木の花ファミリー通信2021年夏至号「狂った現代経済〜お金がないと生きていけない」

現代を生きる人々が最も関心のあるもの ──── お金。
しかし、その最も関心を持ち、最も頼っているお金が、どれほど社会を狂わせているかを認識している人々が、どれだけいるでしょう。

現代を生きる人々は、「お金がないと生きていけない」という強烈なマインドコントロールにかかっています。文明の発祥以来、より良い暮らしを追い求めてきた人類は、何十億年という時をかけて育まれた豊かな地球生態系の大循環の中に、地球史上に類を見ない、「人工」という特殊な世界を展開するようになりました。その原点にあるのが、経済です。

人々が、より豊かで、より便利な暮らしを求め、経済活動という人間だけに特有の営みを発展させてきた結果、今やその人工の世界は生態系の循環から大きく外れ、生態系そのものを崩壊寸前に追いやるところまで来ています。ところが、生きることが純粋な生命活動ではなく、お金を稼ぐことが最優先になってしまった現代の人々は、お金を得るために更に経済を発展させることに没頭し、自らの営みが他の生命を傷付け、多種多様な生命を絶滅に追いやり深刻な被害をもたらしているという事実に、驚くほど鈍感です。

そのような破壊活動の上に築かれてきた人間社会は、今、大混乱の前夜を迎えています。それは、視点を変えてみれば、予定通りのことであるとも言えます。

私たちは、広大無辺な宇宙の中の奇跡と言える命あふれる星、地球の大生命生態系を母体とし、誕生しました。その中で、元々生態系に存在しなかったものを生み出し、そのなかったものを拡大して自らの母体である絶対的な存在を傷付ければ、いずれそこに問題が発生します。そして、その問題の発生源を淘汰する動きが起きるのは、当然のことなのです。

いよいよ世界中で大混乱の兆候が現れ始め、人々は「大変なことが起こる」と不安に駆られています。しかし、それは来るべき時が来たということであり、大局的に捉えれば、すべてがシナリオ通りに進んでいるとも言えるのです。そうだとしたら ────

 

そのシナリオを書いているのは

誰ですか?

 

 

 

私たちが生きているのは、地球があるからです。

地球があるのは、宇宙があるからです。

この当たり前の事実から、現代を生きる人々の日常は、遠く離れています。
 

私たちはなぜ、生きている?

私たちが生きるために、決して欠かすことのできないものを挙げてみましょう。土、水、光、風、空気 ──── その中に、ひとつとして人間が自らの力で創り出せるものがあるでしょうか。

私たちは、地水火風空という自然の五大要素が循環する地球の生態系の中で育まれたものを食べ、自らもその循環の一部となり、多種多様な生命と無限に連鎖しながら、命をつないでいます。その生態系の循環は、まるで約束されているかのように毎日朝が来て、夜が来て、春、夏、秋、冬と季節が巡り、決して留まることのない、地球のサイクルによってもたらされます。その地球のサイクルは、太陽を中心に、九つの惑星を始めとする数千個の星々が絶妙なバランスを保ちながら巡り続ける、太陽系のサイクルに基づいています。その太陽系のサイクルは、「セントラルサン」を中心に、太陽系を含む数千兆個もの星々が直径10万光年という巨大なスケールで巡り続ける、銀河系のサイクルに基づいています。その銀河系のサイクルは、更に大いなる何ものかを中心として無数の銀河が巡り続ける、大宇宙のサイクルに基づいています。

このように、私たちの生きる宇宙には数多のサイクルが幾重にも存在し、そのすべてが、大本の大宇宙の法に沿い、見事な秩序の下にあまねく連鎖し循環する、大調和の世界を築いています。この絶対の秩序の下に銀河があり、太陽系があり、地球があるからこそ、そこに豊かな生態系が生まれ、私たちもまた、命を与えられているのです。その多様なサイクルの連鎖に狂いが生じれば、絶妙なバランスによって保たれている繊細な生命秩序が崩れ、私たちはたちどころに存在できなくなるでしょう。今この瞬間も、人間の意志や思考など一切与り知らぬ壮大な力によって宇宙は維持されており、その秩序無くして、私たちはただひとつの命も存在させることはできないのです。

生態系を破壊する「お金がないと生きられない」

さて、視点を私たちの身近なところへ向けてみましょう。現代の多くの人々が「生きるために欠かせない」と思っているのは、お金です。

お金とは、中央銀行が発行する紙切れ、或いはコンピューター上の数字です。それは私たちの空腹を満たすことも、風雨から身を守ることもない、生命の維持とは本来何の関りもないものです。自然界の生命は、生きるための活動がすべて、自らの命を維持することに直結しています。そしてその活動は、自らの存在が他の生命を生かすことへとつながる生態系の大循環の中にあります。かつて人間も、大いなる宇宙の法のままに、その循環の中を生きていました。しかし、文明の発祥と共に社会を発展させてきた人類は、次第にその大いなる循環の中で生かされていることを忘れ、人間の都合ばかりを優先した人工の世界を拡大するようになりました。そしていつしか、生きることの最優先事項が、お金を稼ぐことへとすり替わっていったのです。

18世紀半ばの産業革命以降、その傾向は特に顕著となります。人々は、生きる糧を得るために大地を耕すよりも、工場で大量の工業製品を生産するようになり、更には、工業製品を作るよりも、コンピューター上の数字を操作して莫大な利益を得るようになりました。その結果、実際に物を生産するのではなく、お金そのものを商品として更にお金を増やしていくゲームのようなマネー経済が異常に膨らみ、実体経済からかけ離れてお金が独り歩きをするようになったのです。

地球が誕生してから現在までの46億年の歴史を1年に例えると、およそ250年前の産業革命は、12月31日の午後11時59分58秒、つまり、現在からたったの2秒前に起きたことになります。その僅か2秒の間に広まった経済最優先の価値観は、永い地球の歴史から見ればほんの一瞬のものでありながら、現代を生きる人々は、まるでそれが永遠に続く絶対の価値観であるかのように、そこから離れて物事を捉えることができなくなっています。経済が停滞して景気が落ちれば、その解決策として更に経済を成長させることを考え、医療や福祉、環境問題までもが新しいビジネスのネタとなり、平和の祭典と謳うオリンピックさえ、スポーツよりも経済効果が目的となり、利権まみれの状態です。

今、パンデミックによってこれまで通りの経済活動ができなくなったことで、多くの人々が自らの先行きに不安を感じています。それは、現代人が生きるための本当の手段を失っているからです。土から離れ、お金を求めて人工の世界を拡大してきた私たちは、自然の摂理から逸脱し、本来の生命活動とはかけ離れた暮らしを営むようになりました。その脆弱さを、新型コロナウィルスが突いたのです。

お金に縛られない大地との絆のもとに生きていく手段があり、衣食住が足りていると、世の中を冷静に観ることができます。しかし、生態系の循環から外れ、自らが生きるすべを持たない人々は、社会に少しの変動が起きただけでも動揺し、不安に駆られて更にお金をかき集めようとすることで、ますます生命としての本来の在り方から離れていくのです。その結果、「2030年問題」として前号でお伝えしたように、地球は今、危機的な状況を迎えています。

痛みの奥にあるやさしい投げかけ

私たちはこれまでも、そういった視点から繰り返し発信をしてきました。しかし、その意味を心から受け止め、自らを変化させようとする人々は、ごく少数です。それは、人間は痛みをもらうことでしか気付けない生き物だということなのかもしれません。

痛みとは、生物が生きていく上で最も重要なセンサーです。もしも体に不具合が生じた時に痛みがなければ、そのまま気付かずに突き進み、最終的には体を壊してしまうでしょう。痛みがあるからこそ、私たちはその原因を振り返り、修正し、健全に立ち還ることができるのであり、それは物理的にも霊的にも、生命を存続させる大切な働きなのです。ところが、文明の発展と共にテクノロジーを進化させてきた人類は、痛みから学習してその根源を正すよりも、テクノロジーによって痛みを表面的に解消して先へ進むようになり、問題を更に深刻化させてしまっていることに鈍感になっています。

パンデミックや異常気象など、人間がこれまで通りに暮らせなくなるような現象が世界中で起こり、人々はそれを「異常事態」と捉えています。しかし、それは異常なことが起きているのではなく、生命循環の秩序を乱す異常な人間の活動を排除し、生態系を健全に戻す、ごく正常な働きと言えるです。すべてが大いなる宇宙の法の下にある大調和の中にあって、不調和なものは排除されるのがこの世界の仕組みです。人間の営みは、その大調和の中に不要なものを作り過ぎてきました。不要どころか、あってはならないものまで作り、それによって経済を膨らませ、その状態に執着するようになりました。そうして社会全体が狂いながら、狂っていることすらわからなくなっているのです。

