4月9日、ファミリーと同じ市内にある立正佼成会の富士宮教会で木の花楽団の チャリティ・コンサートが開催されました。開催の趣旨は、「東日本大震災のあと、震災の恐怖で閉ざされたような心を、音楽の力で和らげ、そして、被災地の方々と一緒に困難を乗り越えていこう」というものでした。それには、まず自分たちの心を癒し、今後の活力、希望を持てるようにということでした。富士宮の会員さんと教会長の荒さんが話し合って、私たちにコンサートの依頼をしてくださったのでした。
立正佼成会は、法華経に基づいてお釈迦様の教えを実践する在家信徒の教団です。コンサート前日の4月8日はお釈迦様のお誕生日ということで、コンサートも降誕をお祝いする形で開催されました。
コンサートの数日前、打ち合わせのために教会を訪れたときに、教会のあちこちに貼られた標語の数々を拝見して、日々の学びを忘れず、共に生きる仲間や家族を大切にしながら真理を求め続ける姿勢に心から共感しました。会の教えを学ばせていただくために荒さんからお借りした「法華経の新しい解釈」という本には、次のように書かれていました。
「法華経は人間尊重の教えであり、人間完成の教えであり、『人類平和』の教えです。(中略)今こそ私たちはこの教えの真髄にたちかえって、自分自身のため、人のため世のために、よりよい生活を築いていくときがきたのではとおもいます」と。
ファミリーはお釈迦様に深いご縁をいただいており、お釈迦様が説かれた宇宙の真理や叡智を日常生活を通してあらゆる角度から学び、実践し続けています。人々が調和して共に幸せになってゆく、そんな社会のモデルを形づくることを志して、コミュニティ(エコビレッジ)としての暮らしを築き上げ、日々実践しています。
さて、コンサート当日は小雨の降る中、木の花からは楽団メンバーとスタッフ、ちょうどファミリーに滞在していたヤマギシ会の方々の計19名で会場入りしました。今回、初めての試みとして、ファミリーの大人会議で行っている「光の瞑想」をコンサートに取り入れました。皆で手をつなぎ、心をひとつにして光で地球を包み込んでいく瞑想ですが、その光を東北の被災地にもおくろう、という趣旨でした。リハーサルが始まり、瞑想の伴奏が始まったとたんに背後からの神々しい光に包まれ、涙があふれてきました。「ああ、なんてありがたい場によんでいただいたんだろう、これは意味深いコンサートになるに違いない」と心から思いました。
また、選曲も普段のウェルカム・コンサートとは趣を変え、数ある楽曲の中でも特にメッセージ性の高いものを選びました。その中のひとつが京都の鞍馬寺の 「光に向かって」という祈りに曲をつけたもので、ファミリーの歌をいくつも足してひとつにしたような深い内容の歌です。また、最近のファミリーの意識が太陽系や宇宙に広がっていく中で生まれた「宇宙の子ども」という新曲も披露しました。この歌は歌っていて私自身も一番元気の出る歌で、今という時代をこの星で共に生きる魂たちへのエールだと思っています。
コンサートが始まって教会の仏像を背後にしてステージに立ち、信者の方々を前にしたとき、どの方もにこやかで、光って見えました。「久しぶりにお会いしましたね」という感覚が湧きあふれて、始まったばかりなのに涙がこぼれてきました。ありがたさに包まれながら一曲一曲を歌い、「光の瞑想」の時間になりました。キーボードの伴奏と私の声をバックに、みちよちゃんのナレーションが瞑想を誘導します。瞑想では皆で地球を光で包みこむイメージをするのですが、その前からすでにその場が光であふれていることを感じました。ふと客席を見ると、何人かの方が感動で涙しています。皆が心をひとつにすることでさらに光は強まり、私たちもその光に包まれているのでした。
コンサート終了後に、教会長の荒さんからも「私は、霊的なことに鈍感なのですが、光がおりてきて自分の体に入り、そして自分の体から光が発せられたように感じました。そして、その光が、今回の災害で亡くなられた方々の魂たちを包み込んでいるように感じた、というよりも見えました。思わず涙があふれました。自分たちの心もともに光に包まれたような感じでした」というご感想をいただきました。
宇宙から霊的な眼で観ると、ネガティブな想念の集合体がこの星を取り巻き、地上に生きる人の心にも作用して、多くの問題を引き起こしていると言います。これからの時代、天の意志を地に表現してゆくためには、違うプロセスを歩んできた者同志が、その違いを越えて心をひとつにしてゆくことが大切だと思います。愛と調和のメッセージに満ちた歌を、木の花という枠を超えていろいろな場所で歌うことも、ますます大きな役割になってきています。そんなことを実感させていただいた、今回のコンサートでした。
追記:
- このコンサートの様子は立正佼成会のホームページでも紹介されていました。
- 富士宮教会の皆様のお許しのもとで、録画を公開いたします。ぜひ、お楽しみください!