Hちゃんの奇跡の物語 ~卒業編「人生で一番大切にしてきたものよりも」〜

3月末からケア滞在している39歳のHちゃんのケア卒業コンサートが、昨日行われました。実質6週間のケア滞在を経て、10代の頃から苦しんできた病的な状態を超スピードで抜け出していったHちゃん。今回はHちゃんのケア卒業スピーチをご紹介します。
   
「ケア卒業スピーチ」

木の花に来る前の12年間わたしは一日の大半をベッドの上で過ごしていました。近所のスーパーにも行けない日もありました。いちばん具合の悪い時期は、スーパーに行けるようになるのが早いか、トイレットペーパーがなくなるのが早いか、ひやひやした時期もありました。そんな時はパソコンを開いて配達を頼む元気もなかったのです。

意識ももうろうとして、体調が不安定なわたしは健康な友達と外で会う約束をしなくなりました。
そして人と会話する時間は減っていき、部屋で一人過ごしていると頭が狂いそうにもなりました。おしゃれなカフェに行ってお茶すれば気分は晴れるけど、それもできない時が多かったのです。私には夢があり「絶対に治ってやる」と思っていましたが、あまりの辛さに突発的に自殺してしまいそうで「いのちの電話」に電話したこともありました。

そんな12年間を過ごして去年あることにやっと気づきました。どうやら団らんの中にいると体調がいいということでした。親戚の家にいる時、元夫とうまくいっていた時は体力があがりました。
それならば親戚の近所に引っ越せばいいのですが、それもかないませんでした。父から逃げている私をおじは理解してくれなかったので。
ならば、婚活をしてデブ専いや、ぽっちゃり好きの殿方を見つけようと思ったのですが、何せ外出を思うようにできないのだからそれも無理でした。

こんなにっちもさっちもいかない状況の中、木の花を見つけた時は「もう早くいってよお~」と思いました。実際来てからは、実はあやしい図にむかってオーと言っている(注:カタカムナのうたいの奏上のことです)みなさんを見てどぎまぎしたり、Welcome to Konohana familyを聴いて号泣したり、こゆ~い一か月半を過ごしました。そして私の人生は根こそぎ救われました。

ケア滞在の肝はもちろんいさどんとの面談ですが、全く衝撃でした。その人生初めての治療方法に目からうろこの連続でした。
2回目からは厳しく自分の曲がった点を指摘されることに快感を覚え、最近では「クセになりそう」と感じはじめていました。そうしたらもう卒業です。もうちょっと愛のムチでうたれたかった。いや、これからもよろしくお願いします。

いさどんから自分の考えをふくらますクセと先取り不安が症状をつくっていること、そこから脱出できることを教えてもらいました。でもこの環境がなければその習慣化した思考を治すことは難しかったでしょう。なぜなら、具合の悪い人間が一人で生活していれば、自分の体力の限界を常に予想し、「ここまでやったら具合悪くなっちゃうかな。疲れる手前で帰って来られるにはどういうふうにすればいいかな」と日々刻々計画しなければいけないからです。
倒れてもいい、疲れて動けなくなってもいい、みんなが支えてくれるから、という環境があってこそ、先取り不安の思考を転換できたのだと思います。疲れに対する恐怖から脱出するには、みなさんの理解と支えなしでは不可能でした。
以前は団らんの中にいて自分を治そうと思っていました。でもそれは、いつまでも他人に依存するということです。だって団らんから離れたとたんに元の具合の悪さに戻るのですから。
でも今は、いさどんの指導と自己観察とみなさんの支えで疲れの恐怖自体から自由になったので、もうひとりでどこに行ってもあの症状は出ないという確かな感覚があります。

それからこの前じゅんじマンが言ってくださった私の夢について少し話させてください。
私の夢は電力の民主化です。それは日本が自然エネルギー100%になり、それぞれの発電所がスマートグリッドで結ばれて、それぞれの家庭が電力会社を選べるようになることです。
スマートグリッドというのは、賢い送電網という意味です。例えば太陽光を得意としているところが今日は雨であまり発電できなくて電力が足りなくなった、逆に風力発電を得意としているところにいい風が吹いて電力あまっちゃったとします。それをコンピュータが計算して自動的に電力を足りないところに送ってくれるのです。各地方で各家庭で発電したものがインターネットのように結ばれ電力を調整していくのがスマートグリッドです。
また、東京電力や関西電力など大手の電力会社から電気を買うのではなく、地元の自然エネルギーの電力会社から買えようになり、地元にお金がおちるようになったらいいなと思います。
このようになったら、環境や発電所の作業員や周辺の人たちに負担がかからないし、私たちが払った電気代が大手メディアの接待に使われ、テレビ報道に大手電力会社の意向が反映されることもなくなるでしょう。
自分たちで使う電気を自分たちでつくるのです。そうすると、お金が特定のところに集中しなくなります。これは電力の民主化だと思います。

このことの実現のためにすでに活動している組織があります。そこに参加することが私の夢です。でも以前の体力ではその会議にでさえ参加できませんでした。とてもはがゆかったです。
そして神社に行ける時はこうお祈りしました。
「日本の美しい自然を守るための活動に参加したい。日本がもっと民主的な社会になるための活動に参加したい。私を治したこと絶対に後悔させないから、神様どうか私の病気を治してください」と。
そうして今私は木の花にいます。いずれその活動に参加できることを確信してここにいます。そして、人生でいちばん大切にしてきた「民主主義」という考え方よりも、さらに高いこの生き方に出会ってここに立っています。

私にはもうひとつの夢ができました。それはわたしのような病院に行っても治らない症状で苦しんでいる人たちに一人でも多くこの場所を知ってもらうこと、それからこの力を合わせて生きる道を知ってもらうこと。
この二つの夢を叶えるためには成熟したヲトナ(自分の幸福を追求するよりも、次世代に持続可能な社会を残すことを優先して生きる大人)の精神が必要であることを学びました。

なので皆様これからもご指導ご鞭撻、ビシバシよろしくお願いいたします。
そして最後にこの場所をゼロからつくってくださったいさどんと創立メンバーの方々に心からの敬意と感謝を申し上げたいです。そしてメンバーの皆様にもこのすばらしい環境のひとつひとつに感謝申しあげます。みなさま本当にありがとうございます。
  


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