政治家も学者も起業家も、現在の社会で優秀とされる人々は、その優れたと評される能力を使い、今起きている問題に対処するための更に高度な技術や仕組みを考案し、人々もまた、それが問題を解決すると信じています。しかし、そのような人間の思考によって築かれてきたのが現代社会であり、その延長線上に世界が健全になることはないという事実に、私たちはもう、気付かなければならないのです。

今、そのような人間の営みの結果年々増大してきた「異常事態」による、地球規模の破壊が始まっています。目先の利益を追い求め、問題の根本的解決を先送りして矛盾を積み重ねてきた分、破壊に伴う痛みは大きなものとなるでしょう。そしてその流れに抗えば抗うほど、痛みは更に大きくなります。しかし、それを痛みと感じるのは、人々が産業革命以降のたった2秒間に築いた現在の暮らしを絶対のものとし、それを維持し続けることに囚われているからです。

痛みは生きていく上で最も重要なものでありながら、同時に、最も不要なものでもあります。痛みはなぜ起きるかというと、それを不要にするために起きています。なぜその痛みを受けることになったのかを振り返り、理解することで、それを受ける必要がなくなるための智恵が湧いてくるのです。痛みの通り道は神経、即ち「神の経路」と書きます。人知を超える大いなる存在が、痛みを通して私たちに何かを示しているとしたら、今世界にもたらされ始めた大きな痛みの背後にも、メッセージが観えてくるはずです。

私たちの中に、大いなる意思がある

もう一度、視野を宇宙へと広げてみましょう。

宇宙は、人知を遥かに凌駕する大いなる力によって運営され、悠久の時の中で時代を紡いできました。宇宙創世から銀河の誕生、太陽系と地球の誕生、そして地球に原始生命が生まれ、永い進化の旅の果てに誕生した人類が数多の文明史を刻んで現在へと至る、連綿たる時代の変遷を辿っていくと、そこにひとつの方向性が観えてきます。方向性があるということは、そこに意志(意思)があるということです。宇宙は、大いなる何ものかの意思(意志)によって運営されており、その宇宙の創造物であるということは、私たち一人ひとりの中にもまた、その見えない意思が反映され、宇宙と呼応しているのです。

この壮大なる進化の旅の中で、地球には数千万種とも言われる多種多様な生命が誕生しました。その一つひとつは、言わば地味な存在です。例えばメダカは田んぼの水の中に、ミミズは土の中にいるように、暑い所にいるもの、寒い所にいるもの、地上を歩くもの、空を飛ぶものなど、種としては多彩でありながら、一つひとつの個体は自らに適した特定の環境のみに生息し、生きるためにひたすら同じ活動をくり返しており、生命としての振れ幅はとても小さなものです。ところが、その無数の地味な存在が、それぞれの位置で独自の役割を果たしながら、互いに連鎖し、循環すると、とてもダイナミックな生態系の大循環を創るのです。そしてその一つひとつすべてが、宇宙を運営する大いなる意思と連動しています。

それに対し、現代の人間の生き方は非常に派手です。芸能人やスポーツ選手のように、特殊な能力を持つ人々が華々しく活躍して多額のお金を稼ぎ、多くの人々がそういった存在に憧れ、様々な分野ごとの頂点を目指して競い合っています。しかし、そのような特殊な存在は、生命としての人間の姿からはかけ離れた状態であるとも言えます。皆がオリンピックの金メダリストのように特殊な存在になっては、生態系は成り立たないということです。

生命の本質は、多様性です。とりわけ人間は、ひとつの種でありながら、一人ひとりがまったく違った独自の個性を持っています。その誰もが、それぞれの位置で、自らの個性にふさわしいオリジナルな役割を果たしながら全体に貢献し、他のすべての生命に歓迎される生き方をする。人間は本来、そういった尊さを持ち合わせているものであり、そこを目指すべきなのです。他の生命が宇宙の法のままに生態系の循環の中を生きるのに対し、自らの欲望を追求してその循環から外れ、生態系を破壊してきた人間は、言い換えれば、それだけの高い能力と、自らの意志によって全体を俯瞰できる力を持っているということです。だからこそ、人間には数多の生命の代表として、地球生態系の指揮者となる役割が託されています。それは、多様な存在のどれもが充実し、誇り高く在れるようなタクトの振り方をするということです。そしてその結果、地球が健全になっていくということです。金メダリストがどれだけタクトを振っても、地球は健全にはならないでしょう。

健全な地球上で表現されるのは、大循環を回すための大共有経済です。そして、そこに配置される一人ひとりの人間の意識は高く、それ故に地味です。なぜなら、自分だけを特別視することがないからです。人間は、もっと地味に生きる必要があります。それは、自らの欲望や思惑を表現するのではなく、宇宙の法のままに役割を果たし、大生命循環の一員として生きることです。既存の価値観や経験に縛られた思考を手放し、大いなる宇宙の流れに身を任せた時、人知を遥かに超えて大宇宙を運営する何ものかの意思が私たち自身の中から湧き出します。その時、私たちはその大いなる意思の表現者として、変化・変容・変態を繰り返し果てしなく進化し続ける、ダイナミックな宇宙物語を生きるものとなるのです。それこそが、人が目指すべき自由を謳歌(サトリ)する姿です。

宇宙が人間に託したものとは

宇宙は果てしなく広大で、時の流れは永遠であるかのようです。その宇宙の成り立ちを、より身近に、ダイナミックに表現する場として、宇宙は永い時をかけ、地球という命あふれる奇跡の星を誕生させました。そして多様な存在が連鎖し循環する宇宙の大調和のひな型として、地球に大生命生態系を創造し、その生命進化の最後に登場した人間に、自我という、絶対的な秩序の下にある自由を与えました。それは、その自由意志によって、人間が地球上で何を表現するのかを託したのです。

これは、言わば宇宙劇場地球物語です。宇宙は地球上に様々な現象を起こし、時代を刻み、その中で人間はそれぞれの時代にふさわしい役割を果たしてきました。そして今、時代が大きく転換する時を迎え、人間がこれから地球上で何を表現するのかに、全宇宙が注目しています。

そこには、シナリオがあります。そしてそのシナリオは、宇宙創世から変わることなくひとつの方向に向かってきた、大いなる意思の下に進んでいます。その意思は果たして、私たち人間が何を表現することを求めているのか。それは、自我の囚われを手放し、自らの奥深くに眠る大いなる意思を目覚めさせた時、きっと観えてくるでしょう。

人間には、それが可能なのです。

 

 

木の花ファミリーでは、メンバー一人ひとりが個性を活かし、「医」「農」「食」など様々な分野で役割を果たしながら、全体が連携して循環する、調和の暮らしを築いています。多彩な活動を通して得られた収入は「お財布ひとつの経済」として皆で共有し、全体のために使われます。

6500年の人類の歩みをひっくりかえす

私たちは、空気を共有しています。水を共有しています。太陽を共有しています。すべてが共有の下にあるこの世界の成り立ちが、木の花ファミリーの暮らしの原点です。

この共有の世界の中で、私たちの健康はつながることによって保たれています。すべてがつながり、循環しているからこそ、私たちのもとに食べ物がもたらされ、排せつされたものがまた次の生命の元となり、多様な存在がそれぞれの位置で役割を果たしながらバトンをつないで、全体の健康が保たれていくのです。そこに、ゴミが発生することはありません。
この無駄のない美しい循環の仕組みが、本来の経済の姿です。お金は、その循環をよりスムーズで便利にするために生まれた、言わば社会の血液です。私たちの体を巡る血液は、必要なものを隅々にまで運んで全身をつなぎ、健康を保ちます。現代の社会は、お金に人間の欲を乗せて運ぶようになったために、隅々まで行きわたるはずの循環に至る所で滞りが生じ、社会全体が病むこととなりました。

木の花ファミリーでは、すべてを共有し、分かち合います。そこで循環するのは、自分たちの欲ではなく、天の恵みです。天の恵みとは、雨が天から降ることも、食べ物が大地から採れることもそうですが、その大本は大宇宙の法であり、法の下にあるこの世界のサイクルです。私たちが存在する上で、絶対に欠かすことのできないもの。欠かすことができないものとは、決して欠けることのないもの。それが天の恵みです。
みんなでつながり、その大いなる天の恵みが地上に表現されると、物事は不思議なほどスムーズに進み、少しのエネルギーでとても豊かになる大循環の世界が実現します。すると、欲や不安から必要以上にかき集めることもなくなり、必要なものが必要な分だけ、必要な時に巡って来る好循環が生まれます。

そんな木の花ファミリーの暮らしの中心にあるのは、創立からずっと変わることなく続いてきた「菩薩の里」の精神です。菩薩とは、他者や世の中の喜びを自らの喜びとする存在を言います。人間は、自らの願いを叶えるためではなく、大いなる宇宙の意思を地上に表現するために生まれました。その目的は、多種多様な存在が無限に連鎖し、絶対的な調和のもとに美しく循環していく、宇宙の根本原理である愛を表現することです。

文明の発祥以来、自我の願望を叶えることに喜びを感じてきた人類が、自我を手放し、すべての存在と共に喜びあえる大調和の世界を築くため、自らの精神性を高めていくことに喜びを感じる時代が、これから始まります。それは、文明発祥から6500年間の歩みを根底から覆す生き方です。その先に、どんな世界が待っているのか ────────

それは、あなたの意思と決断に託されていることであり、未来に行って、あなた自身が確認することなのです。

 

 

 


【木の花のたより 】ハチミツはすごい〜養蜂場へ行ってみよう!

