ただ受け入れ、仲良くなればよかった 〜 自然療法卒業生のエリちゃんからの手紙

2018年夏に木の花ファミリーの自然療法プログラム(通称ケア滞在)を受けて心の不調を改善し、卒業後もヘルパーとして滞在を続け、その後はファミリーに滞在しながら職業訓練校に通っていたエリちゃんが、この春、約9ヶ月間の滞在を終えて実家へ戻り、新たな生活をスタートさせることとなりました。
出発の前夜、エリちゃんはファミリーみんなに向けて、以下のような手紙を読んでくれました。


 

エリちゃんからの手紙

明日、木の花ファミリーから旅立つことになりました。皆さんへお手紙を書いたので、読みたいと思います。

約9ヶ月間、本当にありがとうございました。まだ数ヶ月しか滞在していない始めの頃に、もう一年以上居る感じがするって何人かの人に言って頂けたこと、嬉しかったです。
思い出や沢山の出来事がありすぎて、何から話せばいいのか考えた結果、ケア滞在中、日記を毎日提出する際に何を書いたらいいか分からなくなった時があり、何を書いたらいいか分からなくなったので日記を提出できませんと伝えると、その何を書いたらいいのか分からなくなったというのを日記に書いたらいいのですよと言って頂けたので、今日は思ったことをありのままに伝えたいと思います。
と同時に、こんなに大自然に囲まれた生活で何も日記に書くことがないなんて少し異常な気がすると今になっては思いますが、後に、以前は物ばかりの写メを撮っていて、実家では花が植えてあるのを知っていても見向きもせず、写メなんか撮らなかったが、木の花に来て段々とお花の写真や富士山の写真を撮るようになっていましたと伝えると、それはあなたの心が段々と正常に戻ってきているからですよ、と言って頂け、木の花に来て、正常な感覚が戻ってきました。ありがとうございます。

ヘルパー期間中のキッチンの朝礼で、明日は精神薬をやめてちょうど3年目になります、私は元々依存心が強くて今まで色んなものに依存してきましたと話しました。メールの返信が早く来ないと落ち着かず、30分以内に返信してと相手にせがんだり、精神薬をやめてからは更に精神的に病み過ぎて、月1で占いに通っていました。又、その占いを信じ切り、将来を悲観し、自分でも訳が分からなくなり色々なことが重なって、最終的に完全に行き詰まって木の花にやって来ました。

木の花に来る前の勝手なイメージは、村上春樹の「ノルウェイの森」に出てくる施設をイメージしており、ベッドに寝ている人が何人もいるのを想像していましたが、実際は皆寝る間も惜しんで動いていて、初めてキッチンの前の廊下を通った時はただならぬ空気感に衝撃を受けたのを覚えています。
また、初めて会う人会う人初対面なのに初対面な感じがせず、これは一般社会の職場では出せない空気感だなと思いました。
ケア滞在中にお誕生日を迎え、ハッピーバースデーの歌をひまわりのホールで歌って祝って貰った際、憂鬱になってしまい、人と話すのがしんどくなりましたと話すと、あなたはめんどくさい人ですね、ただ周りに人がいる、ただそれだけのことですよ、一緒に楽しめばいいじゃないですか、ましてやお誕生日の日にあんなに大勢の人があなたを見て歌ってくれるって最高じゃないですかと言われ、当時はしっくり来ませんでしたが、いつの間にかお誕生日の歌を聞いても憂鬱になることは無くなっていました。
今まで何をするにも単独行動を好み一人で行動していましたが、木の花での生活に慣れていく内に、これが普通なのかもしれないと思い始めました。
ただ、帰省する前に一つだけ心残りなのは、距離感の話です。木の花に来た当初、皆が優しく接してくれてあまりにも普通に話し掛けてくれるその行為が、私にはすごく辛かったのです。

