10月29日から4日間、GEN(Global Ecovillage Network)のフィリピン大使であり、GENOA(GEN Oceania and Asia)代表の「ペニー」ことペネロペ・レイズさんが家族とともにファミリーに滞在しました。ペニーにとっては一昨年に続いて2回目の訪問です。滞在最後の夜、ペニーとオラ ンダ人のパートナーであるジョンが大人会議でファミリーのみんなにあいさつしてくれました。
ジョン:
まず最初に、ここで私が体験しましたみなさんの温かいおもてなしに感謝したいと思います。みなさんは、私たちが快適に滞在できるよう心配りをしてくださり、それがとても自然な形でなされていました。みなさんのおかげで、ここが我が家であるかのように感じています。
今ここで、大人会議の様子を観ているだけでも、多くのことをみなさんから学ぶことができました。本や写真の中で見てきた古き良き伝統が、今まさにここにあるというふうに想い、それがここではとても美しく表現されています。
エコビレッジであるならば現代技術は必要でないという人、逆にそれを素晴らしい道具として取り入れようという考えの人がいます。私個人の考えとして は後者で、エコビレッジをより良いものにすることができると信じていますし、インターネットを通じて人々をつなげていくことができると思っています。
私たちは、大企業や人々にとって希望の光にもなりうるし、また脅威にもなりえます。私と、ここにいるみなさんも同じだと思いますが、希望の光となる ことを選択し、私自身に正直に、本当に信じるものを表現していきたいと思っています。ただ大多数に賛成し、他の人が自分に望むからという理由で生きていく のではなくて。
この素晴らしい人生の学びに感謝しています。
ペニー:
今私の目の前に、とても美しいイメージが現れています。へその緒でみんながつながっているようなイメージです。私たちは、具現化している子供であり、栄養を与えあうために、互いを必要としているのです。
まりん:
うーーん。
ペニー:
今のは赤ちゃんからの確認ですね(笑)私たちはカウンターカルチャーの流れを組む、新しい生き方を模索しているのであり、古い在り方ではもう通用し なくなってきているのです。時に、人々が自分たちのことを信じないと思うかもしれません。でも、それは大事なことではありません。
「あなたが行うことの成果は何ですか?」と質問されることがあるかもしれませんが、物事の美しさは、その成果の過程にこそあるのです。成果だけに焦 点を置いてしまうと、創造の素晴らしさを見落としてしまいます。私が今人生で学んでいることは、過程の一歩一歩を大切にすることです。
「あなたたちはエコビレッジで暮らしているのに、あなたの家はエコハウスではありませんね」と言う人がいるかもしれません。でも、それは物事の表面 にしかすぎず、体で言えば皮膚について言っているようなものです。大切なことは、そこにいる人たちの心です。お互いにとって良い人間であるために、どうす ればいいのか。それに気付けば、この世界でどんな役割を果たすべきなのかが見えてくるはずです。
だから今、ここでみなさんと共にいることをお祝いできることは、素晴らしいことです。心よりあふれるばかりの愛をみなさんに送りたいと思います。
ジョン:
もうひとつ付け加えたいことがあります。社会でいろいろなことを経験していく中で、自分が学んできたことは、私たちが何かを伝えたい時に、相手に対して戦うような姿勢になりがちだということです。
しかし、武術の合気道では、相手を自分の中に招き入れます。というのも、自分の手の中なら相手をコントロールし、善意の種を相手の中に播くことができるからです。そして、相手を自分の手のうちから解放し、その後相手がどうするかはその人に選択肢があります。
このようにすれば、より少ないエネルギーで伝えることができるのです。みなさんも、それを実践されていらっしゃいますね。みなさんのエネルギーをひとつに集約されているのですね。
ペニー:
へその緒でみんながつながっているということは、そういうことなのです。つまり、みんなでひとつの命を形成しているということ。神様が、私たちすべての中にいらっしゃるということです。
いさどん:
今回、ペニーと会うのは2度目ですね。前回来た時には、僕らは同じ故郷を持っていることを確認しました。
僕らがどの場所で生きていくかは、自分たちの心の状態によって、いくらでも変えることができます。狭い自分の生活エリアだけで、必死に生きていくこ ともできれば、国をどうするかという立場で生きることもできる。それから、地球をどうするかを想いながら生きていくこともできるし、将来私たち人類は、宇 宙をどうしていこうかということを考えなければいけない時代も来るだろう。
さきほどペニーが話した伝統的な生き方(ローカリゼーション)、それに対して伝統的な生き方を壊していくようなグローバリゼーションが世の中を支配している時代があります。そのどちらも良くも悪くもありません。
グローバリゼーションは、情報が共有できるという点では大変優れています。広い情報網で、みんなが分かち合いつながっていけば、優れた社会を創造する手段になります。そういう意味では、テクノロジーが進化することも、ネットワークが広がることも、大変良いことです。
逆に、伝統的な生き方の中には、自分たちの過去の在り方に捉われてしまって、閉鎖的になってしまうこともあります。けれど、そういったものが過去に自然の中で活かされ、伝統的な生き方を守っているという良い部分もあります。
そういったことを、新しい次の時代の仕組みとして、私たちがつながることにより、いろいろな国の価値観や地域の大切なものを情報交換する時代が来て います。それを小さくいえば、国単位のエコビレッジ運動として、それがGENやGENOAのような世界的なネットワークになってつながっていくこと。そう いったことが、大切な時代が来ています。
日本でも首相がそんなことを言いだしたように、今までは変わった人たちの価値観と見られていたことも、自然や地球の在り方、宇宙の姿を私たちが会得していく上で、非常に大切な生き方として、人々に認知される時代が来ています。
世界的にも新しい、あるべき事例として、フィリピンと日本の私たちがしっかりとつながって、兄弟ビレッジとして今後もありたいと思っています。
故郷が一緒だったということは、今日お昼にペニーがおへそを見せてくれて、イメージとしてはわかっていました。この世界が、お母さんの中の羊水ということですよね。私たちはその中にいる、いくつ子がわからないけれど、兄弟です。
こういった生き方、考え方は、特定の人たちのものではありません。宇宙の真理であり、神様の心です。これからも改めてよろしくということと、今回出会えてありがとうございました。
ペニー:
愛というのは、言葉を超えて伝わるものですね。
いさどん:
愛は、この世界のすべてのもとにあるものですから。
自分たちの血縁だけを民族と言っていたところから、人類という民族であったり、生命という民族であったり、そういうふうにどんどんスケールが大きくなってきています。そのうちに、太陽系会議や銀河系会議をしなければいけなくなるでしょうか(笑)
ペニー:
私たちは、すべての人類にとって大切な役割を今していますから。
いさどん:
そうですね。その報酬は、私たちの心の中に与えられるものです。
ペニー:
みなさんに神様からのご加護がありますように。来年、私たちのエコビレッジが完成しましたら、ぜひみなさん、フィリピンまで遊びにいらしてくださいね。