 新蜜がとれました!

皆さん、こんにちは!
ちょっとご無沙汰をしてしまいましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。120品目300品種以上の作物を育てる木の花ファミリーでは、この短い期間にも様々な作物がぐんぐん成長し、その一つひとつを皆さんにご紹介したいっっ・・・と思うものの地球は留まることなく巡り巡ってあれよと言う間に時は過ぎてまいります。

そんな中、養蜂隊は今年初のハチミツを採蜜しました〜!( ≧▽≦ )ノ
様々な効能を持つことがテレビ番組で紹介されて以来、にわかに注目が高まっているハチミツですが、効能もさることながら、実はミツバチの世界はと〜っても奥が深いのです。今日はそんな養蜂の現場を、新型コロナウィルスで学校がお休みになった子どもたちと一緒にご紹介します!

身を乗り出し過ぎて養蜂隊長のジイジに「ハチが見えん!」と言われながらも興味津々の子どもたち

        

木の花の養蜂は、4月から9月頃にかけてがハイシーズンです。冬の間に巣の中で寒さをしのいでいたミツバチたちは、暖かくなって花が咲き始めると外へ飛び出し、蜜を集め始めます。養蜂家は花の咲くタイミングに合わせ、お天気と相談しながら、蜜源となる場所へミツバチを連れていくのです。

花の咲く時期に合わせ様々な場所へ移動し、いろんな種類の花の蜜を集めます

今年初の採蜜となる今回は、まずホームである富士宮の養蜂場近辺の花々から集められた蜜を採蜜します。学校が休校中のファミリーの子どもたちは、半日は勉強や掃除、半日は農作業やお料理などをして過ごしていますが、中でもジイジと一緒の作業は大人気。「今日はボク!」「明日は私!」と毎日交代で小さな養蜂隊員たちが養蜂場へやって来ます。

朝一番で迎えに行くと、準備万端で待っていた本日の養蜂隊員たちが養蜂カーへ乗り込み、みんなに見送られて出発!

養蜂場に到着し、採蜜開始。ジイジが巣箱を一つひとつ開けて確認し、蜜の溜まった巣板を子どもたちへ手渡していきます。

雨が降っても巣の点検や採蜜ができる屋根付きの養蜂場
巣箱の中には、ハチさんが巣を作る板がこんなふうに並んでいます
板を取り出し、ブラシでやさしくハチさんを払います

子どもたちは受け取った巣板を、ハチミツをとるための遠心分離器へ運んでいきます。ジイジは採蜜用の巣板を抜き出しながら、同時にハチさんの状態もチェック。ひとつのミツバチの群の中に女王蜂は1匹ですが、群が大きく育ってくると、働き蜂たちは巣の中に「王台」という新しい女王を育てる特別な部屋を作ります。そして新女王が誕生すると、分蜂と言って働き蜂の約半分が古い女王と一緒に新天地を目指して外へ飛び出し、巣別れしてしまうのです。
そこでジイジは分蜂が起きないよう、王台を見つけると巣から取り除きます。

ナイフで新女王の幼虫の入った王台を切り離します

そして、来年に向けて育てている、まだ女王のいない新しい群へ移植。

移植された王台

ジイジは今年を「養蜂元年」とし、例年は夏のピークを過ぎてから育て始める来年用の群を春先から育て始め、既に30群にまで増えました。「本来自然の状態では、ミツバチはこんなに大繁殖しないんだよ」とジイジ。

現在、世界中でミツバチの数の激減が問題となっています。その原因は農薬や電磁波など諸説ありますが、ミツバチはそれだけデリケートな昆虫であり、いわば自然のバロメーターのような存在です。そのミツバチと共にあることの重要さを感じたジイジは、木の花ファミリーを創立して間もなくミツバチを飼い始めました。
「当初はそんなにたくさんのハチミツを得ようとも思ってなかった」とジイジは言います。ただ人間が自然と共に生きていく中で、自然の仕組みを学び、そこに沿いながら、生きるためにその作用を活用していく。そんなふうに捉えていました。

「ミツバチはね、農夫なんだよ。」

花から花へと飛び回り、花粉を運ぶミツバチ

「我々は畑を耕して、作物を育てるでしょう。そこでは、自然の昆虫が作物の受粉を担ってくれる。その代表がミツバチ。ミツバチはハチミツやミツロウなどいろいろな恵みをもたらしてくれるけれど、実はそれ以外にも、作物の命をつなぐ重要な役割を果たしている、いわば隠れた農夫なんだよ。」

私たちが日ごろ口にする食べ物の多くが、ミツバチの働きによってもたらされています。農作物だけではなく、自然界の植物の多くがミツバチによって受粉を助けられており、ミツバチが姿を消すということは、その植物を食べる動物たちにも影響を与え、生態系が大きく狂うことにもなるのです。

ジイジはハチさんたちのお世話をしながら、「これは仕事ではなく、僕の楽しみ」と言います。

常にハチさんのようすを観察し、対話しながら、ハチさんがご機嫌で生きられる環境を整えていく。そうやって25年以上にわたりハチさんを育ててきた結果、ファミリーの養蜂場には、ジイジお手製の道具や独自のアイデアがあふれています。

今年は、巣板と巣板の間隔を従来の養蜂の12mmから、8mmに変更しました。2階建ての巣箱の場合、貯蜜が中心となる2階はこれまで通り12mmですが、自然界のミツバチの巣内の通路の間隔は約8mmであることがわかり、巣内がミツバチにとってよりふさわしい温度になるよう、子育てが中心の1階は8mm間隔に統一します。

8mm幅と12mm幅に切った棒を使い、正確に間隔をそろえます

前回ご紹介した木の花菌は、養蜂の現場でも活躍。自家製の玄米アミノ酸や、78種類の野草や野菜などから作った酵素と一緒にハチさんの餌に混ぜたり、巣に直接吹きかけて、元気なハチさんを育てるのです。

左から、砂糖水、酵素、木の花菌、玄米アミノ酸 (養蜂協会から入手する蜂餌用の砂糖は、国の補填によって通常よりも低価格となっており、養蜂以外の用途に流用されないように食用の色素で青い色を付けられています)

ミツバチの群は1匹の女王蜂と数万匹の働き蜂(すべてメス)、そして数千匹の雄蜂から成り立っています。働き蜂は羽化して1週目は幼虫のお世話や巣内の掃除、2週目は巣の門番や外から運ばれてきた蜜を受け取る係、そして3週目になると外へ出て蜜を集めるようになるなど、日数に応じて様々な役割を果たします。一方女王は巣の中で、1日1000個以上もの卵をひたすら生み続けます。

この日羽化したばかりの女王蜂(中央)。働き蜂よりも体が一回り大きく、羽化直後なので白っぽい色をしています。

「“女王”と言うといかにも群に君臨しているみたいだけど、実は新しい女王を産むタイミングや、雄蜂をどれだけ産むかなど、群をどう運営していくかを決めるのはみんな働き蜂。女王は働き蜂の言うがままに卵を産み続ける役割なんだよ。」
ミツバチの不思議な生態についていろんなことを教えてくれるジイジの話に、子どもたちも興味津々で聞き入っています。

そんな中、「あっ」という声がして、本日の養蜂隊員の一人であるあっくんが、受け取った巣板を巣箱の上に落としてしまいました。ハチに刺されて、思わず手を離してしまったのです。「コラ!何てことをするんだ。ハチに刺されたって、痛くたって、巣から手を離してはダメだ」とジイジから声が飛びます。
こうやって痛い思いをしても、子どもたちは「明日も行きたい!」とまた養蜂場へやって来るのです。

さて、子どもたちが運んだ巣板は、遠心分離機にかける前に、まず「蜜蓋」を切り落とします。

ハチミツは、花から運ばれてきていきなりできるのではありません。ミツバチたちは集めた蜜を自らが分泌する酵素と混ぜて巣房に溜め、羽で風を送り続けて水分を飛ばします。水分量が多いままでは時間が経つと発酵してしまいますが、十分に水分を飛ばして糖度が80%以上まで上がると、半永久的に保存できるのです。
十分に水分が飛ばされたら、ミツバチはミツロウを分泌して蓋をします。これが蜜蓋です。蜜蓋は、十分に濃縮されて完成したハチミツの証なのです。

切り落とされた蜜蓋。噛むとガムのようで、ミツロウとして様々に活用できます
蜜蓋を切り落とすと、中には黄金のハチミツが!

