」の訪問でした。
木の花ファミリーの活動理念やその活動の状況に感動し、なにより古田さんの言葉のひとつひとつが心に響いています。「見通しを立てるが、予定は立てない」
「人も野菜も地球も宇宙のめぐみである」
「気のおおもとは空気」
「感謝の気持ちをわすれない」

一見順調に見える木の花ファミリーの活動ですが、こまでの十数年の間に、数え切れないほどの苦労を乗り越えてきたのだろうと思います。そのたびにファミリーのみんなで協力し、さらに力強くたくましくなって今に至るのだと思います。

古田さんのかかげる迷いのない活動理念の正しさが実証されたのでしょう。その笑顔を絶やさずに、これからも幸せなファミリーを築いていってほしいと思います。して僕もいつか、古田さんに負けないぐらい幸せなファミリーを築けるように、木の花ファミリーの活動理念を心の隅っこに置いて、毎日を充実させていこうと思いました。

さすがに自給自足は困難ですが、木の花ファミリーの活動力や生命力は、今の自分にとって、そして多摩川流域の環境教育にとって十分に参考にすべきものであると思います。

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◎環境教育専攻2年 女性

私が一番印象に残り、心に響いたのは、木の花ファミリーの古田さんの「健全なことを望めば健全なものが生まれる」というお話でした。生命力を生かして平和に育てれば素晴らしい食材が得られ、その食材からは健全な心身が生まれるように、良い種をまけば良い結果が得られるというのは、その種が形のないもの(希望や願いなど)でも同じことで、当たり前なのだと感じました。ただ、古田さんもおっしゃっていたけれど、健康にはあまり良くない富士宮やきそばも、街おこしや伝統を守るという側面では役に立っているし、すべてのもの善し悪しが極端に決められるわけじゃないのもわかります。でもやっぱり、悪い面もあると気付いたら、なるべく良い面を増やして行こうとするのが大切だと思いました。

これからは健康や環境にも配慮した食べ物が重視されてくると思うので、富士宮やきそばも、地産地消や栄養価、アレルギー表示などについても考えて行けた観光客にも喜んでいただけると思います。

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◎環境教育専攻4年

女性印象に残ったことは富士山の麓の洞窟探検です。明かりを消して真っ暗にしたきは意識だけ存在するというか宇宙空間に放り込まれたような不思議な感覚を験できました。

木の花農場の訪問も大変良かったです。日本の中で自給自足にできるだけ近い生活をしている人たちの存在を知り、しかもそれがとても楽しそうだったので日本でもできるんだと思いました。

また集団での生活、集団での子育てもとてもよいと思います。子供はみんなで育てるものだと思います。体にいいものをたべて、健康的な生活を送れば病気は治ると言っていましたが本当にその通りだと感じました。ここの農場は鶏舎やヤギや畑やおじさんの思想など、どれもが新鮮で本当に興味深かったので時間が短かったのが残念でした。たぶん同じようなことを考えている人は結構いるのではないかと思いますが、実際に実生活として実践しているところがすばらしいです。ここの鶏舎を見てから、スーパーで売っている安い卵を食べると、自分の体にもその卵を産んだ鶏にも地球にも罪悪感を感じます。

ツアー全体を振り返ると、ごはんもおいしいし空気もおいしくて楽しい2日間でした。事前に資料をいただけたのもとてもよかったです。どうもありがとうございました。

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エコ菜園講座&定植&ぼかし

ツꀀいよいよ、秋らしくなってきましたね。

昨日は、富士宮市と共同で開催しているエコ菜園講座がひらかれました。30名以上の参加者がありました。生ごみの堆肥化についての講義、現在の木の花の畑の様子、11月の作業内容、質疑応答などなど盛りだくさんの2時間でした。講座の生徒さんも真剣そのもの。講座終了後も残って熱心に質問をされる方がたくさんいました。意識の高さが伺えます。

昨日と今日は、定植&播種を行いました。ターツァイ、ブロッコリーの定植。そして、小松菜の播種などなど。

その通路になるところには、草生帯をもうけるので小麦とクローバーを播種しました。

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今日は富士山がきれいに見えました。昨日、富士山頂に初雪が降り、冬の富士山らしくなってきました。この畑では、落花生の収穫をしてます

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ターツァイの定植をしてます。木の花活性液の水につけ、90センチの畝に株間30、条間30の3条で定植。

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つちぼかしの様子。放線菌が全体に回って白っぽくなっています。現在52度。40度~50度の間で推移してます。


第2回エコ菜園講座

今日は午後から「自然を楽しむエコ菜園講座」の第2回が開催されました。前回に引き続き、今回も講義型式の講座で、ファミリーの現在の営農の様子、堆肥の作り方などを解説しました。みなさん大変熱心に聞いておられ、講座の終了後も講師にたくさんの人が講師をつとめたメンバーに質問をしていました。

来月は11月24日(土)に開催されます。

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