木の花に来る前の私は、人を見るのが辛く、せっかく人と話す場面があっても人を見る事が出来ませんでした。木の花の話す人話す人、何でこの人は私の所に来てくれて話をしてくれるのだろう、何でこんなに普通に接してくれるのだろう、何でこんなに自然体なんだろう、居心地が良いはずなのに、次第に自分から距離を作ってしまいました。
これもお誕生日の歌のエピソードと同様、普通にそのまま受け入れ仲良くなれば良かったのです。
そしてこうやってありのままを話せば良かったのです。

職業訓練校が始まってから、私は完全に打ちのめされました。
木の花から少し離れると、木の花で言われたことや指摘されたことが分かり、私は基本的なことが出来ていないことに気付きました。このままでは上手く行くはずがない、まずは人の目を見て話さなければならない。最初は上手く人と話せませんでしたが、次第に訓練校の人と話せるようになっていました。これは木の花に来ていなければ出来なかったことです。ありがとうございます。

私は学校に行く度に、授業のスピードが速いとかいうよりも、過去いかに自分が色んなことを怠っていたかを見つめ直す時期にも入り、wordの資格試験を申し込んだにも関わらず、プレッシャーに加え、あとはただ勉強すればいいだけなのに切り替えることが出来ず、精神的に落ちていました。切り替えればいいだけなのに切り替えることが出来ないなんて最悪だとまた悪循環に陥り、耳鼻科や皮膚科を受診したりと寝込んでしまいました。
そうすると、何人もの人が私を言葉で助けてくれました。
「全部気持ちだからね」「今回皮膚科を受診して病名は原因不明ってネットには書いてあるけど、私は気持ちから来ていると思うよ」と言われ、私もそう思うと話し、過去の自分がいかに色んなことを怠っていたかや、訓練校での競争社会を経験して自分が嫌いになりましたと話しました。

訓練期間中、久しぶりに土日にひまわりのホールに行くと、とてもホッとし、やっぱり良いなあと思いました。
学校で辛かったことがあっても、コスモスでご飯を食べている時、辛かった話はしなくても周りに人がいるだけですごく助けられました。
また。自分で考えても答えが出せない内容は、相談して助けて貰いました。ありがとうございます。

Excel資格試験の2日前、私は勉強する気が全く起こらなくなり、Wordの点数よりも良い点数を取らなければならない、またWordの点数と同等の点数は取らないと自分が納得できないというプレッシャーから逃げたくなり、餅つき大会には参加せず、自転車で片道約3時間かけて新富士駅の下へ向かい海を見に行きました。
これも後に、1人で過ごすより皆と何かしらの作業をすれば良かったと思いました。
本来「〜ねばならない」という思考は必要ないのですが、この資格試験、自分の実力がハッキリと分かってしまい、ねばならないの思考を用いないといけないのには、とても追い込まれましたが、結果、自分で納得のいく点数が取れ、これからはパワーポイントの資格試験に向けて勉強し、漢字検定にも興味が湧いてきています。
木の花での生活は本当に沢山の事がありすぎて、何をピックアップしたらいいのか・・・

自分のケア卒業コンサートで歌を歌う際、皆で手を繋ぎ丸くなった光景、自分の為に時間を使って貰えるなんて本当に幸せな時間でした。
また、たまにギャグを言いながら楽しそうに働いている木の花の人達を見ると、この楽しそうに働いている感じは一般社会では見れない光景だなと思いました。
また、よこちゃん(今年1月に亡くなったメンバーのみかちゃんのお姉さん)のお通夜で木の花祭りの舞を見た時に、踊っている人達を美しいと思ったと同時に、これ以上のものはないなと思いました。
そして「いただきます物語」や(よこちゃんの旅立ちを見送る)セレモニーの映像を見て、学校のくだらない人間関係に悩んだり学校の授業を受けるよりも、こういうことを学んだ方が遥かに自分の為になるんじゃないかと思い、ゆくゆく先はこういう生活もありなんじゃないかなと思いました。

こうやって文章を書いていると木の花から離れるなんて考えられませんが、また来てもいいですか?

木の花ファミリーは私にとって大切な場所です。
約9ヶ月間ありがとうございました。

 

 

写真撮影:エリちゃん

 

 


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