この巣板を遠心分離器に入れ、ぐるぐる回すと ────

ハチミツが出てきました♪ ( ≧▽≦ )ノ

分離器からトロトロと流れ落ちるハチミツは金色に輝いて、見とれるほどの美しさです。これぞまさしく甘露 ─── 天の恵みです。

野山に花が咲いているだけでは、ハチミツはできない。そこにミツバチがいて、そのミツバチの能力を十二分に発揮できるように関わる人間がいて、初めてこの豊かな恵みがもたらされます。それは自然とハチと人間の共同作業であり、この世界にはきっとそんな豊かな仕掛けがたくさんあるのです。

本日の養蜂隊員に加えて見学の子どもたちも到着したところで、みんなで一緒におやつタイム。

本日の養蜂隊員たちは毎朝早くに起きて、みんなの分のオニギリをにぎってきます。このおやつタイムも、みんなの大きな楽しみのひとつです。


今とれたばかりのハチミツもさっそく試食。春の花々のエネルギーいっぱいの、とっても美味しいハチミツでした。

おやつ後、子どもたちが何かを見つけて群がっています。聞くと、先ほどあっくんを刺したらしきミツバチが死んでいるとのこと。

ミツバチはいったん人を刺すと、その針が体から離れる時に内臓も一緒に引きちぎれて、死んでしまうのです。「おまえが刺されるからいけないんだぞー」と子どもたち。

人を刺して体から離れたミツバチの針

ミツバチは「自分さえよければいい」と個々が生きているのではなく、1匹1匹がそれぞれの役割を果たしながら、全体でひとつの生きもののように暮らしています。自然界のミツバチは、冬に食べ物がなくなってくると最後の1滴までをみんなで分かち合い、死ぬ時は一緒に死ぬのだそうです。そんなミツバチたちのあり方は、きっとこれからの人類のモデルになる ──── 今から25年以上前にジイジはそう感じ、ミツバチを飼い始めたのでした。

ジイジに初めてミツバチの飼い方を教えてくれた人は、創立間もない木の花ファミリーの暮らしを見て、こう言ったそうです。

「あなた達の暮らしは、ミツバチみたいだね。」

ジイジに「これ美味しいから食べてみて〜!」と自分のパンを食べさせるナオ

新蜜は、明日(5月16日)よりロータスランドの店頭に並びます。お越しになった方はぜひ味見をしてみてください(^v^)
今月末にはアカシアの花の採蜜も始まり、9月のそば蜜まで採蜜は続きます。豊かな自然の恵みをこれからもお届けしていきますね。

子どもたちの学校も間もなく再開。状況は日々刻々と変化していきますが、そんな中で子どもたちは毎日を新鮮に生き、確実に何か大切なことを学んでいるようです。

夜、みんなが寝静まった後のキッチンカウンターには、子どもたちにより明日のオニギリセットが用意されていました。

 


 

おなかの中から元気になろう!

その4
ハチミツ

いうわけで、今回のテーマはもちろんハチミツです。

ハチミツは嗜好品としてよりも、実は薬として珍重されていた歴史の方がずっと長いのです。もともとミツバチたちの保存食であるハチミツは、強い抗菌・抗酸化作用を持ち、粘膜を修復するはたらきもあり、ただ甘味料としてだけではない様々な使い方が知られています。

・粘膜を修復して喉の痛みをやわらげる
・子どもの咳にも効果的な天然の咳止め薬
・ストレスを取り除いて安眠をもたらす
・糖分がすでに分解されており寝起きの脳を活性化
・夏バテ時の栄養補給
・強い抗菌力で寝る前に舐めれば虫歯を予防
・傷口に塗ると治りが早まる
・なんと目薬にも!白内障や結膜炎の治療報告
・パックや化粧水に混ぜると美肌効果
・ガンや風邪、胃薬としての効果の報告もあり

その他、様々な栄養分を含みながら半永久的に腐らないので、非常時の保存食としても最適です。

*上記は、水あめ等を添加していない純粋なハチミツのはたらきです。
*花の種類によってはたらきにも違いがあります。(例:そばやアカシアは咳止め効果が高い、菩提樹は安眠効果に優れている等)ロータスランドでお求めの場合は、どうぞスタッフへお尋ねください。

ご飯とハチミツの美味しいレシピ 

お米2合に対し、通常の分量の水と小さじ一杯のハチミツを加えてよく混ぜ、30分ほど置いてからいつも通り炊きます。するといつもと同じお米がふっくらツヤツヤ、しかも甘みもアップ!
この甘みはハチミツの甘みではなく、ハチミツに含まれている酵素がお米のデンプンを分解して甘みを引き出してくれるのです。さらに保水性も高まって、ご飯ふっくら。ぜひお試しください♪ ヽ(=´▽`=)ノ

ネットショップでもハチミツ好評販売中です

 


田 ん ぼ より 🌾

今年の田植え 第一弾が 終了しました。
第一弾目の田植えが終了した田んぼ

木の花ファミリーでは、毎年4月上旬と5月下旬の2回に分けてお米の播種を行なっています。4月に播種した第一弾の苗たちは、今月上旬から次々と田んぼにデビューし、この度無事に全ての田植えが終了しました。

田植え初日は、場を清めて世界の豊穣を祈るご神事からスタート。

例年このご神事は「田楽田植え祭り」としてファミリー総出で行なっていますが、イベント自粛が呼びかけられている今年は田んぼファイブと数名のみで静かに執り行いました。

田んぼには、富士浅間木の花祭りにて世界中から届けられたご清水をひとつに融合した、調和の響きの御水が注がれました。

*富士浅間木の花祭りについてはこちらをご覧ください。

発芽から約3週間で、稲はここまで大きくなりました。

そして無事に、田んぼデビュー。

調和の響きに包まれて、すこやかに育ちますように ────

お米の播種第二弾は今月下旬、そして田植えは夏至の前後の予定です。
秋の収穫まで、田んぼ作業は駆け足で進んでまいります。
どうぞ稲の成長と共に、季節を感じてみてください。

 

 


【木の花のたより 】木の花菌〜目には見えない微生物のチカラ

こんにちは ☀︎

お米の播種から10日が過ぎ、ハウスでは稲がぐんぐん伸びています(๑˃̵ᴗ˂̵)و

朝の稲。朝露がキラキラ輝いて、とてもきれいです。

稲たちは、播種から3日で芽を伸ばし始めました。

播種後は育苗トレーの上に直接太陽シートをかけ、種もみを保護していましたが、芽が伸びてきたのでトンネルに切り替えました。

朝夕、シートの開け閉めをする育苗担当のみきちゃん

ところでこの稲の朝露、キラキラしてとてもきれいなんですが、このままにしておくと「いもち病」と言って稲につくカビが発生する原因にもなってしまうそうで、みきちゃんは毎朝シートを開けると、朝露を落とす「露払い」をします。

毎朝カタカムナのウタヒを奏上しながら 露払いをします

稲の上にT字型の露払い用の棒を滑らせて露を落とすと同時に、稲が倒されることで徒長(ムダに伸び過ぎること)が抑えられ、がっしりとした強い苗に育つのだそうです。

倒されることで よりたくましくなっていく稲の生命力!

お隣のいちごハウスでは、かずこちゃんが朝一番で収穫したいちごを、配送担当のゆうこちゃんが引き取りに来ていました。

あ!いちごの葉っぱにも朝露が!

でもこちらは、露払いは必要ありません。
いちごの葉先に付いている水滴は「葉水」と言って、夜の間にいちごが土から水分と一緒に養分を吸収し、余分なものを朝に葉先から外に出したもので、根がしっかり動いて養分を吸い上げている証拠なのです。

この現象は作物のみならず、道ばたの草だって、朝はこんなにキラキラしてます。

  
早起きは三文の徳(^v^)

  
ハウスで稲の苗がすくすく育つ一方で、田んぼでは稲たちを迎えるための準備が着々と進んでいます。冬の間は水を抜いていた田んぼに、いよいよ水が入り、「代かき」が始まりました。

一番最初に田植えをする予定の宮ノ下の田んぼ。代かきしてるのは田んぼファイブの1人、かまちゃんです。

田んぼは秋の稲刈り後から春までの間に、3回耕起をします。繰り返し耕起することで、稲刈り後に田んぼに残った稲わらをよく分解し、微生物を活性化させるのです。そして田んぼに水が入ったら、田んぼの表層の泥の粒子を細かく砕いてとろとろにし、全体を平らにならす代かきを「荒代かき」と「本代かき」の2回行います。
代かきには、泥をとろとろにすることで稲が根付きやすいようにしたり、全体を平らにして水の深さを均一にすることで稲の生育をそろえたり、雑草の種を土中に埋め込んで草を生えにくくし、土中の有害なガスを抜くなど、様々な意味があります。ハウスで元気な苗を育てることも重要ですが、やがてその苗がデビューする田んぼの環境をしっかり整えておくことも、同じように重要なのです。

こちらは代かき前の田んぼ。草が生えていたり、まだデコボコしてます。

こちらは荒代かき後の田んぼ。全体が平らになっているのがわかるでしょうか。

田植えの5日前にもう1度、今度は本代かきをします。最近は寒い日が続き苗の生育が少しゆっくりになったので、今年最初の田植えの予定は当初よりも少し遅れ、5月1日ごろになりそうです。

稲の成長はこれからもレポートしてまいります。

乞うご期待っ!(`ε´ )ゞ

 


 

おなかの中から元気になろう!

その3

  木の花菌  

木の花ファミリーでは、EM菌を種菌とした微生物の集合体「木の花菌」を独自に培養しています。

EMとはEffective Microorganisms(有用微生物群)の略で、乳酸菌や光合成細菌、酵母など、自然界にも存在する環境にも人にもやさしい善玉菌の集合体です。木の花ファミリーではこれを種菌として、ビワの葉、クマザサ、アカマツなどの抗酸化力の強い葉っぱを使い、そこに付着する土着の微生物や植物のエキスを取り込み、自家製の玄米アミノ酸等を添加して微生物のはたらきをさらに高めながら、十日間をかけて木の花菌を仕込みます。出来上がった木の花菌は、畑の作物や養鶏、養蜂に活用されるほか、人間もジュースにして飲んでいます。

仕込みから十日目の、絞る前の木の花菌。様々な葉っぱやみかんの皮などがつけ込まれています。

木の花菌とは、ただ1種類の微生物のことを言うのではなく、多種多様な微生物が相乗効果によって有用なはたらきをしてくれる、言わば微生物の共同体です。
農業でも微生物資材の活用がうたわれて久しいですが、そもそも私たちは、微生物に支えられて生きています。土壌1gの中には1億〜10億の微生物がいると言われ、微生物が活発にはたらき多様性のある土壌は健康で、作物も元気に育ちます。そして人体には、なんと1,000兆もの微生物が棲みついていると言います。ウィルスが話題の昨今ですが、そもそも私たちは微生物なしでは生きられず、どのような微生物と共生するかによって、体のみならず、心の健康状態も大きく変わってくるのです。

思えば地球上に最初に誕生した生命も、微生物。微生物はこの世界で命が現象化する最初の姿であり、それだけ微細で、生命の源の美しいエネルギーそのままの純粋な存在です。微生物が豊かで活性化しているということは、それだけそこに豊かな生命エネルギーが満ち溢れているということ。それは自然の自浄能力を高め、生物の免疫力も自ずと向上していくのです。

そんな微生物たちを培養した木の花菌の仕込みを担当しているのが、畑のエース・ひろみちゃんです。

学生時代に木や花について勉強していたひろみちゃんは、食べ物ではないがために、公園などの木に野菜以上にたくさんの農薬が使われるのを見ながら「何か他にないのかな」と思っていました。そしてEM菌の存在を知り、その勉強会で「富士山麓でEMを使って有機農業をしている団体がある」ことを聞き、おもしろそうだと思って「けっこうミーハーな気持ちで」木の花にやってきて、木の花菌に出会いました。

出来上がった木の花菌を絞り機を使って絞るひろみちゃん
絞った後の木の花菌。phは3.5前後。乳酸発酵の甘酸っぱいやさしい香りがします。

木の花菌を絞りながら、ひろみちゃんはメンバーになった経緯を語りました。

「初めてここに来た後、当時旦那さんと1歳の娘がいたけど、私ここに滞在したいって言って、ひと月生活体験をしたの。それで、なんかいいな、なんか大事だな、という気持ちを持ってまた元の生活に戻ったんだけど、その後なぜかトントン拍子で離婚する話になってね。」

そしてメンバーになったものの、「自分はこの生き方を大事だと思っているのだから、簡単にここに住める」と思っていたら次々と自分のエゴが出てきて「非常に大変な時期が長く続きました。」

「私ね、人間は愚かしいものだって思ってたの。バカなことばっかりしてさ。でも、人間を愚かしいと思いながら、その中に自分が入ってなかった。自分もその中の一員で、同じように環境を汚染したり、地球を汚してるってことはわかってなかった。」

自分の実態を突きつけられて逃げ出したいような気持ちになっても、ジイジから「世界を変えることはできなくても、自分ひとり分、世界をきれいにできるんだぞ」と言われたひろみちゃんは、とにかくここに居続けることが大事なんだと自分に言い聞かせ、「必死にしがみついてた」と今は笑います。


*ひろみちゃんのお話の全容については「ひろみちゃんと木の花菌の物語」をぜひご覧ください。

木の花菌を仕込む時に心がけていることがあるかを聞くと、即座に返ってきた答えが「自分は無し」

「この世界はもともと美しいものだから、自分が余計なものを入れずに、ただこの世界の仕組みのままにこれが仕上がれば、必ずきれいなものができる。自分はそのお手伝いをするだけ。」

原料のビワの葉っぱの収穫

こういうものはこれからの時代にますます必要になってくるから、世の中により広がっていくようにという意識で関わっていくことが大事、とひろみちゃんは言います。そんなひろみちゃんの心に、印象深く残っているエピソードがあります。

「木の花菌を作り始めたのはジイジ。ジイジは40歳の時にそれまでの仕事をやめて、最初は慣行農法を勉強し始めたけど、慣行農法にはいろいろ問題があったから、有機農法に進んで、化学肥料ではなく堆肥を使うようになった。そこからさらに、もっと何か良いものはないだろうかって探していった時に、新聞の片隅に、EM菌を使ってスイカを育てている人の記事を見付けた。それで、そこに出かけて行ったところからジイジとEM菌の出会いが始まるんだけど、そこの家の近くの、何でもない道沿いの川とか、野の草とかが、キラキラして見えたんだって。何かが開かれる。そう感じたんだって。
何か大事なことに出会う時に、そんなふうに世界がキラキラして見えるって、すごいよね。」

そんなひろみちゃんにとって、農業のだいご味とは何かを聞いてみると ────

「土を踏んで、お日様を浴びて、作物に触れて、この世界の仕組みを感じられること。
私たちはひとつの太陽、ひとつの大地、ひとつの水、ひとつの空気、ひとつの風、ひとつの命・地球のもとに生きている。 そういつも言葉で語られていることが、土の上に立っているからこそ、本当だって全身で感じられる。」

学校がお休みになっている今、ファミリーの子ども達は毎日半日は勉強、半日は畑に出たりして、土に触れながら過ごしています。



今、世界中で様々な経済活動が停止していますが、どんなに経済が停滞しようとも、土と共に生きることに変わりはないのです。

これからも土と共に、天と共に生きながら、皆さんに美味しい野菜やお米を届けていきますね!(^▽^)

 


 

カフェ&ショップ ロータスランド

飲食部門一時休業のお知らせ


いつもロータスランドをご愛顧いただき、ありがとうございます。
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、閉店時間を早めての営業を続けてまいりましたが、現在の社会情勢を踏まえスタッフで話し合いを重ねました結果、4月25日(土)より、飲食部門を一時休業し、ショップのみの営業とさせて頂くこととなりました。
いつもロータスランドの食事を楽しみにしてくださっている皆さまへはご不便をおかけしてしまいますが、お持ち帰り用のお惣菜やパン、お弁当などをご用意いたします。また、おなじみのデザートやはちみつ、野菜、雑貨なども引き続き販売してまいりますので、どうぞお立ち寄りくださいね。

営業時間は以下の通り変更となりますのでご注意ください。

4月25日(土)より
ショップのみ営業 *飲食部門はお休みとなります
営業時間 9:00〜18:00
(定休日は毎週月曜日のまま変更はありません)

自家栽培の食材を使った菜食弁当、550円。数に限りがございますので、売り切れの際はご容赦を!
特設テントで野菜苗も販売中です♪

これからも、社会の動向に沿いながら、より良い店づくりに励んでまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします( ≧▽≦ )ノ

 


ひろみちゃんと木の花菌の物語 〜 世界を変えることはできなくても、自分は変えられる

木の花ファミリーでは、EM菌(Effective Microorganisms:有用微生物群)を種菌として独自に培養した「木の花菌」を、農業や日常生活の様々な場面で活用しています。この木の花菌の培養を担当しているのが、畑のエース・ひろみちゃんです。
ベビーフェイスでダンプカーを乗り回し、畑隊随一の仕事師であるひろみちゃんは、今から14年前にメンバーになり、ほどなくしてジイジ(当時はいさどん)から木の花菌の培養を引き継ぎました。木の花菌は、仕込みから三日おきに微生物たちに餌を与え(三三九度)、十日目で完成します。今日は、その十日目に仕上がった木の花菌を絞りながら、ひろみちゃんが語ってくれた話をご紹介します。

絞り機を使って木の花菌を絞るひろみちゃん

—— ひろみちゃんは、どうして木の花に来たの?

学生時代に、花や木の勉強をしていてね。花や木は食べるものではないから、野菜よりもさらにたくさんの薬が使われてたの。公園でも、たくさん薬を使って木を管理してた。それで「何か他にないのかな」って思った。こんなに薬漬けでイヤじゃん、て。その時に、EM菌というものがあることを知ったんだ。
当時は庭とか木に興味を持っていたから、こういうものでいろんなところを管理できるようになったらいいなって思った。それで調べてみて、卒業研究でもEM菌に関わることを取り上げて、ますますこれは大事なものだと思った。でも当時は店舗の設計や庭の施工の仕事をしていて、別に農業をしようとは思ってなかったから、それはそれで仕事に使うとか、お家で生ごみ処理をするとか、そういうことに使ってたよ。

結婚して子供ができて、ちょうどその頃、地域にEMの勉強会のようなものができて、そこに参加するようになったら、そこで「富士山麓でEMを使って有機農業をしてる団体があります」ということを聞いたの。へぇーと思って、どんなところか調べてみると、自給自足をしていると書かれてた。それで、おもしろそう、と思ってね。

木の花に来たばかりのひろみちゃんと、ジイジ

当時子供も生まれて、自給自足とか、自然に沿った生き方とか、健康な食事とかに興味を持ち始めていたところで、「私が見たいものがみんなあるかも」と思って、まあけっこうミーハーな気持ちでここに来たんだよね。当時はみちよちゃんとか、エコビレッジ運動に関わる人たちがどんどんやって来てた頃で、私はそれよりもちょっと先だったけど、彼らと同期。でも私は共同生活がどうとか精神性なんて全く考えてなくて、ただちょっと面白そうだな、とここにやって来たんだ。
そうしたら、ここには木の花菌というものがあった。それで、当時木の花菌を担当していたジイジの助手をすることになって、昔勉強していたEM菌を種菌にして培養する木の花菌に関わるようになったんだ。

木の花菌を絞りながら、ひろみちゃんは当時を振り返りました

—— 実際に来てみてどうだった?

最初は、EMの勉強会のツアーで50人くらいの人と一緒に来て、ご飯食べて見学してコンサートを聴いて帰るというものだったけど、実際に来てみて、「なんかおもしろそう」って思った。それで、当時旦那さんも子供もいたけど、「私ここに滞在したい」っていきなり言い出してね。それで旦那さんを置いて、1歳の娘を連れてここで生活体験をすることにした。その後旦那さんもここに来て、ひと月という時間を木の花で過ごすことになったの。そのひと月の間に、なんかいいな、なんか大事だな、という気持ちを持って、また元の生活に戻ったんだけど、元の生活に戻った時は、別にここに移住しようなんてことは全く考えてなくて、月に1回ぐらいの感じで遊びに行けたらいいなって思ってた。
だけどその後なぜか、とんとん拍子に離婚する話になってね。旦那さんは「あなたが木の花が好きなら、そっちに行ったらいいじゃないか」って言い出して。だけどね、それは本心じゃなかったと思う。だって私がいた方がご飯も作ってもらえるし、可愛い子供もいるしさ。そんなこと本心じゃなかったんだろうけど、旦那さんという人はそんなこと言っちゃって、それで私という人は「じゃあ行く!」と言っちゃって。なんかほんとにトントン拍子にそんな話になった。木の花にひと月滞在したのは、11月から12月にかけてだったかな。その後確か3月くらいに離婚することになって、5月には木の花に移住して、ここに住み始めたね。

—— 住んでみてどうだった?

(少し笑って)自分はね、ここに住めると思ってた。だってこの生き方は大事だ、ここで生きていくんだ、と思ってたから、簡単に住めると思ってた。それで最初はご機嫌で過ごしてたんだけど、そのうちにだんだん自分のエゴというか、ボロがどんどん出てきてね。住んでみて非常に大変だ、という時期が長く続きました。自分のことをいいものだと思ってたからね。みんなから自分の心のクセを伝えてもらっても、「責められてる」って思ったり、そんな非常に性格の悪い人でした。
でも、みんなにたくさん心をかけてもらって、時間をかけてもらって、ようやくみんなが言っていることが、だんだんだんだん、ちょっとずつちょっとずつ、わかってきた。自分がどれだけ大バカものなのか、ということが、ちょっとずつちょっとずつわかってきて、自分は本当にものが見えない人なんだ、ってことが、ここにいたからわかった。自分の実態を知って、さらには世の中のこととかこの世界の仕組みとか、もっと広い世界観を教えてもらって・・・・・ありがたいね。ありがたいというか、奇跡というかね、そんな生き方に出会ったことが「すごい!」って、いつも思ってる。

ここに来なかったら、本当にちっちゃな自分の家庭の枠の中で生きてた。それを思うと本当に「ありえない人生を生きているな」と思う。でもそれが、本当の人の生きる道なんだけどね。ここに来なかったら、きっと気付かなかったろうね。だから大事、というか、当たり前のプロセスの中にいるな、って思う。

—— 辛いと思った時に、何でやめなかったの?

確かその当時の世界の人口が60億人で、ジイジがこう言ったの。「世界を変えることはできなくても、自分は変えられるんだぞ。60億分の1、地球がきれいになるんだぞ」って。それを聞いて、そうか!って思った。
もうひとつはね、その自分の悪いクセは死ぬまで続くんだぞ、って言われて、「そうなんだっΣ(´Д`; )」って思ったの。さらにはね、死んでも魂として残るんだぞ(※)、って言われて、「えーーーっっΣ(`Д´;ノ)ノ」て思って、そうか、じゃあ今やるしかないんだ、って(笑)。逃げられるものなら絶対逃げ出してたと思うけど、どこに行ってもその自分からは逃げられないんだってことがわかって、じゃあここでちゃんと心を磨くことが一番大事なんだって思ってね、ここに居続けた。その時には、世の中を良くしようとかそんな思いはなくてさ、実は。最初はね、世の中を良くしようと思ってここに来たけど、どうやら自分はそんな器のものではないということを知ってからは、もう逃げ出したいーーやだーーって思ったりもしたけど、でもここにいることが大事なんだーー、って、必死でしがみついてた。そんな感じだった。本当に、人の言うことがわからなかったからね。

※人間の一生と魂の仕組みについては、全4回シリーズの「21世紀の死生観」をご覧ください。

—— 木の花菌を仕込む時に何か心がけていることはある?

この世界はもともと美しいものだから、自分が余計なものを入れちゃいけないって思ってる。ただこの世界の仕組みのままにこれが作られれば、必ずきれいなものができる。自分はそのお手伝いをするだけで、できるだけそれそのものの、美しいまんまで仕上がるといいなって思ってる。そこに、自分は無し!

仕込みから十日目の、完成した木の花菌

これができるまでの物語もおもしろくてね。
木の花菌を作り始めたのはジイジで、その時のことをよく語ってくれるんだけど、ジイジは40歳の時にそれまでの仕事をやめて、最初は慣行農法を勉強し始めたんだよね。だけど慣行農法にはいろいろ問題があったから、有機農法に進んで、化学肥料ではなく堆肥を使うようになった。そこからさらに、もっと何か良いものはないだろうかって探していった時に、新聞の片隅に、EM菌を使ってスイカを育てている人の記事を見付けた。それで、そこに出かけて行ったところからジイジとEM菌の出会いが始まるんだけど、そこの家の近くの、何でもない道沿いの川とか、野の草とかが、キラキラして見えたんだって。これから出会うものの何かを感じて、そんなふうに世界がキラキラして見えた。何かが開かれる。そう感じたんだって。
私、そのキラキラして見えたっていうのがすごく印象深かったの。EM菌との出会いは、とても大事なものだったんだと思う。何か大事なことに出会う時に、そんなふうに世界がキラキラして見えるって、すごいよね。

そこでちょっとEM菌をもらってきて、実際に使ってみたところからいろいろ研究が始まるんだけど、とにかくいろいろ試行錯誤して、最終的に今の木の花菌ができた。私がジイジから木の花菌仕込みを引き継いでから、余計なこともいろいろやったけど、それもそぎ落とされて、結局シンプルな形に戻ったなって思う。
今年は、木の花菌を仕込むタンクを新しいものに作り変えた。木の花菌の培養には、30度72時間という温度をかける必要があるから、当初は仕込み用のお風呂場で風呂釜にお湯を張り、その中にタンクを入れて培養してたの。でも3年くらい前に専用のタンクを作ってもらって、タンクの中に加温装置を入れて培養するようになったんだ。だけどそれだとタンクの中全体が均一に温まらなくて、加温装置の周りに焦げたようなものがくっついたりしてね。それでも「せっかく作ってもらったんだから、これでやらなきゃ」と思って続けてたけど、やっぱりうまくいかなかった。

お風呂を使って培養していた初代木の花菌タンク
中に加温装置を入れた2代目木の花菌タンク

それで、もう一度前のやり方に戻そうと思って、お風呂場のやり方を再現しようとしたら、ジイジからクレームがついたの。あの頃はお風呂でやるのがその時できる最良の方法だったからそれを使っていたけど、別にそれがベストなわけじゃないんだぞ、って。お風呂では、タンクの上半分がお湯から出ていたから、温度が均一にならなかった。それで今度はタンク全体がすっぽり入るくらいの大きな容器を探してきて、それにお湯を張り、その中でタンクを温めるようにしたら、すごくうまくいくようになった。液をすくい取るのも、最後に洗うのも、前よりずっとやりやすい。

全体が均一に温まるようになった現在の木の花菌タンク

私はただ昔のお風呂と同じものを作ろうとしていたけど、そうしたらそこに進化は何もなかった。うまくいかなかった前回の装置だって、お風呂でやっていたところから進化させたということで意味があるんだってジイジが言ってた。やっぱりいろいろ考えて、試してみて、ダメだったらまた次のやり方を考えるというシンプルなことなんだよね。状況なんてどんどん変わっていくから。木の花菌は木の花菌で確立されているから、仕込む内容を変えるとかいう余計なことはしなくていいことがわかったけど、物事に対して進化させていくのはすごく大事だと思った。いつまでも同じじゃなくて、常に考えて新しいことをやってみて、結果をもらって、また考えていく。ずっと同じでもいいというものもあるんだろうけれど、今はよいものでも、いつかは賞味期限が来る。だから、何にあたるにしても、常に進化させていく姿勢が絶対に必要だって思う。今は原理原則に沿っていても、明日は違うかもしれない。

いろいろ試行錯誤があったけど、やっぱりこういう技術って、この先ますます必要になってくることだから、世の中により広がっていくようにって意識で関わっていくことが大事だと思ってるよ。

私ね、人間は愚かしいものだって思ってたの。バカなことばっかりしてさ。でも、人間を愚かしいと思いながら、その中に自分が入ってなかった。自分もその中の一員で、同じように環境を汚染したり、地球を汚してるってことはわかってなかった。
ここに来て、人間は愚かなこともするけれど、その智恵をいい方に使っていけば、いい世界を創っていくことができるってことがわかった。自分の心の向け方次第で、世界を変えることができる。それは人間にしか与えられていない能力だよね。
作物にしても、これからきっと環境はどんどん厳しくなるだろうけど、そういう厳しい時代であっても、人間の叡智を使って、いろんな作物がある中でふさわしいものを選んでいったら、うまくいくものは絶対にあって、みんなで健康に幸せに生きていくことはきっとできる。本当に、神様はいつも共にあって、みんな与えてくれていて、こういった厳しい時代でも、私たちが生きていくためのヒントは必ず常に与えられている。だから心をきれいにして、直感でそれを感じ取って、うまく利用していくだけのことだよな、って思う。これから環境がどんどん変化していくから、ますます自然から「いただく」ということをやっていかないと、人間の力で作物を育てるのもだんだん厳しくなる時代がやって来るよ。

—— ひろみちゃんにとって、農業のだいご味って何?

やっぱり土を踏んで、お日様を浴びて、作物に触れて、この世界の仕組みを感じられること。その中に生きてるんだー、って思えること。
私たちはひとつの太陽、ひとつの大地、ひとつの水、ひとつの空気、ひとつの風、ひとつの命・地球のもとに生きています ————— そう、いつも言葉で語られていることが、本当なんだって思える。土に触れているから、それが本当だって、全身で感じられる。

ここに来た時には、よくわからないけどこの生き方が大事なんだって、ただ信じる心でやってきた。でも今、その意味をわかって、確信を持って生きていくことが大事なんだって言われ始めた時から、自分なんかがここにいるのはちょっと信じられないとかそんな気持ちもあったけど、ここからいいものを世界に発信していくんだって意識を持って日々を生きていこう、って思うようになった。本当に、みんなの手を煩わせて、心をかけてもらって、今でもまだいろいろあるけど、本当にちっちゃな自分が、ちょっとずつ周りが観えてきて、人が本来生きる道が今、明快に観えてきてる。だからそこに向かっていくんだって、今は思ってるよ。

 

畑のエースの心磨きの道のりは続く!

 


【木の花のたより 】お米ができるまで〜天が与えたパーフェクトフード

  おなかの中から元気になろう!    

その2

 

天が与えたパーフェクトフード

お米の播種(種まき)をしました!


播種を終えた田んぼ隊 通称「田んぼファイブ」(←今つけた)

農の1年の始まりの一大イベント、米の播種(はしゅ)。日本の歴史は米の歴史、と言っても過言ではないくらい、お米は日本人の暮らしと深〜い関わりのある作物です。神話でも、高天原(たかまがはら)という天上世界で天照大御神(あまてらすおおみかみ)が育てているのは、大根でもじゃが芋でもなく、お米なのです。

お米、特に玄米は、ビタミン、ミネラル、食物繊維などなど、人間が生きていくために必要な栄養素がバランス良く含まれるパーフェクトフードと言われます。しかもお米は育てるのにあまり手間がかからず、面積当たりの収穫量が多く、収穫後の加工もいらずにすぐ食べられて、保存性も高い。さらに、水の中で育てるので、水が山の落ち葉などから染み出した豊富な栄養分をたえず運び、有害な成分は洗い出してくれるので、畑の作物のように連作障害(※)が起きず、同じ場所でずっと作り続けることができます。
ほかにもお米のスゴさを語り出したら切りがない!まさしく、天の恵みの象徴のような作物なのです。

※連作障害
同じ場所で同じ作物を作り続けることで、土中に特定の養分が不足したり病気が発生するなど、作物の生育が悪くなること。

と、前置きはさておき、
そんなお米の播種のようすをご紹介します( ≧▽≦ )ノ

 
お米の播種の流れ

当日、朝6時半に田んぼ隊は育苗用のビニールハウスに集合。
お米の播種は、天の恵みを地上に芽吹かせる、言わばご神事の事始め。まずは心身を整え場を清めるべく、カタカムナ第5首、第6首を奏上。


カタカムナを奏上する田んぼ隊。カタカムナについてはこちらをどうぞ。

そして播種機に、予めふるいにかけて砂利などを取り除き、PHやEC(電気伝導度)を適正値に調整した育苗用の土と、種もみを投入。

播種機。ベルトコンベアー式に、育苗のトレーが左から右へ流れます。

こちらが種もみ。小さな芽が出ているのが見えるでしょうか。

実は種もみは、播種の2週間ほど前から「温湯種子消毒」というお湯を使った消毒を行い、予め「催芽(芽出し)」をしています。これによって、農薬を使わなくても病害虫を抑え、発芽のタイミングをそろえることができるのです。

こちらが、温湯種子消毒と催芽を担ってくれる装置、湯芽工房(ゆめこうぼう)くん。年季が入ってます(`ε´ )ゞ

まずは種もみを60度のお湯に浸して10分間殺菌し、いったんお湯から取り出して流水で冷却した後、今度は13度の水に浸して、積算温度(毎日の平均温度を足していった温度)が100度になるまで、1週間以上十分に浸種させます。

積算温度が100度を越えると芽が出始めるので、水温を30度まで上げて一気に発芽をそろえます。種もみがはと胸状態になって、1mmほど芽が出たら芽出し完了!冷たい水に入れて、それ以上芽が伸びるのを抑えます。

そしてなんと、洗濯機で脱水。

その後、カビることのないように天日で乾燥させます。

こうして準備が整った種は、播種の日まで温度5度の冷蔵庫の中で出番を待つのです。脱水機にかけられたり冷蔵庫に入れられたりしてもしっかり芽を出す、あっぱれなお米の生命力!🌾
もともと自然の世界では種が芽を出すタイミングはまちまちですがひとつの田んぼで稲の生育がバラバラではどの稲に合わせて稲刈りをすれば良いのかわからない、ということで、人間がこのように智恵を使い、発芽のタイミングをそろえるようになりました。「それでもやっぱり芽が出るタイミングはいろいろだけどね〜。まあ、人間と同じだわな」と田んぼ隊のじゅんちゃん。

さて、こうして迎えた播種日。苗のトレーを用意する人、播種機に土を入れる人、種の入ったトレーを運ぶ人、運ばれてきたトレーをハウス内に並べる人、並んだトレーに水をまく人、と、連携プレーで進んでいきます。

苗のトレーに ────

 ↓
播種機が自動で種を蒔き ────

 ↓
覆土された状態でトレーが播種機から出てきます。

 ↓
種の入ったトレーを、ハウスの中に並べていきます。

木の花ファミリーの座右の銘の一つが「畝(うね)の乱れは心の乱れ」。即ち、畑で畝をたてる時に畝がゆがんでいれば、それは心のゆがみの表れである。その精神はお米の播種にも受け継がれ、育苗トレーも一糸乱れぬ並びっぷりです。

目印のピンクの紐を張り、そこに沿ってトレーを並べます

並んだトレーにたっぷり2回水をあげたら、トレーの上に遮光性と保湿効果のある太陽シート、続いて保温性のあるホットンカバーをかけます。

こんなふうに田んぼ隊が連携プレーで播種をしていた頃、育苗ハウスから車で15分の「おひさまハウスひまわり」の厨房でも、忙しくて昼食を食べに帰って来られない田んぼ隊のために、キッチンスタッフが連携プレーでお弁当を用意していました。


特製コロッケを揚げるれいちゃん。


ピビンバを作るえいこばあちゃんと材料を運ぶはるちゃん。


出来上がった料理をお弁当箱に詰めるミホさん。

こうしてみんなの愛のこもったお弁当が田んぼ隊のもとへ✨✨

いただきまーす!(๑´ڡ`๑)

今年の米作りの抱負は、田んぼ隊曰く

「やるべきことをきちんとやる」。

去年はお米の作付けを減らしたけれど、収量は過去最高となりました。
田んぼ隊のゆうくんは言います。
「一昨年まではいろいろと新しい取り組みをやってきたけれど、去年、原点に帰り、地に足をつけて当たり前のことを当たり前にやったら、それが一番結果につながることがわかった。だから今年も、特別なことは何もしません。」
種を蒔くべきタイミングで蒔き、草を取るべきタイミングで取り、稲の声を聴き、自然の仕組みに沿って必要なことを必要なように行えば、自然はその通りの答えをちゃんと返してくれる。そういうふうに、この世界はできている、と。

昼食を食べ終わったら、しばし休けい。

休けい中、すぐ横のいちごのハウスに、いちご栽培担当のかずこちゃんがやって来ました。

日が陰って少し気温が下がったので、いちごのハウスを閉めに来たんだって。農作業隊はいつも、お天気と一緒に生きてます。


かずこちゃんの育てているいちご

無農薬でいちごを育てるのは大変なこともいろいろあって、毎年試行錯誤しているかずこちゃん。いちご栽培のコツを聴くと、やっぱり「いちごの声を聴くこと」。水は足りているか、温度はどうか、いつもいちごの顔を見ながら、自分の都合ではなくいちごの都合を最優先にして、できることをやっていく。「いちごは答えが早いから」。やってみて、答えをもらって、そこから学んでまた次のことをやる。そうやっていちごに育てられていく。


いちごハウスで飼われている蜜蜂。いちごの花の受粉をしてくれます。

かずこちゃんは趣味でアボカドやパイナップルやバナナも育てていて、バナナがこんなに大きくなったよ〜と見せてくれました。

さてさて、休けいが終わって再び播種開始。
「やるべきことをきちんとやる」方針の今年は、作付けを減らした分播種も例年より早く終了。ハウスにズラリと並んだトレーに太陽シートとホットンカバーをかけて完了です。

5日ほどしたら芽が出てくることでしょう。昔から「苗半作」と言われるように、丈夫な苗ができたら米作りの半分は終わったと言えるほど、苗作りは重要なのです。どうか今年も元気な苗が育ち、美味しいお米を届けられますように。

外に出ると、隣りのじゃが芋畑でひろみちゃんが一人黙々と土寄せをしていました。

そして家に帰ると、小雨が降り始める中、おひさまハウスひまわりの壁画をひとみちゃんが黙々と描いていました。

みんながそれぞれの場所でそれぞれの役割してます。
そんな天然循環な暮らしを表す壁画の完成も、着々と近付いているようです。

(ともこ)


 

\ お米を使ったおいしいレシピ /

米 麹 の 甘 酒


「飲む点滴」または「飲む美容液」とも言われる、米麹の甘酒。
甘酒と言えば冬のイメージがあるでしょうか。ところがなんと俳句では、甘酒は夏の季語。江戸時代の人々は栄養満点の甘酒が夏バテを予防することを知っていて、夏の名物として甘酒を売り歩いていたそうです。ちなみに、ここで言う甘酒とは酒粕で作る甘酒ではなく、米麹で作る甘酒のこと。酒粕の甘酒と違ってアルコール分がなく、お砂糖も使いません。お米のデンプン由来の自然な甘さで、酒粕の甘酒が苦手でも米麹の甘酒は好き!という人も多いのです。米麹の甘酒はオリゴ糖や食物繊維を豊富に含み、腸内の善玉菌を増やして免疫力をアップ!アミノ酸やビタミンB群、ミネラルなども豊富に含み、その成分は点滴と同じとも言われます。血行や代謝を促進して美肌効果が期待できるほか、イライラを抑制したり、老化の元となる活性酸素の発生を抑える効果もあるのだとか。そして何よりも、おいしいです(^v^)木の花ファミリーの甘酒は、天然循環法で育てたお米と自家製の米麹でできています。時間はかかるけど手間はかからず。人間が環境さえ用意すれば、あとは目には見えない微生物さんたちがおいしい甘酒を作ってくれるのです。以下、甘酒のレシピをご紹介します!

材料
・ご飯 350g
・浄水 300cc
・米麹 200g
 
作り方

  1. ご飯に浄水を加えて中火で3分ほど加熱し、少しかためのおかゆを作る。
  2. 火を止めて、おかゆを60度まで冷ます。
  3. 米麹をほぐし、おかゆとやさしく混ぜ合わせる。

    米麹と混ぜ合わせたおかゆ
  4. 3を炊飯器に入れ、温度が上がりすぎないようにフタを開けたまま、布巾をかぶせて保温。温度が55〜60度に保たれるよう調整する。

    温度が上がりすぎたら布巾をめくるなどして調整します
  5. 2時間おきにかき混ぜ、6時間でできあがり。(甘みを増したい時は8時間おいてもいいです。)

    6時間たった甘酒。お米の粒がなめらかになってとても美しいです。発酵してプクプク小さな泡が立ち、やさしい香りがします。

出来上がった甘酒は、水やぬるま湯でお好みの濃度にといてお召し上がりください。お湯が熱すぎると麹菌や栄養素が損なわれてしまうので、人肌程度の温度がオススメです。

甘酒作り担当のやーちゃん。

やーちゃん曰く、
「自分で作った甘酒だけど、飲んだ時に、なんて自己主張のない、やさしい味だろうって思ったの。きっと、米麹をほぐす時にやさしくやさしく手でほぐして、おかゆと混ぜる時もやさしく混ぜるからかなぁ。やっぱり関わる人の心が大事で、目には見えないけどいろいろあるんでしょう。だからいつもできるだけね、やさしい心で作るように心がけてます。」

古くから、神様への捧げ物ともされてきた甘酒。
そんな甘酒を、おうちで作ってみませんか。

 


 

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まりちゃんが立ち上げた木の花ファミリーオリジナルブランド「Mari-Kono」の立体麻マスクに注文が続々で、大人ミーティングにネット中継で参加しながら夜な夜なマスクを作るメンバーたち。昼は田んぼ隊のみきちゃんも夜はマスク作りに参戦!どんなに急いで作っても、品質は落としませんよ〜!(`◇´ )ゞ